女性の薄毛、FAGAとは？

女性で薄毛に悩んでいる人はいませんか？「薄毛？男性だけのものでしょ？」と思っているあなた！それは大きな誤解です。今は、男性だけでなく女性も薄毛になる時代なんです。

女性の薄毛はFAGAと言います。FAGAは「Female Androgenetic Alopecia」の略で、男性の薄毛のAGA「Androgenetic Alopecia」とは区別されています。

男性の薄毛（AGA）は、頭頂部が薄くなったり、生え際が後退するなど頭髪の一部分が薄くなることが多いですが、女性の薄毛であるFAGAは頭髪が全体的に薄くなることが多いんです。

男性とは違い、全体的に薄くなり、髪のボリュームが少しずつ減ってくるため、FAGAは初期の段階ではなかなか気づかないことも多いのが特徴と言えるでしょう。

FAGAのメカニズム

女性の薄毛であるFAGAは、なぜ起こるのでしょうか？FAGAのメカニズムを説明する前に、まずは男性の薄毛のAGAのメカニズムを説明します。

AGAのメカニズムは？

男性の薄毛のAGAは男性ホルモンが関係しています。男性ホルモンの1つにテストステロンがありますが、このテストステロンが5αリダクターゼという酵素の働きで、ジヒドロテストステロン（DHT）というホルモンに変化します。

このDHTは、髪の成長サイクルを乱してしまう作用があります。髪の毛は、髪の毛がぐんぐん伸びる成長期と抜ける準備に入る退行期、抜け落ちるのを待つだけの休止期の3つのサイクルで、髪の毛は生え変わります。

成長期の期間は通常2～6年です。でも、DHTは成長期を短くしてしまう作用があるので、髪の毛がきちんと成長する前に、抜け落ちてしまうため、薄毛になってしまうんです。

FAGAはなぜ起こる？

男性のAGAのメカニズムがわかったところで、次はFAGAのメカニズムを説明していきます。FAGAが起こる仕組みは、基本的にはAGAと同じです。DHTによって、髪の成長期が短くなることで起こります。女性にも男性ホルモンが分泌されていますから。

ただ、女性の場合は、女性ホルモンのエストロゲンが作用するので、男性に比べて薄毛になりにくいのです。エストロゲンは髪の成長期を伸ばす作用ので、DHTとは真逆の性質があるんですね。

そのため、薄毛になるのを食い止めているんです。ただ、何らかの理由でエストロゲンの分泌量が減ったり、健康な髪の毛が生えてこない頭皮環境になると、エストロゲンの作用よりもDHTの作用が強くなるので、FAGAが起こります。

それでも、女性はエストロゲンの分泌量がゼロになることはありませんので、男性のように一部分が薄毛になるのではなく、全体的に髪の毛が薄くなるのです。

FAGAの7つの原因

FAGAの原因を考えていきましょう。FAGAの原因はエストロゲンの分泌量が減ったり、健康な髪の毛が生えてこない頭皮環境ができてしまうことでしたよね。

では、なぜそのような状態になるのか、その主な原因を7つご紹介します。この7つの原因は単独でFAGAを起こすというよりも、複数の原因が絡み合って、FAGAを起こすことが多いです。

加齢

FAGAの原因の1つ目は、加齢です。FAGAは更年期以降の女性に多いんです。更年期になると、エストロゲンの分泌量が減り始めます。そして、閉経になると、一気にエストロゲンの分泌量が減ってしまうために、DHTの作用が強く出て、薄毛になってしまうんですね。

日本人女性の閉経は平均で50歳とされていますので、40代半ばごろから更年期に入ります。40代になってから、薄毛が気になりだした女性は、エストロゲンの分泌量が減ってきていることが主な原因と考えられます。

ストレス

FAGAの原因の2つ目はストレスです。ストレスも、女性の薄毛の原因なのです。

ストレスを感じると、自律神経のバランスが乱れて、ホルモンバランスが乱れます。そうすると、エストロゲンの分泌量が減るだけでなく、男性ホルモン（テストステロン）の分泌量が増えてしまうんです。

そのため、DHTが増えて、エストロゲンが減るという状態になってしまうので、FAGAが起こりやすくなるのです。

不規則な生活習慣

FAGAの3つ目の原因は、不規則な生活習慣です。夜更かしをしていたり、睡眠不足だったり、交代制勤務などで1日の生活リズムがまちまちだと、FAGAのリスクが上がります。

なぜなら、生活習慣が不規則だと、体内時計に狂いが生じて、自律神経のバランスが乱れてしまうからです。

自律神経のバランスが乱れると、ストレスの項目でもご紹介した通り、エストロゲンが減って、男性ホルモンが増えますので、女性でも薄毛になってしまうんですね。

生活環境の変化

FAGAは生活環境が変化することでも起こります。女性の薄毛が一気に進行するのは、引っ越した時や子供が自立して実家を離れた時、転職した時などが多いんです。

これは、生活環境が変化したことで、自分でも気づかないようなストレスを感じているためにFAGAの症状が進行進行しやすくなることが考えられます。

無理なダイエット

FAGAは無理なダイエットが原因になることもあります。女性の中には、食事を大幅に制限した無理なダイエットをしている人が多いですよね。

過度の食事制限をしていると、当然ながら栄養不足になります。栄養不足になると、健康な髪の毛を生やすために必要な栄養が毛根に送られなくなるのです。

髪の毛は生命維持にはそれほど重要ではありませんので、栄養配分は後回しにされるんですね。

毛根に栄養が行き届かなければ、健康な髪の毛は生えてこなくなり、弱い髪の毛しか生えなくなりますので、すぐに抜け落ちてしまったり、細くて切れやすい髪の毛になりますので、全体的にボリュームダウンして、薄毛になってしまうのです。

冷え性

FAGAの原因の6つ目は、冷え性です。冷え性に悩んでいる女性は多いと思いますが、冷え性になると、卵巣の働きが低下しますので、エストロゲンの分泌量が減ってしまって、FAGAを発症しやすくなります。

しかも冷え性は、毛細血管を収縮させて、血流を悪くしてしまうので、毛根に必要な酸素や栄養素が届きにくくなります。

そのため、冷え性の女性は若くてもFAGAになりやすいので、注意が必要なんです。

貧血

FAGAの原因の7つ目は、貧血です。鉄欠乏性貧血の女性は多いですが、貧血になると、毛根に酸素が十分に供給されないため、頭皮環境が劣悪化します。

そうすると、健康な髪の毛が生えにくくなりますので、薄毛が進行しやすくなるのです。

FAGAの改善方法10選

FAGAの女性は、薄毛を嘆く必要はありません。まずは自分でできる改善方法を実践して、髪の毛を生やすようにしましょう。

FAGAは日常生活の中のちょっとした工夫で、改善することも可能なんです。「髪の毛が薄くなった！どうしよう～（泣）」と嘆いていないで、まずはできることから始めてみましょう！

規則正しい生活を送る

FAGAの改善方法は、規則正しい生活を送ることです。規則正しい生活を送ることで、自律神経のバランスを整えることができます。そうすると、ホルモンバランスも整うのです。

自律神経とホルモンバランスは相互に影響しあっていますので、規則正しい生活を送って、ホルモンバランスを整えましょう。

ホルモンバランスを整えて、男性ホルモンの分泌量を減らし、エストロゲンの分泌量を増やせば、薄毛を改善させることができます。

このように規則正しい生活を送るようにしてください。もし、看護師さんなど夜勤があってどうしても規則正しい生活を送ることができない人は、できる範囲で実践するようにしてくださいね。

ストレスを解消する

FAGAの改善方法の2つ目は、ストレスを解消することです。ストレスを解消すると、自律神経のバランスが整うので、ホルモンバランスを整えることができるのです。

ストレスを解消する方法は、あなたに合ったやり方でOKです。どんな方法で解消すべきかわからないという人は、次のような方法を試してみて下さい。

このようなことで、ストレス解消をしてみましょう。ストレス解消方法について、もっと詳しく知りたい人は、【保存版】ストレスの原因＆解消法・発散方法11選まとめを参考にしてみてください。

質の高い睡眠をとる

FAGAの改善方法の3つ目は、質の高い睡眠をとることです。グッスリと深い眠りにつくことで、ストレス解消になりますし、新陳代謝を促すための成長ホルモンの分泌量が増えます。

また、自律神経のバランスを整えるのにも役に立ちますので、FAGAを改善することができるんです。

質の高い睡眠をとるためには、次のことに注意してください。

このようなことに気を付けると、グッスリと眠ることができるはずです。FAGA改善のためにも、健康のためにも、質の高い睡眠をとるようにしましょう。

禁煙をする

FAGAを改善するためには、禁煙をしましょう。タバコは交感神経を優位にして、血管を収縮させるので、頭皮環境を悪化させてしまいます。

また、タバコは卵巣の働きを低下させる作用もあるのです。

喫煙によって、ニコチンは卵巣の血流減少を起こし、一酸化炭素により酸素欠乏が起こり、女性ホルモン（とくに卵胞ホルモン・エストロゲン）を作るための 酵素の働きを低下させるため、女性ホルモンができにくくなります。

 

引用：女性とタバコの害＜村口きよ女性クリニック＞

喫煙をしていて、FAGAの症状に悩んでいる人は、今すぐ禁煙しましょう。そうすれば、FAGAの進行を止めることができます。

喫煙はFAGAだけでなく、健康に害を与えるものです。美容にも悪いですね。タバコは百害あって一利なしですから、今日から禁煙してください。

湯船に入って入浴する

FAGAを改善するためには、入浴はシャワーだけで済ませず、湯船に入って入浴しましょう。湯船に入って体をしっかり温めることで、冷え性を改善することができますので、卵巣の機能をアップさせることができます。

卵巣の機能がアップすれば、エストロゲンの分泌量が増えますので、FAGAを改善することができます。

また、湯船に入って入浴すると、リラックス効果もありますので、自律神経のバランスが整って、ホルモンバランスが改善しますので、薄毛の進行を止められるのです。

無理なダイエットはしない

FAGAの改善方法の6つ目は、無理なダイエットはしないことです。ダイエットをするのは悪いことではありません。でも、無理なダイエットはNGです。

せっかく痩せても、栄養不足でFAGAになって、薄毛が目立ってしまったら嫌ですよね。きれいにダイエットをするためにも、薄毛にならないためにも、無理なダイエットは止めて、ほどほどの食事制限と運動で痩せるようにしましょう。

確実に痩せたい人は、筋トレ＋食事制限ダイエットは必ず痩せる！痩せない時の6つのチェックポイントを参考にすると、健康的にしかも確実に、FAGAに悩まずに痩せることができると思います。

頭皮マッサージをする

頭皮マッサージをすることでも、FAGAを改善することができます。頭皮マッサージをして、頭皮の血流を良くすることで、健康な髪の毛が生えてくるのに必要な栄養や酸素を毛根に届けることができます。

ただ、爪を立てたり、強すぎる力でマッサージをすると、頭皮を傷つける可能性がありますので、注意してくださいね。

紫外線対策をする

FAGAを改善したい人は、紫外線対策をしましょう。FAGAは女性ホルモンの分泌量を増やして、男性ホルモンの分泌量を改善することが大切ですが、頭皮環境を整えることも大切です。

あなたは、頭皮の日焼けを気にしていますか？頭皮の日焼けは頭皮環境を悪化させますので、薄毛を進行させるんです。

FAGAに悩んでいる人は、頭皮環境を考えて、頭皮の紫外線対策をしましょう。

スプレータイプの日焼け止めは、頭皮に使うことができますので、おすすめです。帽子で頭皮の紫外線対策をする時には、通気性の良いものを選んでください。汗で蒸れることも、薄毛には良くありませんから。

市販の育毛剤を使う

FAGAを改善するためには、市販の育毛剤を使ってみるのも良いでしょう。女性用の育毛剤はたくさん販売されています。

医薬部外品のものが多いですが、リアップジェンヌのように医薬品のものもありますので、いろいろ成分を比べて、試してみると良いと思います。

ただ、育毛剤を使うだけで、生活習慣等をまったく変えない場合は、あまり効果がありませんので、ご紹介した改善方法を実践しつつ、育毛剤を使うようにしてくださいね。

FAGAの治療をしているクリニックを受診する

FAGAの改善方法、最後はクリニックを受診することです。FAGAはクリニックで治療できます。男性の薄毛治療（AGA治療）を行っているクリニックが増えてきています。

そして、AGA治療を行っているクリニックでは、FAGAも治療ができるところが多いので、思い切ってクリニックを受診してみてください。

FAGA治療は保険が効かない自費診療になりますが、それでも医薬品を使った治療ができますので、FAGAを改善することができるんです。

FAGAのメカニズム・原因・改善方法についてのまとめ

FAGAのメカニズムや原因、改善方法をまとめました。FAGAは更年期以降の女性に多いですが、若い女性でもなることがあります。「最近、髪の毛が減ってきたかも」、「抜け毛が気になる」という女性は、早めにご紹介した改善方法を実践するようにしましょう。