「メラニズム」という言葉を聞いたことがありますか?もしくは、真っ黒なニワトリやヘビ、ペンギンなどを見たことがあるでしょうか?
アルビノの逆と言われているメラニズムとは何か、メラニズムの動物画像、人間、特に日本人にはメラニズムはいるのかをまとめました。
アルビノの逆!メラニズムって何?
メラニズムという言葉を聞いたことがありますか?メラニズムは「メラニン」から派生した言葉で、ギリシャ語で「黒い色素」を意味する単語が由来になっています。
メラニズムとは、メラニンが過剰に産生される状態のことです。私たちの髪の毛、肌、目(虹彩)はメラニン色素で色がついています。
一般的な日本人は、髪の毛は黒で、虹彩は黒から茶色、肌はベージュの色をしていますよね。ただ、人によって肌や髪の色は少し違います。
世界的にみると、人種によって肌や髪、目の色は違います。これは、メラニン色素の量が違うからです。
このメラニン色素が過剰に産生されると、肌も髪の毛も真っ黒になってしまいます。これが、メラニズムです。
メラニズムは、アルビノの逆?
アルビノは有名ですよね。髪の毛や肌が真っ白な人たち、動物たちのことです。アルビノは、体内でメラニン色素を合成することができない、もしくはほとんど合成できないために、髪の毛や肌が真っ白になるんです。
こちらは、アルビノのモデルのナスチャ・クマロヴァさんの画像です。
出典:vk.com
メラニズムは、このメラニン色素が過剰に産生されるために起こるものなので、ある意味、アルビノの逆といえるのですが、アルビノは劣性遺伝であるのに対し、メラニズムは優性遺伝であるとされています。
メラニズムの動物画像のまとめ!
メラニズムの動物たちの画像をご紹介します。メラニズムは多くの哺乳類で発見されていて、イヌ科やネコ科の動物、リスなどがいます。また、鳥類や爬虫類でも発見されています。
こちらはメラニズムの豹です。
画像がちょっと小さいですが、同じジャガーでも、メラニズムとそうでない健常種を比べてみると、その差は一目瞭然です。
メラニズムのペンギンです。健常種はお腹部分は白いのに対して、メラニズムのペンギンはお腹まで真っ黒になっています。
メラニズムのニワトリ、黒々としていて、トサカやクチバシ、目まで真っ黒です。
このキリンは真っ黒というわけではありませんが、ほかの一般的なキリンと比べると、明らかに黒く、メラニズムであることがわかると思います。
メラニズムのトカゲです。本当に真っ黒で、黒光りするほどきれいで光沢がありますね。
こちらはメラニズムのオオカミです。雪の白さとの対比が美しく、芸術的な感じさえします。
これは、メラニズムの蛇です。メラニズムのヘビは皮膚だけでなく、舌や目まで真っ黒なんですね。これが、夜の闇に紛れていたら、絶対に見つからなそうです。天敵から身を守るためにも、逆に獲物を狙う時にも、メラニズムは役に立ちそうですね。
メラニズムのスズメ。黒の羽が美しくかわいらしいですね。
メラニズムのリスです。リスはもともと茶色なので、メラニズムになってもそこまで違和感はありませんし、このメラニズムのリスはヘビなどと比べて、そこまでメラニンが強くない、黒々としておらず、茶色が残っているので、自然界にいても、そこまで目を引かないかもしれませんね。
メラニズムのアシカです。アシカはもともとはグレーがかった色をしていますが、このメラニズムのアシカは、まるで墨汁をかぶったかのように、全身が真っ黒です。目も真っ黒ですね。
最後は、メラニズムの馬です。単なる黒毛の馬とは違い、全身が黒々としていて、とても美しくカッコいいですね。
メラニズムの動物は、進化の証?
メラニズムの動物たちをご紹介してきましたが、メラニズムの動物は優性遺伝であり、自然界に適応してきた証なのではないかということが、英語版のWikipediaに書かれていました。
確かに、全身が真っ黒だと、闇に身を隠しやすいので、天敵から身を守ることができるというメリットがあります。また、身を隠すことで、獲物を捕獲しやすくなります。
また、メラニズムの動物たちは、免疫力が高く、強い個体である可能性が高いんです。メラニズムの動物たちは、皮膚にメラニン色素がたくさんあります。ということは、紫外線にとても強いということになります。
紫外線を浴びると、通常は肌に活性酸素が生じてしまいます。それを除去するのがメラニンなのです。活性酸素は増えすぎると、がんや生活習慣病の原因になることがわかっています。
メラニズムの逆であるアルビノは、メラニンがないので、紫外線を浴びると、皮膚がんのリスクが高くなってしまいます。でも、メラニズムは逆に皮膚がんのリスクが非常に低く、ほかのがんや生活習慣病のリスクも低くなるのです。
また、皮膚では紫外線を浴びることで、ビタミンDを産生することができます。ビタミンDは、骨を強化する働きがあります。さらには免疫力をアップさせて、がんや生活習慣病を予防する効果もあることがわかっているんです。
実際に、メラニズムのニワトリはウイルス感染に対する耐性を持っていることがわかっています。
メラニズムは、これだけたくさんのメリットがあり、優性遺伝であることから、メラニズムは動物の進化の証なのかもしれませんね。
メラニズムの人間はいるの?日本人は?
メラニズムの動物たちをご紹介してきましたが、メラニズムの人間はいるのでしょうか?日本人にメラニズムはいるのでしょうか?
いろいろ調べてみましたが、メラニズムの日本人はもちろん、人間も「この人はメラニズムです!」とか「私はメラニズムです!」という人は確認されていないようです。
メラニズムの逆のアルビノは「先天性白皮症」や「眼皮膚白皮症」という正式な病名がつけられていますが、メラニズムは疾患としても見つけることができません。遺伝性色素異常症という病気はありますが、メラニズムとは違います。
これを考えると、日本人のメラニズムどころか、人間のメラニズムも存在しないのではないかと思います。同じ哺乳類でたくさんのメラニズムが発見されているのですから、人間のメラニズムがいても、おかしくないと思うのですが。
ただ、可能性として1つ考えられるのは、人間にとってのメラニズムは黒人なのではないでしょうか?白人、黄色人種、黒人、この違いはメラニン色素の量です。当然のことながら、黒人は私たち黄色人種に比べると、メラニン色素の量がとても多いんです。
これを考えると、人間のメラニズムは黒人に近いのかなとも思います。先ほどご紹介したメラニズムのキリンや豹の画像を思い出してみてください。
一般的なキリンや豹を黄色人種と考えると、メラニズムのキリンや豹は人間にとっての黒人に近いと思いませんか?
もしかしたら、人間にもメラニズムはいて、ただ表舞台に出てきていないだけなのかもしれませんが、これだけの情報化社会の中で、メラニズムの人間の正確な情報が全くないのは、人間にはメラニズムはいない、もしくは人間のメラニズム=黒人なのかもしれません。
ちなみに、「メラニズム 日本人」で画像検索をすると、松崎しげるさんが出てきます。
出典:gossip1.net
皆さん、うすうす気づいてはいると思いますが、松崎しげるさんは日本人の中では色黒ですが、メラニズムではありません。色黒&日焼けで普通より皮膚の色が黒いだけです。
メラニズムについての総まとめ
・メラニズムは、イヌ科やネコ科の哺乳類の動物に多く発見されている
・メラニズムの動物たちは免疫力が高く、強い個体である可能性がある
・人間のメラニズムは、現在確認されていないが、黒人が近いとされている
アルビノの逆といわれているメラニズムと、メラニズムの動物画像のまとめ、メラニズムの人間や日本人はいるのかどうかをまとめました。
メラニズムはメラニン色素が多くなっている状態で、メラニン色素が全くない、もしくはほとんどないアルビノとは逆です。
メラニズムの動物はたくさんいますが、人間では現在のところ確認されていません。ある意味、人間のメラニズムは黒人の人たちなのかもしれませんね。