テレビ朝日「徹子の部屋」の司会として、同一司会者によるトーク番組の最多放送世界記録保持者の記録を持つほど長年にわたって芸能界で活躍し続けている黒柳徹子さん。
「徹子の部屋」以外にも、「世界ふしぎ発見!」などの長寿番組のレギュラー出演者としても知られており、また、著書「窓ぎわのトットちゃん」が累計800万部という驚異的な売上を記録するほどの大ベストセラーとなったことでも知られています。
今回は黒柳徹子さんが幼少期に患っていたとされる発達障害についてまとめてみました。
この記事の目次
黒柳徹子さんのプロフィール
出典:http://ikoi-setagaya.jp/
名前:黒柳徹子(くろやなぎ・てつこ)
出身地:東京府東京市赤坂区
生年月日:1933年8月9日
最終学歴:東洋音楽学校声楽科
父親は音楽家で、NHK交響楽団のコンサートマスターも務めたヴァイオリニストの黒柳守綱、母親は声楽科でエッセイストの黒柳朝、弟はヴァイオリニストの黒柳紀明、妹はバレリーナでエッセイストの黒柳眞理という音楽・芸能一家に生まれた黒柳徹子さん。
幼少期は(今で言う)注意欠陥多動性障害(ADHD)・学習障害(LD)と推測される問題児だったそうで、尋常小学校を1年生で退学処分となり、トモエ学園に転校されています。
トモエ学園卒業後は、香蘭女学校、東洋音楽学校(現:東京音楽大学)に進学。1953年にテレビ女優第一号として日本放送協会に入局しました。
1958年の第9回NHK紅白歌合戦では紅組の司会を務め、その後も22年後の1980年から4年連続(2015年も司会を務めたため)通算6度に渡って紅白歌合戦の司会を務めるなど、司会者としての才能はこの頃からすでに見出されていたようです。
1976年、テレビ朝日で自身初となる冠番組「徹子の部屋」が放送開始。1978年からはTBS音楽番組「ザ・ベストテン」も放送開始となり、ゲストと黒柳さんのトークは大いに茶の間を沸かせることとなりました。
1981年、著書「窓ぎわのトットちゃん」を出版。累計800万部、世界35カ国で翻訳される大ベストセラー(現在においても戦後最大のベストセラー)となり、トットちゃんブームと呼ばれる社会現象が巻き起こりました。
1984年からは国連傘下のユニセフで親善大使も務められ、現在に至るまで、長寿番組「徹子の部屋」と並んで、黒柳さんにとってのライフワークとなっています。ちなみに親善大使の報酬はわずか1米ドルであると言われています。
現在も声優、女優、司会者としてテレビで活躍するほか、毎年舞台に立ち続けるなど精力的に活躍されています。
黒柳徹子さんも患っていたADHD・発達障害とは?その特徴
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注意欠陥多動性障害(以下ADHD)は、英語でAttention Deficit Hyperactivity Disorderと表記される障害で、注意欠陥(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(考えず行動してしまう)の3つの症状が見られるとされる発達障害です。
文部科学省はADHDを以下のように定義しています。
ADHDとは、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び/又は衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである。
また、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。
また、上記の文部科学省の定義では7歳以前に症状が現れるとされていますが、2013年に出版されたアメリカ精神医学会のDSM-5(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版)では、診断年齢が7歳から12歳に引き上げられていることには留意すべきといえます。
黒柳徹子さんも患っていたADHDの3つの症状
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ADHDの症状は、不注意・多動性・衝動性の3つに分類することができます。
不注意
・忘れ物が多い
・何かをやりかけていても途中でほったらかしにする
・集中が困難。興味のあることには集中しすぎる傾向(切り替えができない)
・片付けや整理整頓が苦手
・注意が続かないため、気が散りやすい
・話を聞いていないように見える
・忘れっぽく、ものをなくしやすい
多動性
・落ち着いてじっと座っていられない
・そわそわして身体が動いてしまう
・過度なおしゃべり
・公共の場など、静かにすべき場所で静かにできない
衝動性
・順番が待てない
・気に障ることがあったら乱暴になってしまうことがある
・会話の流れを無視して、思いつきで発言してしまう
・他の人のじゃまをしたり、遮って自分がやってしまう
黒柳徹子さんも患っていたADHDのタイプと特徴
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ADHDには先ほどご紹介した3つの症状があると考えられていますが、その現れ方は人それぞれであり、大きく分けると3つのタイプに分類することが可能と言われています。
多動性-衝動性優勢型
多動と衝動の症状が強く出るタイプです。
・落ち着きがなく、授業中などでも歩きまわったり身体を動かしてしまうなど、落ち着いてじっと座っていることが苦手である。
・衝動が抑えられず、ちょっとしたことでも大声を上げたり乱暴になり、乱暴者・反抗的と捉えられがちである。
・衝動的に不適切な発言をしたり、自分の話ばかりをする。
このタイプが全体に占める割合は低いとされています。また、男の子に多いのが特徴です。
不注意優勢型
不注意の症状が強く出るタイプです。
・気が散りやすく、物事に集中することが苦手。
・好きなことに対しては集中しすぎるほどだが、切り替えが難しい。
・忘れ物や失くし物が多く、人の話を聞くことが苦手。
幼い子どもの場合、忘れ物が珍しくないためADHDと気づかれにくい。女の子に多いのが特徴。
混合型
多動と衝動、不注意の症状が入り混じって現れるタイプです。
・多動-衝動性の症状と不注意の症状を併せ持ち、どちらが強く出るかは個々人による。
・ADHDの8割がこのタイプと考えられており、早期発見しやすい一方、アスペルガー症候群との区別が難しいとされる。
黒柳徹子さんは天職?ADHDの方に適した仕事とは
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適さない職業
ADHDの方は、注意欠陥や多動性障害の症状が影響してしまうため、正確な作業が求められる(間違いが許されない)ような仕事・作業には不向きであると考えられています。
具体的には次のような職業が挙げられます。
・事務や経理などのデスクワーク
・秘書
・単純作業(製品検査など)
・校正
・医療関係
・自動車や電車の運転手
・パイロット
適している職業
ADHDの方が持っている能力(才能)と考えられているものに、感性や発想の豊かさ、行動力が挙げられます。これらの能力を活かすことのできる仕事に就けば、ADHDであることがむしろ利点となる可能性もあると考えられています。
具体的には次のような職業が挙げられます。
・セールスマン
・デザイナー
・フィットネスインストラクター
・起業家
・営業職
・芸術、音楽家
・プロデューサー
・ソフト開発者
黒柳徹子さんの場合も、どちらかと言えば定形作業の求められる仕事というよりは、さまざまなゲストや状況に臨機応変な対応が必要とされる仕事をされている印象を受けますので、彼女はADHDであっても不利になりづらい職業に就かれていると言えるでしょう。
黒柳徹子さんの病気・発達障害「ADHD」についてのまとめ
・ADHDの症状
「物忘れが多いなどの不注意」「そわそわして身体が動いてしまうなどの多動性」「思いつきで発言してしまうなどの衝動性」
・ADHDの種類
「多動性-衝動性優劣型」「不注意優劣型」「多動と衝動が混じっている混合型」
・ADHDに適していない職業
「事務などのデスクワークや秘書」「単純作業」「校正」「医療関係」「パイロット」など
・ADHDに適している職業
「セールスマン」「デザイナー」「フィットネスインストラクター」「起業家」「営業職」「芸術家」「音楽家」「プロデューサー」「ソフト開発者」など
テレビ朝日「徹子の部屋」をはじめとして、これまで数多くの長寿番組に出演されてきた黒柳徹子さんの抱えているとされるADHD(注意欠陥多動性障害)の症状や特徴などについてまとめてみました。
あまりにもおしゃべりがすぎるということで「(お口に)チャック」というアダ名まで付けられたことがあると言われる黒柳さんですが、テレビの司会者という仕事においては、おしゃべりな特性がかえってプラスに働いているように思います。
かつては単なる障害としか捉えられていなかった発達障害ですが、現在では発達障害はむしろ才能なのではないか?との見方もされているようです。発達障害で悩まれている方は、ぜひ一度ご自身の障害に適した職業について調べてみてはいかがでしょうか?