うっかり日焼けをしてしまった人は、「どうしたら良いのだろう?治療は必要なのかな?」と不安になってしまうと思います。
日焼けをしたら、正しい対処をすることで、肌へのダメージを最小限にすることができます。うっかり日焼けをしてしまった時のために、日焼けの症状と原因、対処法・治療方法をまとめました。
日焼けの症状
「日焼け止めクリームを塗り忘れた!」、「突然レジャーに連れていかれた!」のようなときは、日焼けをしてしまいますよね。
日焼けをすると、どんな症状が出るのかを詳しく見ていきましょう。
日焼けはやけど
日焼けはやけどです。日焼けなんて、たいしたことないでしょ?と思うかもしれませんが、日焼けはやけどをしているのと同じなのです。
日焼けをすると、皮膚に熱が加わっているので、やけどをしたのと同じ症状が出ます。やけどにはその重症度によって、Ⅰ度~Ⅲ度に分類されますが、日焼けによるやけどは、基本的にⅠ度です。ただ、ひどい日焼けになると、Ⅱ度になることもあります。
・Ⅱ度=皮膚が赤くなり、さらに水疱(水ぶくれ)ができる。痛みも強い
これが、日焼けによるやけどになります。
日焼けで赤くなるのはサンバーン
日焼けをすると、皮膚が赤くなりますね。これは、サンバーンという症状になります。サンバーンは、強い日差しを浴びた後すぐ、数時間後から現れて、8~24時間後に症状のピークを迎え、数日経つと消失します。
サンバーンは、次のような症状が出てきます。
・水疱ができることもある
・ヒリヒリとした痛みが出る
日焼けで黒くなるのはサンタン
日焼けをすると黒くなることもありますよね。これをサンタンと言います。サンタンは、強い日差しを浴びても、すぐには症状が現れるわけではありません。
サンバーンの症状が落ち着いてきたころ、つまり強い日差しを浴びてから数日後に皮膚が黒くなり始めます。
強い日焼けをしてしまった場合は、ここから皮膚の表面が剥離し始め、皮がむけてきます。皮膚の色が戻るには、数ヶ月以上かかります。
・皮膚の落屑が起こることもある
・痛みはほとんどない
サンタンはこのような症状が現れることが特徴です。
紫外線によるアレルギー症状が出ることも
厳密には日焼けとは言えませんが、強い日差しを浴びた時には、アレルギー症状が現れることがあります。光線過敏症ですね。
日差しを浴びると、じんましんのような湿疹が出たり、多型日光疹、慢性光線性皮膚炎などの湿疹やかゆみが出ることがあります。
日焼けの原因は紫外線
日焼けの原因は、ずばり紫外線です。太陽からは、大量の紫外線が降り注いでいて、その紫外線が皮膚にダメージを与えて、日焼けを起こすのです。
細かく分けると、紫外線には3種類あります。
・UVB
・UVC
UVCは地表まで届かないので、日焼けとは直接関係ありません。問題は、UVAとUVBです。
出典:jp.rohto.com
UVAとUVBはそれぞれ違う日焼けの症状を引き起こします。
サンバーンはUVBが原因
先ほど日焼けの症状で説明したサンバーンは、UVBが原因です。UVBは皮膚の表面にしか届かないのですが、UVBは波長が短く、エネルギーが強いため、皮膚の細胞を傷つけます。
細胞が傷つけば、炎症を起こしますので、皮膚が赤くなり、痛みが出てくるのです。また、浸出液が出てきて、水疱が起こることもあります。
日焼けをしても、あまり赤くならない人もいますよね。あまり赤くならない人は、メラニン色素がすぐに作られるので、メラニン色素がUVBが皮膚細胞を損傷するのを防ぐことができるのです。
UVBによるサンバーンは、皮膚がんやシミの原因になります。
サンタンはUVAが原因
日焼けをして皮膚が黒くなるサンタンは、UVAが原因です。UVAはUVBよりもエネルギーは弱いのですが、その分波長が長く皮膚の奥深くまで届いてしまいます。
皮膚の真皮まで届くので、真皮層のコラーゲンなどを変性させて、肌の弾力はハリを失わせてしまいます。
また、皮膚の奥まで浸透してきたUVAから肌を守ろうとするため、メラニン色素がどんどん作られて、皮膚が黒くなってしまうのです。
日焼けをしてしまった時の7つの対処法・治療法
日焼けをしてしまったら、肌へのダメージを最小限にするために、すぐに今からご紹介する対処法や治療方法を実践しましょう。
日焼けをすると、赤くなってヒリヒリするだけでなく、シミやしわの原因になりますので、すぐに対処しておかなくてはいけません。
日焼け直後はとにかく冷やす
日焼けをしたら、とにかく冷やしましょう。何度も言っていますが、日焼けはやけどです。やけどをしたら、とにかく冷やさなければいけませんよね。
冷やすことで、皮膚の熱を取り去って、炎症を広げずに抑えることができます。そのため、日焼けをしてしまったら、すぐに冷水で冷やしてください。
シャワーがあるところなら、冷たいシャワーを日焼けした部分に浴びましょう。シャワーがないなら、冷水で濡らしたタオルを日焼けした部位に当てて冷やすようにしてください。
これは、早ければ早いほど効果が高いので、「やばい!日焼けをした!」と気づいたら、すぐに冷やしてください。これは、時間との勝負です!
しっかり保湿をする
日焼けをした時の対処法、2つ目はしっかりと保湿をすることです。日焼けした部位を冷やしたら、次はローションやクリームで保湿をしましょう。
日焼けをすると、皮膚がダメージを受けていますので、皮膚表面のバリア機能が低下しています。そのため、皮膚の水分がどんどん蒸発していってしまうのです。
皮膚の水分が蒸発すれば、肌がカサカサになりますし、新たな皮膚トラブルを招くリスクが高くなりますので、日焼けをしたら肌を守るために、しっかりと保湿をしておいてください。
水分補給をする
日焼けをした時には、水分補給を忘れないでください。先ほども言いましたが、日焼けをすると、皮膚表面から水分がどんどん蒸発していきます。
自分では水分が蒸発しているのを感じることができない(不感蒸泄)なので、わからないとは思いますが、予想以上に体の水分が失われていきます。
特に、日焼けをした時には、暑い環境にいることが多いので、日焼けをするのと同時に汗を大量にかいていることが多いです。
脱水になってしまったら、体調不良になりますし、熱中症を併発することもありますので、必ず日焼けをしたら、水分補給をしておいてください。
どのくらい飲むべきかは個人によって違いますが、まずは喉の渇きがしっかり癒えるまで水を飲みましょう。
その後は、少しずつこまめに水を飲むようにしてください。喉が渇いたと感じている時には、すでに脱水症状は始まっています。日焼けをした日は、早めの水分補給をして置くようにしましょう。
ビタミンを補給しておく
日焼けをしたら、食事からビタミンを摂取しておくことも大切です。日焼けをした時には、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEをたっぷり補給してください。
■ビタミンA
ビタミンAは皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあります。
■ビタミンC
メラニン色素が作られるのを抑えたり、すでに作られてしまったメラニン色素を還元して、肌が黒くなるのを防ぎます。また、肌の張りを保つコラーゲンの合成に必要なビタミンです。
■ビタミンE
ビタミンCの吸収を助けます。また、血行促進作用があるので、ビタミンCが肌に届くのを助けてくれます。
このようにビタミンA、ビタミンC、ビタミンEは日焼けをしたら、ぜひ摂取しておきたい栄養素なのです。
・ビタミンC=野菜や果物
・ビタミンE=ナッツやアボカド
特に、ビタミンCはどんどん摂取したいビタミンです。食事からは十分に摂取できない時には、サプリメントを利用するのも良いと思います。
刺激を与えない
日焼けをした時の対処法、5つ目は刺激を与えないことです。日焼けをした部位は、できるだけ刺激を与えないようにしましょう。
先ほど言ったように、日焼けをした部位は肌のバリア機能が低下していて、外部からの刺激に弱い状態になっています。
そのため、できるだけ触れないように、刺激を与えないようにしましょう。肌触りが良く、大きめのサイズを着るようにしたり、できるだけ触らないようにする。
また、お風呂に入るときも、日焼けをした当日は洗い流すだけにして、決してこすらないようにしてください。
刺激を与えると、ヒリヒリした痛みが強くなりますし、炎症が悪化しますので、日焼けをした後はできるだけ触らず、刺激を与えないようにしましょう。
ビタミンC誘導体配合のローションを塗布する
日焼けをした時の対処法、6つ目はビタミンC誘導体配合のローションを使うことです。日焼けにはビタミンCを摂取することが大切であることは、先ほど説明した通りです。
ビタミンC誘導体というと難しく感じますが、要は化粧水などの中に入れられるように改良したビタミンCと思ってもらえればOKです。ビタミンC誘導体配合のローションは、ビタミンC入りローションのようなものです。
日焼けにはビタミンCが欠かせないのですから、内側からビタミンCを摂取するだけでなくて、外側からもビタミンCを摂取すれば、より一層効果が高くなるというわけです。
お風呂上りと朝起きた時に、日焼けした部位にビタミンC誘導体配合のローションをつけるようにすると、肌の炎症がすぐに収まりますし、サンタンの症状が起こりにくくなります。
サンバーンがひどい時は早めに皮膚科へ
日焼けをした時には、治療が必要な場合もあります。治療が必要な日焼けはサンバーンがひどい時ですね。
水ぶくれが複数できてしまった時、ヒリヒリとした痛みが強くて眠れないような時、2日間経ってもサンバーンの症状の改善が見られない時には、早めに皮膚科を受診してください。
皮膚科出の治療法は、炎症を抑えるような外用薬を処方してもらえます。主に次のような薬ですね。
・非ステロイド性消炎鎮痛薬
・酸化亜鉛
このような薬を処方してもらい、塗布しておくと、早めに治すことができます。何度も言いますが、日焼けはやけどです。
やけどをしたら、皮膚科を受診しますよね。だから、日焼けで皮膚科を受診して治療するのは、何もおかしいことはないのです。
日焼けの症状と原因・対処法と治療法についてのまとめ
・日焼けで赤くなる症状は、サンバーン
・日焼けで黒くなるのは、サンタン
・紫外線による「光線過敏症」アレルギー症状が出ることもある
・日焼けの原因は、紫外線でUVAとUVB、UVCと3種類ある
・サンバーンは、UVBが原因でサンタンは、UVAが原因とされている
・日焼けをしてしまった時の対処法と治療法
「日焼け後はとにかく冷やす」「しっかりと保湿をする」「水分補給をこまめにする」
「ビタミンCやビタミンA、ビタミンEなどのビタミンを補給」「日焼けした肌に刺激を与えない」「ビタミンC誘導体配合のローションをぬる」「サンバーンがひどい場合は、早めに皮膚科に行く」
日焼けの症状や原因、対処法・治療方法をまとめました。日焼けはやけどです。まだ、美容の大敵ですし、最悪の場合、皮膚がんの原因になることもありますので、日焼けをしてしまったら、すぐにご紹介した対処法を実践しましょう。
そして、何よりも日焼けをしないこと、日焼けを予防することが、日焼けの一番大切な対策ですので、夏だけでなく一年中、日焼けの予防対策をしておきましょうね。