あなたの血液型は何型ですか?一般的な血液型には、A型、B型、O型、AB型の4種類がありますが、この4種類の血液型は国によって割合が違うことを知っているでしょうか?
今回は血液型について詳しく掘り下げていきます。血液型について、両親の血液型による子どもの血液型の組み合わせについて、日本の血液型の割合と世界の血液型の割合を説明していきます。
血液型についておさらい
まずは血液型について、おさらいしていきましょう。私たち日本人は自分の血液型は何型なのか、多くの人が子どもの頃から知っていますよね。
そもそも、血液型とは何か。そこから考えていきましょう。理科の授業のように感じるかもしれませんが、大丈夫です。簡単にわかりやすく説明していきます。
血液型の分類はたくさんある
血液型とは、個人によって違う血液の特性を分類したものです。抗原という物質の有無によって、人それぞれ血液型は違います。
顔の形が違うように、背の高さが違うように、血液も個性があるというわけですね。それをいくつかに分類した物が血液型になります。
血液型で最も有名なのは、ABO式の血液型になります。A型・B型・O型・AB型の4つに分けるタイプの血液型です。
ただ、血液型の分類はABO式だけではありません。献血をした時や病院に入院した時に、Rh+(アールエイチプラス)とかRh-(アールエイチマイナス)という言葉を聞いたことがあるかもしれません。これも、血液型の分類の1つです。
そして、血液型の分類には、もっとたくさんの分類があるのです。
- ・ABO式血液型
- ・Rh式血液型
- ・MNSs式血液型
- ・P式血液型
- ・ルセラン(Lutheran)式血液型
- ・ケル(Kell)式血液型
- ・ルイス(Lewis)式血液型
- ・ダフィー(Duffy)式血液型
- ・キッド(Kidd)式血液型
- ・ディエゴ(Diego)式血液型
- ・その他の赤血球抗原による血液型[11]
- ・ヒト白血球型抗原
それぞれの血液型の分類は省きますが、これだけの血液型の分類があるなら、血液にも個性があるってわかりますよね。この12個すべてで分類したら、同じ血液型を持つ人は、実はそれほど多くないかもしれないことがわかると思います。
ABO式の血液型とは?
次に、血液型の中で最も有名なABO式の血液型について詳しく説明していきます。
ABO式の血液型は、たくさんある血液型の中で一番最初に発見された血液型です。ABO式の血液型は、血液の中を流れる赤血球の表面にある抗原の有無で、血液型を決定します。
・B型=B抗原がある
・O型=A抗原もB抗原もない
・AB型=A抗原とB抗原がある
ちなみに、血漿にはこの各抗原に反応する抗体が存在し、A型の人には抗B抗体が、B型の人には抗A抗体が、O型の人には抗A抗体と抗B抗体が、AB型の人には抗A抗体も抗B抗体もないのです。
両親の血液型による子供の血液型の組み合わせ
ABO式の血液型でどの血液型になるかは、両親の血液型によって決まります。血液型を決める遺伝子は9番目の染色体に存在しますが、2つの遺伝子で決まります。
A型とB型の遺伝子は優性、O型の遺伝子は劣性になりますので、遺伝子がAAだったらA型、AOでもA型、OOだとO型、ABだとAB型ということになります。
では、両親の血液型によって生まれてくる子どもの血液型を見ていきましょう。
・A型×A型=A型(AA、AO)、O型(OO)
・A型×B型=A型(AO)、B型(BO)、O型(OO)、AB型(AB)
・A型×O型=A型(AO)、O型(OO)
・A型×AB型=A型(AA)、B型(BO)、AB型(AB)
・B型×B型=B型(BB、BO)、O型(OO)
・B型×O型=B型(BO)、O型(OO)
・B型×AB型=A型(AO)、B型(BB)、AB型(AB)
・O型×O型=O型(OO)
・O型×AB型=A型(AO)、B型(BO)
・AB型×AB型=A型(AA)、B型(BB)、AB型(AB)
両親の血液型によって、生まれてくる子どもの血液型の可能性は限られてきます。ただ、稀にキメラと呼ばれる複数の血液型を持つ人もいますし、骨髄移植をすると、血液型は変わります。
また、赤ちゃんの時はまだこのA型、B型を表す抗原抗体反応が非常に弱いので、検査結果が間違うことがあります。
だから、両親の血液型から自分の血液型は生まれてくるはずがないと思っても、最初から決めつけずに、慎重に調べていかなくてはいけません。
日本の血液型の割合
ABO式での血液型ですが、日本でのA型・B型・O型・AB型の割合はどのくらいなのか知っていますか?なんとなく、AB型は少ないというイメージを持っている人も多いと思いますが、具体的にはどのくらいの割合なのでしょうか?
日本で一番血液に詳しく、一番血液に近いと思われる日本赤十字社の血液センターのホームページには、次のように書かれています。
日本でのABO血液型の分布はA:O:B:AB=4:3:2:1の割合です。
つまり、日本人の血液型の割合は、次の通りですね。
・B型=20%
・O型=30%
・AB型=10%
日本ではA型の人の割合が一番多いんですね。次に、O型が多くなっています。そして、やはりイメージ通り、AB型の割合が一番低くなっています。
確かに、言われてみると、A型やO型の人が周囲に多いかもしれませんね。
世界の血液型の割合
次に、世界の血液型の割合を見ていきましょう。日本では、A型が40%、B型が20%、O型が30%、AB型が10%という割合でしたが、実はこの割合は世界共通ではありません。世界の国や地域によって、血液型の割合は異なります。
こちらはA型の割合の世界分布図です。
出典:palomar.edu
続いて、B型の割合の世界分布図を見ていきましょう。
出典:palomar.edu
最後に、O型の割合の世界分布図をご紹介します。
出典:palomar.edu
これを見ると、中南米の国はほぼ100%の人がO型であり、A型やB型の人はほとんどいないということになります。A型やB型の人がいなければ、AB型の人はさらに少なくなりますよね。中南米の国でAB型の人が大量輸血をしなければいけなくなったら、大変そうですね…。
では、具体的に主な国の血液型の割合をご紹介していきます。
国名 | A型 | B型 | O型 | AB型 |
アメリカ | 42% | 10% | 44% | 4% |
イギリス | 42% | 9% | 47% | 3% |
フランス | 47% | 7% | 47% | 3% |
中国(北京) |
27% | 32% | 29% | 13% |
インド | 22% | 33% | 37% | 7% |
ブラジル | 41% | 9% | 47% | 3% |
ドイツ | 43% | 11% | 41% | 5% |
オーストラリア | 44% | 13% | 36% | 6% |
タイ | 22% | 33% | 37% | 8% |
エジプト | 36% |
33% |
24% | 8% |
南アメリカ | 40% | 11% | 45% | 4% |
出典:Racial and Ethnic Distribution of ABO Blood Types – BloodBook.com, Blood
世界の国別の血液型の割合を見てみると、基本的な割合としては、A型とO型の割合が多く、AB型は少ないという特徴は共通していますが、中国やインド、タイなどのアジア諸国ではA型の割合が少なめでB型の割合が多め。
逆に欧米諸国やブラジルでは、A型とO型の割合が圧倒的で、B型とAB型はごく少数しかいないことがわかります
こう見ると、世界各国に比べると、日本の血液型の割合の分布はバランスが良いのかもしれませんね。国や地域、人種によって血液型の割合が違うのはとても面白いと思いませんか?
ちなみに、同じ国でも地域や人種で血液型の割合は違ってきます。例えば、中国。
・広東=A型23%、B型25%、O型46%、AB型6%
・黒人=A型27%、B型20%、O型49%、AB型4%
・アジア人=A型28%、B型27%、O型40%、AB型5%
・ハワイアン=A型61%、B型2%、O型37%、AB型1%
血液型の割合についてのまとめ
・日本の血液型の割合は「A型」が多い
・世界の血液型の割合は地域によって割合が異なる
血液型の分類やABO式の血液型について、日本と世界の血液型の割合についてまとめました。
血液型はABO式以外にもたくさんの分類がありますが、一番有名なものがABO式です。
ABO式の血液型は、日本ではA型=40%、B型=20%、O型=30%、AB型=10%となっていますが、世界の国や地域、人種によってその割合は異なります。血液型は奥が深いんですね。