今年5月に乳がんのためお亡くなりになられた声優の水谷優子さん。
水谷さんは、アニメ「ちびまる子ちゃん」の主人公・さくらももこのお姉ちゃんである「さくらさきこ」役の声優を26年間にわたって務められた方として知られています。
水谷さんの死因とされる乳がんの症状や原因、ステージ別生存率についてまとめました。
この記事の目次
水谷優子さんのプロフィール
出典:http://69-74.blog.so-net.ne.jp/
名前:水谷優子(みずたに・ゆうこ)
出身地:愛知県海部郡
生年月日:1964年11月4日
没年月日:2016年5月17日
身長:157cm
1985年TVアニメ「機動戦士Zガンダム」の飛行場アナウンサー役で声優デビュー。Zガンダムのサラ・ザビアロフ役を経て、「マシンロボ クロノスの大逆襲」のレイナ・ストール役や「赤い光弾ジリオン」のアップル役などで評価され、人気声優の仲間入りを果たしました。
1988年TVアニメ「エースをねらえ!2」では自身初の主演に抜擢され、初主演も務められました。
1990年に放送が開始されたTVアニメ「ちびまる子ちゃん」では、主人公・さくらももこのお姉ちゃん役を亡くなる直前まで16年間担当し、代表作にもなっています。
1991年頃から、ディズニーのミニーマウス日本語吹き替えを担当し、各アトラクションやショー、パレード、アナウンスなどの声も担当されています。
1994年には、過去に声優を担当した「赤い光弾ジリオン」で監督を務めていた西久保瑞穂さんと結婚もされ、仕事もプライベートもともに充実した日々を送られていました。
乳がんにより死去
出典:http://s.eximg.jp/
2016年5月17日に「乳がん」のため東京都内の病院でお亡くなりになられた水谷優子さん。
実は2年ほど前に乳がんの摘出手術を受けていたそうですが、病名に関しては周囲の限られた人にだけ明かされていたそうです。
「彼女はずっと『病気のことはあまり人には言わないでね』と言っていました。親族に打ち明けたのも、本当に最近のことだったんですよ」と語るのは、アニメーション監督の西久保瑞穂さん(63)だ。
4月22日に(最期となった)収録に臨んだ際、吐き気もあったことから洗面器を持ち歩きながら移動していた水谷さん。このとき収録されたTVアニメ「ちびまる子ちゃん」は後に放送され、彼女の遺作としてファンの間で語り継がれる作品となっています。
この収録から1週間後、彼女の体調が急激に悪化したことが後に夫である西久保瑞穂さんの口から語られています。
「病室に台本などを持ち込んでいて、本人としては仕事を続けるつもりだったんですね。でも、さすがに体調がかなり悪くて、そこまではできませんでしたが……。特に彼女も意識していなかったようですが、『仕事に行きたい』が最期の言葉になってしまいました。入院期間は2週間ちょっとでした。まぁ逆に言うと、亡くなる2週間前まで仕事をしていたわけですからね。僕なんかより全速力で突っ走って……、本人としては満足しているのではないでしょうか」
水谷優子さんが患った乳がんとは?その症状
出典:http://www.aromazia.net/
乳房のしこり
乳がんは5mm~1cmの大きさになると、自分で注意深く触ると分かるほどのしこりになるとされています。しこりがあるからといってすべてがガンというわけではありませんが、変化を早めに察知するための手がかりにはなります。
痛みを感じるしこりのほとんどは「乳腺症」であるとされています。しかし、乳がんも大きくなると痛みを伴うことが多くなります。わきの下にできるしこりはリンパの腫れであることが多く、そのほとんどは良性とされています。
また、「潜在性乳がん」といって、臨床的には異常が認められない状態であっても、乳がんがわきの下のリンパ節に転移する場合があります。乳腺内に発生したがん細胞の増殖よりも、転移した部位での増殖ペースが早いのが特徴とされています。
皮膚の変化
乳がんが乳房の皮膚近くにまで到達すると、えくぼのようなくぼみができたり、皮膚が赤く腫れたりすると言われています。
乳房のしこりが明らかでなく、乳房表面の皮膚がオレンジの皮のように赤くなり、痛みや熱感を伴う場合には「炎症性乳がん」と呼ばれます。
炎症性乳がんがそのような外観となるのは、乳がん細胞が皮膚のリンパ管の中に詰まっているためだとされています。炎症性乳がんは全身に転移を起こしやすい病態です。
リンパ節の腫れ
乳がんは、乳房の近くにあるリンパ節(わきの下の「腋窩リンパ節」と呼ばれる場所)、胸骨のそばのリンパ節(内胸リンパ節)や鎖骨上下のリンパ節(鎖骨上下リンパ節)に転移を起こしやすいとされています。これらは「領域リンパ節」と呼ばれています。
領域リンパ節が大きくなると、リンパ液の流れがせき止められるため腕がむくんできたり、腕に向かう神経が圧迫されて腕にしびれをきたしたりすることがあります。
遠隔転移
領域リンパ節以外のリンパ節が腫れている場合、遠隔リンパ節転移と呼ばれる状態となり、他の臓器への転移と同様に扱われます。
腰や背中、肩の痛みなどが持続する場合は骨転移が疑われ、荷重がかかる部位に発生した場合には骨折を起こす危険を伴います。
肺転移の場合は咳が出たり、息が苦しくなることがあります。
肝臓の転移の場合は、症状は出づらいですが、肝臓が大きくなると腹部が張ったり、食欲がなくなったりすることがあります。また、痛みや黄疸を伴う場合もあるとされています。
水谷優子さんの死因である乳がんの原因
出典:https://www.spmed.jp/
乳がんは他のがんと同様に遺伝子の病気であり、細胞の遺伝子異常が蓄積することで引き起こされることがすでに分かっています。
乳がんの発生・増殖には性ホルモンである「エストロゲン」が重要な働きをしていると考えられています。すでに確立されているリスク要因のほとんどがエストロゲンに影響を与えるものであるとされています。
生理・生殖要因
初経年齢が早い、閉経年齢が遅い、出産歴がない、初産年齢が遅い、授乳歴がないなどがリスク要因とされています。
体格
高身長、閉経後の肥満がすでに確立されているリスク要因ですが、閉経前乳がんについては逆に肥満者ではリスクが低くなることが指摘されています。
生活習慣
飲酒の習慣によって乳がんリスクが高まることは確実だとされています。
また、運動による乳がんの予防効果も高い確率で確からしいと言われているようです。食事や栄養素に関しては、脂質、野菜・くだもの、食物繊維、イソフラボンなどが注目されているものの、未だ充分な根拠はないとされています。
その他
一親等の乳がん家族歴、良性乳腺疾患の既往、マンモグラフィ上の高密度所見、電離放射線曝露などが乳がんの確立したリスク要因であるとされています。
水谷優子さんが患った乳がんのステージ別生存率
出典: http://www.ncc.go.jp/
日本乳がん学会が報告した2004年の症例における、乳がんのステージ別生存率は以下のとおりとなっています。
ステージ0(超早期)
5年生存率は97.58%。治療法は手術及び放射線照射。薬物療法は場合に依る。
ステージ1(早期)
5年生存率は96.63%。治療法は手術及び放射線照射。原則薬物療法も行う。
ステージ2(早期)
5年生存率は90.93%。治療法はステージ1に同じ。
ステージ3(比較的進行した状態)
5年生存率は72.48%。治療法はステージ1に同じだが、放射線照射と化学療法の併用をするケースがほとんど。
ステージ4(転移性乳がん)
5年生存率は42.65%。治療法は抗がん剤を中心とした薬物療法、もしくはホルモン療法。手術の適用は限定的。
水谷優子さん死因「乳がん」の症状・原因についてのまとめ
・乳がんの症状
「乳房のしこり」「皮膚の変化」「リンパ節の腫れ」「遠隔転移」
・乳がんの原因
「生理・生殖要因」「体格」「生活習慣」「その他」
・乳がんには4ステージあり、5年生存を目安としている
以前テレビで、同じく乳がんを患っているタレントの北斗晶さんが「毎年検査を行っていたにも関わらず、ステージ2まで気が付かなかった」と語られていたことから考えても、水谷優子さんのがんはステージ3以降であった可能性が高いのではないでしょうか?
TVアニメ「ちびまる子ちゃん」の声優陣・関係スタッフからのご冥福の言葉にもあったように、あまりにも早すぎた彼女の死は、今なお多くのファンの悲しみとなっています。
素敵な声でさまざまなキャラクターに生命を吹き込んでくださった水谷優子さんのご冥福をお祈り申し上げます。