1980年代のアイドル黄金期において、多くのアイドル歌手の中でも特に人気を誇るアイドルの1人として熱狂的なファンを抱えていた女優の菊池桃子さん。
愛らしいルックスとソフトな語り口、控えめで優しい人柄と性格で幅広い世代の人々から愛されたアイドル歌手の一人で、当時の彼女の独特の歌唱や衣装などはその後のアイドル歌手がこぞって真似をしたほどの人気ぶりでした。
菊池さんは2012年に「シェーグレン症候群」にかかっていることを公表されましたが、初めてこの名称を耳にした方も多いのではないでしょうか。今回は菊池さんがかかっているとされる難病「シェーグレン症候群」の症状、原因、治療法についてまとめてみました。
この記事の目次
菊池桃子さんのプロフィール
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名前:菊池桃子(きくち・ももこ)
出身地:東京都品川区
生年月日:1968年5月4日
最終学歴:法政大学大学院修了
1983年、学研のアイドル雑誌「Momoco」のイメージガールとして、創刊号の表紙に抜擢され芸能界デビュー。
同年ドラマ「学園バラエティ」生徒役で女優デビューを果たし、翌年の映画化では主演に起用され一気に注目を集める存在となりました。
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この年「青春のいじわる」でアイドル歌手としても活動を開始。日本レコード大賞新人賞受賞、年間ブロマイド売上1位を獲得するほどの人気ぶりとなっています。
清純派アイドルとして絶大な人気を誇り、武道館最年少講演記録(当時)を塗り替え、かつてのビートルズ講演を超える観客動員数は現在も伝説として語られています。
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おニャン子クラブがシングルチャートを独占していた時代にもかかわらず、シングル「卒業ーGRADUATION」から「アイドルを探せ」まで7枚連続オリコンチャート1位を記録していることが当時の圧倒的な人気を証明しています。
1988年からはロックバンド「ラ・ムー」のボーカルを務め、その後は女優活動を中心として活動。1996年にはプロゴルファーの西川哲さんと結婚(現在は離婚済)されました。
その後、長男、長女を出産。朝の情報番組出演や母校の客員教授、NPO法人理事などを経て、現在に至っています。
シェーグレン症候群を公表
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2012年2月27日、菊池桃子さんが難病の「シェーグレン症候群」と診断されていたことが判明しています。
女優菊池桃子(43)が、難病の「シェーグレン症候群」と診断されていたことが27日、分かった。今日発売の「週刊朝日」が報じている。
同症候群は、本来体を守るはずの免疫が、正常な成分に対して攻撃する病気で、眼や口、鼻孔の乾燥や疲労感などの症状があるという。
菊池桃子さんが患ったシェーグレン症候群とは?その症状
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シェーグレン症候群は、涙腺の涙分泌や唾液腺の唾液分泌などが障害される自己免疫疾患の一種です。40代から60代の中年女性において発症しやすく、男女比は1:14と顕著な差が出ています。未だ原因が完全には解明されていない難病の一つと言われています。
シェーグレン症候群の代表的な症状としては、ドライマウス(口の渇き)、ドライアイ(目の乾き)、関節の痛み、倦怠感などがあるとされます。
シェーグレン症候群は多様な症状をもたらす疾患であり、上記の代表的な症状の他にも、関節痛や胃の痛み、指先の痺れなどを伴う患者さんも多いと言われています。
唾液には抗菌作用を持つ物質が含まれているため、唾液分泌の減少が虫歯や酸蝕症の原因となったり、味覚の変化や口内炎の発生、声のかすれなどが起こるとされています。
ドライアイ
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シェーグレン症候群の最も多い症状は「眼の症状」とされており、これは涙の分泌減少によって引き起こされます。目が疲れる、目やにの粘つき、ごろごろ感、痛み、霞み、過剰なまぶしさ、目が開けられないなどの症状が代表的です。
健常者の場合、悲しい時や玉ねぎなどの野菜を切った時、ゴミやほこりが目に入った時に涙が分泌されますが、シェーグレン症候群患者ではこのような場合でも涙の分泌が障害されてしまいます。診断における重要な検査としても用いられているほどの症状とされています。
ドライマウス
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ドライアイに次いで多い症状が「ドライマウス」です。唾液の減少による虫歯や口内炎の増加に加え、味覚障害や口周りのひび割れ、声のかすれ、食べ物が喉を通らないなどの症状が現れるとされています。
菊池桃子さんが患ったシェーグレン症候群の原因
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未だ原因が完全解明されていないシェーグレン症候群ですが、現在既に判明している原因としては、遺伝的要因や免疫学的な異常、ウイルス感染、女性ホルモンによるものが考えられています。
自己免疫疾患の一つで、自分の身体の成分に対して免疫反応が起こることによるものとされています。4つの要因のどれがというわけではなく、これらが複雑に関連し合うことによって発症すると考えられています。
菊池桃子さんが患ったシェーグレン症候群の治療法
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現状では、シェーグレン症候群を根治させる方法は存在しないと考えられています。
そのため、治療は乾燥症状を軽くすること、疾患の活動を抑制することで症状の進展を防ぐことが目的となります。
目の乾燥や口の乾燥、また、それに伴う諸症状は、すぐに命の危険を伴うという性質のものではないものの、生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)を低下させる原因となってしまうため、治療が望ましいと考えられています。
具体的な症状緩和方法としては、(目の乾燥を防ぐために)毎日の点眼を欠かさないことや乾燥しやすい場所を避ける、皮膚の保湿を心がけることなどが挙げられます。
ドライアイについての治療は、涙の分泌を促進する薬を使用したり、涙の補充を行う点眼薬を用いる方法があります。また、涙の蒸発を防ぐためのドライアイ眼鏡も開発されています。涙の排出を低下させる方法もありますが、こちらは手術が必要となります。
ドライマウスについての治療は、唾液の分泌を促進する食物を摂ることやそのような薬剤を使用する方法、唾液の補充を行うための人工唾液を用いる方法などがあります。
また、虫歯や口内の真菌感染予防には、イソジンなどの抗真菌剤やオーラルバランスなどの航空保湿剤を用いる方法もあるとされています。
その他、口腔内環境を改善するために、食事改善として、乾燥食品や香辛料、アルコール飲料を避けることや禁煙が有効であると考えられています。
飲み込み困難な場合に関しては、食物を液体に浸すなどして、食べやすい状態に変えて食べる方法なども有効であるとされています。
菊池桃子さんの病気「シェーグレン症候群」についての総まとめ
・シェーグレン症候群とは、ドライマウスやドライアイ、関節の痛みなどがある難病
・シェーグレン症候群の原因は、遺伝的な要因や免疫学的な異常、ウイルス感染や女性ホルモンなどが考えられている
・シェーグレン症候群の治療方法は、現在存在していない
80年代のアイドル黄金時代を代表するアイドルの一人であり、女優としても活動されている菊池桃子さんが難病シェーグレン症候群を公表したのは2013年のことでした。
聞き慣れない病名の難病でしたが、有名人である菊池桃子さんが公表されたことにより、世間からの理解が得やすくなった面は確実にあったと言えるでしょう。
根治が難しく一生付き合っていかなければならない疾患であるだけに、(お子さんが障害を持つ)シングルマザーの菊池桃子さんの苦労・心労は常人の想像を遥かに超えていると思います。
しかし、関係者が語っているところによると、大変な日々を送られているにもかかわらず、彼女は昔と変わらない穏やかで優しい人柄を持ち続けて気丈に振る舞われているとされています。
難病にも負けない彼女の姿からは、私たちも学ばされることがとても多いのではないでしょうか。