脱毛の副作用の1つである硬毛化をご存知ですか?脱毛してツルツルになろうと思っていたのに、逆に毛が太く硬くなってしまったら、ショックどころの話ではありませんよね。
脱毛で起こる硬毛化の原因や確率、起こりやすい部位、治療方法をまとめました。
この記事の目次
硬毛化・増毛化とは?
レーザー脱毛や光脱毛では、ムダ毛をなくして、ツルツルになることを目的としていますよね。でも、レーザー脱毛や光脱毛の副作用に、硬毛化や増毛化があるのです。
硬毛化や増毛化とは、一体どんな状態なのかを説明します。
硬毛化とは?
硬毛化とは、ムダ毛が硬く太くなってしまうことです。脱毛のためにレーザーや光を毛穴に照射していくと、ムダ毛の数は少なくなります。
でも、残ったムダ毛が太く硬くなってしまうのです。わかりやすく言うと、女性の背中の産毛が、脇のムダ毛のようになってしまった状態ですね。
増毛化とは?
増毛化とは、毛が増えてしまうことですね。脱毛の施術を行ったのに、なぜか施術前よりも毛が増えてしまったという状態です。硬毛化のように毛が太く硬くなるわけではないのですが、毛が増えてしまうのは、やっぱりショックですよね。
このように脱毛のための施術を受けているのに、脱毛とは逆の方向になってしまうことがあるのです。「脱毛したいのに何で!?」とショックを受けてしまうのではないでしょうか?
硬毛化の原因は?
硬毛化が起こる原因については、実はまだわかっていません。脱毛をするために、毛根を破壊する効果があるレーザーや光を当てているのに、脱毛とは逆の現象が起こってしまうのは、本当に不思議ですよね。
これは、一説にはレーザーや光の照射エネルギー(熱量)不足ではないかと言われています。本来なら毛根を破壊するために照射しているのに、エネルギーが不足していることで、逆に毛根を活性化しているのではないかという説ですね。
硬毛化・増毛化は後で詳しく説明しますが、産毛が生えている場所に起こりやすいという特徴があります。
レーザー脱毛や光脱毛は、毛根のメラニン色素に反応して照射されて、熱エネルギーに変わり、毛根へダメージを与えます。
でも、産毛の毛根には十分なメラニン色素がありません。産毛は薄茶色だったり、金髪に近い色ですよね。だから、毛根にメラニン色素が少ないのです。
メラニン色素が少なければ、レーザーや光を照射しても熱に変換されにくくなり、毛根にダメージを与えるどころか、程よい刺激になって、毛根を活性化してしまうというわけなんですね。
美容クリニックの医師が、「おそらく、こういうメカニズムだろう」と推測しているので、ほぼ間違いないとは思いますが、これはあくまで一説であって、きちんとした研究結果・結論が出ているわけではありません。
脱毛で硬毛化が起こる確率はどのくらい?
脱毛の施術を受けて、硬毛化・増毛化が起こる確率はどのくらいなのでしょうか?日本での美容クリニック・脱毛サロン全体の統計はありませんので、「硬毛化はこの確率で起こります!」と断言することはできません。
でも、スペインの脱毛施設での統計では、10%確率で硬毛化が見られたとされています。10人に1人は硬毛化が見られると考えると、かなりの確率ですよね。
ただ、これはスペインでの話です。日本ではありません。
メンズエステのMDSAでは、0.3%くらいで硬毛化が見られるとしています。0.3%なら1000人に3人の確率ですので、かなりリスクは低いと言えるでしょう。
また、美容皮膚科の新宿マリアクリニックでは硬毛化の確率を次のように述べています。
とはいえ、新宿マリアクリニックやグループ院において、施術を受けた患者様から硬毛化について相談されることはほとんどありません。実際に起こる可能性は、非常に低いと言えるでしょう。
日本では硬毛化はそれほど頻繁に起こる副作用ではないようですね。それでも、まったく起こらないというわけではなく、起こるリスクはあるのですから、注意していかなければいけません。
脱毛で硬毛化が起こりやすい部位ってあるの?
脱毛で硬毛化が起こりやすい部位はあります。先ほども少し説明しましたが、産毛の部位を脱毛しようとすると、硬毛化・増毛化が起こりやすいとされています。
具体的には背中や肩、二の腕、お腹周りなどですね。この部位は、もともとムダ毛が濃くなく、細いムダ毛が生えていますので、この部位を脱毛しようとすると、硬毛化が起こりやすくなるのです。
脇や前腕、脚、VIOラインなどは、あまり硬毛化が起こることはありません。そのため、産毛部分を脱毛しようと思っている時には、硬毛化のリスクがあることは知っておく必要があります。
硬毛化が起こった時の4つの治療法
脱毛の施術を受けて、硬毛化が起こってしまった時には、どうすれば良いのでしょうか?硬毛化が起こってしまったとしても、正しく治療をすれば、ツルツル素肌になることができるのです。
硬毛化が起こっていると感じた時には、遠慮せずにきちんとクリニックやサロンに伝えてください。そうしないと、硬毛化はどんどん悪化していく一方になるので、脱毛の施術を受ける意味がないのです。むしろ、受けないほうが良かったという事態になってしまいます。
脱毛レーザーの機械を変える
硬毛化が見られた時には、脱毛レーザーの機械を変えると、硬毛化が抑えられ、脱毛が進むようになることがあります。
機械を変えて、より産毛の脱毛に効果のあるい脱毛レーザーを使うことで、しっかりと毛根にダメージを与えることができるんです。
具体的には蓄熱式の脱毛レーザーですね。蓄熱式でジワジワと毛根に熱を与えていくと、エネルギー不足(熱量不足)になりにいですから、産毛でもしっかりと脱毛することができます。
エネルギー出力を変える
硬毛化が見られた場合の治療法の2つ目は、エネルギーの出力を変えることです。硬毛化は熱量不足で起こるのですから、エネルギーの出力を上げてレーザー照射をすれば、硬毛化したムダ毛を脱毛することができるというわけですね。
ただ、エネルギーの出力を上げるということは、それだけやけどなどの皮膚トラブルが起こるリスクが高くなるということです。当然、痛みも強くなります。
医師がいないエステや脱毛サロンでは絶対に止めるべきですし、医師がいる美容クリニックでも、きちんと説明を受けてからやるようにしましょう。
いったん脱毛をお休みする
硬毛化が見られた時には、いったん脱毛の施術をお休みすると、硬毛化が落ち着くことがあります。
レーザーや光が毛根を活性化させていたなら、その刺激を与えないようにすることで、毛根が元の状態に戻るからですね。
脱毛は通常2ヶ月おきに行いますが、硬毛化が見られたら、1回脱毛の施術を飛ばして、4ヶ月後くらいに様子を見て、硬毛化が落ちついているようだったら、また脱毛の施術を再開します。
再開する時には、先ほど説明したように脱毛の機械を変えたり、エネルギーの出力を変えたりして対応すると、また次に硬毛化が起こるリスクは低くなります。
どうしてもダメな場合はニードル脱毛
硬毛化が見られてしまって、脱毛の機械を変えても、出力を変えても、脱毛をお休みしても、どうしてもダメという場合には、ニードル脱毛を行います。
ニードル脱毛とは、毛穴に針を刺して、針先にだけで電流を流すことで、毛根を破壊して、脱毛をする方法です。
ニードル脱毛は産毛でもしっかり脱毛することができますので、硬毛化していても脱毛をすることが可能です。
ただ、ニードル脱毛は痛みが強く、高額であることがデメリットです。硬毛化が起こって、いろいろ試してみたけれど、硬毛化が治らないという時に選ぶ最終手段の治療法と言えるでしょう。
硬毛化の2つの予防方法
硬毛化は、脱毛サロンでも美容クリニックでも起こる脱毛の副作用です。硬毛化が起こると、いろいろ厄介ですので、できるだけ予防するようにしましょう。硬毛化はある程度予防することができるのです。
脱毛経験が豊富なクリニックを選ぶ
硬毛化を予防するためには、まずは脱毛経験が豊富なクリニックを選びましょう。医療用レーザーでの脱毛症例が豊富なクリニックなら、硬毛化が起こるリスクが高い部位はレーザー機器や出力を調整し、できるだけ硬毛化が起こらないように施術をしてくれます。
肌質や毛質を考慮して、その人に合った施術を行えるのは、やはり医学的な専門知識を持っている医師や看護師です。
ですから、脱毛する時、特に産毛の部分(背中や二の腕など)を脱毛する時には、脱毛を中心に行っている美容クリニックを選ぶと、硬毛化が起こるリスクは限りなく低くすることができるでしょう。
保証があるクリニック・サロンを選ぶ
硬毛化を予防するためには、硬毛化が起こった時の保証があるクリニックやサロンを選ぶと安心です。これは、硬毛化が起こってしまった時に、硬毛化を治療するための施術が無料になるという安心だけではありません。
保証があるということは、そのクリニックやサロンは、硬毛化のリスクをきちんと知っていて、硬毛化を起こさないために細心の注意を払っているという証拠になります。
保証をするにはお金がかかりますから、クリニックやサロンはできるだけ硬毛化を起こさないようにします。また、起こさないだけの自信があるという証拠でもあるのです。
だから、硬毛化が心配な人は、硬毛化が起こった時の保証があるクリニックやサロンを選ぶと良いでしょう。
硬毛化の症状と原因・確率・治療法と予防方法についてのまとめ
・増毛化とは、ムダ毛が増えてしまう状態
・硬毛化の原因
「レーザーや光の照射エネルギー不足」「脱毛で硬毛化が起こる確率はスペインで10%。日本ではほとんどない」
・硬毛化が起こりやすい部位「背中」「肩」「二の腕」「お腹周り」
・硬毛化が起こった時の治療法
「脱毛レーザーの機械を変える」「レーザーのエネルギー出力を上げる」「脱毛をいったんお休みする」「どうしてもダメなら、ニードル脱毛」
・硬毛化の予防方法
「脱毛経験が豊富なクリニックを選ぶ」「保証があるクリニックやサロンを選ぶ」
硬毛化の症状や原因、確率、起こりやすい部位、治療方法、予防方法をまとめました。硬毛化ははっきりとは原因がわかっていませんが、優れた技術を持つ美容クリニックなら、ある程度予防可能です。
産毛の部位を脱毛したい人は、ご紹介した2つの予防方法を満たすクリニックを選ぶようにしましょう。