毛穴詰まりの解消効果が期待できるピーリングですが、繰り返しがちなニキビに対しても効果があると言われています。
ただ、ニキビ肌にピーリングをするなら悪化を防ぐためのいくつかの注意点を心得ておきましょう。
この記事の目次
ピーリングを行う際に気をつけたい3つのポイント
ピーリングは、「剥がす」という意味での「ピール」から名付けられています。そのため、ピーリングをすることによってお肌には様々なメリットがあり、ニキビの改善にも効果があるとされています。
ただし、ピーリングをする際にはピーリングの効果を正しく知り、気をつけるべきポイントを把握しておかなければなりません。健康的で美しいお肌のためにも正しいピーリングを行いましょう。主な注意点は次の通りです。
力を入れてこすらないこと
ピーリングをする際に、お肌をゴシゴシ擦ってしまう方がいます。洗顔にも同じことが言えるのですが、どのような場合でもお肌をゴシゴシ擦ってしまうのはダメージを与えているのと同じです。ピーリングをするなら、決して強くお肌を擦らないように注意しなければなりません。
毎日行わないこと
ピーリングは、洗顔のようにお肌の汚れを落とすものではありません。そのため、毎日ピーリングを続けてしまうとお肌のバリア機能が低下してしまい、ニキビへの効果が期待できないばかりか、ひどい肌荒れにつながってしまうことがあります。
自宅でピーリングを行う際には、1週間に1度程度が理想です。医療機関や医療クリニックなどでピーリングをする際には、ドクターの説明を聞いた上で2週間に1度から1ヶ月に1度行うことになります。
目的は「古くなった角質を取り除く」こと
ピーリングはそもそもニキビを改善するための目的ではなく、古くなった角質を取り除くために行うものです。古くなった角質が毛穴をふさいでしまうことや、皮脂バランスを崩し毛穴詰まることを防ぐためピーリングを行います。
この目的をしっかりと把握した上で、お肌のターンオーバーを意識しながらピーリングをしていきましょう。
古くなった角質をしっかり落としてあげることにより、ターンオーバーのサイクルが整い、毛穴詰まりや皮脂バランスの乱れも徐々に軽減されていきます。
一度のピーリングで絶大な効果を発揮するものではありませんので、上記の通り強くお肌を擦ってしまうことなどは避けてください。
ピーリングの4つの種類と効果
ピーリングにはいくつか種類があります。ニキビを含め、お肌の状態やお肌のタイプに合わせながら使い分けていきましょう。代表的なピーリングの種類とそれぞれの効果についてご紹介します。
スクラブによるピーリング
スクラブを使用することによって、古い角質を取り除くことができます。ただ、スクラブは洗顔料に含有されていることが多いもの。
毎日の洗顔でピーリングを兼ねてスクラブを使ってしまうと、先ほどもお話しした通りお肌のバリア機能が失われ様々な肌トラブルが起きてしまうこともあります。スクラブ洗顔の使用は、毎日使用する洗顔料とは別に週に1回から2回程度に留めておきましょう。
フルーツ酸を使ったピーリング
フルーツ酸を使ったピーリングは主に天然成分を使っているので、お肌への負担が少なく、古くなった角質や毛穴の角栓を徐々に落としてくれる効果があります。
フルーツ酸と呼ばれているものは「グリコール酸」になっており、市販されているものは酸の効果が弱いのでお肌に対するダメージも少ないという特徴を持ちます。
ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは美容クリニックで施術を受けるものになりますが、こちらは主に「サリチル酸」を用いて行うものになります。クリニックによって上記のグリコール酸を使用することもありますが、基本的には角質を剥離する作用が強いため、サリチル酸が用いられています。
ただし、人によってはサリチル酸の働きによって、施術後にお肌が真っ赤に腫れ上がってしまうことなどもありますので、最初は濃度の弱いものやグリコール酸から始めるのが良いでしょう。
ヨーグルトピーリング
ヨーグルトピーリングはご存知ではない方も多いでしょう。ヨーグルトには乳酸菌が含まれており、さらに乳清と呼ばれるヨーグルトの上の上澄み液があります。これらの成分が、古くなった角質を優しく取り除いてくれる働きを持っているのです。
そのためピーリング専用に販売されているものやクリニックで行うケミカルピーリングではなく、適度にヨーグルトピーリングをすることでもニキビに効果があります。もともとは食べ物なので、ヨーグルトを使ってピーリングをしてもお肌が荒れてしまうような心配はありません。
ただし、ピーリング効果としては上記したものの中で最も弱いため、他の方法に比べ同じ期間でお肌に違いを感じるのは難しいでしょう。一方で、「お肌に透明感を持たせてくれる」「くすみを取り除いてくれる」といった働きも持っているのも特徴です。
ピーリングでニキビが悪化する4つの原因
ニキビを改善するためにピーリングをしているにもかかわらず、ニキビが悪化してしまうケースもあります。その場合には以下のような原因が考えられます。
お肌を傷つけてしまう
ピーリングでお肌をゴシゴシ擦ることは、お肌にダメージを与えていることと同じであるとお話ししました。お肌を傷つけてしまえば当然、毛穴の働きや皮脂バランスなども正常ではなくなります。
ピーリングでお肌を傷つけることによりさらにお肌が不安定な状態となり、ニキビが悪化してしまうことがあるのです。
また、ピーリングでお肌を擦ることによって、お肌は自らのバリア機能を働かせます。その結果として角質層に厚みを持たせることから、さらなる毛穴詰まりを引き起こし、これがニキビの悪化につながることもあります。
成分がお肌に合っていない
ピーリングをする際に、使っているピーリング剤がお肌に合っていないケースも考えられます。特に市販されているピーリング剤は、商品を安定させるため人工的な成分などが含有されていることも多々あります。
スキンケアに問題がある
ピーリングをしてニキビには効果的なケアをしていても、その他のスキンケアが間違っている可能性も考えられます。スキンケアに使用するアイテムがお肌に合っていない場合や、毎日の洗顔で汚れを落としきれていない場合などにもニキビは悪化することでしょう。
また、ニキビの改善や予防さらに美肌を手に入れるため美顔器を使用する方もいますが、毎日のように美顔器を使用すると肌へ強い刺激を与えることにもなりますので、やはりバリア機能が損なわれニキビが悪化する原因にもなりかねません。
体内に原因がある
ピーリングそのものやスキンケアに問題がなくても体内に原因がある場合には、いつまでもニキビが改善せず悪化する一方です。
毛穴詰まりを引き起こすような「油っぽい食べ物」や「塩分の濃いもの」、「甘いスイーツ」や「スナック菓子」ばかりを食べているなどの偏った食生活はニキビの悪化を招きます。
ピーリング効果が表れない時に見直したい4つのこと
ニキビの悪化はしないもののお肌の状態が変わらず、ピーリングの効果が出ていないのかも?と不安になった際には、以下のポイントを見直してみましょう。
焦らず続けることが大切
ピーリングの効果は瞬時に現れるものではありません。人によっては一度のピーリングである程度お肌の変化を感じることもあるようですが、ニキビのできにくい肌に変えていくためには、ある程度の時間が必要になります。
お肌のバリア機能を正常に働かせて、尚且つ毛穴詰まりや皮脂バランスなどを整えるためには、最低でもターンオーバーのサイクルである1ヶ月程度を目安にお肌の様子を見ましょう。一度のピーリングで、ニキビに変化がないと焦った気持ちを持つのは禁物です。
生活習慣が乱れている
食生活だけではなく、生活習慣そのものが乱れているとお肌には良い影響を与えず、悪い影響ばかりを与えてしまいます。
「睡眠不足が続いている」「睡眠時間が日によって違う」「夜中や明け方まで起きている」「食事をする時間がバラバラ」「水分不足が続いている」「運動不足が続いている」このような生活習慣は体内の影響からニキビ肌を招いているのかもしれません。
生活習慣をしっかりと見直し、規則正しい生活、そして健康的な食生活を送ることによりお肌の状態も安定します。特に水分不足は皮脂の酸化や皮脂の過剰分泌を招きますので、毎日2リットルを目安にミネラルウォーターなどの水分を摂取してください。
体内の代謝をアップすることは、お肌の代謝をアップすることにも繋がるのです。
寝具などの衛生面
どんなに入念なスキンケアやピーリングも行っていても、お肌に触れることの多い寝具や衣類が不衛生な状態であればお肌にはたくさんの細菌が付着してしまい、治るはずのニキビも治りません。
特に寝具は長時間お肌に触れていることが多いので、枕カバーや布団カバー、そしてお布団などに関しては衛生的な状況を維持しましょう。1週間に1回程度は綺麗に洗濯をして、細菌の繁殖やカビの繁殖を防ぐことも大切です。
ヘアアイテムの多用
ヘアワックスや様々なジェルなどを使用する方は、このようなヘアアイテムの影響からニキビが繰り返すこともあります。ワックスなどを使用した際には、できるだけ髪の毛がお肌に触れないように気をつけましょう。
また、シャンプーをする際にも、お肌に付着してしまった汚れをきちんと洗い流すことが大切です。
ニキビ肌へのピーリング後の好転反応について
ニキビ肌にピーリングを行うと、一時的に好転反応と呼ばれるものが確認できるケースがあります。具体的な症状についてご紹介します。
好転反応は一時的な症状が特徴
好転反応とは、これまでトラブルを抱えていたお肌が健康的な状態へと変わるために引き起こされる症状です。
人によって様々な症状がありますが、一時的に「ニキビがひどくなってしまうケース」や「ニキビの数が増えてしまい、今までよりもたくさんのニキビができてしまった」などのケースがあります。
しかし、この症状が好転反応ならば基本的に一時的なものなので、3日から1週間程度でお肌の状態はどんどん良い状態へと変わっていきます。1週間以上が経過しても改善せず、さらにひどくなるようであれば他に原因があります。
ピーリングに使用するアイテムを変えてみることや、無理なピーリングを中止し専門機関に相談するといった方法をとりましょう。
ピーリングするたびに悪化するなら原因は他にある
ピーリングをするたびに次々とニキビができてしまうケースや、ニキビが悪化し化膿してしまうケースもあります。この場合にはピーリングによる好転反応ではありません。
ここでもやはりピーリング剤の刺激が強いケースや、ピーリングをしながらお肌を擦りすぎてしまったことなどが主な原因として考えられます。
ピーリングは適切な方法と頻度で行うことが大切
・ピーリングは、1週間に1回程度が理想的
・ピーリングの目的は、「古くなった角質を取り除くこと」
・ピーリングでニキビが悪化するケース
「ピーリングで肌を傷つけている」「成分が肌に合っていない可能性がある」「スキンケアに問題がある」「体内に原因がある」
・ピーリング効果が現れない時のポイント
「焦らず続けることが大切」「生活習慣を見直す」「寝具などを清潔にする」「ヘアアイテムを多用している」
・ニキビ肌にピーリングをすると「好転反応」が起こり改善されることがある
ニキビの改善にピーリングを用いるのであれば、必ず適切な方法と頻度を守りましょう。ピーリングは適切に行うことでニキビの改善に役立ちます。
必要以上にピーリングをしてしまえば、お肌はダメージを受けるばかりです。まずはこちらでご紹介したようにピーリングに対する知識を持ち、お肌の状態をチェックしながら適宜行ってください。