あなたの周りに金銭感覚がおかしい人はいませんか?ビックリするほど浪費癖がある人、お金がないのに欲しいものは借金をしてでも買ってしまう人。
一般的な常識では理解できないほど金銭感覚がおかしい人は、発達障害の可能性があります。発達障害と金銭感覚の関係と、発達障害の人の金銭感覚の治し方などをまとめました。
金銭感覚がおかしいのは発達障害の可能性あり
あなたの家族や友達、恋人などに「金銭感覚がおかしい!理解できない!」と感じるような人はいませんか?
金銭感覚がおかしいのは、発達障害が原因の可能性があります。発達障害と金銭感覚が関係について説明していきます。
発達障害とは何か?
発達障害と金銭感覚の関係を考える前に、まずは発達障害について知っておきましょう。
発達障害とは脳機能障害の一種で、百人に数人の割合で生じます。知的障害ではなく、人とのコミュニケーションが苦手だったり、集中力を保てなかったり、「暗黙の了解」が理解できないなどの症状が出てきます。
発達障害は種類がたくさんあり、広義の発達障害だとダウン症や脳性麻痺を含むこともありますが、主なものは次の3つです。
・ADHD(注意欠陥・多動性障害)
・LD(学習障害)
この3つの中で、金銭感覚がおかしいという症状が現れるのは、自閉症スペクトラム症とADHDの2つです。
自閉症スペクトラムの金銭感覚
自閉症スペクトラム症は、アスペルガー症候群が含まれます。1つのことにこだわりが強く、そのこだわりに関しては、どんな手段を使ってでも、それを遂行しようとすることが多いです。
だから、「これが欲しい」というこだわりがある場合は、どんな手段を使ってでも手に入れようとします。
このタイプの発達障害の人は、自分が欲しいもののために借金をすることをおかしいと思うことはありません。だから、一般的には金銭感覚がおかしいと思われてしますのです。
たた、発達障害の本人にとっては、いたって普通の金銭感覚であり、別におかしいこととは思っていません。
ADHDの金銭感覚
ADHD(注意欠陥・多動性障害)の人は、衝動性があるという症状があるために、金銭感覚がおかしいことが多いです。
ADHDの人の多くは、衝動性の症状があります。また、物事を順序だてて考えたり、長期的な視野に立って物事を考えるのが苦手です。
だから、ADHDの発達障害の人は、衝動的に高い買い物を平気でしてしまうことがあります。また、お金を長期的な視野に立って管理できないので、1ヶ月の給料を最初の1週間で使い切ってしまうこともあります。
このようなADHDの人の金銭感覚を見ていると、周囲の人は「金銭感覚がおかしい」と思ってしまうことがあるのです。
発達障害の人が金銭感覚がおかしいのは症状の1つであり本人に悪意はない
自閉症スペクトラム症(アスペルガー)やADHDの発達障害の人の金銭感覚を見ていると、周囲の人は「おかしい。あり得ない。」と思って、引いてしまうことがあるかもしれません。
でも、発達障害の人の金銭感覚がおかしいのは、本人に悪意があるからというわけではないのです。発達障害の人の金銭感覚がおかしいのは、障害による症状の1つです。
病気のようなものと考えるとわかりやすいでしょうか。本人が悪いわけではなく、障害による症状の1つなのですから、周囲の人はそれを理解して、サポートしていく必要があります。
発達障害の人は、好きで金銭感覚がおかしくなっているわけではないので、周囲の人の理解が必要なのです。
そのままでいると破産へ一直線
発達障害の人の金銭感覚がおかしいのは、本人が悪いわけではありません。だから、金銭感覚がおかしいことを責めてはいけないのです。
でも、発達障害の人の金銭感覚がおかしいのに、それを放っておいたら、破産へ一直線です。破産して、貯金ゼロになるなら、まだ良いかもしれません。
場合によっては借金まみれになってしまうこともありますし、金銭トラブルを起こして裁判沙汰になる可能性もあるのです。
だから、あなたの家族や恋人、親しい友人が発達障害で、その症状から金銭感覚がおかしい場合、あなたはその人と一緒に金銭感覚を治すように努力し、金銭感覚が普通に近づいて、お金の管理ができるように導いていかなくてはいけません。
ちなみに、家族や恋人、本当に親しい友人以外の場合は、いくら周囲に発達障害で金銭感覚がおかしい人がいても、あえて触れずに放っておいた方が良いと思います。
お金のことはよほど親しい関係でない限り、口を出さないほうが良いです。
いくらあなたがその発達障害の人のためだと思っていても、親しくない人が金銭的なことに首を突っ込むと、そこから金銭トラブルが起こる可能性もあります。
だから、そこまで親しくない人が発達障害の可能性があって、金銭感覚がおかしいと感じたら、放っておくか、その人の恋人や親友に「発達障害かもしれないから、サポートしてあげたほうが良いんじゃない?」とアドバイスしてあげると良いでしょう。
発達障害の人の金銭感覚の9つの治し方
発達障害の人は、その障害が原因で金銭感覚がおかしくなっています。障害が原因と言っても、何の対策もできないというわけではありません。
日常生活内でのちょっとした工夫や本人・周囲の人の努力で、金銭感覚を治すこと、一般的な金銭感覚に近づけることは可能です。
発達障害の人の金銭感覚の治し方を9つご紹介します。
まずは金銭感覚がおかしいことを本人が自覚することが大切
発達障害の人が金銭感覚を治したいと思っているなら、まずは自分自身の金銭感覚がおかしいことを自覚する必要があります。
これは、発達障害の人に限ったことではありませんが、自分自身の金銭感覚に疑問を持つことはほとんどありません。みんな自分の金銭感覚はおかしいと思わずに、ごく普通であると思っているんです。
特に、発達障害の人はこだわりが強いですし、自分を発達障害と認めようとしないこともありますので、金銭感覚がおかしいと自覚させるのは難しいこともあります。
でも、金銭感覚を治したいなら、まずは本人が「自分の金銭感覚がおかしい」と自覚することが大切です。
自覚が難しい場合は、周囲の人が具体的な例を出しながら、1つ1つ丁寧に説明してあげるようにすると良いでしょう。
1ヶ月の予算・家計の予定を立てる
発達障害の人の金銭感覚の治し方の2つ目は、1ヶ月の予算を立てることです。未来の家計簿をつけてみましょう。
・光熱費
・通信費
・食費
・娯楽費
・衣服費
・衛生費
このように1ヶ月にそれぞれがどのくらいかかるのかをしっかり計算して、それぞれ予算を立てるようにすると、衝動買いなどを少し抑えることができます。
また、ADHDの人は長期的な視野に立ってお金の管理をするのが苦手ですが、未来の家計簿をつけておくと、ADHDの人でもお金の管理をしやすくなります。
家族にお金の管理を依頼する
発達障害の人の金銭感覚の治し方、3つ目は家族にお金の管理を依頼することです。発達障害の人は、その症状からお金の管理をするのが苦手であり、金銭感覚がおかしいのです。
だから、その苦手なことをあえて頑張ろうとすると、ストレスになってしまいますので、家族がいるならその人にお金の管理を任せてしまいましょう。
苦手なことは、得意な人に依頼すれば、それで解決しますよね。家計を一緒にしている家族に、お金の管理を依頼すれば、無駄遣い・衝動買いなどを避けることができるのでおすすめですよ。
クレジットカードやキャッシュカードを持ち歩かない
発達障害の人が、金銭感覚を治したいと思っていて、治せるように頑張っていても、突然治るわけではありません。
ここでご紹介する治し方を実践しても、ゆっくり少しずつしか治らないと思います。だから、治している途中では、クレジットカードやキャッシュカードは持ち歩かないようにしましょう。
クレジットカードやキャッシュカードを持っていると、欲しいと思ったらその場で買ったり、必要と思うだけの現金を引き出すことができてしまいます。
でも、クレジットカードやキャッシュカードを持っていなかったら、手持ちの現金で買える範囲しか買い物ができません。
だから、発達障害の人はできるだけクレジットカードやキャッシュカードは持ち歩かないほうが、金銭感覚を早く治すことができるでしょう。
1日に使える限度額、1週間使える限度額を決める
発達障害の人の金銭感覚の治し方、5つ目は限度額を決めることです。1日に使える金額・1週間に使える金額を決めておいて、財布の中にはその金額しか入れておかないようにすると、衝動買いができなくなります。
また、一般的な金銭感覚の人が「1日に使う金額はこのくらい」と認識することができるので、金銭感覚を治すのにもつながるのです。
サークルや職場の幹事・会計係は引き受けない
発達障害の人は、サークルや職場の飲み会等の幹事や会計係は引き受けてはいけません。大学のサークルや職場で飲み会やイベントがあると、幹事や会計係を任されることがあると思います。
でも、発達障害の人は金銭感覚がおかしいのですから、幹事や会計係は引き受けてはいけません。仲間内でのトラブルの原因になりかねないからです。
もし、幹事や会計係を依頼されたら、リーダー格の人にだけ「こういう理由で引き受けられない。引き受けたら、何かトラブルを起こしてしまうかもしれない。」と伝えて、固辞するようにしましょう。
ただ、幹事や会計係を拒否すると、周りの人からの印象は悪くなってしまうので、そのほかの雑用は積極的に引き受けるようにしてください。
といっても、発達障害の人はその症状から周囲への気遣いが下手なことも多いので、それは難しいこともあるとも思いますが、それでも幹事や会計係は引き受けないほうが良いでしょう。
友人・知人にお金の管理は依頼しない
発達障害の人が金銭感覚を治したいなら、家族にお金の管理を依頼するのが良いと説明しましたが、友人や知人にはお金の管理を依頼するのは止めましょう。
お金の管理を依頼するのは、家族限定にしてください。友人や知人にお金の管理を依頼すると、トラブルが起こる可能性があります。
本当に仲が良くて、心から信頼している相手だとしても、お金は人の心を変えてしまうものです。友人や知人が裏切って、お金を持ち逃げしてしまう可能性だってあるのです。
だから、友人や知人にお金の管理を依頼するのは止めたほうが良いのです。人間不信に陥る可能性だってあるのですから。
恋人にお金の管理を依頼するのも、基本的にはおすすめしません。百歩譲って、結婚が決まっていて同棲している恋人なら、お金の管理をお願いしても良いですが、一般的な恋人関係の状態では、お金の管理は依頼しないほうが安全です。
毎日家族とオンラインで残高チェックをする
発達障害の人の金銭感覚の治し方、8つ目は残高をチェックすることです。
毎日、残高を家族とチェックする習慣をつけておくと、無駄遣い・衝動買いの有無を自分で把握できますし、家族も把握することができるので、金銭感覚を少しずつ治すことにつながります。
この時、自分1人で残高チェックをしても、「まぁ、いいか!」と思って終わりですので、必ず家族と一緒に残高チェックをしましょう。
オンラインのネットバンキングを使えば、毎日残高チェックするのも簡単ですよね。
必要なら病院へ行く
発達障害の人が金銭感覚を治すなら、発達障害の症状を軽減させる必要があります。もし、発達障害でも病院に行っていないのなら、まずは病院を受診してみましょう。
発達障害の場合は、基本的に精神科を受診します。精神科を受診して、専門医や臨床心理士のサポートを受ければ、発達障害の症状を緩和・軽減できるので、金銭感覚を治すこともできるのです。
発達障害の人は、日常生活内でストレスを感じることも多いと思うので、専門医の力を借りてみてはいかがでしょうか?
発達障害の金銭感覚についてのまとめ
・発達障害の人の金銭感覚がおかしいのは病気の症状が原因であることが多い
・発達障害の人の金銭感覚の治し方
「金銭感覚がおかしいことを本人が自覚する」「1ヶ月の予算・家計の予定を立てる」「家族にお金の管理を依頼する」「クレジットカードやキャッシュカードを持ち歩かない」「1日・1週間に使える限度額を決める」「サークルや職場の幹事・会計係は引き受けない」「知人・友人にお金の管理は依頼しない」「毎日家族とオンラインで残高をチェックする」「必要なら病院へ行く」
発達障害と金銭感覚の関係や発達障害の人の金銭感覚の治し方をまとめました。発達障害の人は浪費癖があるなど、金銭感覚がおかしいと思われることが多いですが、それは本人に悪意があってのことではありません。
だから、周囲の人の理解やサポートが必要なんです。ただ、金銭に関することは、どうしてもトラブルが起こりやすいですから、サポートするのは家族を中心にして、それほど親しくない場合は、直接かかわらないほうが良いでしょう。