不登校になる生徒は意外にも多いことから、何かと話題に上ることも多いです。将来のためには、復帰のタイミングを見極めることが大切なようですよ。
今回は不登校の定義や原因、復帰のタイミングや生徒の将来などついてご紹介します。
この記事の目次
不登校の2つの定義とは
まずは不登校の定義について見ていきましょう。不登校の定義はきちんと決まっていて、ジャッジがしやすいもののようです。定義は2つあって、以下の2つを同時に満たすものが「不登校」と言えます。
1つ目は、年間30日以上、学校を欠席している者。連続でも飛び飛びでも関係ありません。
2つ目は、子供が登校しない、もしくは登校できない状況にあるもので、背景としては、心理的・感情的・身体的・社会的要因・背景で、病気や経済的な理由のものを除いたものです。
不登校って、ぜんぜん学校に行かない生徒のことを言うようなイメージがありますが、年間30日以上、なのですね。意外にハードルが低いと言いますが、ちょっとした何らかの原因があったら、該当してしまうような危険性があるかもしれません。
不登校とみなされる条件とは
不登校と見なされる条件について見ていきましょう。上記にあげた「不登校の定義」に当てはまる場合は、もちろん不登校生徒ということになりますが、必ずしもそれだけではないようです。
つまり、学校側の総合的な判断で、不登校とみなされるケースもあるのです。学校または管理機関の判断が大きいようです。
ここで、不登校を判断する理由は、生徒にレッテルを貼るためではないことを覚えておくと良いでしょう。地域との連携をとって、柔軟な対応を心がけ、不登校生徒の救済に努めるためのものです。「特別の教育課程」を取ることができるようになります。
不登校の5大ステップ
不登校の5大ステップについて見ていきましょう。不登校のこの5大ステップは、不登校初期ステップ、混乱期ステップ、安定期ステップ、葛藤期ステップ、回復期ステップ、の順に進んでいきます。
最後は回復するように作られていますが、それに至るまでにさまざまなステップを踏むことになります。
①不登校初期ステップ
なんとなく学校に行きたくないような様子を見せる時期です。体調不良を訴えたり、布団からなかなか出られなかったり、玄関でぐずぐずしているなどが見られたら、このステップに入っていると言えるでしょう。
②混乱期ステップ
学校に行けなくなってしまう段階です。すでに不登校というわけですね。精神的に不安定になり、生活のタイムテーブルも昼夜逆転になることが多いです。ゲームばかりして過ごしたり、暴力や暴言が見られたりすることもあります。この段階では辛抱強く見守るしかありません。
③安定期ステップ
精神的に安定してくる時期です。子供が暇な様子を見せたり、暇であると口にしたりすることもあります。この段階では、家の中のことを頼んだり、家族でレジャーにいったりなど、体を動かすようにするとよいです。
④葛藤期ステップ
不登校になってしまった自分の将来について葛藤を始める時期です。フリースクールなど、家以外の場所に行ったり、交流したりできるようになります。この段階では、親が積極的に復帰のための情報を集め、将来のために協力することが良いでしょう。
⑤回復期ステップ
復帰のタイミングが掴めれば、不登校から脱却して、学校に通えるようになることもあります。そうでない場合も、学校や友達のことを気にし始めたりします。ここでも積極的にサポートすると良いでしょう。
高校での不登校の割合
高校での不登校の割合について見ていきましょう。いったいどのくらいの割合で不登校が発生しているのでしょうか?文部科学省が平成16年から調査しており、そのデータがあります。
平成25年においては、高校全体の生徒数が3,324,772名で、そのうち不登校者は55,657名でした。パーセンテージで言うと、1.67%ですね。もっと分かりやすい例えで言うと、60人に1人が不登校になる割合と言えるでしょう。不登校はどこにでもありえる現象と言えるようです。
不登校が発生するタイミングは、やはり1年生がもっとも高いようです。なんとなくイメージがつきますね。学年が上がるに従って、不登校の割合は減っていく傾向にあります。
ちなみに、全日制と定時制とを比べた場合、定時制の方が不登校の割合は大きく、全日制の10倍以上に上るのだそうです。
また、不登校から登校できるようになる復帰タイプの生徒は意外に多く、高校生の不登校生徒全体の4割以上が復帰しています。内訳は、完全復帰が34.2%、前向きな変化が12.3%だそうです。
不登校になってしまっても、必ずしもそのまま落ちていくというわけではないのですね。経験して、そこからちゃんと復帰できるケースも多いです。
不登校になる2つの原因
そもそもなぜ不登校になるのか、不登校の原因について見ていきましょう。不登校の原因は2つに大分されます。1つは、不安などの情緒混乱型で、もう1つは、無気力型、です。それぞれ見ていきましょう。
不安などの情緒混乱型
こちらのケースが不登校生徒にもっとも多い原因とされています。不安があって学校に行きたくないという気持ちと、行かない事への罪悪感があって、情緒的に混乱するケースです。
情緒不安定のため、気分のムラが非常に大きいのが特徴です。体調不良を訴えることも多いです。この場合は、とにかく休養させて、心の落ちつきを待つのが良いそうです。
無気力型
こちらは本人にも原因がよく分からず、「なんとなく学校に行きたくない」というケースです。文字通り「無気力」なのですね。情緒不安定とは違い、精神的な混乱は見られません。
このため、このケースでは回復を待つと言うよりは、学校に行くように根気よく説得する必要があるそうです。学校に行ったり、欠席したり、が断続的に発生することが特徴と言えるでしょう。
不登校から復帰しやすい2つのタイミング
不登校から登校できるようになる復帰のタイミングについてみていきましょう。何でもタイミングが重要ですが、不登校でもやはり変化が成功しやすいタイミングがあるようです。
子供の様子から分かる復帰のタイミング
退屈そうにしていたり、退屈を口にしたり、学校の話題を嫌がらなくなったり、興味や行動の範囲が広がってきたり、などが上げられます。これは親などが常に注意深く子供を観察することによって発見できるサインと言えるでしょう。
登校できるようになる時期的なタイミング
夏休み明け、進級・進学時期、の2つが上げられます。夏休み明けは、気候的にも気分が良く、その後にさまざまなイベントがあるため、クラスになじむことも容易になるようです。
進級・進学時期は、文字通り、環境の変化の時期です。クラスになじめなくて不登校になった場合は、ここから新しい第一歩をスタートすることができるでしょう。
不登校の生徒の将来
不登校の生徒の将来について見ていきましょう。不登校経験者の20歳における就学率のデータがあって、それによると全体の47%以上が進学しているのだそうです。
内訳は、大学・短大・高専などへの進学が23%、高等学校への進学が9%、専門学校・各種学校への進学が15%になっています。
平成23年のデータですが、なんとなくイメージがつきますよね。もちろんこの反面、半数以上が進学しなかったり、もしくは在学のままだったり、ということになります。ここから分かることは、不登校になったら、復帰できるように全力で周囲が取り組む必要があると言うことです。
それによって将来の明暗が分かれると言ってもよいでしょう。
不登校生徒が通える施設2つ
不登校生徒が通える施設について見ていきましょう。不登校になってしまっても、回復し始めたら、単位を取る方法はいろいろあります。フリースクールがもっとも有名かと思いますが、それだけでないようですよ。具体的には、公共の施設と民間の施設の2つに大分されます。
公共の施設
適応指導教室もしくは教育センターと呼ばれる施設があります。ネーミングがあまりよくありませんが、各都道府県にあるようなので、活用しやすいでしょう。最終目的を学校へ復帰することに位置づけており、学校側との連携体制も整っています。また、費用も無料です。
民間の施設
フリースクールや学習施設などがあります。不登校の高校生の支援をする施設です。民間のため、内容は施設によってかなり違うようです。きちんと調べて、見学もして、本人に向いている施設を選ぶと良いでしょう。また、費用なども実費でかかることになります。
不登校生徒が出席扱いになる2つの条件
不登校生徒が出席扱いになる条件について見ていきましょう。学校外の施設での出席であっても、条件を満たせば、本来の出席扱いになるものだそうです。いくつか条件があるので、それに則した施設を選ぶ必要が出てくるでしょう。条件をまとめてみました。
保護者と学校との間で十分な連携体制ができていること
施設に通う前に、準備が大切と言うことですね。親が学校側に相談し、十分な対策を練っておく必要があります。
基本的に公共機関への通所であること
原則的に公共の施設が対象になります。ただし、民間の施設であっても十分な条件を満たしているところであれば大丈夫です。このため、民間の施設を検討する場合は、その施設の実績をきちんと調べて選んだ方がよいでしょう。
最近フリースクールをよく耳にしますが、民間なので、すべてのフリースクールが出席扱いになるというわけではないのですね。事前の調査が非常に大切になります。
不登校についての口コミ
今、学校に行きづらかったり不登校であったり様々な身体症状などで苦しい思いをしている世の中の多くの子供たちが。
— ままあるめりあ (@meriaheart) 2017年7月23日
それぞれに合った安心できる環境でそれぞれの花を咲かせてほしい。
誇らしく凛々しく生き生きと過ごしてほしい。
難しいかもしれないけど、そうなることを1日でも早くと願います
転勤して4ヶ月間、不登校傾向の生徒達と関わる機会が凄く多かった。それぞれの生徒が大きな傷やリスクを負っている。信頼関係を築きツラさを含めて丁寧に話を聞くだけでかなりの時間を要した。学校に来られるようになった生徒もいるがホームスクーリングを始める生徒もいる。登校がゴールではないから
— ゆず姉 (@ikeike3103) 2017年7月22日
いじめ問題解決もそうだ、学校がいやになったら次の日から不登校OKだ。どんどん休め。いじめをカミングアウトさせることも重要だ。いじめられるのが情けない、ちょっと弄っただけで「いじめられてると思うほど弱い面倒な子」みたいな感覚を持っている糞人間が日本にはいる。この意識を無くすべきだ。
— 30代ひきこもりニート (@hikikomolism) 2017年7月17日
教員が自分の人生を肯定するために長い時間かけて築き上げられたシステム=学校、部活。
— サヨナラだけが人生だ (@balance_pluton) 2017年7月17日
それに付き合わされてきた生徒と保護者たち。そこからはみ出してしまう人がこれからの学校を変えるかもしれないなぁ、と思いました。
部活に問題意識を持つ当事者&不登校や学校被害者が手を組んだら…と。
元貴「メジャーデビューしたら(中学時代不登校であったことが)正当化されると自分は思ってて。ただがむしゃらにここまでやって来たけど、やっぱりメジャーデビューしても払拭できない感情とか色々なものがあって。」
— 788° (@_78Pa) 2017年7月15日
この話は初ワンマンでもしてて、本当に感慨深いものがあった
昔は不登校だったのに今のところ毎日仕事行けてるから俺はえらい
— ふくちょ (@fukuchoooch) 2017年7月14日
よく頑張ってる
不登校から復帰するには周りのサポートが必要不可欠
「年間30日以上学校を欠席している」「子供が登校しない・投稿できない状況にあること」
・高校での不登校の割合は、60人に1人の割合で不登校になるといわれている
・不登校になる原因
「将来などの不安」「なんとなく学校に行きたくない」
・不登校から復帰しやすいタイミング
「子供の様子を観察してサインを発見する」「夏休み明け」「進級」「進学時期」
・不登校の生徒の将来は、全体の47%以上が進学している
・不登校生徒が通える施設
「適応指導教室」「教育センター」「フリースクール」「学習施設」「民間施設」
・不登校生徒が出席扱いになる条件
「親が学校側に相談していること」「基本的に公共機関への通所になっていること」
いかがでしたか?不登校は誰にでも起こりうる問題と言えそうですが、親のサポートは非常に大きいようですね。
地元の小学校から超有名中学に進学させたら、環境に馴染めずに中学中退になってしまった、という方を知っていますが、やはり本人の学歴に対する劣等感は根強いものがありますし、お仕事の面でもマイナスは大きいです。
もし不登校になってしまったら、できる限りのサポートをして、復帰させてあげた方が良いです。ひとりでは大変だと思うので、いろんな方と連携を取ると良いでしょう。
まずは学校に相談するのが王道です。もしかしたらその学校が原因かもしれませんが、そこはやり方次第としか言い様がありません。頑張ってみてください。
以上、不登校についてのおまとめでした。