家族と一緒にいるとストレスに感じて、家族のことを嫌いだと思ってしまう人は、「家族のことを嫌いなんて、私が悪いのかな?私がわがままなの?」と悩んでいるかもしれません。
でも、家族のことを嫌いなのは、別に変なことではありません。また、対処次第で家族と分かり合えることもできますし、少しずつ関係性を改善できることもあるのです。家族のことが嫌いな原因や対処法をまとめました。
この記事の目次
家族のことが嫌いなのはおかしいことではない
家族のことが嫌いで、一緒にいるとストレスに感じるあなたは、「自分はおかしいのかな?私の性格が悪いから、家族のことを嫌いに感じるのかな?」と悩んでいるかもしれません。
でも、家族のことが嫌いだと思うのは、別に変なことではありません。そして、家族をストレスに感じているのはあなただけではないのです。家族のことが嫌いでストレスに感じている人は、意外とたくさんいます。
家族だから、自動的に「仲良しでみんな大好き!」というわけではないのです。家族といっても、いろいろな性格の人が集まっているのですから、嫌いになったり、ストレスを感じたりするのは当然のことなんです。
だから、家族を嫌いだと感じても、あなたは自分のことを責める必要はありません。
家族のことが嫌いな10個の原因
家族のことを嫌いだと感じる原因をまずは考えていきましょう。原因がわかれば、対処法が見えてきます。家族のことを嫌いな原因を10個ご紹介します。
思春期
家族のことを嫌いになる原因の1つ目は、思春期です。思春期になると、みんな家族をストレスに感じたり、ちょっとしたことでイライラするようになります。特に、女子は父親のことを嫌いになることが多いですね。
思春期はホルモンバランスが大きく変化する時期です。そのため、精神的に不安定になりやすいのです。また、自己を確立し、親から自立する準備を始める時期です。
だから、親をはじめとする家族に対して、少しのことでイライラしてしまい、家族と一緒にいるだけでストレスを感じたり、親を嫌いだと思ってしまうのです。
これは、人によって程度の差はありますが、多くの人が通る道ですから、安心して大丈夫です。
親が過保護すぎる
家族を嫌いな理由の2つ目は、親が過保護すぎることです。親が自分の身の回りのことを全てやってくれると、ある意味楽ではあります。ただ、思春期以降に自立心が芽生えてくると、すべてのことに手を出してくる、口を出してくる親をストレスに感じることはありますよね。
自分はこうしたいと思っているのに親に反対されて、親の考えを押し付けられる。これを繰り返していると、親のことを嫌いになってしまって、親がいるだけでストレスに感じるようになるのです。
兄弟と比べられる
いつも兄弟と比べられて育ってきた人は、親はもちろん、比べられてきた兄弟も嫌いになることがあります。
「お兄ちゃんはちゃんと勉強しているのに、あなたはどうしてできないの?」、「お姉ちゃんの成績はいつもいいのに、あなたはいつもダメね。」、このように兄弟と比べられると、劣等感を持つようになります。
そして、親や兄弟と一緒にいると、いつも比べられて、劣等感を強く感じるようになるので、家族と一緒にいるだけで、ストレスを感じてしまうのです。
兄弟と明らかに差をつけられた接し方をされる
親から、兄弟と明らかに差をつけられた接し方をされる人も、家族や親を嫌いになります。兄にはいつも新品の高級品を買い与えているのに、自分には何も買ってくれない。
「あなたはお姉ちゃんだから」と親からいつも我慢を強いられている。このようにして育ってきたら、親のことを嫌いになるのは当たり前のことです。
「親から自分は愛情を与えてもらえなかった。兄弟だけが愛された。」と感じたら、嫌いになりますよね。自分に愛情を惜しみなく与えてくれる人には好意を持ちますが、そうでないなら好意を持てないのは、仕方がないことなのです。
ただ単に気が合わない
家族のことを嫌いな原因は、ただ単に気が合わないからかもしれません。同じ両親から生まれたとは思えないほど、性格が正反対の兄弟・姉妹っていますよね。
兄弟だからって、必ず仲良しで、相手のことを思いやることができるとは限りません。気が合わなかったら、嫌いになることだってあります。
しかも、「兄弟だから仲が良いはず」という常識を親や周囲から押し付けられるので、余計にストレスに感じてしまうのです。兄弟と言っても、気が合わなければ嫌いになってしまうのは普通のことです。
依存されている
家族のことを嫌いになる原因、6つ目は依存されていることです。親から依存されていると、親のことを鬱陶しくなりますので、親といることがストレスになります。
子離れが全然できておらず、精神的に全面的に依存されているケースもありますし、経済的に依存されているケースもありますよね。
親からべったり寄り掛かられて依存されていると、親のことを嫌いになってしまいます。
両親の仲が悪い
家族のことを嫌いになる原因の7つ目は、両親の仲が悪いことです。両親の夫婦仲が悪いと、家庭の中の雰囲気はいつもピリピリしていて、親に話しかけるだけで、気を使ったり、空気を読まなければいけません。
友達の両親が仲が良いのを見ると、仲が悪くていつも喧嘩している自分の両親を嫌いになることがあります。
家庭内に自分の居場所がない
家族のことを嫌いになる原因の8つ目は、家庭内に自分の居場所がないことです。自分以外の家族はとても仲が良いのに、自分だけがその輪に入ることができないという場合、家族と一緒にいることにストレスを感じます。
仲良し家族の輪に入りたいのに除け者にされてしまうケースもありますが、「なんとなく、あの雰囲気の中には入れない。無理。」と感じてしまうこともあると思います。
本来なら安心すべき場所である家庭内に、自分の居場所がないと感じてしまったら、家族をストレスに感じ、嫌いになってしまいます。
強いコンプレックスを持っている
家族に対して、強いコンプレックスを持っていることも、家族を嫌いになる原因の1つです。
例えば、自分はあまり可愛くないのに、妹がモデル並みに美人でスタイルが良い。自分はあまり勉強はできないのに、親兄弟はみんな東大卒や弁護士、医者などの職業に就いている。
こういうケースは、家族から優しくされていても、コンプレックスから劣等感にさいなまれてしまって、一緒にいることにストレスを感じたり、「こいつさえいなければ…」と思って嫌いになってしまうことがあるのです。
虐待を受けていた
家族を嫌いになる原因の最後は、虐待です。虐待を受けていたら、家族を嫌いになるのは当たり前のことです。
虐待と言っても、殴る蹴るだけではありません。精神的な虐待、性的な虐待、ネグレクトなどもありますよね。
また、自分が虐待を受けているのではなく、母親が父親から暴力を受けていたり、兄弟が虐待されているのを目撃するだけでも、敵対心を感じて、その原因となる家族の1人を嫌いになってしまいます。
家族が嫌いでストレスに感じる時の対処法
家族のことが嫌いで、家族と一緒にいるとストレスを感じるなら、そのストレスを隠して我慢したりせずに、できる対処法をやっていきましょう。
対処法を実践することで、ストレスを軽減できたり、家族との仲を少しずつ改善して、良い方向に持っていくこともできるのです。
早く家を出て自立できるように準備する
家族のことが嫌いなら、早く家を出て自立できるように準備を始めましょう。自立して、1人暮らしを始めれば、家族と物理的に距離を置けるので、今のストレスを緩和することができます。
あなたの今の年齢によっては、今すぐ自立は難しいこともあると思います。中学生・高校生だと、いくら家を出たいと思っても、年齢的にできませんよね。経済的な問題もあります。
だから、今のうちから準備を始めましょう。中学生・高校生なら大学進学を機に自立できるようにしっかり勉強をして、希望の大学に入れるようにしておくこと。
勉強でいい成績を取っておけば、奨学金をもらうのにも有利ですので、自立しやすくなります。
また、少しずつで良いですから、お小遣いを貯めておきましょう。1人暮らしをするにはお金がかかりますので、お小遣いをしっかり貯めておけば、自立しやすくなります。
「自立なんてまだまだ先」と思うかもしれませんが、それでも今から準備を始めておくことで、家族をストレスに感じても、「あと少しでこの家を出られるから、我慢しよう」と思えて、精神的に少し楽になるんです。
1人になれる場所を作る
家族のことが嫌いなら、1人になれる場所を作っておくことも重要な対処法です。嫌いなのに、家族だからといっていつも一緒にいると、余計に嫌いになりますし、ストレスも溜まります。
「嫌いな人と一緒にいる」というのは、ただそれだけでストレスになるのです。だから、あなたが1人になれる場所を作っておきましょう。
もし、自宅に自分の部屋があるなら、そこがあなたの居場所になります。場合によっては、コッソリと鍵をつけておくのも良いかもしれません。過保護で過干渉な親の場合、無断で部屋に入ってくるので、安心して1人になることはできませんから。
また、自室がない人は、外で1人になれる場所を作りましょう。おすすめは図書館です。家族にイライラしたり、ストレスを感じた時に、静かな図書館で座ってボーっとしたり、深呼吸したりするだけでも、精神的に落ち着くことができると思います。
なぜ嫌いなのかを考える
家族を嫌いな人は、なぜ嫌いなのかを一度冷静に考えてみましょう。あなたは、なぜ家族のことが嫌いなのでしょうか?
虐待を受けているなど、あなたには何の原因もなく、完全に向こうが悪いというならともかく、そうでない場合は、一度冷静に考えてみることで、気づかなかったことに気づけるようになるかもしれません。
また、嫌いな理由、ストレスに感じる理由を自分の中で明確にしておくことで、家族にそれを指摘することができますし、自分が改善すべき点が見えたり、どうしたら家族を嫌いだと思う瞬間を回避できるかがわかることもあります。
ただ単に「嫌い!」で終わらせずに、冷静に嫌いな理由を分析してみましょう。
ストレスに感じることを伝える
家族をストレスに感じている時の対処法、4つ目はストレスに感じていることを正直に伝えるようにしましょう。
あなたは家族のどんなことにストレスを感じているのか、どんな行動・発言が嫌いなのかをきちんと伝えることで、家族はあなたがイライラしている原因がわかるので、自分の言動を直してくれることがあります。
家族が無意識でやっていること、良かれと思ってやっていることでも、あなたがストレスに感じていることがあるかもしれません。
ストレスに感じているなら、我慢せずに、正直にそれを伝えてみましょう。
無理はせずに距離を置く
家族のことを嫌いなら、無理はせずに距離を置きましょう。物理的に距離を置くことはできなくても、精神的に距離を置くことはできますよね。
あなたは、家族だから仲良くしなくてはいけないと思い込んでいませんか?別に、そんな必要はありません。あなたが、本当にストレスに感じていて、家族のことが嫌いだと思っているなら、距離を置くようにしましょう。
もちろん、一緒に住む家族である以上、必要最低限の会話は必要ですが、必要以上に仲良くしようと思わなくて大丈夫です。
一度きちんと話し合う
家族のことを嫌いな時の対処法、最後は一度きちんと話し合うことです。あなたが家族に対して嫌悪感を示していても、家族は何でそんなにあなたがいつもイライラして不機嫌そうなのかわからないかもしれません。
だから、一方的にあなたの気持ちを伝えるだけでなく、話し合いをして、家族の考えを聞くことも大切です。家族がなぜあなたに対して、そんな言動をするのか、家族の考えも聞いてみてください。
きちんと話し合えば、わだかまりがスーッと溶けることもあります。また、話し合いを持っても嫌いなままだとしても、それはそれでスッパリと割り切ることができたり、ある意味諦めの心境に達することができて、無理に仲良くしようとは思わなくなり、精神的に楽になると思います。
家族が嫌いな時の究極の対処法は「時間と距離」
家族のことが嫌いなことは、別に変なことではありません。また、家族だからって無理に仲良くしようとする必要もないのです。
家族が嫌いで、ご紹介した6つの対処法を実践しても、なかなか関係性がうまくいかないという場合の究極の対処法は、「時間と距離」です。
時間が解決してくれることもある
家族のことが嫌いなことは、時間が解決してくれることがあります。だから、焦る必要はありません。
思春期の人は、思春期が終わって大人になれば、それだけで今のストレスがなくなるかもしれません。また、あなたが精神的に成熟し、さらに親が年老いてくれば、お互いに丸くなって、思いやりの心を持ち、関係性が良くなることもあります。
年月が経ってから、「なんであの時こう思ったんだろう?くだらないことにこだわっていたな。」と過去を振り返って自分の言動に疑問を持つことは、誰にでもあることです。
だから、家族が嫌いなら、焦らずにじっくり構えて、長期戦で行きましょう。無理に今すぐ仲良くなろうとすると失敗しますので、「まぁ、そのうち何とかなるよ」くらいの気持ちで気長に行きましょう。
1人暮らしをすれば許せることもある
家族のことが嫌いなら、物理的に距離を置くことで解決できることもあります。先ほども「自立のための準備を始めよう」という対処法をご紹介しましたが、1人暮らしをして、物理的に距離を置けば、解決するケースが多々あります。
だから、もしあなたがすでに成人しているのに、実家に親・家族と一緒に住んでいるのであれば、今すぐ自立して1人暮らしを始めましょう。
1人暮らしをすることで、親のありがたみがわかって、親・家族のことを許せるようになるかもしれません。また、物理的に距離を置いて、顔を合わせなくなることで、今まで嫌いで仕方がなかったことも、「まぁいいか」と気にならなくなることもあるでしょう。
だから、距離を置くことはとても大切なのです。中高生なら実家で親と一緒に生活しなければいけませんが、成人したら「嫌い。ムカつく。ストレス」と思いながら、我慢して一緒に生活をしているなら、思い切って一人暮らしを始めてみると良いでしょう。
家族が嫌いでストレスに感じる原因と対処法についてのまとめ
・家族のことが嫌いな原因
「思春期の影響」「親が過保護すぎる」「兄弟と比べられると劣等感を持つ」「兄弟と明らかに差を付けられた接し方をされる」「ただ単に気が合わない」「親から子離れされずに依存されている」「両親の仲が悪い、家庭内に自分の居場所がない」「家族に対して強いコンプレックスを持っている」「家族から虐待を受けていた」
・家族が嫌いでストレスに感じる時の対処法
「早く家を出て自立する準備をする」「一人になれる場所をつくる」「なぜ家族が嫌いなのかを考える」「家族にストレスに感じることを伝える」「無理はせずに距離を置く」「一度きちんと話し合う」「時間が解決してくれることもある」「一人暮らしをして距離を置けば、許せることもある」
家族のことが嫌いでストレスに感じる原因と対処法をまとめました。家族のことが嫌いなことは、特別に変なことではありません。だから、自分をあまり責めないでください。
家族のことが嫌いだとしても、時間と距離が解決してくれることもあります。ご紹介した対処法を実践しつつ、時間と距離を置くようにしていきましょう。