出っ歯は、歯に関する悩みの中でも特に多いものだと思います。笑った時やしゃべる時、どうしても人の目が気になってしまいますよね。
今回は出っ歯の原因や、矯正を始めとした治す方法をご紹介します。
この記事の目次
出っ歯の原因はたくさん!
出っ歯になってしまう原因は1つ2つではありません。大人になってから考えられる原因と、幼い頃に作られた原因があります。まずは、幼い頃の原因についてご紹介します。
幼い頃のおしゃぶりによるクセ
小さな頃に「おしゃぶり」をしていた方も多いでしょう。実際におしゃぶりを使っていたというケースから、指しゃぶりをしていたというケースまで様々です。
人によっては、おしゃぶりや指しゃぶりではなく、タオルをしゃぶる癖がついていたという方もいるかも知れません。このように、幼い頃からおしゃぶりの癖がついていたことが原因で出っ歯になっている可能性があります。
おしゃぶりをくわえる角度が悪いと、その段階で出っ歯の原因を作っているのです。
また、いつまでおしゃぶりをしていたのか、という点も大きな問題です。一般的には2歳までであれば大きな問題はないとされていますが、2歳を過ぎてもおしゃぶりをし続けていると、前歯が徐々に外側を向いてしまうことがあります。
怪我によるもの
乳歯の頃に転んで前歯を折ってしまったケースや、折れていなくても怪我で乳歯に傷がついてしまった、または永久歯に生え変わってから同じような状況が起こった場合、それが原因で出っ歯になることがあります。
怪我によるダメージによって、歯の生える角度が変わってしまったケースです。
自覚すれば防げた出っ歯の6つの原因
自分の中では生まれつきだと思っていても、実は無意識の内に自分で出っ歯の原因を作っている場合もあります。そのようなケースについてご紹介していきます。
爪を噛む
頻繁に爪噛みをすることにより、歯に過度な力が加わるため出っ歯の原因となります。
口呼吸をする
口呼吸をしている方は、あご周りや頬の筋肉の働きが低下している可能性があります。これによって歯を支えるための歯茎が後退してしまうことも、出っ歯の大きな原因です。
また鼻呼吸をしている方は口を閉じた状態ですので歯茎もしっかりと引き締まっており、必要以上に歯茎が自由な状態になってしまうことがありません。
これに比べ、口呼吸をする方はどうしても歯茎に必要以上の自由を与えてしまいますので、筋力が弱まり、歯が前に倒れてきてしまいます。
頬杖がクセになっている
頬杖が癖になっている方も要注意です。頬杖をつくことによって左右の歯並びが崩れてしまい、どちらか一方の歯だけが出っ歯になってしまう場合もあります。
舌のクセ
口の中で、「舌」の状態はどのようになっているでしょうか?基本的には力をいれず下あごの上に置いている状態です。舌に力を入れる癖がついている方の場合には、無意識のうちに下の歯を押していたり、上の歯の裏側を舌で押していることが考えられます。
これに関しても知らず知らずの癖が、いつの間にか歯を前に押し出しており、出っ歯になってしまうケースです。
骨格の歪み
出っ歯というのは、口の中だけに問題があるわけではありません。歯は全身の骨格の影響も受けやすいので、骨盤や背骨、首、肩などに歪みが生じていると、歯並びにも歪みが生じやすくなります。
眠っている間の原因
朝起きたときに顎が疲れている方や、歯茎が痛い、奥歯が痛いという方は要注意です。無意識のうちに歯を強く嚙み締めているかも知れません。強い圧がかかることで、歯並びが悪くなる原因を作り出しています。
大人になってからでも歯列矯正などで出っ歯は治せる
出っ歯を治すために歯列矯正をする方もいます。歯列矯正は大人になってからするよりも、子供のうちにした方が効果は高いということを、多くの方がご存知でしょう。そのため、大人になってから出っ歯を治すのは無理だと思い込んでいる方もいます。
「大人になってからでも出っ歯を治すことは可能」ですので、諦めずにいろいろな方法を探っていくことが大切です。
骨格に歪みが生じている場合や、遺伝による骨格が出っ歯の原因になっている場合には、骨格の歪みを取ることが出っ歯の改善に繋がることもあります。
変化が目に見えるようになるまでにはある程度の期間が必要ですから、何度も整骨院などに通いながら歪みの解消と出っ歯の改善を期待していくことになります。
自分でできる!出っ歯の3つの治し方
大人になってからでも、いくつかの方法で出っ歯を治すことができます。歯列矯正の他にも歯並びを強制的に変える方法がありますが、その前に自分でできることからはじめてみましょう。
100%確実に治ると約束できるものではありませんが、少しずつでも変化が出る可能性の高いものをピックアップします。
横向き、うつ伏せを避ける
リラックスしている時や夜眠る際に横向きになってしまうこと、うつ伏せになってしまうことは出来るだけ避けましょう。こうした寝相は骨格の歪みに繋がってしまいます。
骨格の歪みから来るストレスが、寝ている間の噛み締めを引き起こすこともあるのです。仰向けで正しい姿勢で眠ることによって噛み締めを防ぐとともに、歪みの改善や予防を行っていきましょう。
鼻呼吸を心掛ける
先ほどご説明した通り、口呼吸をしていると口周りの筋肉が緩み歯茎にも引き締まりがなくなってしまいます。そのため口呼吸を避け、鼻呼吸を心がけましょう。慣れるまでは息苦しく感じてしまうかも知れません。
しかし口呼吸は風邪をひきやすいなどのデメリットもありますから、積極的に治していきたいですね。眠っている間に口が開いてしまう方は、眠る前に唇を閉じるように絆創膏などを貼っておく方法をおすすめします。
姿勢を正す
歪みを予防しさらに改善していくためには、姿勢を正すことが何よりも大切です。整骨院などに通うだけでなく、日頃から自分の姿勢に気をつけましょう。
背筋をピンと伸ばすことや、長時間前のめりになりパソコンの前に座ってしまうことも避けてください。足を組んで座ってしまう癖がついている方は、足を組まないよう心がけます。
この他、立っている時の姿勢にも注意が必要です。どちらか一方の足だけに力を入れて体重を乗せていると歪みが広がりますので、バランスを両足にしっかりと乗せ、力を分散させるよう意識しましょう。
出っ歯を専門的に治す5つの方法
自分で努力するだけではなく、専門的に出っ歯を治していくのであれば、以下でご紹介する方法があります。
歯列矯正
最もメジャーな方法として知られているのは、「歯列矯正」ではないでしょうか。近年では歯列矯正にも様々な種類が出てきており、希望に合わせて選べるようになっています。
歯の裏側にシリコン製のゴムを使った矯正器具を装着する方法や、前歯全体ではなく1部の歯の裏側から矯正する器具を装着する事も可能です。出っ歯の具合や費用、また希望する矯正期間などに応じてベストなものを選びましょう。
矯正器具を装着してから、しばらくは痛みを覚えることもあるようですが、これは通常1週間程度で緩和されていく痛みのようです。
クラウンへの変更
クラウンというのは「差し歯」のことです。自分の歯を失うことになりますが、今すぐにでも出っ歯を直し、歯並びを綺麗に見せたいと思っている方にはこちらの方法があります。歯列矯正のように時間はかかりませんが、思い切った決断が必要になりますね。
デンタルクリニックでも、こちらの方法は極力避けるようにと言われるでしょう。それでも強い希望がある場合にはご自身の歯を極限まで削り、そこにクラウンと言う差し歯をかぶせる方法で出っ歯を治すことができます。
インプラントで治す
インプラントも自分の歯を失うことになる方法です。しかし前述のクラウンに比べて継続期間が長く、ほぼ半永久的に自分の歯と同じような扱いができる特徴を持ちます。
インプラントは歯茎、そしてあごの骨部分にチタンなどで作られた土台を埋め込み、この上にクラウンで差し歯をかぶせるといった方法になります。一般的なデンタルクリニックではなく、インプラントを扱っている口腔外科でなければ手術をすることができません。
即効性はありますが、インプラントを行う前に虫歯が発見された場合は、まず始めに虫歯を治療してからインプラントを行うことになりますので、留意しておきましょう。
マウスピースを使う
噛み締めによって出っ歯になってしまう方は、マウスピースで防ぐ方法もあります。マウスピースを装着し、出来るだけ噛み締めによる影響を軽減していきます。これによって歯と歯茎の無理な負担がなくなり、徐々に出っ歯を改善していくというわけです。
市販されているマウスピースでも若干の効果はありますが、自分専用のマウスピースを作る方が効果は高いため、デンタルクリニックでご自身の歯列矯正に効果的なマウスピースを作ってもらうと良いでしょう。
歯並びの変化に合わせながら何度かマウスピースを変え、最終的には綺麗な歯並びを目指していきます。
外科的手術で治す
遺伝による骨格の問題や、その他にも怪我などによって骨格の影響から出っ歯になってしまった方は、外科的手術によって治すことが可能です。顎の骨の一部を削り取る方法などが知られています。
こちらの方法は、上記した方法で出っ歯が治せないと判断した場合に行われます。口腔外科での手術ではなく、美容整形外科や外科での手術になりますので、デンタルクリニックや口腔外科とともに対応のできる大きな病院で相談するようにしてください。
出っ歯の原因は日常に潜む場合が多い!今すぐ気をつけよう
「幼い頃のおしゃぶりのクセ」「ケガによるもの」
・自覚すれば防げる出っ歯の原因
「爪を噛むクセ」「口呼吸」「頬杖のクセ」「舌に力を入れるクセ」「骨格がゆがんでいる」「眠っている間に歯を強く噛み締めている」
・大人になってからでも出っ歯は治すことはできる
・出っ歯の治し方
「横向きやうつ伏せを避ける」「鼻呼吸を心がける」「姿勢を正す」「歯列矯正」「差し歯」「外科的手術」
出っ歯の原因は様々なところに潜んでいます。自分では気がつかなかっただけで、もしかすると自分で出っ歯の原因を作っていたのかも知れません。その場合には今からでも自分でできる方法を取り入れながら、出っ歯の改善をしてみませんか?
急ぐ場合には専門的な方法がありますが、特別急ぐ理由がなければ自分で努力をすることから始めてみましょう。2年、3年と取り組んでも変化がなかった場合には、そこで初めて専門的な出っ歯の治し方を検討しても遅くはありません。