顎なしだと、顔の輪郭がぼやけたり横顔にメリハリがなかったりと大きなコンプレックスの一つになってしまうと思います。
今回は、顎なしの原因と改善に効果的とされる矯正などの方法について詳しくご紹介します。
この記事の目次
顎なしの原因となる「アデノイド顔貌」の5つの特徴
太っていない人でも、アゴがないことがあります。口元がもこっと出ているのがコンプレックスとなっている人は、口呼吸が原因の「アデノイド顔貌」かも知れません。
「そんな・・口呼吸ぐらいで?」と考えるのは大間違いです。実は口呼吸は顔の輪郭まで変えてしまう可能性がある、怖いものなのです。
アデノイド顔貌とは、鼻の穴の奥と喉との境目にある「アデノイド」と呼ばれるリンパ組織が大きくなりすぎたことから、鼻から呼吸することが難しくなり、口呼吸になることで起こる特有な顔つきのことです。
またアデノイドに特に異常がない場合でも、鼻づまりや癖、口周囲の筋力不足などで口呼吸になってしまった場合も、同じような顔つきになるそうです。そんな場合も含めて「アデノイド顔貌」と呼びます。
それでは、アデノイド顔貌とは一体どんな顔つきなのでしょうか。特徴を挙げると次のようなものになります。
・顔つきがコンプレックスになりやすい
口呼吸が長びくと、アデノイド顔貌がひどくなります。骨格や歯並びまで変わってしまうので、それがコンプレックスになってしまうのです。
・滑舌が悪くなる
口呼吸がしやすいように骨格や歯並びが変形するので、滑舌が悪くなってしまうのです。
・いびき、睡眠時の無呼吸症候群を起こしやすい
睡眠中も口呼吸になるので、舌が喉の方に落ち込んでしまい、いびきや睡眠時無呼吸症候群を起こしやすいことでも知られています。
・口臭が強くなりやすい
口呼吸をすることで口の中が乾き、口臭がきつくなりがちです。
・風邪やアレルギーを起こしやすい
外部から入った空気が鼻のフィルターを通らず喉に直接行くので、感染症やアレルギーを起こしやすくなります。
アデノイド顔貌による顎なしの治療と費用
アデノイド顔貌というのは、子供の頃に始まった口呼吸が成長期を通じてずっと続くことで起こる疾患です。つまり、アデノイド顔貌は子供の口呼吸をやめさせることで防ぐことができるのです。
もし、いつも口をぽかんと開けて口呼吸をしているのであれば、一度耳鼻科で口呼吸の原因を調べてもらったほうがよいでしょう。そしてアデノイドの肥大がないか、鼻炎などがないかなどを調べてもらって、治療を受けるようにしてください。
この場合の治療は、保険が適用になりますから安心してください。
そして、大人のアデノイド顔貌は、歯列矯正などの治療が必要になります。大人のアデノイド顔貌を治したいと思っても、残念ながら口呼吸を治しただけでは顔つきが戻ることはありません。
顔つきを徹底的に治すのであれば、美容整形や歯列矯正などが必要になります。これには、通常100万円以上の費用が必要です。金額が金額だけに「さすがにそこまでは・・」という人も少なくないでしょう。
そんなときは、口にテープを貼るなどして、癖になってしまっている口呼吸を鼻呼吸にするよう意識して努力するか、口周囲の筋肉を鍛える「あいうべ体操」などをやってみるといくらか顔つきは変わってくるはずです。
口呼吸が原因の顎なしには「あいうべ体操」が効果的
そもそもあいうべ体操とはどんなものでしょうか。あいうべ体操は内科の先生が考案した口の体操です。内科というと不思議な感じがしますが、口呼吸は口の中だけじゃなく、内科的な病気の原因にもなってしまいます。
それを予防するために、身近にできる健康法はないかと考えてできたのが、あいうべ体操です。自然に鼻呼吸ができるようになり、いろいろな病気や症状がよくなっていくというから驚きです。あいうべ体操は以下のようにします。
・あ…「あー」と口を大きく開けます。
・い…「いー」と口を大きく横に広げます。
・う…「うー」と唇を前に突き出します。
・べ…「べー」と舌を出して思い切り下に伸ばします。
これを1日に30セット行います。コツはとにかく口の動きを大きくすることです。声は出さなくてもいいのですが、できれば人が見ていないときの方がいいかも知れません。実際にやってみると結構きついことが分かります。歯医者さん曰く、お風呂の中で行うのがいいそうです。
また、あいうべ体操にはどんな効果があるのでしょうか。まず舌が正常な位置に収まるようになり、口呼吸が鼻呼吸になります。たったこれだけで、口呼吸が改善すればすごいことですよね。それ以外にもいろいろな改善例があるそうです。
・関節リウマチの人が3ヶ月で薬の量が激減した
・アトピーの人が半年くらいで症状が消えた
・インフルエンザ罹患率が下がる
他にもアレルギー疾患や消化器系の病気が改善したり、中にはストレスが解消されたり、うつ病や不眠症にも効果があったという声も上がっています。
特にインフルエンザの罹患率に関しては、福岡県の小学校で2008年から試験的に始めたところ、インフルエンザにかかる児童が激減したそうです。鼻で呼吸ができるようになれば、体の免疫機能が働くということですね。
生活改善で顎なしを治そう
顎を出す上で、特に気を付けたい姿勢は猫背です。猫背になると首の骨が歪んでしまい、顎が開きにくくなり、これが顎がない原因に繋がります。
しかもこの状態が続くと、顎がないだけでなく、開かなくなったりと日常生活に支障をきたすこともあるのです。顎を出すためにも、日ごろから背筋を伸ばす意識をするようにしましょう。
顎がない人の特徴として、頬や顎の筋肉が少ないこともあげられます。また頬や顎の筋肉が少ない人の特徴では、あまり噛まずに食べたり、柔らかいものを食べる人が多いのです。
よく噛んで食べるというのは、顎を出すだけでなく、脳にいい刺激を与えたえる等の報告もあります。ガムを噛んでもいいですし、スルメや固焼きせんべいなどを食べる習慣をつけるのも、顎を出す方法としてはおすすめです。
また、その際に気を付けて欲しいのが、決まった歯だけで噛まないことです。よく噛んで食べるのに顎がないという人は、決まった歯ばかりを使用していることが考えられます。同じ歯で噛むと片方の筋肉ばかり大きくなり、顔が歪む原因にもなります。
顎を出すためにはよく噛んで食べながらも、左右の奥歯や前歯などバランスよく使って噛むように意識するようにしましょう。
さらに、舌の位置が悪いと歯や顎に負担がかかってしまい、顎が歪んだり出っ歯になるなど、顎がなくなる原因を作ることにもなります。正しい舌の位置は、上の前歯に触れない後ろあたりに舌先がある状態です。
それが、歯に触れると出っ歯の原因に、引っ込みすぎても顎を小さくしてしまう原因になるのです。もし正しい位置に舌がない場合は、意識して正しい位置になるように心がけるようにしましょう。
顎がない人でキス顔というか、口元を突き出したような顔つきになっている人がいます。もしそうなっているなら、口元を引っ込めることも顎を出すには効果的なのです。口で呼吸するのが多い人は、鼻呼吸を意識すると口が引き締まってきて、口元がひっこみやすくなります。
笑顔というよりは表情豊かにするというのが正しい言い方です。つまり顎や頬などの顔の筋肉を意識的に動かすことで、顎を前に出していくのです。
顎がない人には、無表情な人や困り顔の人が少なくありません。使わない筋肉からどんどん弱くなっていくので、意識的に笑顔を作る習慣を心がけたいものです。
楽しくもないのに笑えないという人もいるかも知れませんが、楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しくなるというふうに思うと気持ちが楽になります。とりあえず、鏡の前で笑顔の練習をすることは、顎を出すだけでなく、日々の生活を豊かにするためにも効果的ですよ。
顎なしを改善する3つの方法
歯科矯正
出っ歯の人には、顎がない人が多いです。これは出っ歯の人は、口を前に出す形になるため、相対的に顎がないように見えるためです。舌の位置によって出っ歯になることもありますが、一度歯並びが悪くなった場合は、歯列矯正が一番早く確実な治療方法と言えます。
しかし病院や症状にもよっては、歯列矯正でも1~3年、費用も最低でも50万以上かかるのが難点です。
骨格マッサージ
コルギという骨格マッサージがあります。激しいマッサージですが、小顔効果や骨格の矯正に効果があるようで、モデルの方たちにも人気です。顎を出すだけでなく、顎を小さくしたりなど、利用者にあわせた骨格のマッサージがあります。
整形外科
一番確実で、そして早く顎を出す方法として、整形外科を利用することもできます。短期間で行えますし、自分で毎日なにか努力を積み重ねる必要もありません。
一方デメリットとして、顎を出す整形手術の場合、顎にプロテーゼという人口軟骨を入れる方法が一般的なのですが、だいたい15万円以上のお金がかかることと、定期的なメンテナンスが必要で術後の手間がかかるということが挙げられます。
顎なし改善には矯正か毎日の努力が必要
・アデノイド顔貌の特徴
「顔つきがコンプレックスになりやすい」「無呼吸症候群を起こしやすい」
・口呼吸が原因の顎なしの改善方法
「あいうべ体操をする」「猫背を改善する」「食事の時の食べ方を気をつける」「歯科矯正に行く」「マッサージをする」「整形外科に行く」「治療する場合の費用は100万円くらい」
顎なしでも綺麗な女優さんはたくさんいるものの、やはりコンプレックスをもっている人は少なくありません。鼻呼吸や、あいうべ体操といった根気が必要なものもありますが、矯正が一番確実です。
費用がかかる点がデメリットとなりますが、それを補って余りある満足感を得ることができるでしょう。