母子家庭のママは、毎日大変ですよね。母子家庭だとお母さん役だけでなく、お父さん役もしなければいけないので、1人2役をこなす毎日です。
しかも、母子家庭のママはどんなに頑張っても、男性のように稼ぐことができなくて、貧困に苦しんでいる人も多いです。
母子家庭の貧困や年収の現状と生活の実態、母子家庭の子供の特徴をまとめました。
母子家庭は貧困に苦しんでいる!
母子家庭は、貧困に苦しんでいる人が多いです。
厚生委労働省の平成23年度全国母子世帯等調査」によると、母子世帯(母子家庭)は123万8,000世帯で、そのうち母子だけの世帯は76万世帯となっています。
母子家庭の平均年収や母子家庭の貧困の現状を見ていきましょう。
母子家庭の年収はどのくらい?
母子家庭の年収はどのくらいでしょうか?
母子家庭の年収は自身の給料が181万円、さらに養育費や児童手当などを含めると223万円が平均になります。
では、次に父子家庭の平均年収を見ていきましょう。
就労収入では、母子家庭と父子家庭では2倍も収入差があるんです。なんか、不公平ですよね。
母子家庭の平均年収は223万円です。ということは、単純計算で、月収は18万5000円。そこから、あなたの年金や健康保険料などが引かれますので、手取りは14~15万円程度になるかと思います。
あなた1人だけなら、手取りで15万円前後あれば、「貧困で苦しい!」という状態にはなりませんが、子供がいると話は別です。
家賃、食費、光熱費、通信費、学費、衣服代など必要最低限の支出だけで、15万円くらいになりますので、母子家庭は全く貯金ができず、しかも贅沢すらできずに貧困に苦しんでいるのです。
ちなみに、この平均年収223万円は、あくまで「平均」です。例えば、母子家庭でも看護師の場合、もっと年収は高くなります。日勤だけでも年収400万円くらいになりますし、夜勤に入れば450~500万円程度は稼ぐことができます。
母子家庭でも年収400~500万円を稼ぐ世帯もあることを考えると、一方では223万円よりももっと稼げない母子家庭もたくさんあるということです。
年収150万円だったら、月収は12万5000円しかありません。そこから保険料や税金などを引くと、手取りは10万円程度になってしまいます。
今の日本で、手取り10万円でママと子どもが生活していくのは、かなりきついですよね。シングルマザーの多くは貧困に苦しんでいるんです。
母子家庭が貧困に苦しむ理由
母子家庭が貧困に苦しむ理由は何でしょうか?先ほどもご紹介しましたが、母子家庭は父子家庭に比べて、就労年収は半分くらいしかありません。
母子家庭の場合、子供がいることで、良い職に就くことができず、どうしても給料が安い仕事しかできません。
ママは出産前まではバリバリ働いていても、出産で一度仕事のキャリアをストップさせなくてはいけません。そのため、男性よりも昇進が遅れがちです。
また、出産を機に子育てに専念するため、専業主婦になる人も少なくありませんよね。
一度専業主婦になってしまうと、シングルマザーになってからまた正社員として働こうと思った場合、非常に厳しくなります。ハッキリ言えば、手に職がないシングルマザーが正社員として働くのは難しいことが多いんです。
その点、男性は自分の子供が生まれても、仕事を休むことも、辞めることもありませんから、キャリアに影響がなく、父子家庭になっても正社員のままで、高い年収を維持することができるんですね。
また、小さな子供がいるシングルマザーだと、子供が熱を出した時にはすぐに保育園に迎えに行かなくてはいけない、子供が熱を出したら仕事を休まなくてはいけないなどの事情があるため、派遣やパート・バイトですら採用されないこともあります。
母子家庭のシングルマザーは、バリバリ働きたくても、どうしても男性に比べると不利なので、良い仕事がなくて、貧困に苦しむことになるんですね。
母子家庭のリアルな生活の実態とは?
母子家庭のリアルな生活の実態を見ていきましょう。母子家庭は貧困に苦しむだけではなく、いろいろな悩み、不安を抱えながら生活をしているのです。
いつも経済的に厳しい
母子家庭の生活の実態は、常に経済的に厳しいことです。先ほども言いましたが、母子家庭の平均年収は223万円です。子育てをしていくには、正直厳しい収入ですよね。
子どもが1人ならまだ何とかなるかもしれませんが、2人、3人いることもありますよね。
子どもが多ければ、毎日賑やかで楽しいですが、人数分の食費も衣服代も、雑費も学費もかかります。
子どもには好きなものをお腹いっぱい食べさせたいけれど、経済的にそれがなかなか難しい。私立の良い学校に入れたいけれど、学費が用意できない。塾に通わせることもできない。
子供にいろいろ我慢させているのかもと思うと、母子家庭のママは子どもたちに対して申し訳ない気持ちになりますよね。
世間の目が気になることも
母子家庭の生活の実態、2つ目は世間の目が気になることです。今どき、母子家庭は珍しいものではありません。そのため、母子家庭だからって劣等感を感じずに生活している人も多いと思います。
でも、一方で、やっぱりいまだに母子家庭に対する偏見に悩み、肩身が狭い思いをすることもあると思います。
子どもが熱を出したから、仕事を早退しなければいけない時に、「母子家庭だからって、甘えているよね」という陰口が聞こえたり、子どもが学校で友達と大喧嘩したら、相手の親から「母子家庭の子供はこれだから!」のように嫌味を言われたり。
別に子どもが熱を出して、保育園に迎えに行かなくてはいけないのは、母子家庭だからではありません。母親なら、というか母親に限らず「親」なら当たり前のことです。
また、学校で友達と喧嘩するのは母子家庭とは何も関係ないですよね。でも、世間には母子家庭に対して偏見を持っている人が多いので、世間の目が気になることも多いのです。
子どもとの時間を取れないジレンマ
母子家庭の生活の実態、3つ目は子どもとの時間を取れないことです。母子家庭のママは、生活費を稼ぐために、必死で働かなくてはいけません。
正社員になれない人は、パートを掛け持ちしなくてはいけないこともあり、なかなか子どもと一緒に過ごす時間を取れないことが多いです。
母子家庭で1人親だから、できるだけ子どもと一緒に過ごして、さみしい思いをさせたくない。でも、生活するためにはしっかり働かなくてはいけない。
母子家庭のシングルマザーは、常にこのようなジレンマを抱えながら生活しているのです。
将来の不安といつも隣り合わせ
母子家庭の生活の実態、4つ目は将来の不安といつも隣り合わせでいることです。母子家庭は貧困に苦しんでいる人が多いので、貯金をする経済的余裕がありません。いつもカツカツです。
だから、もしママが病気になってしまったら、ケガなどで働けなくなってしまったら、生活は成り立っていきません。
母子家庭は、明日どうなるか、1年後どうなっているかという未来を描けないことが多いんです。
また、子供には良い職についてほしいから、しっかり勉強してもらって、良い大学に入ってほしいと思っているシングルマザーも多いですよね。でも、学費の捻出は大変です。
小学校から大学卒業まで2000万円くらいはかかると言われています。それを考えると、母子家庭は常に将来の不安を抱えながら生活をしなければいけないのです。
疲れても誰にも頼れない孤独
母子家庭の生活の実態、最後は疲れても誰にも頼れないという孤独を抱えていることです。
パパとママがいる家庭では、どちらかが疲れたら、どちらかをカバーして生活をしていきます。でも、母子家庭ではママが疲れても、誰も助けてくれません。誰かに頼ることもできません。
子供が成長して手が離れるまで、自分1人が頑張り続けなければいけないのです。そのような状況は、絶望と共に孤独を感じてしまうのです。
母子家庭の子供の5つの特徴
母子家庭の子供は、その家庭環境から、性格的に特徴を持つ傾向があるとされています。母子家庭の子供はどんな特徴があるのかを説明します。
ただ、今から説明することは、母子家庭の子供全員に当てはまるわけではありません。あくまで「こういう傾向がある」というだけです。
攻撃的な性格になる
母子家庭の子供は、攻撃的になることがあります。これは、母子家庭の寂しさをストレスに感じて、攻撃的になってしまうこともありますし、母子家庭であることを周囲の友人にからかわれることが続いて、自己防衛のために攻撃的になってしまうこともあります。
甘えん坊になる
母子家庭の子供の特徴の2つ目は、甘えん坊になることです。母子家庭の子供は、どうしてもママと一緒に過ごす時間が少なくなり、1人で過ごすことが多くなります。
そうすると、ママと一緒に過ごせる時間は、全力でママに甘えるようになるんです。そして、寂しさからほかの大人にも甘えるようになることもあります。
ただの甘えん坊なら良いのですが、必要以上に母親に依存するようになり、すべて母親任せになり、依存的な生活になることもあります。
必要以上に「いい子」を演じることも
母子家庭の子供の特徴の3つ目は、いい子を演じることです。母子家庭では、子どもはママが一生懸命働いているのを見ています。
だから、ママを困らせないように、わがままを言わなくなり、家のお手伝いを積極的にやったり、なんでも我慢するようになります。
ママを怒らせたくない、困らせたくないという思いが強くなって、必要以上にいい子を演じるようになり、自己主張をしなくなる子供もいるのです。
大人びている
母子家庭の子供の4つ目の特徴は、大人びていることです。母子家庭の子供は、甘えたくても、ママに甘えられないことも多いです。家族の役割的に、早く大人になることを求められることもあります。
そのため、母子家庭の子供は大人びていることが多いんです。
野心を持っている
母子家庭の子供の特徴、5つ目は野心を持っていることです。上昇志向が強いと言っても良いかもしれません。
母子家庭は貧困に苦しんでいることが多いです。子どものころから貧乏な生活を送っていると、何とか良い生活をしたいと考えて、良い大学に入り、他人を蹴落として良い企業に就職し、どんどん出世したいと思うようになることもあります。
また、頑張ってくれているママのために、ママに少しでも楽をさせたいから、社会的に成功して、親孝行をしたいために、上昇志向が強くなることもありますね。
母子家庭の平均年間年収と貧困・生活の実態・子供についてのまとめ
・母子家庭が貧困な理由
「手に職がない」「シングルマザーが正社員として採用されるのが難しい」
・母子家庭の生活の実態
「常に経済的に厳しい」「子どもとの時間がうまく取れない」「将来に不安抱えている」「世間の目を気にしている」
・母子家庭の子供の特徴
「攻撃的な性格に育つ傾向がある」「甘えん坊になる傾向がある」「必要以上にいい子を演じる」「大人びている」「上昇志向が強く、野心を持っている」
母子家庭の平均年収や貧困の現状、生活の実態、子供の特徴などをまとめました。母子家庭は父子家庭に比べると、どうしても年収が少なくなり、貧困に苦しんでいることが多いです。
貧困に苦しんでいる母子家庭のシングルマザーの方は、一度役所に相談してみてはいかがですか?もしかしたら、受けられる支援や利用できる制度がまだあるかもしれません。
貧困な精神をむしばみ、生活が荒みます。子供の成長にも悪影響を与えますので、頼れるものにはしっかり頼り、使える制度はどんどん使うようにしましょう。