甘いものが大好きで、1日1回は甘いものを食べないとイライラしてしまうという人、またはとにかく白飯が好き、炭水化物が好きという人は、糖質依存症になっているかもしれません。
糖質依存症は、早めに改善・治療しないと、将来は生活習慣病になるリスクがとても高くなります。糖質依存症の原因や症状、改善・治療法をまとめました。
糖質依存症とは?
糖質依存症とは、甘いものや炭水化物を食べずにはいられない、食べないとイライラしてしまうという状態です。
1日1回は甘いものを食べないとソワソワする、ご飯は炭水化物をたっぷり食べないと満足できないという人は、糖質依存症になっている可能性があります。
糖質とは炭水化物から食物繊維を抜いたものです。
そのため、糖質はほぼ炭水化物と考えて良いでしょう。砂糖や米、小麦粉などですね。
人間が健康に生きていく上で、炭水化物は必要な栄養素です。身体のエネルギー源としての役割があり、必要な量は摂らなければいけません。
でも、あくまで必要な量を摂る必要があるだけで、摂りすぎるのはNGです。糖質を摂りすぎていて、摂りすぎはいけないとわかっていても、糖質を摂らずにはいられない、糖質を摂らないとイライラしてしまうという人は、糖質依存症になっている可能性が高いです。
糖質依存症の原因
糖質依存症の原因は、糖質の摂りすぎです。糖質は依存性があるのです。糖質の依存性は、コカインなどの麻薬よりも高いという研究結果もあるほどです。
糖質を摂ると血糖値が上がりますね。血糖値が上がると、脳は自分のためのエネルギーがたくさんあると思って、幸福を感じるようになります。そして、脳内のドーパミンが増えるんです。
さらに、甘いものは、脳内麻薬を分泌させる作用があるんです。
甘味物質や糖質は脳内麻薬と言われるβーエンドルフィンの産生を増加させることがラットを用いた実験で報告されています。エンドルフィンは「体内で分泌されるモルヒネ」という意味です。
つまり、糖質を食べると、脳内でドーパミンが増えて快感を覚え、さらに脳内麻薬が分泌されるので、脳は幸せを感じます。
そうすると、脳は「もっと快感を!」、「もっと幸せを!」と糖質をさらに求めるようになり、糖質を欲するようになるんです。そうすると、どんどん糖質を食べずにはいられなくなり、「糖質が欲しい!」、「もっと糖質を下さい!」いう気持ちになって、糖質依存症になってしまうんです。
糖質依存症の症状は?
糖質依存症になると、どんな症状が現れるようになるんでしょうか?糖質依存症は、とにかく糖質を食べたい、食べずにはいられないという依存症ですので、次のような症状が現れます。
・米をいっぱい食べないと、食事をした気にならない
・甘いものを食べている時が一番幸せ
・デザートは欠かせない
・甘いものを食べると一気に元気になる
そして、糖質をとれない状況になると、次のような禁断症状が現れるようになるんです。
・落ち着かない
・集中力が低下する
・甘いものを食べたくて仕方がない
・甘いものが頭から離れなくなる
糖質を摂れないことで、このような症状が現れる場合は、糖質依存症になっている可能性が高いです。
糖質依存症を放っておくとどうなる?
糖質依存症になるとどのような影響が出てくるのでしょうか?糖質依存症は、健康に大きな悪影響を及ぼすものなんです。
糖尿病などの生活習慣病
糖質依存症になると、生活習慣病一直線になります。糖質ばかり食べていると、当然のことですが、肥満になりますよね。肥満になれば、高血圧や脂質異常症、動脈硬化などの生活習慣病になるリスクが大幅にアップします。
そして、何より気をつけなければいけないのが、糖尿病です。糖質依存症になると、血糖値が上昇します。このことで、インスリンが多量に分泌されるようになります。
そうすると、インスリンを分泌する膵臓が疲れてしまって、インスリンが足りなくなったり、インスリンの効き目が悪くなりますので、血糖値が高いままになってしまうんです。これで、糖尿病の出来上がりですね。
糖尿病になれば、血液中の糖が血管壁を傷つけて動脈硬化を促進します。また、糖尿病の合併症で失明したり、下肢切断に至ったり、血液透析を行わなくてはいけなくなったりするのです。
糖質依存症になると、将来は人工透析をしたり、失明してしまう可能性もあるんです。最悪の場合は、動脈硬化から脳卒中を起こしたり、心筋梗塞を発症したりしますので、糖質依存症は改善しなければいけません。
うつ病
糖質依存症になると、うつ病の発症リスクが上がります。糖質を大量摂取すると、摂取した分を代謝しなければいけません。糖質を代謝するためには、ビタミンB1が必要になります。
つまり、糖質依存症の人の体内では、ビタミンB1がフル回転で働いているんです。ビタミンB1が糖代謝のために使われれば、ビタミンB1が不足してしまいます。
体内のビタミンB1が不足すると、糖代謝が上手く行われなくなりますので、糖質をエネルギーに変えることができなくなり、脳のエネルギーが不足して、脳がきちんと働かなくなります。機能が低下するんですね。
そうすると、脳内の神経伝達物質であるセロトニンなどの精神安定に関わる物質が不足して、うつ病になることがあります。
糖質依存症は、糖質を摂ることで快感を感じるのですが、それを長期間続けていくと、抑うつ症状が出てきて、うつ病になったり、情緒不安定になってしまうんです。
冷え性
糖質依存症になると、冷え性になるリスクが高くなります。冷え性に悩んでいる女性は多いですが、あなたの冷え性は糖質依存症が原因かもしれないんです。
糖質依存症になると、糖代謝に必要なビタミンB1が不足することは、先ほど説明した通りです。ビタミンB1が不足して、糖代謝が上手く行われなくなると、エネルギー不足になります。
タンパク質や脂質も体のエネルギーとして使われますが、糖質が最も早くエネルギーに代わる栄養素なんです。
エネルギー不足になると、熱産生が最低限になってしまいますので、体温が下がりやすくなり、低体温になります。そうすれば、冷え性になってしまいますよね。
手足が冷たい、平熱が35度台という人は、糖質依存症からの冷え性なのかもしれません。
糖質依存症の6つの改善・治療法
糖質依存症になると、糖尿病などの生活習慣病になるリスクが高くなり、うつ病になったり、冷え性になったりします。
また、糖質ばかり食べて、他の栄養素を摂らないと、栄養が偏ったり、栄養不足になってしまいますので、様々な病気の発症リスクが高くなりますし、美容にも悪いですよね。
そのため、糖質依存症の人は、できるだけ早く改善したり、治療しなければいけません。糖質依存症の改善・治療法を6つご紹介します。
バランスの良い食事を摂る
糖質依存症の改善・治療方法の1つ目は、バランスの良い食事を摂ることです。糖質依存症の人は、甘いものや炭水化物ばかり摂ってしまいますので、栄養のバランスが偏ってしまいます。
栄養のバランスが偏れば、ビタミンB1がさらに不足しますし、体調不良になってしまいます。ですから、糖質依存症の人は、まずはバランスの良い食事を摂らなくてはいけません。
栄養のバランスが取れた食事でお腹いっぱいになれば、糖質を摂る量を減らすことができますので、糖質依存症を改善するためには、まずは栄養のバランスが良い食事を摂るようにしましょう。
特に、ビタミンB1は多めに摂ってくださいね。ビタミンB1を豊富に含む食品には、次のようなものがあります。
・ウナギ
・大豆
・ゴマ
・玄米
・のり
このようなものには、糖質はあまり多く含まれていませんので、積極的に食べるようにすると良いでしょう。
間食をやめる
糖質依存症の改善方法の2つ目は、間食をやめることです。糖質依存症の人は、間食好きな人が多いですよね。間食に食べるものは、糖質の塊のようなものばかりですから。
間食をやめれば、糖質の摂取量を少なくすることができますので、糖質依存症の人は辛いかもしれませんが、間食をやめるようにしましょう。
どうしてもお腹が空いてしまう、口が寂しいという人は、ナッツ類や野菜スティックなどの噛みごたえがあって、糖質が少なめのものを食べるようにしてください。
また、どうしても甘いものを食べたいという時は、フルーツを選ぶことをおすすめします。
飲み物はノンシュガー
糖質依存症の改善方法、次は飲み物はノンシュガーにすることです。あなたは、いつもどんな飲み物を選んでいますか?甘い砂糖が入っているものばかりを選んでいないでしょうか?
ジュースや砂糖入りの炭酸飲料、コーヒーには砂糖たっぷり、このような飲み物を飲んでいる人は、今日からノンシュガーの飲み物を選びましょう。
お茶やブラックコーヒー、ミネラルウォーター、ノンシュガーのレモンソーダなどがおすすめです。
飲み物をノンシュガーにするだけで、糖質の摂取量を大幅に抑えることができますので、飲み物はノンシュガーにするようにしましょう。
糖質が少ない食品を選ぶ
糖質依存症の改善・治療法、次は糖質が少ない食品を選ぶことです。同じような食品でも、糖質が多いもの、少ないものがあります。糖質依存症の人は、できるだけ糖質が少ないものを選びましょう。
炭水化物はみんな糖質が多いのですが、どうしても食べたいときは全粒紛のパンや蕎麦、玄米など血糖値が上がりにくいものを食べると良いでしょう。
また根菜やイモ類なども糖質が高いので気を付けてください。最近は、ファミレスやコンビニで低糖質のメニューやお菓子などがありますので、それらのものを選ぶと良いでしょう。
ストレスを溜めない
糖質依存症の治療・改善方法の5つ目は、ストレスを溜めないことです。ストレスをためると、イライラしてしまいます。イライラすると、脳は快感や幸福感を求めますので、糖質を欲するようになるのです。
ストレスが溜まると、糖質依存症が悪化してしまいますので、糖質依存症を改善したい人は、できるだけストレスを溜めないようにしてください。
ストレス解消法は、糖質を食べる以外なら、何でもOKです。大声で歌うのも良いですし、ショッピングをするのもOK、ゆっくり入浴したり、友達と時間を気にせずおしゃべりしたり、泣けるドラマや映画を見たり。
こまめにストレスを発散して、脳が糖質を求めなくても良いような状態を維持するようにしてくださいね。
1日ずつ頑張る
糖質依存症の改善・治療方法は、1日ずつ、一歩一歩頑張っていくことです。1日だけ甘いものを食べずに過ごすことができたら、しっかり自分をほめてあげましょう。これを1日1日積み重ねていきましょう。
ダイエットと同じで、1日位甘いものを食べてしまっても、気に病むことはありません。また翌日から頑張っていけば良いんです。
1日ずつ頑張って、糖質を制限出来たら、自分のほめる。食べてしまっても、自分を責めずに、また翌日から気分を入れ替えて頑張るようにしましょう。そうすることが、糖質依存症を改善するためには大切なことなんです。
糖質依存症の原因・症状・改善と治療法についてのまとめ
・糖質依存症の原因「糖質には依存性がある」
・糖質依存症の症状
「イライラすると甘い物が食べたくなる」「米を食べないと食事した気になれない」「デザートが欠かせない」など
・糖質依存症を放っておくと起こる病気や症状
「糖尿病などの生活習慣病」「うつ病」「冷え性」
・糖質依存症の改善と治療法
「バランスの良い食事を摂る」「間食をやめる」「飲み物はノンシュガー」「糖質が少ない食品を選ぶ」「ストレスを溜めない」「1日ずつ頑張る」
糖質依存症の原因や症状、改善・治療法をまとめました。糖質依存症になると、健康状態が悪化してしまいますので、早めに改善・治療するようにしましょう。
どうしても1人では糖質を我慢することができないという人は、家族を巻き込んで、家族にお協力してもらいながら、少しずつ糖質依存症を改善していきましょう。