あなたが今働いている企業は、ブラック企業ではないでしょうか?最近はブラック企業がどんどん増えています。
転職した時にブラック企業に引っかからないように、ブラック企業の特徴や見分け方を確認しておきましょう。
ブラック企業の定義
ブラック企業とは、どんな企業なのか?その定義を確認しておきましょう。実はブラック企業の明確な定義はまだないので、ブラック企業の定義は曖昧なのです。
厚生労働省は、次のように説明しています。
厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われています。
次に、ブラック企業大賞の指標を見ていきましょう。
2.セクハラ・パワハラ
3.いじめ
4.長時間過密労働
5.低賃金
6.コンプライアンス違反
7.育休・産休などの制度の不備
8.労組への敵対度
9.派遣差別
10.派遣依存度
11.残業代未払い(求人票でウソ)
出典:ブラック企業大賞: ブラック企業大賞とは
これらに当てはまる項目が多ければ多いほど、ブラック企業になるというわけなんですね。
ブラック企業の定義は、過労死するほど長時間働かせられ、さらにセクハラ&パワハラ&マタハラで働きにくく、社員のことを大切にしていない企業と言えると思います。
ブラック企業の特徴16選
では、ブラック企業は具体的にどんな特徴を持っているのかを見ていきましょう。定義だけでは、いまいちよくわからなくても、特徴を見ていくと、ブラック企業がどんな企業なのかが見えてくると思います。
残業が多い
ブラック企業の特徴の1つ目は、残業が多いことです。ブラック企業は、人件費を節約するために、必要最低限の人数しか雇いません。必要最低限以下のこともよくあります。
そのため、社員1人当たりの仕事量が多くなり、就業時間以内には仕事が終わらず、残業しなければいけなくなるのです。
ブラック企業は、残業している社員がいるため、夜遅くまで会社の中の電気がついていることが多いです。
残業代が付かない
ブラック企業は、残業が付かないことも特徴の1つです。みなし残業として、一定の残業代が固定休として支払われることもありますが、それ以上残業しても、残業手当は支給されません。
また、みなし残業もなく、長時間残業するのに、すべてサービス残業であり、残業代は一切出ないことも珍しくありません。
ひどい会社になると、労働基準監督署の目をごまかすために、残業があっても、まずは定時でタイムカードを押させて、そこから残業させるようなブラック企業もあります。
タイムカードを押させてから残業させるなんて、ブラック企業以外の何ものでもないですよね。
離職率が高い
ブラック企業は、離職率が非常に高いことも特徴です。ブラック企業は、みんな入職後に「うわ!こんなブラック企業で働きたくない!」と思ってすぐに退職するので、人の入れ替わりが激しく、3年も働いていると、いつの間にか古株になっていることがあります。
厚生労働省の平成27年雇用動向調査結果によると、日本の企業の平均離職率は15%です。15%より美緒大幅に離職率が高いところは、ブラック企業の可能性が高いです。
精神論が大好き
ブラック企業の特徴、4つ目は精神論が大好きであることです。ブラック企業は「気合」、「努力」などの精神論が大好きです。
残業が多くても、仕事が大変でも、すべて精神論で乗り切ろうとします。明らかに、仕事の効率が悪いのに、「努力が足りない!」、「気合を入れろ!」、「愛社精神がないんじゃないか?」なんて言われてしまうのです。
雇用契約書がない
ブラック企業は、入職時に雇用契約書をもらえないことも特徴です。入職時には、労働条件が書かれた雇用契約書をもらい、お互いに契約書に同意してから、入職することになります。
でも、ブラック企業は書面での雇用契約書はもらえず、簡単に口頭で説明しただけで、「そういうわけだから、今日から働いてね」と言われることになります。
書面で雇用契約書を交わすと、もし契約書違反があった時に、企業側は言い逃れができませんが、口頭で説明しただけでは証拠が残りませんので、「そんなことは言ってないよ。勘違いじゃない?」とごまかすことができるのです。
コンプライアンス違反が多いブラック企業は、書面で不利な証拠を残さないようにするんですね。
正社員より非正規職員が多い
ブラック企業は、正社員よりもパート・アルバイトや派遣社員などの非正規雇用の職員が多いという特徴があります。
一般的には、正社員の穴埋めを非正規雇用の職員が行うため、正社員と非正規の割合は、正社員が圧倒的に多くなるのが普通なのですが、ブラック企業尾は非正規雇用の職員の割合が多く、場合によっては正社員よりも多くなることがあります。
正社員を雇用すると、企業はお金がかかるんです。社会保険の費用やボーナス、その他福利厚生費などがかかりますが、非正規雇用の職員は時給以外のお金はかかりません。
労働時間によっては社会保険費用が掛かることもありますが、正社員に比べたら微々たるものです。
だから、ブラック企業は正社員よりも、非正規職員を積極的に雇用するんです。
試用期間が長い
ブラック企業の7つ目の特徴は、試用期間が長いことです。正社員として採用された場合、入職後一定期間は試用期間として、試用期間中の様子を見て、正式採用するかどうかを判断するのが一般的です。
試用期間は、普通は3~6ヶ月です。でも、ブラック企業は試用期間が1年以上になったり、最初に言っていた試用期間を延長しようとしたりします。
試用期間中でも正式採用と同じような待遇を受けられますが、試用期間中なら比較的簡単に退職してもらうことができるので、企業側としては都合が良いのです。
パワハラ&セクハラが当たり前
ブラック企業の8つ目の特徴は、パワハラ&セクハラが日常茶飯事になっていることです。ブラック企業は企業・上司の意識が低く、昭和時代の意識のままで働いているので、ハラスメントが悪いことという認識がないのです。
そのため、上司から部下に対してのパワハラは当たり前、男性社員から女性社員へのセクハラも当たり前なのがブラック企業です。女性社員がセクハラに抗議すると、今度はパワハラが待っているという恐ろしい会社が、ブラック企業なんですね。
妊娠すると退職させられる
ブラック企業の特徴は、妊娠すると退職させられることです。一般的に、妊娠すると産休・育休を取って復帰するのですが、これが普通にできるのはホワイト企業だけです。
ブラック企業は妊娠を報告すると、産休・育休の間の穴埋めが大変だからと、退職させて、新しい社員を採用しようとするのです。
そのため、ブラック企業は働くママの割合は非常に低いのが特徴です。
社員に自腹を切らせることがある
ブラック企業の特徴10個目は、社員に自腹を切らせることがあることです。営業ノルマを達成できなかった時は、自腹で購入してもらう。発注ミスがあった時は、給料天引きで補填してもらう。これらは、ブラック企業あるあるです。
給料が低い
ブラック企業は、給料が低いという特徴があります。基本給も低いですが、福利厚生が整っていないので、住宅手当や扶養手当などもありません。さらに、ボーナスもないことも珍しくないのです。
残業しても残業手当がつかないので、ブラック企業に勤めていると、勤続10年で30代になっても年収は300万円を切ったままになることも多いのです。
30代で年収300万円以下だったら、なかなか結婚できませんし、余裕のある暮らしはできませんよね。
自己都合の退職に追い込まれる
ブラック企業の特徴には、自己都合の退職に追い込まれることです。正社員の場合、正当な理由がないと解雇できません。これは、労働契約法で定められています。
だから、ブラック企業は社員を首にしたくてもできません。では、どうするか?本人にプレッシャーをかけて、自分で退職届を出さざるを得ない状況に追い込んで、自己都合で退職させるのです。
仕事を与えなかったり、あからさまなパワハラをしたり、ミスを押し付けられたりして、職場に居づらい状況を作っていき、本人から退職届を出すように仕向けていきます。
退職できない
ブラック企業の特徴13個目は、退職できないことです。これは、先ほどの特徴とは真逆ですね。
ブラック企業だから辞めたいと思っても、ブラック企業は辞めさせてくれません。なんだかんだと言い訳をして、退職届を受け取らないのです。最悪の場合、退職届を目の前で捨てられることもあります。
1人の社員を採用して、戦力になるまで育てるのには、時間もお金も労力もかかるので、ブラック企業は「使える社員」は絶対に退職させないのです。
休みが少ない
ブラック企業の特徴、14個目は休みが少ないことです。日本のカレンダーは週休2日+祝日が休みですよね。でも、ブラック企業は祝日は関係ない、また週休1日のようなところもあるのです。
労働基準法では最低週1日の休みを与えれば良いとしているので、週休1日しか休みがないことも珍しくないのです。
長期休暇が取れない
ブラック企業は長期休暇が取れないという特徴もあります。夏季休暇や年末年始休暇はほとんどなく、「1~2日休めたらラッキー♪」のようなところが多いので、海外旅行どころか国内旅行に行くのも難しいことがあるのです。
有給は捨てるもの
ブラック企業は、有給休暇を使えません。みんな、有給休暇は捨てるものという認識を持っていることが特徴です。
有給休暇を使うのは労働者の権利ですが、ブラック企業では、その権利が守られていません。
有給休暇を申請しても、「は?何言ってんの?」と言われて終わりです。ブラック企業では、有給休暇は制度としてはあるものの、実際は使うことができないものなんです。
ブラック企業の6つの見分け方
転職する時には、ブラック企業に引っかからないように、ブラック企業の見分け方を確認しておきましょう。
厚生労働省のリスト一覧をチェック
ブラック企業の見分け方、1つ目は厚生労働省のブラック企業リストをチェックすることです。厚生労働省の労働基準局監督課は、ブラック企業と判定した企業のリストを作り公表しています。
転職する時には、まずこのブラック企業リストをチェックして、その企業には転職しないように気を付けましょう。
厚生労働省のブラック企業リストは「労働基準関係法令違反に係る公表事案」で公表しています。適宜更新されていますので、転職活動中は時々チェックしてみてください。
口コミをチェック
ブラック企業の見分け方の2つ目は、口コミをチェックすることです。インターネットを使って、転職しようと思っている企業名を検索すると、社員だったの人の口コミが出てきます。
その口コミをチェックしましょう。口コミをすべて信じるのは危険ですが、でも大体のその企業の傾向はわかってきます。
悪い口コミばかりだったら、ブラック企業の可能性が高いですので、避けたほうが無難でしょう。
求人が長期間出ているかを確認
ブラック企業の見分け方の3つ目は、求人が長期間出ているかどうかをチェックすることです。ブラック企業は離職率が高いので、いつも求人を出しています。
ホワイト企業は離職率が低く、さらに高待遇で人気が高いので、求人がなかなか出ませんし、出たとしてもすぐに締め切られます。
長期間ずっと求人が出ている企業は、それだけ人が集まらないということですから、ブラック企業の可能性が高いのです。
求人を探す時には、「この求人はいつから出ているのか」を確認すると、ブラック企業を避けることができるでしょう。
求人票と実際に差異がないかを確認
ブラック企業の見分け方、4つ目は求人票と実際に差異がないかを確認することです。ハローワークに出ている求人票がありますが、あれは本当のことを書かなくても良いって知っていますか?
求人誌やハローワークに掲載されている求人票はあくまでも募集の際に提示する労働条件の目安であり、労働基準法第15条で定める労働条件の明示には該当しません。
引用:その他|厚生労働省
厚生労働省は、あくまでも「目安」を書けば良いと言っているんです。だから、求人票の内容と実際の労働条件に違いがある場合も珍しくありません。
平成28年度にハローワークに寄せられた相談のうち、「求人票の内容が実際と異なる」件数は3,608件で全体の39%もあったのです。
ブラック企業は求人票には良いことを書いて、人を確保しようとします。ホワイト企業は自分の企業の待遇に自信がありますので、本当のことを堂々と書きます。
そのため、転職時は入職前にきちんと求人票に書かれている労働条件と同じかどうかを確認しておいた方が無難です。求人票とは違い「実は…」という部分があるなら、その企業はブラック企業の可能性が高いでしょう。
想定年収の幅が大きい場合は要注意
ブラック企業の見分け方、次は想定年収です。求人票には想定年収が書かれていることがありますよね。
想定年収の幅が大きく、下限が低い企業は要注意です。例えば、年収300~1000万円みたいな求人は、ブラック企業の可能性が高いですね。
この年収を見ると、年収1000万円も可能!?と思うかもしれませんが、これは残業をマックスにやって、さらに営業の報奨金などがすべてついた状態で、ようやくその金額を稼げる可能性が出てくるだけです。
こういう企業は、残業代は出しませんし、年収の上限を高くして、夢を見させているだけの可能性が高いです。
夜にその会社に行ってみる
ブラック企業の見分け方、最後は夜にその会社に行っていてください。何度か夜にその会社を外から見て、21~22時になっても毎回のように電気がついていたら、危険です。
毎日のように遅くまで残業しなければいけないということですから。求人に応募する前には、その企業を夜に外から観察してみると良いでしょう。
ブラック企業の定義・特徴・見分け方についてのまとめ
・ブラック企業の特徴
「残業が多い」「残業代が付かない」「離職率が高い」「精神論が大好き」「雇用契約書がない」「正社員より非正規社員が多い」「試用期間が長い」「パワハラ&セクハラが当たり前」「妊娠すると退職させられる」「社員に自腹を切らせることがある」「給料が低い」「自己都合の退職に追い込まれる」「退職できない」「休みが少ない」「長期休暇がとれない」「有給は捨てる物」
・ブラック企業の見分け方
「厚生労働省のリスト一覧をチェック」「口コミをチェック」「求人が長期間出ているかを確認」「求人票と実際に差異がないかを確認」「想定年収の幅が大きい場合は要注意」「夜にその会社に行ってみる」
ブラック企業の定義や特徴、見分け方をまとめました。一昔前に比べると、ブラック企業はどんどん増えてきています。
ブラック企業に引っかかると、人生が狂ってしまうこともあります。最悪の場合は、過労死することもありますから、ブラック企業をきちんと見分けて、ホワイト企業に転職できるように頑張りましょう。