借金の時効成立年数と必要条件!時効の援用やリスク5つ・時効中断2ケースも総まとめ

借金には実は時効がありますが、その時効を成立させるには多くの壁が立ちはだかります。

 

今回は時効の種類2つ、借金の時効の成立年数と必要な条件、時効の援用、5つのリスク、時効が中断されるケース2つを紹介します。

 

借金には時効がある場合も!

 

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借金をすると、その金額が高額になればなるほど返済するのが非常に困難になります。消費者金融から借金をしているものの、途中で返済が出来なくなる事態になることも考えられます。借金の催促が毎日のように続き、精神的にも追い込まれてしまうことでしょう。

 

しかし、実は借金が時効になるというケースも非常に稀ですがあります。借金が返済できないので時効を待つ、という人もいるかもしれません。

 

本当にその方法は適切なのでしょうか?本当に借金が帳消しになるのでしょうか?時効を待つよりもしたほうが良い対策について紹介していきたいと思います。

 

 

 

時効の種類は2つ!借金の時効はどちらのケース?

 

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借金には時効があるとのべましたが、時効には2種類あります。

 

 

1つ目は「取得時効」です。

 

取得時効とは、他人のものを一定期間所有していることで、その所有権が移って、借りているのではなく実際に所有していることになる、というものです。

 

もう一つの時効は、「消滅時効」です。

 

これは一定期間所有権利を行使しなかったために、権利が消滅してしまうというものです。借金をする時の時効は、こちらの時効が適用されます。

 

消費者金融や銀行からの借金や多重債務などは、消滅時効によってチャラになることを期待する人もいます。しかし、本来は、借金は返済しなければならないものです。法律上で定められた期間内に、利子も含めてすべて完済することが求められています。

 

この一定期間の間に借金が返済できないことになった場合、事実状態が継続することによって、借金の時効が成立することになります。

 

 

 

借金の時効が成立するのは何年?

 

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借金の時効は、どれほどの一定期間が必要なのでしょうか?これは借入先がどのような形態なのかによって異なります。

 

基本的には、知人や友人、家族、恋人など借入先が個人形態であるものは10年で借金が消滅時効にあてはまります。

 

しかし、銀行や消費者金融、クレジットカード、信販会社など、法人から借り入れを行っている場合は5年間借金を返済できない状態が続くと、消滅時効が適用されることになります。

 

ほとんどの場合、返済できないほど多額の借金をするといえば法人からでしょう。営利目的のある借金は商事債権といわれており、借金の時効は5年となっています。

 

5年間の間、借金が返済できないと自然と時効が成立して、借金をもう返さなくてもよくなるのでしょうか?

 

 

 

借金の時効を成立させるための2つの必要条件

 

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借金の時効が成立することはほとんどありません。この制度を利用するには条件があるからです。今多額の借金に苦しめられており、時効を待っているという状況の方は、この必要条件を考慮してみてください。

 

ただ、5年または10年間借金を滞納しておけばよいというものではありません。それはかなり信用を失くことになりますし、法的措置を取られてもおかしくないことです。

 

借金の時効は次の2つの条件を満たしている必要があります。

 

 

①返済していない状態の継続

 

1つ目の条件は、返済していないという事実状態が継続している、というものです。時効が成立するまでの期間、例えば個人であれば10年、法人であれば5年間経っている必要があります。

 

しかし、これは借金をしたその契約の日から数えるものではありません。借金を計画通り返済していたものの、返済できなくなってからどれだけ期間が経ったかを計算しなければなりません。

 

銀行や消費者金融、クレジットカード会社など法人からの借り入れが滞納している方は、時効期間は5年間です。

 

 

②時効制度を利用することの意思表示

 

5年あるいは10年間経ったからと言って、返済義務が勝手に消滅するわけではありません。時効の期間が経過しただけでは、時効が成立したとは言えないのです。時効制度を利用したいという意思を借入先にしっかり表示しなければなりません。

 

時効期間を経過したので、借金のお金の権利が消滅したので、もう支払う義務はありません、という旨を借入先に対して意思表示する必要があります。しかし、この時点で受け入れてもらえる可能性は0に近いでしょう。

 

 

 

借金の時効成立には「時効の援用」を使う

 

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借金の時効を成立させるためには、一定期間の経過と意思表示が必要ですが、それに加えて時効の援用という手続きが必要になります。5年あるいは10年間の間一度も返済が行われなかった場合、借入先に時効の意思表示をします。

 

この時に相手方に承諾してもらう必要はありません。時効の援用は法律上で定められた決まりなどはありません。

 

そのため消費者金融や銀行、クレジットカード会社などの法人に告げたその時から効力のあるものとなります。

 

しかし、言った、言わないという争いにならないように、口約束ではなく援用通知を相手に送る必要があります。

 

 

 

借金の時効を成立させるために覚悟すべき5つのリスク

 

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借金の時効が成立すればもう借金を返済しなくて済む!もう借金の悩みはなくなるではないか!と今にも踊りたくなるような気持ちになっておられるかもしれません。

 

確かに、一定期間返済せずに待ち続けて、借入先に返済しませんという意思表示をすればいいという方法は、とても簡単に思えるかもしれません。

 

しかし、最高10年間待たなければなりません。また、借金を払わなくてもよくなったその後の生活に、多くの悪影響を及ぼすものになります。借金の時効はかなりのリスクがついてきます。

 

ではいったいどんなリスクがあるのか、解説していきます。

 

 

利息が増え続ける

 

時効が成立すれば、借金は消滅することになります。しかし、5年から10年間の間に返済しなかった分の巨額の利息が生じます。返済してこなかったわけですから遅延金や罰則金も最高10年間分が増えているわけです。

 

このようなことを考えると、万が一時効が成立されなかった場合、元本だけでなく巨額に膨れ上がった、利息、遅延金、罰則金の徴収がされることになります。

 

 

夜逃げ同然

 

借金の時効を成立させるのは簡単に思えるかもしれませんが、ある意味夜逃げ同然の行動をとることになります。

 

住民票を移さずに引っ越すことで、債権者に新しい住所を知られることはなく、借金の催促が来ることはない、と思うかもしれません。しかし、住民票のない生活は非常に不便です。

 

また、時効が成立するまでの5年から10年間の間、借金の催促は常にやってくることでしょう。消費者金融の形態や雰囲気によっては、恐ろしい事態に巻き込まれる可能性もあります。

 

常におびえて不安な気持ちを抱えて生活しなければなりません。多大なストレスがかかります。

 

 

ローンが組めない

 

時効が成立したので借金を返済しません、という時効の援用手続きをしてしまうと、個人信用情報に影響を与える新たな情報が追加されます。例えば、事故情報、債務整理、破産情報などです。そうなると、ローンを組めなくなります。

 

借金を延滞しただけでなく、結局時効に至るまで返済が滞り、貸し倒れが生じたということを、個人信用情報機関に登録されることになります。

 

借金の時効が生じることによって完済扱いにはなりますが、延滞情報は消えず、その後約5年間はローンを組むこともクレジットカードも使えなくなります。

 

 

住民票が移せなくなる

 

約5年から10年間の間、終始借金の催促がつきまとうことになります。そのため時効が成立するまでの間、借入先からの催促から逃げるために夜逃げをする人もます。

 

しかし、この場合住民票を移すことはできません。住民票を移してしまうと、借入先に新しい住所が知られてしまって今までと同様に借金の催促が来ることになります。

 

ただ、いろいろな手続きに住民票はどうしても必要です。住民票がなくなれば非常に不便ですから、夜逃げのような生活は絶対にお勧めできません。

 

 

精神的に不安定になる

 

時効が成立するまでの非常に長い期間、借金を返済できていないという自責の念にさいなまれ、精神的に不安定な状況に置かれ続けることになります。

 

借金を返さないという決定をすでにしているわけですから、少なからず後ろめたさがあるでしょうし、親しい友人や家族には絶対に知られたくないことでしょう。

 

そのため、電話がかかってきたり、来客があったときには、返済の催促に来たのかな、とびくびくしながら生活しなくてはなりません。ですから借金の時効を待つにはかなりの精神的なストレスと戦う覚悟が必要です。

 

 

 

借金の時効が中断される2つのケース

 

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時効が成立してしまうと、貸したお金はもう戻ってこなくなります。そのため、借金の時効は貸した債権者にとっては、踏んだり蹴ったりで、どうしても避けたい事態です。そのため、時効が中断される、ということがあります。

 

いったん時効が中断してしまうと、その時点から時効の年数を計算しなければならなくなります。そのため時効の成立は遠のき、余計に精神的な負担を抱えることになります。

 

貸主が借金の時効を中断させることが出来る方法は3つあります。

 

 

①債務の承認

 

債務の承認という方法によって、債権者が借金の時効を中断させることが出来ます。借金があることをお互いが認めると、時効が中断されます。例えば以下のような方法があります。

 

 

・支払猶予の申し入れ

 

例えば、支払い猶予の申し入れに図らずも時効が中断されることがあります。時効の期限が近くなると、借入先は支払い催促の通知を送ってくるでしょう。借金の金額と連絡を促す通知です。もし、連絡しなければ法的措置を取る、と脅してくることもあります。

 

焦って返済をもう少し待ってほしい、といった借金をしていることを認める連絡をしてしまうと、支払い義務を認めたことになり、時効が中断することになります。この際は返済に関する誓約書に改めてサインを求められることがあります。

 

 

・返済の一部の弁済

 

また、借金の返済の一部のみでかまわない、減額する、といった方法で借金時効の中断をしようとする場合もあります。○○円を返済すれば借金を減額するから、というのです。

 

その提案に応じた瞬間、借金を認めることになり、時効が中断することになります。

 

 

・利息の支払い

 

支払の期限を延ばすから、利息分だけは払ってほしいという提案をする場合もあります。この場合も提案に応じると、借金の返済義務を認めたことになり、時効が中断することになります。

 

 

・時効が認められない

 

実は、時効期間が過ぎても時効として認めてもらえないケースもあります。例えば、時効期間が過ぎてから、少しでも返済してほしいといわれて、一部の借金支払いを行うと、その時点で時効は成立しなくなります。

 

また、時効援用権の喪失となる判例が出たケースもあるので、裁判の書状や連絡には応じないようにしましょう。時効のカウントが振出しに戻ると、また改めて時効期限まで待たなければならなくなります。

 

 

②貸主からの請求

 

2つ目の方法は、借主が借金返済の請求を行うことによって、時効を中断させようとする場合があります。裁判所が伴う件もありますので注意が必要です。

 

 

・裁判上の請求

 

借金の返済が遅れていることを民事訴訟で訴えたり調停申し立てを行ったりと、簡易裁判所に申し立てされたことによって裁判所が支払い命令を出すケースもあります。その場合、時効が中断されることになります。

 

 

・裁判外の請求

 

電話や郵便、または実際に出向いてまで返済を求めるケースもあります。その場合一時的に6か月間時効が中断されることになります。なにも応じなければ、時効が進行するようになります。

 

 

・差し押さえ

 

裁判所が強制執行の許可を出してしまうと、借入先は財産を差し押さえます。どんな財産も差し押さえの対象となり、時効は中断します。給料にも影響が出ることでしょう。それまでに自己破産などの債務処理を行えば、差し押さえを免れることが出来ます。

 

 

 

借金の時効成立年数と必要条件についてのまとめ

 

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・借金には時効があり、「取得時効」と「消滅時効」の2種類がある

・借金の時効が成立するのは、借入先が個人であれば10年、法人の場合は5年

・借金の時効の条件と時効成立
「返済していない状態の継続」「時効制度を利用することの意思表示」「時効の援用を使う方法」

・借金の時効成立のリスク
「利息が増え続けてしまう」「夜逃げ同然になってしまう」「ローンが組めなくなる」「住民票が移せなくなる」「精神的に不安定になる」

・借金の時効が中断されるケース
「債務の承認」「貸主からの要求」

 

現実的に考えて借金の時効が成立することはありません。貸主である消費者金融や銀行などは、借金回収のプロです。力を侮ってはなりません。借金の踏み倒しを行った場合、いろいろなリスクが付きまといます。

 

ですから、時効を待つよりも、できるだけ借金を減らすための債務処理を行うことをお勧めします。相談した弁護士が時効を待つことを進めるようであれば、相談する相手を変えることをお勧めします。

 

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