皆さんは日々使用している洗顔の細かな違いをしっかり把握しているでしょうか?
今回は洗顔にスポットをあて、角質についてと、角質を除去する『ゴマージュ』『ピーリング』『スクラブ』のこの3つの違いや効果について、少し掘り下げて話をさせて頂こうと思います。
この記事の目次
角質が出来る原因
皆さんの中に、自分の顔を触った時、少し肌がごわついているなと感じた方はいらっしゃいませんか?ざらざらしていたり、硬くごわついた感覚があれば、あなたのお肌には角質が溜まっているかも知れません。
肌も常に新陳代謝を繰り返しており、日々新しい状態へと生まれ変わっています。体の中でも通常古くなったり、不要になったものは体の外へ排出されていきますが、お肌の場合だと少し事情は異なります。皮膚の表層に古くなった皮膚が押し上げられている状態、これが角質と言われるものです。
通常のターンオーバーは4週間程度のサイクルで行われていますが、加齢やホルモンバランスの乱れなどによってこのターンオーバーが正常に機能しなくなることがあります。
そうなると本来は剥がれ落ちるはずの古い皮膚が剥がれ落ちず、皮脂や汗などと結合してしまうことで先の説明の様に表層に押し上げられ、結果的に角質となってしまうのです。
加齢や不健康な生活などが原因でターンオーバーがうまく働いていない場合、単純な洗顔だけでは角質が除去されず、肌にどんどん残っていってしまいます。余談ですが、角質が蓄積されたままの状態のお肌は化粧ノリが悪いどころか、スキンケアの浸透率も低下してしまうことが知られています。
これは本来スキンケアから得ることができる栄養素を、角質が吸収して肌の内部には届かない、つまり角質が邪魔をしている状態にあるからです。そうなると、本来必要のない角質にどんどん栄養が送り込まれ、本来必要な肌へ栄養素が送り込まれない状態に陥ってしまいます。
そのため、ますます肌老化が進行し、さらに角質が増えて行くという、なんとも本末転倒な状態に陥ってしまうわけです。
また、角栓と呼ばれるものもあります。これは剥がれ落ちるはずの古くなった皮膚が剥がれ落ちずに、どんどんと層を成して積み重なった物をいいます。
この角栓を除去するには何よりもまず、肌を柔らかくして除去しやすい肌コンディションにすることが大切です。蒸しタオルなどで毛穴を開かせた後、肌を柔らかくするマッサージなどを行うのが良いと言われています。
角質の除去を行うには、たんぱく質の塊である角質を通常の洗顔だけで除去するのは難しく、クレンジング剤などでは上手く除去することができません。そこでゴマージュやピーリング剤などを利用して角質を取り除いてあげることが大切です。
では、角質を取り除くのに有効なゴマージュやピーリングについてお話をさせて頂きます。
ゴマージュとは
ゴマージュという言葉には、フランス語で“優しくそぎ落とす”または“優しく擦り込む”という意味が込められているそうです。天然ハーブや植物の種皮などを使って、皮膚に潜んでいる角質を取り除く美肌術です。
角質を落とす手法をゴマージュといい、天然の持っている植物の力を利用して優しく汚れや角質を取り除きます。
ヨーロッパからアジアにかけての広い地域でハーブ、お米やヒマワリの種などを使用して角質を取り除くことが行われていましたが、あくまでも顔ではなく体へ行っていました。
これは当時、顔の皮膚に使用出来るほど細かく粉砕する技術が無く、とても荒い粒子にしかできなかったからでは?と想像されています。
しかし、50年ほど前にフランス人のカリタという姉妹の手によってゴマージュ施術が生み出され、現在では私たちの住む日本でもエステにまで取り入れられているほど人気の美肌施術となっています。
ゴマージュの効果
古い角質が取れ、肌が白くなる効果があります。角質や皮脂、汚れが取れる事で、それまでごわついたりがさついていた肌はつるんとした感触の手触りの良い肌になります。くすみが気になっていた肌は汚れが落ちる事で、ワントーンほど明るくなる方もいらっしゃいます。
ゴマージュの方法
基本的には週に1度のケアで十分です。少量を手に取り、指の肌を使ってくるくるとマッサージをするように指を滑らせていきます。おでこや小鼻、あごなどの皮脂が多い箇所や汚れやすい箇所は丁寧に行います。
顔全体を終えたら水またはぬるま湯で洗い流します。他のピーリングなどと混ぜて使用しないよう注意してください。
ピーリングとは
グリコール酸、サリチル酸、乳酸といった薬液を使用して施術を行います。これらを皮膚に塗布して角質化した皮膚を柔らかくし、除去することで“肌を再生する”という意味合いが込められています。
美容皮膚科などのクリニックでは、こういった薬剤を医師の手によって高濃度に配合したピーリング剤を用いてピーリングを行ってもらうことができます。
最近では市販のピーリング剤も数多く販売されていますが、医師によって行われるピーリングに使用する薬剤と比べると安全を考慮してマイルドな仕上がりになっていますので、当然ピーリングの効果にも違いがあります。
強い効果を期待するのであればクリニックで、マイルドな仕上がりで良い場合には市販のピーリング剤を使用するなど、上手く肌コンディションに合わせて使い分けることが大切です。
ピーリングの効果
ピーリングは薬剤によって古い角質や皮脂、汚れを取り除きます。クリニックで行われるピーリングに比べてマイルドではありますが、角質がすっきりと取れ、肌も白くなります。また、汚れや角質などが除去される事によってなめらかな感触の肌になります。
ピーリングのやり方
ピーリング石鹸ではない一般的なピーリングの場合、顔の皮脂や角質、汚れが気になる部分に薄く薬剤を塗布して2~3分待ってから洗い流します。
ただし、こちらも薬剤が配合されている関係で、各商品やメーカーによって塗布後薬剤を浸透させる時間が異なっていますので、指定の手順に従って行うようにしましょう。
スクラブとは
スクラブ入りの洗顔料など聞いた事はありませんか?
このスクラブ洗顔、実は洗顔料の中に細かな粒子を含ませており、これを用いて洗顔をする事で肌の上で細かな粒子が古くなった角質や皮脂、汚れなどを取り除きます。
この細かな粒子とはメーカーによって異なっており、体表的なものでは海藻、米ぬか、塩、植物種皮などがあります。自然の物から作られている粒子と、ナイロンパウダーの様な合成素材迄様々な物があります。
一見バラバラの様に感じますが、これらは全て肌の汚れを取り除くことを目的としています。粒子の大きさは各スクラブ洗顔によって異なっていますので、自分に合ったものを選ぶようにしてください。
スクラブの効果
通常の洗顔剤に細かな流離が配合されている洗顔剤ですので、一般的な洗顔剤に比べると粒子の力によって角質や皮脂、汚れなどを落とす効果があります。ただし、ゴマージュやピーリングと比べるとその効果は随分低いと言ってもいいでしょう。
スクラブのやり方
適量を手のひらに取ったら、手のひらで少量のお湯かお水を使って泡立ててから使用します。洗顔剤には界面活性剤が含有されていますので、泡を顔に付けたまま放置したりせず、すぐに洗い流すようにしてください。
ゴマージュ・ピーリング・スクラブの違い
ゴマージュとピーリング、スクラブの3つの違いを皆さんはお分かりになりますか?
冒頭でそれぞれの特徴を説明させていただいたのですが、
ゴマージュはハーブや植物の種皮を使用した、いわゆる自然由来のものを主成分として角質除去を行うのに対して、ピーリングは薬剤を用いて角質除去を行います。
そして最後のスクラブはメーカーによって粒子の成分は異なっていますが、細かな粒子を洗顔剤に加えることで、通常の洗顔で角質除去を行う物となっています。
角質除去の点だけにスポットを当てて効果を比べた場合、薬剤の力によって角質除去を行うピーリングが最も効果が高く、次いでゴマージュ、スクラブの順になります。
角質を生み出さないために心がけたいこと
角質は出来ないに越したことはありません。
不要な角質を生み出さないためにも、ターンオーバーを乱さないということが重要な鍵となります。バランスの取れた食事や規則正しい生活習慣、十分な睡眠とストレスを溜めこまない、適度な運動を取り入れるなどです。
お気づきですか?実はターンオーバーを乱さないことは、イコール健康な体を維持することにも繋がり、病気になりにくい身体を作ることをも意味しているんです。
体の場合だとホルモンバランスなどが崩れると体調不良を起こし、実際の“症状”としてはっきり分かるのですが、お肌のターンオーバーや角質という点では自覚症状が殆ど無いことから、なかなか気が付きにくくなっています。
それだけに日頃から健康を意識するのと同じように、ターンオーバーにも気を配ってあげる必要があります。
ゴマージュ・ピーリング・スクラブの違いと効果についてのまとめ
・ピーリングの効果
「薬剤で古い角質や皮脂、汚れを取り除く」「肌を白くする」
・スクラブの効果
「粒子で古い角質や皮脂などを落とす効果がある」「ゴマージュやピーリングと比べると効果は低い」
・ゴマージュ、ピーリング、スクラブの違いは、角質除去の成分の違いがポイント
・不要な角質を生み出さない方法
「バランスの取れた食事と規則正しい生活習慣」「十分な睡眠」「ストレスを発散する」「適度な運動をする」
角質ケアは肌を美しく保つためにはとても重要なケアの一つとなりますが、何事もやり過ぎはお肌をかえって弱らせたり、傷をつけてしまいますので、適度な感覚で行いましょう。
また、角質ケアを行った後のお肌はとても乾燥しやすい肌コンディションになっています。十分な保水&保湿対策を行っていつもきれいな美肌をキープしてくださいね。