「レーシック手術を受けると、視力が回復して、メガネやコンタクトレンズから解放される!」、そう思ってレーシック手術を受けたいと思っている人はいませんか?
レーシック手術は確かに視力が回復します。でも、レーシックは100%安全で確実というわけではありません。失敗やリスクもあります。
レーシックの失敗やリスクをまとめました。レーシック手術を考えている人は、まずはこれを読んでから、手術を受けるかどうかを決めましょう。
レーシックとは何?
レーシック手術とは、どんな手術か知っていますか?レーシック手術とは、エキシマレーザーというレーザー光線を角膜に当てて、角膜を削る手術です。
角膜にエキシマレーザーを当てて、角膜のカーブを変えることで、視力を回復させる方法です。具体的には、まずは目の表面の角膜をめくってフラップというふたのようなもの作成します。
その後、エキシマレーザーを角膜の中心部に照射し、角膜のカーブの角度を変えてから、フラップを元に戻します。
角膜のカーブを削って調整することで、屈曲異常を矯正し、視力を回復させることができるのです。
レーシックの手術は両目合わせて15分程度、来院してから2~3時間で帰宅できるという手軽さが人気となっています。
レーシックの9つの失敗と後遺症やリスク
レーシック手術は簡単に痛みもほぼなく視力が回復できるため、2010年前後にはとても人気が高い治療法になりました。
ただ、レーシックは100%安全であり、誰でも必ず視力が回復するというわけではないのです。
レーシックには失敗やリスクもあります。レーシックをすると、どんな失敗やリスクがあるのかを9つ説明していきます。
夜間に視力が低下する
レーシックの失敗・リスクの1つ目は、夜間に視力が低下することです。レーシックは角膜を削って視力を矯正しますが、削った時の角膜の切除径や深さ、瞳孔の大きさなどによっては、夜間に視力が低下したり、夜間に光がまぶしく感じたり、にじむように見えるハロ・グレアという症状が現れます。
ハロ・グレアの症状が強いと、夜間に対向車の車のライトがまぶしくて、夜間は車の運転ができないという事態にもなってしまうのです。
角膜が変形する
レーシックの失敗やリスクの2つ目は、角膜が変形してしまうことです。
レーザーで削った角膜は元通りには戻すことはできません。高度な近視で、角膜切除量が大きい場合などでは、術後に薄くなった角膜が前方に突出して角膜が不正な形に変形して視力が低下してくることが稀にあります。
引用:レーシックを受けることをお考えの皆様へ ―そのレーシックは本当に安全でしょうか?― | 重要 | 公益社団法人日本眼科医
このような角膜の変形は、ハードコンタクトレンズを装着しないと、矯正することができません。
また、角膜の表面をはがすフラップを作る時に、フラップが切れてしまったり、歪みが生じてしまうこともあります。
さらに、角膜を削った時に表面が凸凹になってしまうと、光が乱反射してしまいますので、ものが二重・三重に見えてしまうこともあるんです。
フラップの不良や角膜の表面の凸凹による症状は、レーシック手術の傷が落ち着いてから、また再手術をしなければいけません。
ドライアイになる
レーシックの失敗やリスク、次はドライアイになることです。角膜をレーザーで照射する時に、角膜の知覚神経を傷つけてしまうことがあります。そうすると、涙が分泌されなくなりますので、ドライアイになってしまうのです。
このドライアイによって、目に強い痛みを感じたり、角膜に傷がついて角膜炎を起こしたりするようになります。
痛みが強いために、日常生活を送れなくなったり、メイクができなくなるなどの症状に悩む人が実際にいます。
レーシックによるドライアイは、術後は時間とともに徐々に回復していくことがほとんどですが、回復のスピードには個人差があり、なかなか回復せず、ドライアイによる目の痛みに長期間苦しむ人も多いのです。
角膜の感染症を起こす
レーシックでは、角膜の感染症を起こすこともあります。レーシックはレーザーを当てて角膜に傷をつけているようなものですから、そこから細菌が入り込んで、炎症を起こすと、角膜の感染症になってしまうのです。
角膜に感染が起こると、角膜が混濁したり、変形したりして、視力低下が起こります。さらに、角膜移植が必要になったり、失明してしまうこともあるのです。
この角膜の感染症はレーシックを行う限り、誰にでもあるリスクであり、術後の不適切な自己管理によって引き起こされることも多いものになります。
角膜の混濁
角膜に感染が起こる以外の理由でも、角膜が混濁してしまうことがあります。これは、レーザーを照射したことで、角膜の上皮の細胞分裂が不均一になってしまったことが原因で、角膜が混濁してしまいます。
角膜が混濁すれば、視力低下が起こり、失明する可能性もゼロではありません。
過矯正になる
レーシックの失敗やリスク、次は過矯正になることです。これは、近視を矯正しすぎたために、遠視になってしまったという状態です。
遠視になると、ピントを合わせる時が大変です。過矯正になってしまうと、ピントを合わせるのに目の周囲の筋肉を使わなければいけないので、目が疲れやすくなりますし、頭痛や肩こり、首のコリなどを感じるようになるのです。
視力が戻ることも
レーシックの失敗やリスク、7つ目は視力が戻ってしまうリスクです。レーシックをすることで、視力が回復したのに、また視力が低下してしまうのです。
これは、レーザーで角膜を削ったことで、薄くなった角膜が前に出てくることで、レーザー照射前の角膜のカーブに戻ってしまうことが原因ではないかと推測されています。
レーシックの手術後に視力がもとに戻ってしまった場合は、追加矯正の手術をすることで、また視力を回復させることができますが、残っている角膜の厚みやどのくらい追加矯正が必要なのかによっては、再手術ができないこともあります。
その場合は、メガネやコンタクトで矯正するしかありません。つまり、レーシックする前と同じ状態に戻ることになります。
むしろ、角膜を削ってしまって、もうレーシックができないこと、高いレーシック手術料金を払ったことなどを考えると、同じ状態ではなく、マイナスの状態になってしまったと言えるでしょう。
正確な眼圧測定ができなくなる
レーシック手術の失敗やリスク、次は正確な眼圧測定ができなくなることです。眼圧測定は、緑内障の検査に欠かすことができません。
でも、レーシックの手術を受けた人は、角膜をレーザーで削っているので、正確な眼圧測定ができず、緑内障を早期に発見できないリスクがあるのです。
40歳以上の日本人の5%は緑内障を発症していると言われています。緑内障は進行すると、失明に至ることもありますので、とても怖い病気なのです。
白内障の手術ができない可能性も
レーシックの失敗やリスク、最後は白内障の手術ができなくなる可能性があることです。高齢になると、白内障になって水晶体が濁って、視力が低下しますので、人工のレンズを入れる手術を行うことがあります。
白内障の手術をするためには、どの程度の屈折矯正が必要な人工レンズを入れるかを検査する必要があるのですが、レーシック手術をした人は角膜を人工的に削っていますので、正確な検査ができず、白内障の手術ができない可能性があるのです。
安全にレーシックを受けるためには?
レーシック手術の失敗やリスクをまとめましたが、だからといってレーシックが危険というわけではありません。安全に行い、後遺症なく視力をしっかり回復させることもあるのです。
安全にレーシックを受けるためには、病院選びをしっかり行うことが大切です。また、料金が極端に安いところは避けたほうが良いでしょう。
料金が安いところは、経験の浅い医師が行うことがありますので、フラップ不良が起こりやすいのです。
また、検査をしっかり行ってくれるかどうか、失敗やリスクを手術を受ける前にきちんと説明してくれるかどうかなども、しっかりチェックしましょう。
病院によっては、初来院でその日のうちにレーシック手術を受けられるところもありますが、そのような病院は検査をきちんと行わず、過矯正が起こるリスクが高いので、検査日と手術日はきちんと分けている病院のほうが安心だと思います。
病院側の説明を聞いて、リスクや失敗について理解し納得してから、レーシック手術を受けるようにしましょう。
レーシック手術の失敗と後遺症についてのまとめ
・レーシック手術の失敗と後遺症
「夜間に視力が低下する」「角膜が変形する」「ドライアイになる」「角膜の感染症を起こす」「角膜の混濁」「過矯正になる」「視力が戻ることもある」「正確な眼圧測定ができなくなる」「白内障の手術ができない可能性もある」
・安全にレーシックを受けるためには病院選びが大切
レーシック手術の失敗やリスク、レーシック手術を安全に受けるための方法をまとめました。レーシックは簡単&安全というイメージばかり宣伝されていますが、手術である以上失敗やリスクもあります。
その失敗やリスクを確認し、納得した上で、信頼できる病院でレーシック手術を受けるようにしましょう。そうすることが、リスクを最小限にするためのポイントなんです。