視力が低下すると、とても不安になりますよね。視力が低下すると、見えにくくなりますので、日常生活にダイレクトに影響します。
視力が低下する原因と視力低下の防止・対策法をまとめました。「最近、視力が低下してきたかも」と思っている人は、ぜひ参考にしてください。
視力低下の原因~少しずつ視力が低下していく場合~
視力低下の原因は、少しずつ視力が低下していくものと、急激に視力が低下するものの2つに分けることができます。
まずは、少しずつ徐々に視力が低下していく原因には、どんなものがあるのかを見ていきましょう。少しずつ視力低下していく原因は4つあります。
屈折異常
視力低下していく原因の1つ目は、屈折異常です。屈折異常というと、とても難しく感じますが、近視や乱視、遠視などがこの屈折異常に含まれます。近視や乱視、遠視というと、わかりやすいですし、身近に感じますよね。
目に入ってきた光は、屈折して網膜でピントを合わせるのですが、近視の人は眼軸が長く、遠視の人は眼軸が短いため、ピントが合わないのです。
この屈曲異常の場合は、基本的にはゆっくり視力低下が見られます。ただ、中高生の時期は眼球が大きくなることで、近視が一気に進むことはあります。
屈折異常は遺伝的な要因が関係していることもありますが、多くは生活習慣が原因とされています。長時間のパソコンやゲーム、スマホの使用、暗い中での読書など、目を酷使すると、屈折異常が起こるリスクが高くなります。
老眼
老眼でも、視力は低下します。老眼は、加齢によってピントを合わせるための水晶体の弾力性がなくなることで、ピントを合わせにくくなる病気です。
老眼は40歳ごろから出現しますが、本人が気づかないうちに少しずつ進行していって、他人に「それって、老眼の症状じゃない?」と指摘されて、初めて気づくことが多いんです。
白内障
白内障も徐々に、視力が低下する原因の1つです。白内障は老化などの原因で、少しずつ水晶体が濁っていく病気です。
カメラのレンズの役割である水晶体が濁れば、視力は低下してしまいます。白内障は痛みはないものの視力低下以外に、次のような症状が現れます。
・まぶしい
・物が二重に見える
視力低下がなくても、このような症状が気になってきたら、白内障の可能性があります。
緑内障
少しずつ視力が低下していく原因、最後は緑内障です。眼圧が高くなることで、目の神経が障害されて、視野が狭くなったり、視力が低下する病気です。初期の頃は自覚症状がなく、進行して視力が下がってきてから、緑内障に気づくことが多いんです。
視力低下の原因~急激に視力が低下していく場合~
視力低下の原因、次は急激に視力が低下していく原因を考えていきましょう。
急性の角膜疾患
目の表面を覆っている角膜に、何らかの疾患が起こると、急激に視力が低下します。急性の角膜疾患で多いものは、角膜潰瘍やヘルペス角膜炎です。
角膜潰瘍は角膜に傷がつくことで、潰瘍ができてしまう病気です。コンタクトレンズを間違って使った場合などに起こりやすい病気です。視力低下のほかに強い痛みや充血などが起こります。
ヘルペス角膜炎は角膜に単純ヘルペスが感染した状態のことです。ヘルペス角膜炎は、角膜に浮腫が起こりやすいのですが、浮腫が原因で視力が大幅に低下することがあります。
視神経炎
視神経炎を起こすと、短期間のうちに一気に視力が低下します。視神経は目と脳をつなぐ神経のことです。その神経に炎症が起こると、目で見たものが正確に脳に伝わりませんので、視力が低下してしまうんです。
視神経炎は片目に起こることが多いのですが、多発性硬化症があると、両目に視神経炎が起こるとがあります。
網膜剥離
網膜剥離は網膜がはがれてしまう病気です。網膜剥離は、最初は自覚症状がありませんが、視野に稲妻のような光が出たり、虫が飛んでいるように見えたりすることがあります。
剥離した網膜は、毛光を感じることができませんので、網膜剥離が進行すると、視野が狭くなり、さらに網膜の中心部がはがれると、大幅に視力が低下し、最終的には失明してしまいます。
糖尿病性網膜症
糖尿病性網膜症を発症すると、視力が著しく低下します。病名からもわかるように、糖尿病の合併症の1つです。糖尿病が進行すると、血糖が血管を傷つけます。血糖値が高いと、ドロドロした血液になりますので、血管壁を傷つけてしまうのです。
血管が傷つくと、眼底出血を起こします。目の血管は細くて脆いので、すぐに出血してしまうんです。眼底出血を起こすと、網膜に十分な血液が行き届かなくなりますし、さらに大出血を起こすことで、網膜が機能しなくなり、視力が低下するんです。
硝子体出血
硝子体出血とは、網膜からの出血が硝子体(眼球)の中に広がってしまう病気です。眼球内部に血液が広がれば、視界に墨のようなものが広がって、次第にそれが大きくなり、視力が低下していきます。
硝子体出血を起こす原因は、怪我などもありますが、糖尿病性網膜症や網膜静脈閉塞症、加齢背黄斑変性症、網膜剥離などで硝子体出血を起こします。
ブドウ膜炎
急激に視力が低下する原因、次はブドウ膜炎です。ブドウ膜とは虹彩、毛様体、脈絡膜のことです。
ここに起こると、急激な視力低下以外に、充血や目の痛み、飛蚊症、視力低下などの症状が起こります。
加齢性黄斑変性症
加齢性黄斑変性症とは、網膜の中心部である黄斑という部分に異常な血管ができてしまい、そこから出血やするために、視力が低下する病気です。
視力が低下するだけでなく、物が歪んで見えたり、かすんだり、二重に見えたりするなどの症状が現れます。
視力低下の6つの防止法や対策法
視力低下を防ぐためには、どうすれば良いのでしょうか?視力が低下すると、日常生活にダイレクトに影響が出ますので、できるだけ視力低下は防止しなければいけません。
視力低下の防止法や対策をご紹介します。
正しい姿勢で本を読む
視力低下を防止するためには、本を読むときやパソコンを使う時、仕事をする時などは、正しい姿勢を保つように意識しましょう。
本やパソコンをあまり目に近づけると、目が疲れてしまいます。目が疲れると、異常屈曲の原因となりますので、正しい姿勢を保ちながら、30センチ以上は目を離すようにしてください。
また、きちんと椅子に座って、本を読んだり、パソコンを使ったりしてください。寝ながら本を読んだり、テレビを見たり、スマホを使うのはおすすめできません。
疲れている時やリラックスしたい時は、つい寝転がってテレビを見たり、漫画を読みたくなると思いますが、視力低下を防ぐためには、きちんとした姿勢で目を使うようにして下さい。
適度な明るさで本を読む
本を見る時や勉強をする時は、適度な明るさを保ちましょう。暗い中で目を酷使するのは、目を疲れさせるので、視力低下の原因になることは、皆さん知っていますよね。ご両親に1度は、「暗い中で本を読むと、目が悪くなるよ!」と注意された経験があるのではないでしょうか。
そのため、暗い中で本を読むのはおすすめできません。そして、明るすぎるのもダメなんです。直射日光の下で本を読むと、目に負担をかけて、近視などの異常屈曲を起こしやすくなるので、視力低下対策のためにはやめておいた方が良いと思います。
目の酷使を避ける
視力低下を防止するためには、目の酷使を避けましょう。あなたは、目を酷使していませんか?目を酷使すると、目が疲れてしまうので、視力が低下してしまうのです。
そのため、目を労わってあげてください。デスクワークや勉強をしている時は、1時間に5~10分は机から目を離して、ゆっくり瞬きをしたり、遠くを見たりして、目を休めましょう。
また、ゲームやスマホの使い過ぎもNGです。目が疲れたなと思ったら、目を休めるようにしましょう。目を休めて休憩したほうが、仕事や勉強の効率も上がるんです。
目を温める
視力低下対策をするためには、目を温めましょう。蒸しタオルなどで、目を温めると、目の周囲の筋肉のコリをほぐすことができるので、目のピントが合いやすくなりますし、血行が良くなって、目に十分な酸素や栄養が行き渡るので、視力低下を防止できるんです。
蒸しタオルは、濡らしたタオルを絞って、電子レンジで温めればOKです。それを目に乗せると、想像以上にリラックスすることができるでしょう。
そして、目の疲れが取れて、視力低下を防止することができるはずです。
目に良い栄養素を摂る
目に良い栄養素を摂ると、目の機能をアップさせられますので、視力低下を予防することができます。
目に良い栄養素はたくさんあります。目を労わって、目の疲労を取るためには、次の栄養素を摂りましょう。
・ビタミンA:緑黄色野菜、ウナギ、レバー
・ビタミンB群:肉、卵、魚、大豆など
・ビタミンE:アボカド、アーモンド、オリーブオイル
異常屈曲の1つである近視を防止するためには、次の栄養素が有効です。
・アントシアニン:ブルーベリー、カシス
目の老化による白内障や加齢性黄斑変性症を防ぐには、抗酸化作用のある栄養素を摂りましょう。
・ルテイン:ケール、ブロッコリー、ホウレンソウ
・リコピン:トマト
・カテキン:緑茶
・ビタミンC:野菜、果物
これらの栄養素を摂っていれば、視力低下を防止できるはずです。ただ、これらの栄養素を見てわかると思いますが、これらの栄養素を摂るためには、栄養のバランスのとれた食事を摂ることが大切です。たくさんの食材を食べるようにすれば、自然にこれらの栄養素を摂取できると思います。
病院を受診する
視力低下の防止策、最後は病院を受診することです。目に異常を感じたら、すぐに眼科を受診してください。
目の病気による視力低下は、眼科で専門的な治療をしないと、どんどん視力が低下していきます。病気が進行しないうちに、受診して、治療を始めれば、視力の低下をストップさせることができたり、視力を回復させることができるんです。
逆に病気が進行してしまえば、いくら眼科を受診しても、手遅れで失明してしまうこともあります。ですから、目が見えにくい、視力が落ちてきたかもと思ったら、すぐに眼科を受診してください。
視力低下の原因・防止と対策についてのまとめ
「屈折異常」「老眼」「白内障や緑内障の可能性」
・急激に視力が低下する原因
「急性の角膜疾患」「視神経炎」「網膜剥離」「糖尿病性網膜症」「硝子体出血」「ブドウ膜炎」「加齢性黄斑変性症の可能性」
・視力低下の防止法と対策法
「正しい姿勢で本を読む、仕事をする」「適度な明るさで本を読む」「目の酷使を避ける」「目を温める」「目に良い栄養素を摂る」「病院を受診する」
視力低下の原因や防止・対策をまとめました。視力が低下する原因はたくさんあります。ほとんどのものが、早めに眼科を受診すれば、視力低下を防止することができますので、目の異常を感じたら、早めに眼科を受診するようにしてください。