総コレステロール（TC）基準値は？

コレステロールは「健康に悪いもの」というイメージがあるかもしれませんが、必ずしも健康に悪いとは限りません。

なぜなら、コレステロールは私たちの体を構成する細胞の膜の原料となったり、性ホルモンの原料となるからです。ただ、ご存知のようにコレステロールが多すぎると、健康に悪いことは間違いありません。

総コレステロール（TC）の検査の値が高いと、血液中にコレステロールが多いということになります。血液中にコレステロールが多いと、血液がドロドロになりますので、動脈硬化を引き起こして、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす可能性が高くなるのです。

総コレステロールの基準値を確認しておきましょう。

出典：脂質の検査 | 健診結果の見方 | 保健のページ | J.フロント健康保険組合

閉経後の女性は、ホルモンバランスの影響で、総コレステロール値が高めになりますので、150～239mg/dlが正常の基準値となります。

総コレステロール（TC）が低い原因

総コレステロールの値が低い場合は、どんな原因が考えられるでしょうか？総コレステロールの値が低いと「健康！」と思うかもしれませんが、そんなことはないのです。

総コレステロールが低すぎると、低コレステロール血症という病気に分類されます。コレステロールは細胞膜や性ホルモンの原料になるものですので、低すぎるのも健康に悪影響が出るのです。

低コレステロール血症の原因は、次のようなものが考えられます。

低栄養で食事からコレステロールやコレステロールの原料となるものを摂取しなければ、低コレステロール血症になります。

また、コレステロールの大部分は肝臓で作られるって知っていますか？食事からの摂取するコレステロールは20～30％だけで、残りの70～80％は肝臓で作られているんです。

そのため、肝硬変や肝炎になって、肝臓の機能が低下すると、コレステロールが作られなくなるので、低コレステロール血症になってしまいます。

甲状腺機能亢進症になると、甲状腺ホルモンの分泌が過剰になります。甲状腺ホルモンは全身の代謝をアップさせます。

この時にエネルギー源としてブドウ糖が使われるのですが、これに関連して脂肪の分解が進むため、血液中のコレステロールが少なくなるんです。

このためバセドウ病などで甲状腺ホルモン(T3,T4)が増加しているとコレステロールは低下し、逆に甲状腺ホルモン(T3,T4)が低下している甲状腺機能低下症ではコレステロールは増加するのです。

 

引用：甲状腺ホルモン分泌調節と脂肪 – 医療あれこれ

総コレステロール（TC）が高い原因

次に、総コレステロールが高い原因を考えていきましょう。総コレステロールが高い原因は、次のようなものがあります。

この中でも、総コレステロールが高い主な原因は肥満です。暴飲暴食、運動不足などで肥満になると、体内に脂肪が溜まっていきますので、総コレステロールの値が高くなるのです。

また喫煙や過度の飲酒でも、悪玉コレステロールが増えますので、総コレステロールの値は高くなります。ストレスはコレステロールを増やす原因になるんです。

ストレスを受けたときに分泌されるストレスホルモンには、コレステロールを増やす作用があります。

 

引用：コレステロールを減らそう｜脂質異常症｜生活習慣病ガイド｜健康コラム・レシピ｜オムロン ヘルスケア

ネフローゼ症候群や甲状腺機能低下症などの病気でも、血液中のコレステロールが増えて、総コレステロールが高くなることがあります。

コレステロールが高い原因はコレステロールの摂り過ぎではない！

コレステロールが高い原因を見て、「あれ？コレステロールの摂り過ぎは？」と思って人がいるかもしれません。「卵はコレステロールが多いから、1日2個まで」なんてことを聞いたことがある人も多いですよね。

コレステロールの摂取量は低めに抑えることが好ましいものと考えられるものの、目標量を算定するのに十分な科学的根拠が得られなかったため、目標量の算定は控えた。

 

引用：脂質―厚生労働省

コレステロールは肝臓から作られるものが大部分を占めているので、健康な人の場合は食事から摂取するコレステロールは、上限を設定する必要はないと厚生労働省が発表しています。

そのため、健康な人の場合は、コレステロールを多めに摂っても、総コレステロールが高くなる原因とはならないのです。

ただ、これは健康な人の場合のみで、もともと総コレステロールが高い人がコレステロールを食事からたくさん摂ると、さらに総コレステロールの値が高くなりますので、注意が必要です。

総コレステロールを下げる方法

「総コレステロールが高い」と健康診断で指摘された場合、健康を維持するためには総コレステロールを下げる努力をしなければいけません。

総コレステロールを減らすためには、健康的な食事と運動が大切です。総コレステロールが高い主な原因は肥満なのですから、結局はダイエットをすることが総コレステロールを下げる一番良い方法なのです。

適度に運動をして、食事はカロリー控えめで健康的な食事を摂ることが、総コレステロールを下げて、肥満を解消できる一番着実な方法なのです。

ただ、総コレステロールを下げるためにダイエットをするなら、効率よく総コレステロールを下げたいですよね。総コレステロールを下げるためのコツを5つご紹介します。

コレステロールを下げる食品を食べる

総コレステロールを下げるためには、コレステロールを下げる食品を食べましょう。コレステロールを下げる食品とは、次のようなものです。

■青魚

総コレステロールを下げるなら、サバやサンマ、イワシ、アジなどの青魚を積極的に食べましょう。

青魚はDHAやEPAという不飽和脂肪酸が含まれていますが、このDHAやEPAは血中の悪玉コレステロールを減らしてくれる作用があります。

■大豆製品

大豆に含まれるサポニンは悪玉コレステロールを分解する働きがありますので、大豆や豆腐、納豆などを食べると、総コレステロールを下げることができます。

■食物繊維

食物繊維は、腸内で脂肪が吸収されるのを防いでくれる働きがあります。特に海藻などに含まれる水溶性食物繊維の一種であるアルギン酸は、その効果が高いので、昆布やワカメ、ヒジキ、海苔などは、積極的に食べたい食品です。

コレステロールを豊富に含むものは控える

コレステロールを豊富に含む食品は控えましょう。健康な人はコレステロールの摂取量の上限はありませんが、総コレステロールの値が高い人が食品からコレステロールを摂ってしまうと、血液中のコレステロールはさらに高くなります。

これらの食品はコレステロールの量が多いので、できるだけ控えるようにしてください。

禁煙をする

総コレステロールを下げるためには、禁煙をしましょう。タバコに含まれるニコチンは、悪玉コレステロールを増やす作用があります。

そのため、総コレステロールを下げるなら、禁煙をすると、効率よく下げることができるはずです。

禁煙すると、ダイエットできないし、逆に太ると思うかもしれませんが、それは誤解です。確かに、禁煙すると太る人はいますよね。

あれは、禁煙して口が寂しくて何か食べてしまったり、禁煙したことでご飯がおいしく感じられるようになったため、ついつい食べてしまうためなんです。

ですから、禁煙しても口が寂しくなったらお茶を飲んでごまかすなどの対処法をすれば、太ることはなくダイエットできますので、禁煙したら太るかも？という心配は無用です。

お酒はほどほどに

お酒は適量なら善玉コレステロールを増やす働きがありますが、過度の飲酒は悪玉コレステロールを増やしますので、ほどほどにしておきましょう。

お酒が好きな人は、おつまみにも気を使ってくださいね。ここで、もう一度コレステロールを含む食品を見直してみましょう。

全体的にお酒のおつまみに良さそうなものばかりですよね。お酒のおつまみには、野菜サラダなど低カロリーでコレステロールを含まないものを選んでください。

ストレスは溜めこまない

総コレステロールを下げるためには、ストレスは溜めこまないようにしましょう。ストレスが溜まると副腎皮質からアドレナリンなどのホルモンが分泌されますが、このホルモンが分泌されると、血中のコレステロールが増えてしまうんです。

そのため、ストレスは溜めこまず、こまめに発散させるようにしましょう。特に、ダイエット中はストレスが溜まりやすいので、総コレステロールを下げるためには、ストレスマネジメントがとても重要になります。

リラックスタイムを作るように心がけたり、睡眠はしっかりとることも心がけてくださいね。

総コレステロールの基準値・低い原因・高い原因・下げる方法の総まとめ

総コレステロールの基準値や総コレステロールが低い原因、高い原因、総コレステロールを下げる方法をまとめました。

総コレステロールが高い主な原因は肥満ですから、総コレステロールが高いと指摘された人は、これを機にダイエットをしながら、ご紹介したコツを実践して、肥満を解消し、総コレステロールの値を下げるようにしましょう。