鏡を見たら、目尻にシミができていたら、大ショックですよね。シミは老化のサインですので、シミができたという肌トラブルのショックに加えて、自分が老化しているというショックもあるので、シミの発見は女性にとってはめまいがするほどショックが大きいものなんです。
シミの原因や予防法・対策、本気で消す方法をまとめました。美肌を保ちたいあなたは必見です!
シミができるメカニズム
シミはなぜできるのでしょうか?シミのメカニズムを説明していきます。シミの直接的な原因は、メラニン色素です。これは、皆さんもうご存知ですよね。
肌は表皮と真皮に分かれていますが、表皮の一番下にはメラノサイトという細胞があります。
メラノサイトに紫外線などの刺激が加わると、チロシナーゼという酵素が活性化され、メラニン色素が作られます。このメラニン色素は肌を守る役割があるのですが、色黒やシミの原因にもなるものなんです。
それでも、メラニン色素が作られても、必ずシミになるわけではありません。肌は28日周期で生まれ変わっていて、メラノサイトで作られたメラニン色素は、肌のターンオーバーと一緒に肌の表面に押し上げられ、垢のように肌から剥がれ落ちます。
そのため、作られたメラニン色素は肌にずっと残ることは稀なんです。でも、肌のターンオーバーが遅くなった時は話は別です。
肌のターンオーバーが遅れると、肌にメラニン色素がいつまでも残ってしまって、垢として剥がれ落ちる前に色素沈着を起こして、ずっと肌の中に残ってしまいます。これが、シミです。
シミはメラニン色素の生成に肌のターンオーバーの乱れが加わることで、できてしまうものなんですね。
シミの4つの種類と原因
シミのメカニズムがわかったら、次はシミの種類や原因を見ていきましょう。実は、シミは1種類だけではないんです。
紫外線によるシミ(日光黒子)
シミの種類と原因、1つ目は日光黒子です。日光黒子とは紫外線が原因でできるシミで、一般的に、私たちが「シミ」と認識しているものですね。
紫外線を浴びると、メラノサイトでメラニン色素が作られます。そして、少しずつ肌にメラニン色素が蓄積されていきます。
それに加えて、肌が乾燥したり、ストレスが溜まっていたり、喫煙、加齢などの要素が加わると、肌のターンオーバーが遅れますので、メラニン色素がさらに蓄積されやすくなります。
そのため、この紫外線によるシミは中年以降にできやすく、老化の1つとみなされることが多いんですね。ちなみに、高齢者の場合はこの日光黒子のシミは、老人性色素斑と呼ばれますが、名前が違うだけで、メカニズムは普通のシミと同じです。
紫外線による日光黒子のシミは、淡褐色から濃褐色で、顔にできることが多いですが、顔以外にも手や背中、腕などにもできることがあります。
炎症によるシミ(炎症後色素沈着症)
シミは炎症が原因になることもあります。炎症によるシミは、正式名称は炎症後色素沈着症と言います。
ニキビ跡や傷跡、アトピー性皮膚縁の後にシミのようなものができた経験はありませんか?あれは、炎症が起こったことで、肌を守るためにメラニン色素が作られるので、色素沈着を起こして、シミができてしまうのです。
メラニン色素を大量に作り出すと、肌細胞を炎症から守ってくれるので、メラニン色素は肌を保護する役割があります。ただ、炎症が起こっている一部分にだけ大量にメラニン色素ができてしまうので、シミのようになってしまうのです。
ただ、この炎症によるシミは、時間と共に少しずつ薄くなっていくことが多いという特徴があります。
遺伝によるもの(雀卵斑)
シミの原因、3つ目は遺伝です。遺伝によるシミは雀卵斑と言います。一般的には、そばかすと言われるものですね。
そばかすは遺伝的要素が強く、小さな薄褐色のシミのような斑点が鼻や頬に点々としています。そばかすがある人は、家族にもそばかすがあり、3歳ごろなど幼少期から現れるという特徴があります。
ホルモンバランスに関連したシミ(肝斑)
最後のシミの原因は、ホルモンバランスに関連したシミで、肝斑と呼ばれるものです。肝斑は女性限定のシミになります。
肝斑はピルの服用や妊娠など女性ホルモンのバランスが変わった時に悪化しやすいため、女性ホルモンが関わっている可能性が大きいものの、「これが原因です!」という明確なものは分かっていません。
頬や額に現れることが多く、左右対称で、モヤッとした大きめのシミであるという特徴があります。
シミの7つの予防法や対策
シミはできてしまう前にしっかり予防することが大切です。しっかりとシミの予防対策をすれば、ある程度シミの発生を防ぐことができるのです。
「シミは作らない!」、これが鉄則です。シミの予防法や対策を7つご紹介します。
紫外線対策を徹底する
シミの予防のためには、紫外線対策を徹底しましょう。シミの原因であるメラニン色素が作られる主な原因は紫外線です。ということは、紫外線にできるだけ当たらないようにしていれば、メラニン色素が作られず、シミもできないということになります。
紫外線を浴びないためには、日中はずっと屋内で過ごせば良いのですが、さすがに日中は屋外に一歩も出ないというのでは、社会生活を営んでいくことはできません。
シミ対策のために社会生活を犠牲にするのは、ちょっと代償が大きいですよね。ですから、普通の生活を営みながら、紫外線にできるだけ当たらないようにする対策を行いましょう。
・夏場は1日に何度も日焼け止めを塗り直す
・肌の露出を避ける
・日傘や帽子、サングラスを使う
・晴れた夏の日は、日中はできるだけ屋内で過ごす
このようなことに気を付けていれば、紫外線の影響を最小限にすることができますので、メラニン色素が作られにくくなり、シミができにくくなります。
重要なことは365日、毎日日焼け止めクリームを使うことです。冬の日や雨の日も、日焼け止めクリームをつけてください。夏に比べれば少ないですが、冬でも紫外線は降り注いでいます。雨の日も紫外線は降り注いでいます。
ですから、シミの予防するなら、毎日日焼け止めクリームをつけましょう。また、夏は1日に数回、日焼け止めを塗り直してください。
SPF値が高いものを選ぶよりもSPF25~30のものを何度も塗り直したほうが、日焼け止め効果は高いのです。
規則正しい生活を送る
シミ対策のためには、規則正しい生活を送りましょう。シミ対策のためには、紫外線対策を徹底して、メラニン色素を作らないことも大切ですが、肌のターンオーバーを正常化させて、作られたメラニン色素を肌に残さないことも大切です。
肌のターンオーバーを正常化させるためには、規則正しい生活を送って、自律神経のバランスを整えましょう。そうすれば、肌細胞が活性化して、肌のターンオーバーが正常になります。
・適度な運動をする
・1日3食食べる
・まんべんなく栄養を摂る
・ストレスを溜めない
このようなことに気を付けて、日常生活を送ってみましょう。ちなみに、規則正しい生活を送ると、肌のターンオーバーが正常化するだけでなく、ニキビができにくくなりますので、炎症によるシミもできにくくなるのです。
抗酸化作用のある食べ物を食べる
シミ対策のためには、抗酸化作用のある物を食べましょう。シミは活性酸素が関係していますので、抗酸化作用のある食べ物を食べるとシミができにくくなります。
シミは紫外線や炎症によって、メラニン色素が作られることが原因ですね。紫外線が肌に当たったり、ニキビなどで肌に炎症が起こると、活性酸素が発生するんです。そして、その活性酸素に対抗するために、メラニン色素を作ります。
ということは、抗酸化作用がある食べ物を食べて、活性酸素を減らすことができれば、メラニン色素は作られにくくなるということです。
抗酸化作用のある食べ物は、ポリフェノールやカロテノイド、ビタミンC、ビタミンEを含む食べ物です。
・カロテノイド:緑黄色野菜
・ビタミンC:野菜や果物全般
・ビタミンE:アーモンド、オリーブオイル、アボカド
これらのものを積極的に食べておくと、ニキビができたり、うっかり日焼けをしてしまった時も、シミができにくくなるのです。
質の高い睡眠をとる
シミ対策のためには、質の高い睡眠をとりましょう。質の高い睡眠をとると、成長ホルモンがドバドバ分泌されるようになります。
成長ホルモンは、子どもを成長させるためだけではありません。肌のターンオーバーを促す役割もあるんです。
グッスリ眠ると、睡眠中に成長ホルモンがどんどん分泌されて、肌のターンオーバーが促され、メラニン色素が蓄積しにくい肌になることができますので、シミを予防することができるのです。
正しいスキンケア
シミ対策のためには、正しいスキンケアをすることも大切です。間違ったスキンケアをすると、肌が乾燥したり、ニキビができやすくなります。肌が乾燥すると、肌のターンオーバーが乱れますので、メラニン色素が溜まりやすくなります。
ニキビができれば、炎症が起こりやすくなりますので、メラニン色素が作られて、シミになってしまいます。ということは、正しいスキンケアをして、肌の状態を良好に保つことで、シミが作られにくくなるんです。
①メイクはしっかり落とす
メイクはしっかり落としましょう。フェイスラインや髪の生え際、小鼻のきわなどはメイクが残りやすいので要注意です。
ただ、クレンジング剤は肌に優しいものを選んでください。あまりクレンジング力が強いものは、肌の保湿成分まで洗い流してしまいますので、乾燥肌になってしまいます。
濡れた手でも使えるもの、拭くだけで簡単に落ちるものは、できるだけ避けたほうが無難です。特に、乾燥肌や敏感肌の人は肌に優しいクレンジング剤を使って、念入りにメイク落としをするようにしてください。
②洗顔は泡で優しく
次に洗顔です。洗顔は洗顔料をしっかりモコモコに泡立ててから、手ではなく泡で洗うようにして、洗顔をしましょう。
洗顔をする時には、ゴシゴシと洗ってしまうと、肌に負担をかけてしまいますので、肌トラブルの原因になります。そのため、手のひらや泡立てネットで、泡をしっかり作って、泡で優しく洗顔をするようにしてください。
また、泡が残らないようにしっかりすすぎましょう。お湯の温度はぬるま湯程度です。熱すぎると、肌が乾燥してしまいますので、気を付けましょう。すすぐときは、最低でも20回はすすいでください。「もう洗い流せたかな?」と思ってから、さらに5~10回すすぐようにすればOKです。
③タオルはトントン押さえるように
タオルで水分を拭き取る時は、ゴシゴシ拭き取らずに、トントンと押さえるように拭きましょう。先ほども言っていますが、擦ると肌が乾燥します。そのため、押さえるように水分を拭き取るようにすると、肌に負担をかけず、健康な肌になるんです。
④化粧水や乳液はしっかりと
化粧水や乳液はしっかりつけてください。洗顔後はどんどん水分が蒸発していきますので、できるだけ早く化粧水をつけて、水分を補ってあげましょう。
また、脂性肌の人は乳液をつけるとべとつくと思っているかもしれませんが、乳液で肌に蓋をしてあげないと、水分が蒸発しやすいので、脂性肌の人も乳液をつけるべきなんです。サッパリタイプのものを使えば、それほどべたつかないので大丈夫だと思います。
美白化粧品を使う
シミ対策のためには、美白化粧品を使いましょう。美白化粧品を使うことで、メラニン色素を薄くしたり、できにくくしたりできるのです。
メラニン色素を薄くする、つまりシミを薄くするためには、次の成分が入っているものを選びましょう。
・ビタミンC誘導体
・ハイドロキノン
メラニン色素が作られにくくするためには、次の成分が入っているものを選ぶことをおすすめします。
・エラグ酸
・トラネキサム酸
・コウジ酸
・プラセンタエキス
・ルシノール
・カモミラET
シミを予防するため、またできてしまったシミを薄くするためには、このような成分が入った美白化粧品を使うようにしましょう。
ニキビは潰さない
シミ対策のためには、ニキビは潰さないようにしましょう。白ニキビや黒ニキビは潰してもOKです。白ニキビや黒ニキビは炎症が起こっていないからですね。
でも、赤ニキビや黄ニキビは、絶対に潰してはいけません。炎症がすでに起こっているニキビを無理に潰してしまうと、炎症がさらに悪化します。そうすると、色素沈着を起こして、シミになりやすくなるんです。
そのため、ニキビは潰さないようにしましょう。白ニキビや黒ニキビは潰しても良いのですが、簡単に力を入れずに潰せるものだけにしてください。無理やり潰すと、それが原因で炎症を起こすことがあります。
できてしまったシミを消すには?
できてしまったシミを消すにはどうすれば良いのでしょうか?ビタミンCやハイドロキノンは、還元作用がありますので、シミを薄くすることができますが、それでも限界はあります。特に、市販の美白化粧品に入っている濃度や量は、限界がありますから。
できてしまったシミを本気で消したいなら、美容皮膚科や美容外科を受診してください。本気でシミを消したいなら、レーザー治療で消すことができます。ただ、シミの種類によってはレーザー治療をすると、逆にシミを悪化させる可能性がありますので、きちんと医師のカウンセリングを受けなければいけません。
紫外線によるシミやそばかすは、レーザー治療で比較的簡単に消すことができます。そのため、一般的なシミやそばかすに悩んでいる人は、レーザー治療を受けると良いでしょう。
ただ、炎症によるシミや肝斑はレーザー治療をすると、それが刺激になって悪化することがあります。そのため、炎症によるシミや肝斑を消すためには、レチノイン酸+ハイドロキノンが配合された外用薬を塗布したり、トラネキサム酸、ビタミンCの内服薬を服用する必要があります。
シミの原因と対策・消す方法についてのまとめ
・シミの原因と種類
「紫外線のシミ:日光黒子」「炎症のシミ:炎症後色素沈着」「遺伝によるもの:雀卵斑」「ホルモンバランスのシミ:肝斑」
・シミの予防法と対策
「紫外線対策を徹底する」「規則正しい生活をおくる」「抗酸化作用のある食べ物を食べる」「質の高い睡眠をとる」「正しいスキンケア」「美白化粧品を使う」「ニキビは潰さない」
・できてしまったシミはレーザー治療で消せる
シミのメカニズムや原因、対策、消す方法をまとめました。シミ対策はメラニン色素を作らないようにすることも大切ですが、肌を健康な状態に保つことも大切です。
また、シミはレーザーで消すことが可能ですが、炎症性のシミや肝斑は逆に悪化させますので、医師に相談しながら消す方法を模索すると良いでしょう。