咳やくしゃみをしたときに、ポロっと米粒のような白い粒が出てきたことはありませんか?それを潰すと、とんでもなく臭いんですよね。この粒を、通称「臭い玉」と言います。
臭い玉の原因や取り方、予防方法などをまとめました。臭い玉がよく出るという人はぜひ参考にしてください。
臭い玉の原因
臭い玉はくしゃみや咳などをした拍子に、ポロっと口の中に出てくる米粒のことです。「臭い玉」という名前は通称で、本当の名前は膿栓と言います。
この臭い玉はつぶすととんでもなく臭いですし、口臭の原因にもなるものです。まずは、臭い玉はなぜできるのかを確認していきましょう。
臭い玉の正体は?
咳やくしゃみの拍子にポロっと出てくる臭い玉。あれはいったい何なのでしょうか?臭い玉は米粒ではありません。
臭い玉の正体は雑菌の死骸や食べかすなどが合わさったものです。そして、この臭い玉は正式名称を膿栓と言います。
臭い玉の原因は炎症
臭い玉の正体は雑菌の死骸や食べかすですが、なぜ喉の奥に臭い玉ができるのでしょうか?喉の奥には、扁桃という部位があります。「扁桃腺が腫れて、のどが痛い」という場合がありますね。あの扁桃です。
扁桃はリンパが集まった場所で、細菌やウイルスが体内に入るのを防いでくれる関所のような場所なんです。そのため、雑菌が扁桃を通ると、白血球などの免疫細胞が扁桃に集まって、雑菌を退治してくれます。
その雑菌や白血球の死骸に口腔内の食べかすが混ざって、扁桃にくっついたものが、臭い玉なんですね。そして、咳やくしゃみをした拍子に、扁桃にくっついていた臭い玉がポロっと剥がれてくるというわけです。
臭い玉は細菌が扁桃いる状態、つまり、のどに炎症が起こっている状態で作られますので、臭い玉がよく出てくるという人は、喉に慢性的な炎症が起こっていて、喉が弱い人であると言えるんです。
臭い玉の5つの取り方
臭い玉が喉の奥にくっついていると、のどに違和感があったり、口の中に苦みが広がったり、口臭が気になるので、何とか臭い玉を取りたいものですよね。
臭い玉の取り方を5つご紹介します。臭い玉に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
自然に取れるのを待つ
臭い玉の取り方、1つ目は自然に取れるのを待つことです。臭い玉はくしゃみや咳の刺激で、ポロっと取れることが多いので、取れる時を期待して、自然に取れるのを待ちましょう。
臭い玉はそのままにしておいても、特に問題はありません。健康にかかわるものではありませんので、小さいものが1~2個ついているだけで、特に違和感などもないなら、そのまま自然に臭い玉が取れるものを待つと良いでしょう。
綿棒でからめとる
喉に違和感があって、今すぐ取りたいという場合は、綿棒でからめとるという取り方もあります。鏡の前で大きく口を開けて、のどの奥に白い臭い玉が見えるという時には、綿棒で優しくからめとるようにしましょう。
この時に、綿棒でゴシゴシ喉の粘膜をこすらないようにしてください。早く臭い玉を取りたいからといって、強引に臭い玉を取ろうとすると、喉の粘膜を傷つけてしまう可能性があります。
喉の粘膜を傷つけると、そこに細菌が繁殖して、炎症を起こし、白血球が集まってきて、細菌や白血球の死骸ができるため、さらに臭い玉が発生する原因になります。
そのため、粘膜を傷つけないように、丁寧に綿棒でからめとるようにしてください。もし、綿棒で取れない時には、無理やり取らずに諦めるようにしましょう。
強めにうがいをする
臭い玉の取り方、3つ目は強めにうがいをすることです。「ガラガラガラ!」と強めにうがいをすると、その刺激で臭い玉が取れる可能性があります。ただ、うがいのし過ぎも良くありません。
ただし、うがいはやり過ぎても、
常在菌まで殺してしまうことになりますので、
ほどほど(1日4回程度か)で、
強い殺菌力のあるうがい液は最小限にしておく方がよいと思います。
うがいは1日4回程度までにして、基本は水でうがいをするようにして、のどに炎症が起こっている時などはうがい薬を入れてうがいをするようにすると良いでしょう。
シリンジ(注射器)で取り除く
シリンジ(注射器)を使う取り方もあります。臭い玉は見えるところだけにあるわけではありません。喉の穴の中に潜んでいることもあります。
まずは、シリンジの中に水をためます。シリンジの大きさは10ml~20mlくらいが良いですね。シリンジはネット通販などで購入することができます。
水をためたシリンジを臭い玉がありそうな喉の奥の穴に入れて、ゆっくりと水圧をかけながら、ピストンを押していきます。いきなり水を出すとむせこんで大変なことになりますので、ゆっくり少しずつ水を押し出すようにしましょう。
耳鼻科に行く
臭い玉の取り方、最後は耳鼻科に行くことです。耳鼻科に行くと、吸引などの方法で臭い玉を取ってもらえることがあります。
ただ、必ず取ってもらえるとは限りません。臭い玉はとってもまたすぐにできてしまう可能性があるからです。「臭い玉(膿栓)は耳垢のようなもの」という表現をする医師もいます。
耳鼻咽喉科に来ていただければ、膿栓のチェックは行います。
あれば摘出してみますが、必ずとれるとは限りません。
ただ、膿栓がどのくらいあるのか、喉の状態はどうかなどのチェックはできますので、臭い玉がたくさん出てくる、喉に違和感がある、最近臭い玉が増えたなどの悩みがある人は、一度耳鼻科を受診してみると良いでしょう。
臭い玉の7つの予防方法
臭い玉は口臭の原因にもなりますし、臭い玉がたくさんあると喉の違和感にもつながりますので、臭い玉はできないように予防したいですよね。
臭い玉の予防方法7つをまとめました。これで、臭い玉ができることが少なくなるはずです。
口腔内を清潔に保つ
臭い玉の予防のためには、口腔内を清潔に保ちましょう。しっかり歯磨きをして、プラークコントロールをすることで、口腔内の細菌が少なくなるので、扁桃に炎症が起こりにくくなります。
さらに、食べかすが臭い玉を構成する成分の1つですから、食べかすを残さないようにすることで、臭い玉をできにくくすることができるんです。
規則正しい生活を送る
臭い玉を予防するためには、規則正しい生活を送りましょう。臭い玉は喉で炎症が起こることで、できやすくなりますので、免疫力を上げることで、喉の炎症を起こしにくくするのです。
免疫力を上げるためには、規則正しい生活をしましょう。不規則な生活をしていると、免疫力が低下してしまいます。
・質の高い睡眠をとる
・疲れをためない
・ストレスをためない
・1日3食しっかり食べる
・栄養のバランスを考える
・適度な運動をする
このような生活を送っていると、免疫力が上がって、喉に炎症が起こりにくくなりますので、臭い玉ができることが少なくなるでしょう。
うがいを習慣化する
臭い玉を予防するためには、うがいを習慣化しましょう。うがいすることを習慣づけることで、臭い玉が作られにくくなるんです。
うがいをしっかりすることで、喉の細菌を洗い流すことができます。また、うがいをすると、でき始めた喉の臭い玉を早い段階で排出することができるんです。
風邪をひいた時などは、イソジンなどのうがい薬でうがいをすると、炎症を早く治すことができますので、おすすめです。
ただ、毎日のようにうがい薬を使っていると、必要な常在菌までも殺菌してしまいますので、普段は水でうがいするようにしてください。
口呼吸を治す
臭い玉を予防するためには、口呼吸を治すようにしましょう。口呼吸をしていると、口の中が乾燥しますので、どんどん口腔内の細菌が増えていって、喉で炎症が起こりやすくなります。
また、喉も乾燥しますので、扁桃の防御機能が低下するのです。そうならないためにも、口呼吸の癖がある人は、鼻呼吸をすることを意識して、口呼吸を治すようにしましょう。
口呼吸から鼻呼吸にすると、最初は違和感があるかもしれませんが、慣れるまでの辛抱です。慣れるまでは大変ですが、臭い玉を作らないようにするためですので、頑張りましょう。
唾液の分泌を促す
臭い玉を予防するためには、唾液の分泌を促しましょう。唾液の分泌を増やすことで、口の中をきれいにすることができます。そうすれば、細菌も少なくなりますし、食べかすもなくなりますので、臭い玉が作られにくくなるのです。
・あごや耳の下をマッサージする
・あいうべ体操をする
これらのことをすると、唾液腺を刺激して、唾液の分泌量を増やすことができます。
あいうべ体操とは、大きく口を開いて、「あー、いー、うー、」といった後に、舌を出して、「ベー」という体操です。これだけで、唾液腺を刺激することができますし、鼻呼吸の癖付けをすることができるんです。
こまめに水を飲む
臭い玉を予防するためには、こまめに水を飲みましょう。これも、唾液の分泌量を増やしたり、口呼吸を止めることと同じ原理です。
こまめに水を飲んでいると、喉にあるものをドンドン洗い流すことができますので、臭い玉を予防することができるんです。
耳鼻科に行く
臭い玉の予防方法、最後は耳鼻科に行くことです。たくさんの臭い玉ができるという人は、のどに慢性的な炎症が起こっている可能性があります。
そういう場合は、どんなに臭い玉を取っても、またすぐにできてしまうんです。そのため、慢性的な炎症を治すためにも、耳鼻科に行って、一度喉の状態を見てもらうと良いでしょう。
慢性的な炎症の治療をすれば、臭い玉ができなくなると思います。
臭い玉の原因・とり方・予防方法についてのまとめ
・臭い玉の原因「雑菌などに炎症が起きてできる」
・臭い玉のとり方
「自然に取れるのを待つ」「綿棒でからめとる」「強めにうがいをする」「シリンジで取り除く」「耳鼻科に行く」
・臭い玉の予防方法
「口腔内を清潔に保つ」「規則正しい生活」「うがいを習慣化する」「口呼吸を治す」「唾液の分泌を促す」「こまめに水を飲む」「耳鼻科に行く」
臭い玉の原因と取り方、予防方法をまとめました。臭い玉は特に体に有害なものではありませんが、口臭の原因にもなるものですので、可能な限り取り除いて、しっかり予防するようにしましょう。
「最近は口臭が強くなった気がする」という人は、臭い玉が喉の奥にあるかもしれませんので、一度鏡の前でチェックしてみましょう。