1度美容整形をしただけでは物足りない、何度も何度も美容整形を繰り返してしまうという人は、整形依存症かもしれません。整形を繰り返してしまうと、コテコテの整形顔になってしまって、不自然な顔立ちになってしまいます。
整形依存症の基礎知識や原因、対策・治療法をまとめました。
整形依存症とはどんな病気？
整形依存症とは、美容整形を繰り返してしまう依存症です。1回の美容整形では満足することができず、目や鼻、顎、唇、涙袋、おでこ、フェイスラインを次々に整形し、それでも満足できずに、脂肪吸引や豊胸手術を行います。
それでも、まだまだ満足できず、1度整形した部位をもう一度整形するようになるんです。
周りの人から見ると、「もう充分かわいくなったよ」とか「キレイになったよ」と思えるのに、本人は「まだ足りない、もっときれいになりたい、もっと美容整形をしなくちゃ！」と信じ込んで、どんどん美容整形をするようになるのです。
依存症とは、ある特定の物事にのめり込んでいて、やめることができない状態です。精神疾患の1つですね。アルコール依存症の人はアルコールをやめることができない、薬物依存症の人は薬物を使うことをやめられない。
そして、整形依存症の人は美容整形をやめることができないので、次々に整形を繰り返していきます。
美容整形を繰り返すと、整形したことが丸わかりで、コテコテの「整形顔」になってしまいます。ナチュラルではなく、明らかに整形している顔になるんです。それでも、整形依存症の人は整形することをやめられません。
また、美容整形の施術は高額ですよね。整形依存症の人は、美容整形をすることに全財産をつぎ込んで、それでも足りない場合は、借金をしたり、風俗で働いたりして、お金を用意するようになります。
そのため、整形依存症の人は金銭的にも苦しいことになってしまうのです。
整形依存症の4つの原因と醜形恐怖症との関係
整形依存症のほとんどのケースは、醜形恐怖症です。醜形恐怖症とは自分をブスだと思い込む精神疾患です。本当はそんなにブサイクではないのに、自分は救いようがないブスであると思い込んでしまうために、少しでもかわいくなろうとして、美容整形に依存してしまうのです、
そのため、整形依存症のベースには醜形恐怖症があると考えて良いでしょう。
基本的に整形依存症の方はほぼ100パーセント、醜形恐怖症なので、醜形恐怖症に対する治療をするわけなんだけれど、まず、美容整形の手術とか治療をしていいかどうかっていうのは、それはもうケース・バイ・ケースです。
引用：醜形恐怖症や整形依存症の人は何科に行くべき？精神科？診療内科？美容整形外科？ ： 高須動画センター MikiTube-教えて、幹弥先生！ ： 美容整形の高須クリニック
そのため、整形依存症の原因は、醜形恐怖症になります。では、醜形恐怖症はどんな原因で発症するのかを見ていきましょう。
社会的要因
整形依存症の原因の1つ目は、社会的要因です。世の中の考え方として、美しい女性は良い、ブサイクな女性はダメというものがありますよね。
美しくきれいな女性はみんなからチヤホヤされますが、外見があまり良くない人は損をすることが多々あります。
そのような社会の中で生きていると、容姿に自信がない人は、「こんなにブスだからダメなんだ。もっときれいにならなくては！」と思い込むようになります。
また、マスコミなどで「こういう人がキレイ！」という定義づけを見て、その定義から外れていると、「私はキレイじゃない」、「かわいくないからダメなんだ」と思い込んで、醜形恐怖症を発症し、整形に依存するようになるんですね。
自尊心の低さ
自尊心が低い人も、醜形恐怖症を発症しやすいため、整形依存症になりやすくなります。思春期の頃にイジメにあっていたり、幼少期に親から愛情を注がれなかった人は、「自分はダメな人間である」と思い込んで、自尊心が低くなることがあります。
幼少期から親に愛された実感がなく、思春期の頃に見た目を悪く言われたり、いじめに遭ったりすることによって自尊心を失って発症するケースが多いです。
その他、親から兄弟（姉妹）や同級生等との比較をよくされていたり、冗談交じりに見た目や性格をバカにするようなことを日常的に言われていた場合も原因となりえます。
自尊心が低い人は、自分が極端に醜いと思い込んでしまうことがありますし、外見だけはせめてキレイにしておかないといけないと思って、整形依存症になることがあるのです。
自分の容姿を否定された経験
自分の容姿を否定された経験があると、醜形恐怖症を発症しやすく、整形依存症につながっていきます。
中高生の頃に「お前はブスだ」とみんなの前で言われたり、親から「ブス」、「ブサイク」と言われて育つと、そのことがトラウマになり、整形依存症になりやすくなります。
また、恋人に、「最近太った？」、「もう少し、目が大きかったら良かったね」などと言った人は悪気がなく言った一言も、言われた本人にとっては、本当にショックで、そこから整形依存症になってしまうことがあるんです。
最初の美容整形の医師が悪かった
美容整形を最初に受けた時の医師が悪かった場合も、整形依存症の原因になります。きちんとカウンセリングをせずに、整形の効果を大げさに伝えて施術をした場合、本人は想像とは違う出来栄え、効果に満足できず、整形を繰り返してしまいます。
また、美容整形の医師の腕が悪く、キレイに施術ができなかった場合も、「こんなはずじゃなかった！もっと整形しなければ！」と思い込んで、整形依存症になってしまうことがあるんです。
整形依存症の4つの対策・治療法
整形依存症になると、顔や体をどんどん整形して、自分の原型がなくなってしまうほど整形を繰り返してしまいますし、これからもどんどん整形を続けていくことになります。
また、美容整形のためのお金がなくなって、借金を繰り返し、借金だけが膨らんでいくことになりますので、整形依存症の人はできるだけ早く、適切な対策や治療法を実践していかなくてはいけません。
周囲の意見に耳を傾ける
整形依存症の対策、1つ目は周囲の意見に耳を傾けることです。
整形を繰り返してしまう整形依存症の人は、周囲の意見に耳を傾けましょう。美容整形を3回以上繰り返している人は、整形依存症の可能性が高いです。
自分を整形依存症かもしれないと思っている人や「美容整形を繰り返すのは止めた方が良いかも。でも、やめられない！」と思っている人は、まずは周囲の意見に耳を傾けてください。
あなたは自分がブスできれいじゃないから、美容整形をしなくてはいけないと思っているかもしれません。でも、周囲から見ると、もう充分にキレイになっているということが多いんです
家族や親友なら、お世辞ではなく本音を言ってくれるはずですから、整形をした方が良いのか相談して、意見を聞いてみましょう。
整形依存症の人は、自分が整形依存症であることを正しく認識すること治療への第一歩になるのです。
信頼できる医師を探す
整形依存症かもしれないと思ったら、まずは信頼できる医師を探しましょう。これが、整形依存症の治療のとても大切なポイントになります。
整形依存症は醜形恐怖症をベースとした精神疾患ですから、精神科を受診するのが良いと思います。
ただ、やっぱり美容整形をしたいという場合は、信頼できる美容外科クリニックの医師を探してください。
美容外科クリニックの医師の中には、整形依存症の患者に高額な施術を勧めてくることがあります。利益を重視しているからですね。
そういう医師のところに通ってしまうと、整形依存症がドンドン悪化していきます。でも、美容外科医の中には整形依存症の人に対して、きちんとカウンセリングして、不必要な施術は行わず、必要最低限で施術を行うようにしているところもあります。
精神科医でも、美容外科医でも整形依存症の患者に親身になって治療をしてくれる人、信頼できる人を探すようにしましょう。
整形依存症の治療は、いかに信頼できる医師に出会えるかがとても重要なのです。
認知行動療法・カウンセリングを受ける
整形依存症の治療法、次は認知行動療法やカウンセリングを受けることです。整形依存症は、薬物療法では完治できません。認知行動療法などのカウンセリングをしっかり受けることで、考え方を変えていく必要があるのです。
認知行動療法とは、考え方を変えることで、行動を変えていこうという治療法です。整形依存症は自分をブスだと思い込む醜形恐怖症がベースになっています。
整形依存症ではまずは、「本当に整形をしなければいけないほどのブスなのか」というところから治療を開始し、これに対しての考え方を変えていきます。
「整形が必要なのか」、「自分はブスなのか」という考え方を変えることができれば、整形を繰り返すことがなくなっていくはずです。
一般的な精神科では、整形依存症に対して、認知行動療法を行わないことがあります。認知行動療法は保険診療だとお金にならないからです。
でも、整形依存症を治療するためには、認知行動療法やカウンセリングは必要不可欠なものになりますので、認知行動療法やカウンセリングを行っている精神科を探すようにしてください。
薬物療法
整形依存症の治療法、最後は薬物療法です。先ほども説明しましたが、薬物療法は整形依存症の根本的な治療法にはなりません。ただ、症状を緩和させる対症療法、補助療法としては有効です。
整形依存症の人は、不安を持っていることが多いので、抗不安薬や抗うつ薬を処方して、症状を緩和させることがあります。ただ、何度も言いますが、薬物療法だけでは整形依存症を治すことはできません。
整形依存症についてのまとめ
・整形依存症の原因
「社会的要因」「自尊心の低さ」「自分の容姿を否定された」「最初の美容整形の医師が悪かった」
・整形依存症の対策と治療方法
「周囲の意見に耳を傾ける」「信頼できる医師を探す」「認知行動療法やカウンセリング」「薬物療法」
整形依存症の基礎知識や原因、対策・治療法をまとめました。整形依存症の人は、醜形恐怖症がベースになっているケースがほとんどです。
整形依存症の人は整形まるだしの違和感ある顔立ちになってしまいますし、経済的にもきつくなりますので、きちんとした対策・治療を受けるようにしてください。
