ピンと張った肌は若々しく見えますし、化粧のノリもよくなりますね。でも、「最近、肌のハリがなくなったなぁ」と思って、どうにか肌のハリを改善したいと思っている人も多いのではないでしょうか?
肌のハリがなくなる原因と改善法をまとめました。肌のハリがなくて悩んでいる人は、今日から改善法を実践しましょう。
肌にハリが出るメカニズム
まずは肌にハリが出るメカニズムを知っておきましょう。なぜ肌はハリがあるのでしょうか?肌のハリは肌の真皮層の状態が関係しているんです。
肌は表皮と真皮に分けられますが、真皮にはコラーゲンやエラスチンなどの繊維状のたんぱく質がキレイに張り巡らされています。
出典:shirono.net
コラーゲンは肌の弾力に大きく関係いているタンパク質です。エラスチンは、伸縮性のあるタンパク質で弾性繊維と呼ばれています。
この2つが真皮にたっぷり張り巡らされていると、ハリのある肌になり、コラーゲンやエラスチンの量が減ると、ハリのないたるんだ肌になってしまうのです。
また、皮膚の下には筋肉があります。いわゆる表情筋ですね。この筋肉も肌のハリに関係しています。
顔の筋肉を使わないと、筋肉が衰えていきますので、皮膚を支える土台部分が弱まることになるので、肌のハリが失われてしまうんです。肌のハリは真皮層とその下の筋肉が左右しているんですね。
肌にハリがなくなる5つの原因
肌にハリがなくなる原因は、5つあります。どんな原因で、肌にハリがなくなるのかを知っておきましょう。
加齢
肌にハリがなくなる原因は、加齢です。真皮内のコラーゲンやエラスチンは18歳を頂点にして、どんどん減っていきます。
真皮の中の線維質の約70%以上を占めているコラーゲンの機能が活性化している絶頂期は18歳であり、年齢とともに減少し、硬くなって弾力を失い、しわやたるみの原因のひとつになります。
また、筋肉も加齢とともに少しずつ衰えていきますので、年齢を重ねるごとに肌にハリがなくなること、若いころに比べてハリがなくなることは、当たり前のことであり、自然のことなのです。
日焼け
日焼けをすることも、肌にハリがなくなる原因の1つです。紫外線にはUVAとUVBの2種類があり、UVAは肌の真皮層にまで届く紫外線です。
真皮まで届いた紫外線は、真皮層の肌細胞を損傷させるんです。
浴びたUVAの20-30%が肌の奥の真皮層にまで達すると考えられており、ハリや弾力を生むコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などを作り出す繊維芽細胞に損傷を与えます。
そのため、日焼けをすると肌のハリがなくなって、しわのあるたるんだ肌になってしまうのです。
ストレス
ストレスも肌にハリを失わせます。ストレスを感じると、脳は「ストレスに対抗しなければ!」と思って、攻撃的な神経である交感神経を優位にします。
交感神経は血管を収縮させる作用がありますので、交感神経が優位になると、肌への血流が少なくなり、肌細胞に十分な栄養や酸素が届かなくなるんです。
そうすると、肌のターンオーバーが乱れたり、コラーゲンやエラスチンが作られにくくなりますので、肌のハリがなくなってしまうのです。
食生活
あなたは、偏った食生活を送っていませんか?ジャンクフードやレトルト食品、コンビニ弁当ばかりの生活で、良質なたんぱく質やビタミン類、ミネラル類が不足していないでしょうか?
肌のハリを大きく左右するコラーゲンやエラスチンはたんぱく質でできています。良質なたんぱく質を摂取しないと、コラーゲンやエラスチンは産生されません。
また、ビタミンCがないとコラーゲンは生成されないのです。さらに、ミネラルの1つである亜鉛が不足していると、細胞分裂が上手く進みませんので、肌細胞が新しく生まれ変わらなくなります。
そのため、肌のハリがなくなっているのは、食生活が原因のこともあるのです。
水分不足
肌のハリがなくなっているのは、水分不足が原因かもしれません。体内の水分が不足すると、どうしても乾燥肌になります。
肌が乾燥すると、コラーゲンが作られにくくなってしまうのです。
このコラーゲン線維を、線維芽細胞が真皮の中で生み出す際に十分な水分が必要となります。したがって、皮膚の水分不足 → 線維芽細胞の不活性 → 線維性コラーゲンの低下 → 肌の弾力性低下 → しわやたるみの発生、とつながります。
そのため、体内の水分が不足していたり、乾燥肌になると、コラーゲンの量が少なくなるので、肌のハリがなくなってしまうのです。
肌のハリを取り戻す11個の改善法
失った肌のハリを取り戻すには、どうしたら良いのでしょうか?肌のハリを取り戻すための改善法を11個、ご紹介します。
紫外線を避ける
肌のハリを改善するには、紫外線はとことん避けましょう。紫外線を避ければ、真皮が損傷して、コラーゲンやエラスチンが減少することがなくなりますので、肌のハリが改善します。
紫外線を避けるためには、外出時は日焼け止めクリームを使うことが基本です。紫外線は365日毎日降り注いでいます。冬の日も雨の日もです。
このグラフを見てわかると思いますが、冬は紫外線量は少なくなるものの、夏場の50%程度は降り注いでいますので、冬でも日焼け止めクリームを使わなければいけません。
また、天気が悪い日でも、紫外線は降り注いでいます。
快晴の時に比べると、うす曇りの場合は約80~90%、くもりの場合は約60%、雨の場合は約30%の量になります。しかし、雲の間から太陽が出ている場合には、雲からの散乱光が加わるため快晴の時よりも多い紫外線が観測されることがあります。
そのため、毎日外出する時は、日焼け止めをつけましょう。また夏場は2~3時間おきに塗り直すようにしたり、日傘や帽子、サングラスなどを使うと良いでしょう。
コラーゲンを摂取する
肌のハリを改善するには、コラーゲンを摂取することも大切です。少し前までは、コラーゲンを摂取しても意味がないと言われていました。
これは、コラーゲンを含む食べ物を食べても、一度体内でアミノ酸に分解されてしまうため、食べたコラーゲンが直接肌に届くわけではないからです。
ただ、いくら一度分解されてしまうとは言っても、コラーゲンを多く含むものを食べると、コラーゲンの原料となるものをたっぷり摂取することができますよね。
原料がなければコラーゲンを作ることはできないのですから、たとえ一度体内で分解されてしまうとしても、コラーゲンを多く含む食品は積極的に摂取するべきなんです。
それに、コラーゲンが多い食べ物を食べた翌日って、お肌がプルプルでハリが戻ったように思えることが多いですよね。
それを考えると、やっぱり食事からも積極的にコラーゲンを摂取したほうが良いと思いませんか?
コラーゲンを多く含む食品は次のようなものです。
・手羽先=1550㎎
・鶏軟骨=4000㎎
・豚白もつ=3080mg
・フカヒレ=9920㎎
・サケ(皮あり)=2410㎎
・ウナギ=5530㎎
・エビ=1150㎎
・イカ=1380㎎
コラーゲンというと、フカヒレが最初に思い浮かぶかもしれませんね。フカヒレを毎日食べるのは、メニュー的にも経済的にも厳しいですが、手羽先や鮭、エビ、イカなら日常的に食べるものですから、コラーゲンを取りやすいと思います。
ビタミンCも忘れずに
肌のハリを改善するには、ビタミンCも忘れずに摂取しましょう。コラーゲンを体内で生成するには、ビタミンCが必要なんです。そのため、コラーゲンや良質のたんぱく質を摂取した時は、ビタミンCも忘れずに摂取しましょう。
ビタミンCは体内に溜めておくことができず、尿からどんどん排泄されます。そのため、一度にたくさん摂取するのではなく、毎食こまめにビタミンCを摂取してください。
抗酸化成分を摂取する
肌のハリを改善するには、抗酸化成分を摂取しましょう。コラーゲンやエラスチンは、加齢とともに少しずつ減少していきます。肌のハリが失われるのは、「老化」の1つなのです。
その老化を遅らせるためには、抗酸化作用のある栄養素を摂りましょう。抗酸化作用のある栄養素は次のものがあります。
・ポリフェノール
・βカロテン
・リコピン
・ビタミンC
・ビタミンE
これらの栄養素をしっかり摂って、肌のハリを改善してください。
イソフラボンは美肌の味方
肌のハリを取り戻すなら、イソフラボンも摂取しましょう。イソフラボンは大豆に含まれている栄養素で、女性ホルモンのエストロゲンと似たような構造をしているという特徴があります。
女性ホルモンは女性らしい美肌を作ってくれるホルモンなので、それと似ているイソフラボンも美肌の味方と言える栄養素なんです。
イソフラボンはコラーゲンや水分を蓄えるヒアルロン酸の生成を助けてくれる作用がありますので、積極的に摂りたい栄養素ですね。
顔のストレッチを
肌のハリを取り戻すには、顔のストレッチをしましょう。肌のハリは真皮層のコラーゲンやエラスチンの量だけではなく、その下の筋肉も関係していますよね。
ですから、顔のストレッチをして、表情筋を動かすことで、肌のハリを改善しましょう。
頭皮マッサージも効果的
肌のハリを改善するには、頭皮マッサージも有効なんです。なぜなら、顔の肌と頭皮って、つながっていますよね。
いくら顔のストレッチをして、筋肉を鍛え、血行をよくしても、頭皮の血行が悪ければ、肌の調子は良くなりません。
肌のハリを改善するなら、頭皮ケアもしておいた方が、より高い効果を実感できるはずです。
質の高い睡眠を
質の高い睡眠も、肌のハリを改善するには大切なことです。寝ている時には、成長ホルモンが分泌されますので、肌のターンオーバーが正常化されることになります
肌のターンオーバーが正常化されれば、真皮層にコラーゲンやエラスチンがきちんと生成されるようになりますので、肌のハリが戻ってくるんです。
しっかり保湿!
肌のハリを改善したいなら、保湿はしっかりしておきましょう。乾燥すると、コラーゲンが作られにくくなりますので、肌がたるんでしまします。
そのため、保湿クリームなどを使って、肌をしっかり保湿して、乾燥しないようにしてください。また、毎日使っているクレンジング剤を見直すことも大切です。
拭くだけで簡単に落ちる、濡れた手でも使えるようなクレンジング剤は、クレンジング効果はとても高いものの、肌の水分を一緒に奪ってしまうんです。
そのため、乾燥肌を防ぐなら、保湿クリームを使うだけではなく、肌に優しいタイプのクレンジング剤を使うと良いんです。
サプリメントを利用
肌のハリのためには、サプリメントを利用するのも良いと思います。肌のハリに効果のあるサプリメントは、やはりコラーゲンやエラスチンですね。
特に、コラーゲンのサプリメントの中には、低分子コラーゲンという非常に小さい分子でできたコラーゲンのものがありますので、そういうものだと体内に吸収されやすいのでおすすめです。
美容皮膚科に行ってみる
美容皮膚科を受診するのも、肌のハリを改善するには良いですよ!美容皮膚科ではコラーゲンなどの美容点滴やレーザー治療などで、肌のハリを改善させます。
美容皮膚科は健康保険は使えないので、診療費は全額自己負担になるものの、医学的に証明された治療で、肌のハリを改善させることができますので、しっかりと効果を実感できると思います。
肌にハリがなくなる原因と取り戻す方法についてのまとめは・・・
「加齢」「日焼け」「ストレス」「食生活」「水分不足」
・肌のハリを取り戻す方法
「しっかりとした保湿」「紫外線対策」「コラーゲンとビタミンC摂取」「ポリフェノールやβカロテンなどの抗酸化成分の摂取」「イソフラボンの摂取」「顔のストレッチやマッサージ」「質の高い睡眠をとる」「サプリメントを利用する」「エステや美容皮膚科に行く」
肌のハリがなくなる原因や肌のハリを改善する方法をまとめました。肌のハリは、年齢とともに失われていくものの、日常生活内で少し気をつけるだけで、ハリを改善することができますので、今日からご紹介した改善法を実践していきましょう。
また、どうしても肌のハリを改善したい、少しでも効果を上げたいという人は、美容皮膚科を受診するのも良いと思います。