「スリミング」といった、また新しい美容用語が最近人気になっていますね。ダイエット効果がある、と言われていますが、一体どんなものなのでしょうか。
今回はスリミングについてその意味やダイエットとの関係と方法を解説していきます。
スリミングとセルライト
次々と横文字の美容用語がサロンなどでは使われますが、中でもスリミングでよく耳にするのがセルライトです。
実はこの用語、発端は美容サロンが名付けたことをご存知ですか?まず医学用語ではなく、セルライトとは「造語」です。細胞と鉱物をそれぞれ英語表記にしたものを繋げ、それぞれCelluleとiteで、Cellulite(セルライト)と名付けたのです。
出典は書籍で、その著者がエステティックサロンの経営者でした。一種の業界用語です。
皮下脂肪でお腹や太もも、お尻などのボコボコした状態のことを、「セルライトが溜まった状態」とよく言う場合が多いです。お腹では脇腹、太ももでは膝の裏側やお尻などで目立って凹凸が見えるケースが多いですよね。それにしても、セルライトとは一体何なのでしょうか?
スリミングの周辺知識
セルライトの真実
そもそもこの造語であるセルライト、その実態は皮下脂肪です。皮膚組織にある脂肪細胞から作られるその脂肪は、筋肉ではあまり使われない部分によく蓄積します。これは何故かといえば、皮膚は良く伸びるからです。
一方で筋肉は良く動かす部位や、関節には付きにくく、よく発達した筋肉周辺では、皮下脂肪はむしろ消費されて薄くなります。
ボコボコして見えるのは、脂肪細胞が作り出す皮下脂肪は一定の均一な層ではなく、筋肉組織や表皮によって引っ張られるため、ところどころ薄くなったり、厚くなったりしているのです。
従ってボコボコに見えるセルライトは、単なる皮下脂肪に過ぎません。そのため、皮膚科などの医学的見地からは、セルライトという用語は使われないのです。
実際、太ももなどのボコボコしたセルライトの脂肪と、その他の脂肪組織を検査しても、生化学上の違いはありません。この分野は既に研究も進み、200項目以上の研究から証明済みです。
老廃物の嘘
一時期、「デトックス」といった美容用語も頻繁に使われていましたよね。日本語に訳せば「解毒」ですが、その根拠になっていたのが、身体の「老廃物」という言葉です。
しかしこれもまた、イギリスの国民健康サービスの研究結果によれば、「医学的根拠ゼロ」として、意味がないと結論づけています。理由は簡単で、投薬以外で身体の体は排泄以外で強制的に解毒するですとか、中毒で投薬や注射で成分を中和するしかありません。
一旦体内に取り込まれた成分は細胞や血液に「分解」され溶解しますので、外因によって排出出来るはずがないからです。セルライトもそうですが、根本的に体組織を理解しなければ、ダイエットも決して成功しません。
引き締め効果の意味とダイエットの違い
スリミングの意味がわかったところで、その解説に入る前に、「引き締め効果」とダイエットの違いについて説明しておきましょう。この2つは根本的に目的が違います。
まずダイエットですが、これは体重を減らす、減量のことです。体重と関係あるのは食事ですよね。人の体は間食だろうと、サラダだろうと食べた分量以上に体重が増えることはありません。ご飯100gとお野菜100gなら、200gを消化しきるまではそのままそれが体重に反映されます。
その中で、炭水化物を分解して作られる糖質、またはフルーツやお菓子などから得られる砂糖、そしてバターや不飽和脂肪酸などの脂質などから、人体は「脂肪」を作ります。本来の脂肪の役割は、体温の維持と飢餓に備えて蓄えておくエネルギーです。
運動量の少ない人で、脂質と糖質が多い食生活を長く続けると、やがては肥満やメタボになるという事になります。つまりダイエットには、「食生活改善」と「運動」の2つが必要です。
一方の引き締め効果とは、皮膚のたるみやシワを防いでハリのある素肌にしていくことで、本来のスタイルに戻していこうとするものです。つまり体表に作用させるわけですので、皮下脂肪に直接的な影響は与えません。
老廃物は、既に説明したように排泄によって体外に出て来るだけですから、関係するのは皮脂や汗になります。
ところで、引き締め効果やダイエットによく使われる「リンパ」ですが、これは血管のように全身を流れているのではなく、「リンパ節」と呼ばれる小さな単一の器官です。
大きさは2、3ミリの小さな器官で、免疫、つまり体内の細菌やウィルスなどの反応に関係しています。そのため、全身を流れる血管の途中にいくつも点在しています。
体重と脂肪の関係
脂肪が減れば体重も減るのは確かですが、単に食事制限で進めるダイエットでは、体重が一定のところで減少が止まることがよくあります。これは筋トレをしていても同じで、この要因は皮下脂肪が大きく関係しています。
太る要因の脂肪の蓄積は、内臓脂肪と皮下脂肪の大きく分けてこの2つがありますが、皮下脂肪は最も落ちにくい脂肪です。代わりに非常に”付きにくい脂肪”でもあります。女性の場合は内臓脂肪と共に、この皮下脂肪が厄介でなかなか取れません。
何故ならこの皮下脂肪は、内臓脂肪も身体でエネルギーとして使いきり、最後に使う、身体にとっての非常食だからです。筋肉のエネルギーは糖質が最も多いのですが、これは炭水化物からの方が使えます。
これと食べ物の脂質を使って脂肪は作られるので、糖質と脂質を減らさなければ、絶対に皮下脂肪は減らないのです。体重を減らすのは「食事量」、皮下脂肪を減らすなら糖質と脂質制限しか無いんですね。
ではこれだけがスリミングなのでしょうか?それは違います。女性の美容なら、同時にしなければならないのは、一度太った体の皮膚のたるみを出来るだけ防ぐことです。脂肪で伸びてしまった表皮を引き締める効果、それもまたスリミングの意味でもあります。
スリミングの意味
「スリミング」についてですが、こちらは「痩身」を英語にしたものです。非常に単純で、ダイエットや筋トレ、あるいはリンパマッサージや、美容効果で痩身を目指す方法を総合して呼びます。
スリミングで検索すると、「スリミングジェル」といった商品についての検索結果がほとんどでしょう。スリミングの種類については後述しますが、目的は皮下脂肪の燃焼というよりも、多くは「引き締め効果」を狙ったものです。それと新陳代謝に関する効果を狙った商品なども、非常に多いですね。
またよくあるリンパマッサージと一緒に行う方法も、スリミングとして紹介されることがあります。スリミングの意味は「身体を一部、あるいは全体を引き締めて、出来る範囲で痩身を目指そう。」ということです。
スリミングの種類
スリミングには、実際に皮下脂肪を吸引して行う外科手術や、むくみを取るためのマッサージ、セルライト、つまりは溜まりに溜まった皮下脂肪を燃焼させる方法などが含まれます。それと「引き締め効果」を狙った方法です。
微弱電流を使った電気的マッサージや、低周波を使った強制的な筋肉運動などは、皮下脂肪燃焼に直接働きかける効果を狙った器具です。これもスリミングの一つに当てはまります。
最近話題のスリミングジェルは、トウガラシのカプサイシンや、漢方、ハーブなどを使った、主に皮膚の新陳代謝を促す効果を狙った商品が主流です。ジェル状であることを利用して、マッサージを行います。
こちらは脂肪燃焼には直接関与しませんが、素肌の新陳代謝促進で引き締め効果はある程度期待できます。普段行っているダイエットと併用することで、皮膚を引き締めながら体重を減らして、更に皮下脂肪燃焼を行えば完璧というわけです。
スリミングの種類別のダイエット効果
サロンで行われる低周波マッサージは、定期的に通って一定以上の期間を要すれば効果は期待できるでしょう。またジェルによるマッサージも、サロンのプロが行う施術なら、リンパマッサージも兼ねて素肌の健康を保つためにも最適です。
スリミングジェルを使っての自宅でのスリミングは、直接的な体重や脂肪燃焼とは無関係ですが、ダイエット中では脂肪が減れば引き締めに期待できます。脂肪で太った部位はその皮膚は伸びてしまっているので、加齢によってはマッサージで引き締めていくのは効果的です。
実際、市販されているスリミングジェルは、成分にカプサイシンやハーブなど、発汗作用の効果を狙ったものが多いのも特徴です。コスメティックとしては、基礎化粧前の日常のスキンケアとして分類されています。
他には美容器具として、素肌に直接当てて使う製品も、一般家庭向けに販売されています。振動と保温効果で、皮下脂肪燃焼効果を狙ったものです。いずれにしても毎日使う事で、ある程度の効果は期待できるかもしれませんね。
スリミングの意味・ダイエット効果と方法についてのまとめ
・スリミングの種類
「皮下脂肪の外科手術」「むくみをとるマッサージ」「皮下脂肪の燃焼をする」「微弱電流を使う電気マッサージ」「低周波を使った筋肉運動」
・スリミングのダイエット効果
「皮下脂肪に効果のあるマッサージ」「皮下脂肪吸引」「身体を引き締められる」
ここまで説明してくれば、スリミングとは美容とダイエットを両立させた総合的な方法、考え方だとご理解いただけたと思います。
痩せるといっても、ダイエットでお肌がカサカサとか、シワやたるみが増えてしまっては意味がありません。ダイエットといっても色々と方法があるものの、基本は「食事制限」と「運動」の2つは不可欠です。
加えて、単に健康的以上に美しくありたいものですよね。自分にあった相応しいスリミングを、是非探してみてはいかがでしょうか?