「生理が来ない。もしかして妊娠?」と思っている女性のために、妊娠初期に起こる症状12個をまとめました。
また、妊娠初期はとてもデリケートな時期で、赤ちゃんも母体も守らなくてはいけないので、日常生活や食事に気を使わなくてはいけません。妊娠初期の日常生活や食事での注意点を知って、妊娠初期を健やかに過ごしましょう!
妊娠初期はいつ頃なのか解説
妊娠初期の症状を知る前に、まずは妊娠初期とはいつ頃のことを言うのか、妊娠初期の症状はいつ頃から出てくるのかを確認しておきましょう。
妊娠の週数の数え方
あなたは、妊娠週数の数え方を知っていますか?妊娠期間は40週(280日)と言われていますが、出産予定日は一体いつから数えて決まるものなのでしょう?
妊娠の週数の数え方の基本は、最終月経が始まった日を妊娠がスタートした日としています。排卵日や性交した日、着床した日から妊娠がスタートするというわけではないのです。
(妊娠0週0日)は、最終月経の生理初日を1日目となっています。決して、排卵日(赤ちゃんができた日)や、着床して(受精卵が子宮内膜にくっつく)妊娠が成立した日ではありません。
引用:産婦人科 –
ただ、この数え方は生理周期が28日の人の場合です。生理周期は人によって25日とか35日とか、差がありますよね。生理周期が28日以外の人は、排卵日を基準に決めることになります。排卵日を妊娠2週0日として、妊娠週数を数えるのです。
生理周期の違いはあっても、排卵日から次の生理開始までの高温期はほとんどの人が14日間±2日となっていますので、次の生理予定日が妊娠4週0日となるわけです。
妊娠初期はいつ頃?
では、妊娠初期とはいつ頃のことなのでしょうか?妊娠週数の数え方からわかるように、妊娠0週~2週までは受精していませんので、実はまだ妊娠が成立していません。
3週目は受精卵が卵管を通って子宮へ移動していますので、まだ着床していないのです。そして、次の生理予定日、つまり妊娠4週0日前後に着床して、妊娠が成立することになります。
そのため、妊娠初期は4週からということになります。また、安定期に入ると妊娠中期(16~27週)とされていますので、妊娠初期は4~15週ということになります。
妊娠初期の症状がいつ頃から現れるかは、人によって異なりますが、早い人だと4週に入ってすぐ、つまり生理予定日ごろから症状が現れるようになります。
妊娠初期に現れる症状30個
妊娠初期にはどのような症状が起こるのでしょうか?妊娠初期の症状は、風邪や生理と勘違いするようなものが多いので、注意が必要なのです。
特に、妊娠初期の症状は生理予定日(妊娠4週0日)ごろに初めて現れることが多いので、生理かなとかPMS(月経前症候群)かなと思ってしまうことがあります。
妊娠すると、ホルモンバランスがガラッと変わりますが、今からご紹介する妊娠初期の30個の症状は、妊娠すると分泌量が増えるプロゲステロンによるものが多いのです。
1.吐き気や嘔吐
妊娠初期の症状の1つ目は、吐き気や嘔吐です。ドラマでも「妊娠かも?」と疑うような場面で、吐き気を催すような症状がよく使われていますね。
なんだか、胸がむかむかして吐き気がするとか、実際に嘔吐してしまったという場合、妊娠している可能性があります。
妊娠すると、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが分泌されるようになります。このhCGは脳の嘔吐中枢を刺激すると言われているため、妊娠すると吐き気や嘔吐をもよおすようになるのです。
また、妊娠すると出産や育児、将来のことについて不安を感じますよね。どんなに妊娠を望んでいた女性でも、心のどこかに出産に対する不安、このまま無事に出産を迎えられるかという不安、きちんと子どもを育てていけるかという不安を持っているものです。
その不安がストレスとなって、自律神経のバランスを乱して吐き気や嘔吐が起こることもあります。
2.頭痛
妊娠初期症状には頭痛もあります。妊娠すると、妊娠を維持するためのプロゲステロンという女性ホルモンの分泌が多くなります。
プロゲステロンは血管を拡張させる作用があるので、脳の血管を拡張させるのです。脳の血管が拡張すると、血管周囲の神経を圧迫しますので、頭痛が起こりやすくなります。
片頭痛持ちの女性は、頭痛を感じたら、早めに痛み止めの薬を飲むという習慣を持っている人がいると思いますが、妊娠初期に薬を飲むのは胎児に悪影響を及ぼす可能性がありますので、妊娠の可能性がある時は、安易に頭痛薬を飲まずに、主治医や薬剤師に相談してから、服用するようにしましょう。
3.微熱
妊娠初期には微熱が出ることもあります。先ほども言いましたが、妊娠すると、プロゲステロンの分泌が多くなります。
プロゲステロンには体温を上げる作用がありますので、プロゲステロンの分泌量が増えることで、微熱が続くことがあるのです。
生理予定日以降に37~37.5℃の微熱が続く場合、妊娠初期症状による微熱の可能性がありますが、37.5℃以上の場合は妊娠によるものではなく、風邪などの感染症によるものかもしれません。
4.眠気や倦怠感
眠気や倦怠感も、妊娠初期に現れる症状です。プロゲステロンが増加することで、「眠くて眠くて仕方がない」とか「なんだかだるい」などの症状が現れるのです。
生理前にも眠気や倦怠感が現れる人は、妊娠するとさらに強い眠気や倦怠感が現れやすくなります。
この眠気や倦怠感は妊娠したことでのホルモンバランスの変化によるものですので、眠気やだるさに逆らって頑張るのではなく、身体の欲求にしたがってゆっくり休むようにすると良いでしょう。
5.肌荒れ
妊娠初期には、肌荒れが起こりやすくなります。
ニキビを改善して美肌づくりに役立っているのが主にエストロゲンで、プロゲステロンが増え過ぎると逆に肌荒れを起こしやすくなるとされています。
妊娠初期はプロゲステロンが急激に増えますので、ニキビができたり肌荒れを起こしやすくなるのですが、妊娠中期以降になると、エストロゲンの量が増えることで肌がきれいになって美肌になる傾向にあります。
6.胸が張る
妊娠初期には、胸が張るという症状が現れます。プロゲステロンは乳腺を発達させる働きがありますので、妊娠初期には胸が張りやすいのです。
生理前にも胸が張るけれど、いつもの生理前以上に胸が張っているという人は、妊娠している可能性があります。
7.下腹部痛
下腹部痛も妊娠初期症状の1つです。妊娠すると、子宮が大きくなろうとして子宮の筋肉が伸びようとしたり、子宮周辺の血流が増えますので、下腹部痛が生じたり、お腹が張ったりすることがあります。
生理が来る前のような重いような感覚の下腹部痛であれば、特に心配はいりませんが、妊娠初期の下腹部痛は子宮外妊娠の可能性があります。
子宮外は胎児が発育する場所ではないため、流産になったり卵管が破裂したりして出血が腹腔内にたまり、下腹部痛が起こります。また、腹腔内出血の量と速さによって、ほとんど痛みがなかったり、突然強い痛みが起こったりすることがあります。
もし、激しい痛みが起こった場合は、すぐに処置しないと母体が危険になりますので、すぐに産婦人科を受診してください。
8.腰痛
妊娠初期は腰痛も起こります。妊娠すると、リラキシンというホルモンが分泌されるようになります。このリラキシンは出産に備えて、骨盤を緩める働きがあります。
骨盤が緩くなると、緩んだ部分を周りの筋肉や靭帯が支えなければいけませんので、筋肉や靭帯に負担がかかり、腰痛が起こってしまうのです。
9.突然の出血(着床出血)
妊娠初期症状では、生理のような出血が起こることがあります。でも、妊娠している場合の出血は、生理ではなく着床出血になります。着床出血は着床した時、つまり生理予定日前後に起こりますので、生理と勘違いする人が多いのです。
出血があっても普段の生理と比べて出血量や日数が少ない場合は「着床出血」といって 妊娠の兆候であることもあります。
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普通の生理と着床出血の違いは、出血量と日数、痛みです。
・いつもより出血量が少ない
・いつもよりも生理の日数が短い
・いつものような生理痛がない
このような出血は着床出血の可能性が高くなります。ただ、着床日以降の出血は、流産による出血の可能性も捨てきれません。
1)おりものにピンク色の出血があった
2)おりものシートに直径数センチくらいまでの赤い出血がみられた
3)茶色っぽい、あるいは黒い出血が続く
このような出血は心配ないとされていますが、腹痛と共に出血があったり、出血が止まらない場合は、早めに産婦人科を受診してください。
10.嗅覚の変化
妊娠すると、嗅覚の変化が現れます。いわゆる「つわり」ですね。今まで大好きだった香りを嗅ぐだけで気持ち悪くなってしまったりすることがあります。
妊娠すると、なぜ嗅覚が変化するのかは、きちんと解明されていませんが、女性ホルモンが関係しているとされています。
妊娠5週目頃からつわりの症状が現れ、多くの人は妊娠初期が終わる頃、つまり妊娠15~16週には症状は消えることが多いのですが、出産直前までつわりに悩まされる女性もいます。
11.おりものの変化
妊娠するとおりものが変化することもあります。これも、女性ホルモンのバランスの影響だと考えられます。
具体的にはおりものがいつもより臭うようになったり、透明でサラサラになったりすることが多いようですが、おりものの変化は人それぞれになりますので、「いつものおりものと違うな」と思ったら、妊娠しているかもしれません。
12.トイレが近くなる
妊娠初期症状の12個目は、トイレが近くなることです。つまり、頻尿ですね。妊娠5週目頃になると、少しずつ子宮が大きくなり始めます。子宮が大きくなってくると、子宮が膀胱を圧迫するようになるので、膀胱に溜められる尿量が少なくなって、トイレが近くなるんです。
妊娠中の頻尿は初期に現れて、妊娠中期になるといったん落着き、後期になると頻尿に悩まされることが多いようです。
13.味覚の変化
妊娠初期症状の13個目は、味覚の変化です。嗅覚が変化するだけでなく、味覚が変化することもあります。
今まで大好物だったものが、突然受け付けなくなる。見ただけで、吐き気を感じてしまうということは、妊娠初期には珍しいことではありません。
これも、つわりの一種ですので、つわりが終わったら、味覚は元に戻ります。
14.下痢
妊娠初期症状の14個目は、下痢です。妊娠すると、下痢になる女性がいます。これは、妊娠によって、女性ホルモンのバランスが変化して、腸の動きが過敏になってしまったためと考えられます。
生理が始まると、下痢になってしまう人はいますよね。このようにホルモンバランスの変化で下痢になることは変なことではないんです。
胃腸炎かと思っていたら、妊娠していたということもあります。妊娠の可能性がある時には、下痢だからといって、不用意に薬は服用せず、白湯などで水分補給をして様子を見るようにしましょう。
15.便秘
妊娠初期には、便秘が症状として現れることもあります。先ほどの下痢の症状とは真逆ですね。人間の身体は不思議なもので、同じ妊娠をしているのに、下痢になる人もいれば、便秘になる人もいます。
生理前に便秘になることがありますよね。あれはホルモンバランスの影響で、腸の動きが悪くなるからなんです。
妊娠すると、生理が来ませんから、そのまま便秘が続いてしまう人も少なくありません。
16.基礎体温が下がらない
妊娠初期症状の16個目は、基礎体温が下がらないことです。まぁ、これは基本中の基本ですが、基礎体温を測っている人しか気づかない症状です。
先ほど、妊娠初期症状には微熱があると言いましたが、微熱まではいかない人も少なくありません。
ただ、基礎体温を測っている人は、基礎体温が下がるはずなのに全く下がらないので、「あれ?妊娠したかも」と気づくことが多いです。
このように基礎体温を測っていれば、妊娠検査薬を使う前に、妊娠に気づきやすくなるので、妊娠を望む人は基礎体温を測る習慣をつけておくべきなんです。
17.唾液が多くなる
妊娠初期症状の17個目は唾液が多くなることです。「妊娠で唾液?」と思うかもしれませんが、妊娠初期には起こりやすく、「よだれつわり」といって、つわりの一種と考えられます。
症状の程度は個人差があるものの、とにかく唾液がいっぱい出てきて、場合によっては飲み込むのも大変なほど唾液が分泌されることもあります。
18.食欲がなくなる
妊娠初期症状の18個目は、食慾がなくなることです。これは、つわりの一種ですね。吐き気を感じたり、味覚の変化が出てくることで、妊娠初期には食欲がなくなることはよくあります。
妊娠初期は胎児への栄養はママの身体の中にあるだけで十分ですので、食事がとれなくても、赤ちゃんへの栄養の心配はありません。
ただ、水分はしっかり摂るようにしなければいけません。
19.アルコールやタバコを受けつけなくなる
妊娠前にはお酒やタバコが好きだった人が、妊娠した途端に「別に飲みたくないし、吸いたくない」と感じることがあります。
これは、私の友達がこの症状で妊娠に気づきました。お酒が好きで毎日飲んでいたのに、「なんか、最近飲みたくないな」と思っていたら、妊娠していたというケースですね。
これもつわりの一種というか、味覚・嗅覚の変化によるもので、胎児に悪影響のあるアルコールやタバコを受け付けなくなるのは、体がママになる準備をしているのかもしれませんね。
20.乳頭が敏感になる
妊娠初期には乳頭が敏感になることもあります。これは、プロゲステロンが増加したことによるホルモンバランスの変化で乳腺が発達したことが関係しています。また、妊娠中は神経が過敏になりやすいです。
そのため、乳頭がいつもより敏感で、ブラジャーに当たっただけで痛みを感じるなどの症状がある場合は、妊娠初期症状の1つかもしれません。
21.イライラする
妊娠初期には、情緒が不安定になる女性は少なくありません。これも、ホルモンバランスの変化によるものですね。
涙もろくなったり、少しのことでイライラしたりすることは、妊娠初期にはよくあることです。
生理前でもイライラするんですから、妊娠したら、情緒不安定になるのは当たり前のことと言えますよね。
22.むくみが出る
妊娠初期には、むくみが出やすくなる人もいます。これも、プロゲステロンによるものです。生理前にも、むくみが出ることがありますよね。
あれは、妊娠に備えて体に水分を溜め込んでいるからです。そして、いざ妊娠したら、さらに水分を溜め込もうとするようになります。
だから、普段の生理前よりもむくみの症状がひどくなり、「夕方には足がパンパンでパンプスが履けない!」ということもあるんです。
23.汗をかく
妊娠初期症状の23個目は、汗をかくことです。妊娠して着床すれば、基礎体温は高いままになります。さらに普段よりもう一段階上がって、微熱レベルまで上がることもあります。
そうすると、当然汗をかくようになりますよね。本人は体温が高いことに気づいていないのに、「なんだか汗をかくなぁ」と感じることもあります。
また、寝汗が増えることも少なくないですね。
24.胃がむかむかする
妊娠初期には、胃がムカムカするという症状が現れることもあります。これも、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が原因のつわりの一種です。
特に、気持ち悪いわけでも、吐きたいわけでもないけれど、なんとなく胃の辺りがムカムカしたり、胸やけがしたりするという症状が出ることもあるんです。
つわりの症状や妊娠初期症状は、本当に人それぞれで、ちょっとずつ違ってくるんですね。
25.風邪と似たような症状
妊娠初期症状には、風邪と似たような症状が出ることもあります。鼻水やくしゃみ、倦怠感、寒気、悪寒などの症状で、「あれ?私、風邪ひいたかな?」と思っていたら、実は妊娠だったということは、よくあることです。
妊娠初期症状は風邪と似たような症状が出ることが多いですが、妊娠の可能性がある時にはむやみに薬を飲まないようにしてくださいね。
26.鼻炎になる
妊娠初期症状の26個目は、鼻炎です。妊娠すると、鼻炎の症状が出ることが少なくありません。
先ほどの鼻水やくしゃみも、妊娠したことによる「妊娠性鼻炎」である可能性が高いです。妊娠性鼻炎は、ホルモンバランスの変化によるものとされています。
この妊娠性鼻炎の症状が出ると、鼻水やくしゃみが止まらなくて寝つけないなんてこともあります。
27.めまい
妊娠初期症状にはめまいもあります。妊娠初期症状のめまいの原因は、ホルモンバランスの変化によるものが多いです。
また妊娠初期から貧血になって、それによるめまいも出ることもあります。妊娠すると、胎児が大きくなる前から血液が増えて貧血になりやすくなるんです。
28.眠れない
妊娠初期は眠くて眠くて仕方がないという一方で、眠れないという不眠に悩むプレママもいます。
これは、体温が高かったり、つわりで気持ち悪かったり、妊娠性の鼻炎や情緒不安定なことが原因だったりと、原因は様々です。
また、頻尿で眠れなくなる人もいますね。
妊娠初期症状には眠れないという症状もありますから、「みんなは妊娠初期は眠いっていうのに、私は眠れない」と心配する必要はありません。
29.股関節の違和感がある
妊娠初期症状の29個目は股関節の違和感があることです。先ほど説明したように、妊娠するとリラクシンというホルモンが分泌されて、骨盤を緩めます。
そうすると、股関節の違和感が出たり、脚の付け根の痛みが出たりするんです。何となく、脚の付け根に違和感が出たなと思ったら、妊娠している可能性があります。
30.歯肉炎
妊娠初期症状の30個目は、歯肉炎です。妊娠初期は歯茎が腫れる、血が出るなどの歯肉炎の症状が出ることがあります。これも、ホルモンバランスの変化の影響です。
ホルモンバランスの変化から妊娠初期に起こる場合がほとんどで、歯茎の出血や腫れが生じます。
通常の歯肉炎のように痛みがないため気づきにくく、症状が悪化してしまうという特徴があります。
これは、妊娠するとホルモンバランスの影響で、口内細菌が増加してしまうからなんです。
妊娠初期の注意点~日常生活編~
妊娠初期の注意点、まずは日常生活での注意点を知っておきましょう。7つの注意点を守ることが、おなかの赤ちゃんとあなた自身を守ることになるんです。
お酒はダメ
妊娠していることがわかったら、お酒は絶対に止めてください。妊娠中のお酒は胎児の発育障害や精神発達遅延、特異的な顔貌などの胎児アルコール症候群を引き起こすんです。
「ちょっとだけなら良いでしょ?」と思うかもしれませんが、少しのアルコールでも胎児に影響しますので、妊娠中のアルコールは止めて下さい。
禁煙を!
喫煙している女性が、妊娠していることがわかったら、これを機会にスッパリと禁煙してください。タバコには、ニコチンと一酸化炭素が含まれています。
ニコチンは血管を収縮させます。そして、一酸化炭素はヘモグロビンと結びついて、酸素供給を妨げるのです。そのため、タバコを吸うと、胎盤や胎児への酸素供給が妨げられてしまい、流産や早産、前期破水、低出生体重児、常位胎盤早期剥離、胎児機能不全などリスクが上がります。
冷えには要注意
妊娠初期は冷えに注意しましょう。身体が冷えることで、血管が収縮して胎盤や胎児への酸素・栄養の供給が滞ってしまいますし、子宮や胎盤の機能が低下します。そうすると、発育不良や流産のリスクが上がってしまうのです。
冷え性の妊婦さんは妊娠初期のころから、冷え性対策をしっかりして、お腹はもちろんですが、足元や首元を冷やさないようにしたり、冷たい食べ物は避けたりすると良いでしょう。
薬の服用は主治医や薬剤師に相談してから
妊娠初期は、薬の服用にも注意しましょう。妊娠初期は妊娠に気づかないまま、薬を服用してしまうことがあるんです。
服用した薬の成分が胎盤を通して、胎児に影響を与えてしまいますので、「いつも飲んでいるから」と安易に薬を服用するのはNGなのです。
催奇形性・胎児毒性が報告されている薬剤
抗てんかん薬(デパケン、テグレトール、アレビアチン、フェノバール)
抗うつ薬(パキシル)
アミノグリコシド系抗生剤(カナマイシン、ストレプトマイシン)
テトラサイクリン系抗生剤(ミノマイシン)
降圧剤ACE阻害剤(レニベース、カプトプリル)
抗ガン剤(エンドキサン、メトトレキセート)
リウマチ治療薬(リウマトレックス、シオゾール)
非ステロイド系消炎鎮痛剤(インダシン、ボルタレン)
抗血栓薬(ワーファリン)
ビタミンAおよび誘導体(チガソン、チョコラA)
上記以外の薬も、胎児への影響は否定できませんので、薬を服用する時は、必ず主治医や薬剤師に相談してからにしましょう。
感染症対策はしっかりと
妊娠初期は、感染症対策をしっかりしておかないといけません。妊娠初期に注意しなければいけない感染症は以下のようなものになります。
・風疹
・リンゴ病
・リステリア菌
・ジカ熱
・水ぼうそう
・トキソプラズマ
・カンジダ膣炎
・インフルエンザ
妊娠中は免疫力が下がりやすいですし、奇形や流産、早産など胎児への悪影響だけでなく母体にも影響を与え、さらに服用できる薬が限られていますので、妊娠中は感染症対策はしっかり行っておきましょう。
X線検査、放射線治療はNG
妊娠初期はX線検査や放射線治療にも気をつけましょう。被曝量によっては、流産のリスクが高くなります。特に、CT検査や放射線治療は絶対に止めて下さい。
もし、妊娠の可能性がある時に、医師にX線検査や放射線治療を指示されたら、必ず妊娠の可能性があることを伝えて、違う検査法や治療法を考えてもらってください。
妊娠中のセックスは基本的に控える
妊娠中のセックスは基本的に控えて下さい。妊娠中はセックスしては絶対に行けないというわけではありませんが、身体に負担がかからないようにしなければいけません。
早産の可能性があるため、基本的には妊娠中のセックスは控えましょう。身体に異常がない場合は問題ありませんが、胎児に負担がかからないようにすること、常に清潔を心がけてください。
妊娠初期の注意点~食事編~
妊娠初期は食事にも気を使わなければいけません。日常的に食べるものの中に、胎児に悪影響を及ぼす食材や栄養素があるんです。
妊娠初期に避けるべき食材や栄養素は以下のようなものになります。
・生肉や生卵、生魚
・大型の魚
・ヨード
・カフェイン
・動物性のビタミンA
生肉や生卵、生魚
生肉には、先ほどご紹介したトキソプラズマに感染する恐れがありますし、生卵はサルモネラ菌に汚染されている可能性がありますので、妊娠初期には避けるべき食材です。
生魚は食中毒を引き起こす可能性がありますので、新鮮なもののみを食べるようにしてください。
大型の魚
クロマグロやカジキ、金目鯛、メバチマグロなどにはメチル水銀が多く含まれています。メチル水銀は胎児の脳神経障害を引き起こす可能性がありますので、大型の魚は避けるようにしましょう。
厚生労働省によると、以下の魚は安全だそうですよ。
・キハダ
・ビンナガ
・メジマグロ
・ツナ缶
・鮭
・アジ
・イワシ
・サバ
・カツオ
・タイ
・サンマ
・ブリ
ヨード
ヨードは海藻類に含まれる栄養素ですが、取りすぎには注意しなければいけません。
海草類に含まれるヨードを過剰摂取すると、胎児の甲状腺機能が障害を受ける可能性があります(新生児一過性クレチン症)。
カフェイン
妊娠初期はカフェインの取りすぎには注意してください。
大量の摂取で流産との関連性の指摘も「1日に200mg以上の摂取で、流産のリスクが2倍に上昇」
コーヒーや玉露、エナジードリンクなどカフェインが多いものは控えめにして、カフェインレスの麦茶やデカフェを飲むようにしましょう。
動物性のビタミンA
動物性のビタミンAの取りすぎは危険です。ビタミンAの過剰摂取は、胎児の催奇形につながる可能性があります。
「妊娠中は鉄分を摂らなくちゃ!」とレバー類をたくさん食べようとする妊婦さんも多いのですが、レバー類にはビタミンAがたくさん含まれていて、過剰摂取につながる可能性がありますので注意してください。
ちなみに、植物性のビタミンA(βカロテン)は過剰摂取による影響は報告されていませんので、ビタミンAを取るなら野菜類から摂取するようにしましょう。
妊娠初期症状についてのまとめ
・妊娠初期の症状
「微熱」「下腹部痛」「胸が張る」「肌荒れ」「腰痛」「突然の出血」「嗅覚の変化」「おりものが変化」「トイレが近い」「味覚の変化」「下痢」「便秘」「基礎体温が下がらない」「唾液が多くなる」「食欲がなくなる」「アルコールやタバコを受付けなくなる」「イライラする」など
・妊娠初期症状の注意点
「お酒はダメ」「禁煙する」「冷えには注意が必要」「薬を服用するときは、主治医や薬剤師に相談をする」 「感染症対策はしっかりと」「X線検査や放射線治療はできない」「妊娠中のセックスは基本的に控える」「生肉や生卵、生魚、大型の魚は食べない」「海藻に含まれるヨードの大量摂取はしない」「カフェインの摂りすぎに注意」「動物性のビタミンAの摂りすぎ」
妊娠初期の症状30個と妊娠初期の注意点をまとめました。妊娠初期の症状は全員に当てはまるというわけではありませんが、生理予定日に生理が来なくて、1つでも症状に当てはまる場合は、妊娠の可能性がありますので、妊娠検査薬を使って、妊娠検査をすると良いでしょう。
市販の妊娠検査薬は妊娠5週目(生理予定日から1週間後)から正確に判定することができます。
妊娠初期は、まだお腹が大きくなるわけではありませんが、色々な注意点がありますので、お腹の赤ちゃんと自分自身を守るためにも、注意点はしっかり守って過ごしましょうね。