妊娠はとても幸せなものですが、1つだけ気がかりなことがあると思います。それは、妊娠線です。妊娠線があるのは「母としての称号」とも言えますが、やはり美容的に気になりますね。
出産してもビキニの水着を着たい、きれいなママになりたいという人のために、妊娠線のメカニズムと3つの予防法、5つの消す方法をまとめました。
妊娠線って何?
妊娠線って何でしょうか?妊娠すると妊娠線ができる場合があるけれど、イマイチよくわからないという人も多いのではないでしょうか?また、男性の中には「妊娠線」というものがあることすら知らないという人もいるでしょう。
妊娠線の予防や消す方法を知る前に、まずは妊娠線とは何かを知っておきましょう。
お腹が大きくなると、皮膚の内側の皮下脂肪が増えます。それによって肌表面の表皮も伸ばされますが、表皮がお腹の急激な成長に追いつけないために、肌表面に裂けたような線が生じてしまう…これが妊娠線です。
妊娠線は妊娠でお腹が急激に大きくなることに、皮膚の伸びがついていけず、割れてしまうことでできるものなんですね。
「妊娠線はスイカの皮のような模様」、「ミミズ腫れのような模様」と言われることがあります。
妊娠線はお腹にできやすいのですが、お腹以外にも太ももやバスト、お尻、二の腕にもできることがあります。
妊娠線ができるメカニズム
妊娠線はなぜできるのか、妊娠線ができるメカニズムを勉強していきましょう。妊娠線ができる原因は2つあります。
妊娠線の原因=急激な皮膚の伸び
妊娠線ができる原因の1つ目は、急激な皮膚の伸びです。妊娠すると、妊娠5ヶ月頃からお腹が急激に大きくなってきます。それだけ、お腹の中で胎児が成長しているんですね。
子宮が大きくなって、お腹が大きくなると、皮膚も一緒に伸びます。皮膚の表面はお腹が大きくなるのに合わせて伸びることができるのですが、真皮や皮下組織は急激な伸びについていけないので、裂けてしまうのです。
妊娠線の原因=ステロイドホルモンの増加
妊娠線の原因の2つ目は、ステロイドホルモンです。妊娠すると、コルチコステロイドというステロイドホルモンの分泌が増加します。
このコルチコステロイドの分泌が増えると、肌の新陳代謝が抑制されて、肌の弾力を保っているコラーゲンの生成が少なくなりますので、肌の弾力が失われてしまいます。
肌の弾力が失われると、肌が弱くなってしまい、いつも以上に裂けやすくなりますので、妊娠線ができてしまうのです。
妊娠線ができやすい人
妊娠中の女性全員に妊娠線ができるというわけではありません。妊娠線ができる割合は8~9割とも、半数程度とも言われていますが、妊娠線ができやすい人、できにくい人がいるんです。
どんな人が妊娠線ができやすいのか知っておくと、妊娠線予防のヒントになるはずです。
・高齢出産の人
・アトピーの人
・乾燥肌の人
・多胎妊娠の人
・小柄で痩せている人
・出産経験がある人
高齢の人やアトピーの人、乾燥肌の人は元々肌の弾力性が低いので、妊娠線ができやすいのです。さらに、小柄で痩せている人は、皮膚の面積が少ないので、妊娠による皮膚の伸びについていけず、妊娠線ができることが多いんです。
そして、双子や三つ子などの多胎妊娠の人や出産経験がある人は、急激にお腹が大きくなりやすいので、妊娠線ができやすくなっています。
妊娠線の予防法3つ
妊娠線は妊娠した人全員ができるというわけではありません。きちんと予防していれば、妊娠線ができずに済むこともあるんです。妊娠線の予防法3つをご紹介します。
体重の増加はゆっくりと
妊娠線の予防法1つ目は、体重の増加はゆっくりにすることです。一気に体重を増やすと、それだけお腹が大きくなって、妊娠線ができやすくなってしまうのです。
妊娠中は体重管理をしなければいけませんが、妊娠中の女性は妊娠前と比べて体重増加は7~8kgが理想とされています。ただ、これは標準体型の人の体重増加であって、太り気味の人はもっと体重増加は抑えなければいけませんし、やせ気味の人はもう少し体重が増えても大丈夫とされています。
どのくらい体重を増やすべきなのかは医師の指示に従うべきですが、妊娠中は一気に体重を増やさず、ゆっくり体重を増やすように心がけましょう。
ただ、妊娠線を予防したいからと言って、体重を増やさないように、妊娠中にダイエットするのは絶対にNGです。妊娠中にダイエットすると、胎児に必要な栄養が行きませんので、発育不全や流産・早産の原因になります。
「医師の指示に基づいた体重管理をしながらも、体重増加はゆっくりと」、これが妊娠線予防には重要なことなのです。
肌の保湿
妊娠線の予防法、次は肌の保湿です。肌の保湿をしておけば、水分を含んだ弾力のある肌になりますので、皮膚の急激な伸びにも対応できて、皮膚が裂けるリスクが少なくなるのです。
一般的な保湿クリームでも肌の保湿はできますが、妊娠線を予防するためには、妊娠線予防クリームなど妊娠線を予防するための専門の保湿剤を使ったほうが良いでしょう。
妊娠線予防専用クリームは、妊娠中でも安心して使える成分で作られていますし、セラミドやアミノ酸、ホホバオイルなど保湿には欠かせない成分がたっぷり入っていますのでおすすめなんです。
妊娠がわかってからすぐ、つまりお腹が大きくなり始める前から塗っておくと、妊娠線の予防効果は高くなりますが、臨月になっても保湿は続けてくださいね。
実は臨月が一番妊娠線ができやすいんです。しかも臨月は、自分で見えないお腹のふくらみの下の部分にできることが多いので、自分では見えないところもしっかり保湿してください。
また、お腹だけではなく二の腕や太もも、お尻、胸の保湿も忘れないでくださいね。
保湿クリームを塗る時は、軽くマッサージをしながら塗ると良いのですが、もし、マッサージ中にお腹が張ってきた場合は、マッサージは止めて、お腹の張りが治まるまで安静にしていましょう。
栄養のバランスの取れた食事
妊娠線の予防法、最後は食事です。食事で肌の弾力を保てるような栄養素を摂ることで、身体の内側から妊娠線を予防するのです。
弾力性のある肌に役立つ栄養素は、こちらになります。
・コラーゲン=真皮の中で肌の弾力性をアップさせる
・ビタミンA=皮膚や粘膜を正常に保つ
・ビタミンB群=肌の新陳代謝を促進させる
・ビタミンC=コラーゲンを安定させる
・亜鉛=皮膚の細胞を正常に分裂させて、皮膚をスムーズに作り上げる
また、栄養のバランスの取れた食事を取ると、一気に体重が増える心配にありませんので、その面でも妊娠線を予防することができるのです。
妊娠線を消す方法
できてしまった妊娠線をきれいに、そして確実に消す方法は残念ながらありません。ただ、妊娠線を目立たないように消す方法、妊娠線を薄くする方法はあります。
・専用オイルやクリームでマッサージ
・ケミカルピーリング
・トレチノインの塗布
・レーザー治療
・炭酸ガス治療
専用オイルやクリームでマッサージをしたり、ケミカルピーリングやトレチノインの塗布は、肌の新陳代謝を促して、新しい皮膚をドンドン作って生まれ変わらせることで、妊娠線を目立たなく消すことも目的にしています。
専用オイルやクリームはドラッグストアやデパートの化粧品売り場、ベビー用品売り場、通販などで購入可能です。ケミカルピーリングやトレチノインは美容皮膚科で施術・処方してもらうことができます。
レーザー治療はレーザーを妊娠線がある部分に照射して、真皮や皮下組織の再生を図るものです。
レーザーで微細な照射をする事で皮膚のコラーゲンを活性化させ、肌の再生を促し、新しい皮膚に入れ替えます。
炭酸ガス治療は真皮に血流改善ガス(炭酸ガス)を直接注入します。
血流改善ガスを注入することで、真皮の血流が改善し、皮膚の代謝がアップします。また、血流改善ガスによって皮膚に一時的なダメージを与えることによって、皮膚の再生能力が活性化し、コラーゲンの産生が促進されます。
妊娠線ができる原因と3つの予防法・5つ消す方法についての総まとめ
・お腹以外にも太ももやバスト、お尻、二の腕にもできることがある
・妊娠線ができる原因
「急激な皮膚の伸び」「ステロイドホルモンの増加」
・妊娠線ができやすい人
「高齢出産」「小柄な人」「乾燥肌の人」「アトピーの人」「出産経験がある人」
・妊娠線を予防する方法
「体重の増加をゆっくりにすること」「肌の保湿をしておく」「栄養バランスのある食事」
・妊娠線を消す方法
「専用オイル」「クリームでマッサージ」「ケミカルピーリング」「レーザー治療」
妊娠線のメカニズムや予防法、消す方法をまとめましたが、いかがでしたか?妊娠線の予防法は100%予防できるというわけではありませんが、お腹が大きくなる前から予防しておくと、もしできてしまったとしても、薄かったり範囲が狭かったりと、あまり目立たずに済むことが多いんです。
また、妊娠線ができてしまった後も、「もう手遅れ」と諦めずに、ご紹介した消す方法を実践すれば、目立たなくなりますので、またビキニの水着を着れるようになるかもしれませんよ。