「妊娠したい!赤ちゃんが欲しい!」と思っている妊活中の女性は、少しでも早く妊娠を知りたいと思って、生理予定日ごろになるとソワソワする人も多いと思います。
妊娠しているサインの1つに着床出血がありますが、着床出血は生理との見分け方がとても難しく、妊娠しているのか妊娠していないのか迷ってしまうこともありますよね。
着床出血のメカニズムや着床出血の時期、症状、生理との見分け方をまとめました。
この記事の目次
着床出血とは?
着床出血とは妊娠したことで、生理予定日付近に少量の出血をすることです。着床出血は受精卵が子宮内膜に着床したことで起こります。
生理と比べると、量が少なめという特徴がありますが、生理予定日と同じころに起こるので、生理と間違いやすいので注意が必要です。
また、着床出血は妊娠した女性の全員に起こるわけではありません。着床出血が起こる確率はたったの2%、つまり50人に1人とされています。そのため、着床出血で妊娠がわかるという人は、ごく一部でしかないのです。
着床出血のメカニズム
着床出血はなぜ起こるのでしょうか?着床出血は受精卵が子宮内部の子宮内膜に着床して、根を張ったことが原因で起こる出血です。
子宮内部は赤ちゃんのベッドとなる子宮内膜があります。妊娠していなかった場合、この子宮内膜が剥がれ落ちることで、生理が起こります。
受精すると、受精卵はベッドとなる子宮内膜に着床して、妊娠が成立するのですが、この着床する時に少量の出血を起こすことがあるのです。
受精卵が子宮内膜に着床する時は、ただ子宮内膜表面にチョコンと付着するだけというわけではありません。
着床は、受精卵が成長しながら子宮内膜へめり込んでいくことです。
受精卵は子宮内膜に潜り込むようにして着床しますので、この時に子宮内膜の組織が少し溶け出して、出血が起こるのです。
着床出血の時期は?
着床出血は、生理予定日近くに起こりますが、具体的な時期はいつ頃なのでしょうか?着床出血の時期を知るためには、受精から着床までの流れを把握する必要があります。
受精から着床完了までは12日前後かかる
受精すると、すぐに着床するわけではありません。受精から着床が完了するまでは12日前後かかります。
まず、受精するのは排卵日になります。卵子は8~10時間程度しか生存しないので、排卵日=受精日として良いでしょう。
受精する場所は子宮内ではありません。卵管の奥になります。卵管の奥で精子が卵子に出会って受精が起こります。
出典:ivf.co.jp
その後、受精卵は細胞分裂を繰り返しながら、卵管の中を子宮に向かって移動し、受精から6日目でようやく子宮内にたどり着きます。そして、ようやく着床が始まるのです。
一概に「着床」と言っても、「着床が始まる」のと「着床が完了する」のには日数差があります。
○ 着床が始まる ⇒ 排卵後 6~7日後
○ 着床が完了する ⇒ 排卵後 12~13日後
子宮内膜上皮・欠損部が完全に修復されて、着床が完了となります。
文字通り 子宮内膜に埋没して完了となる訳です。
そして、着床が完了するのは、受精してから12~13日後となります。
着床出血の時期は生理予定日1週間前から生理予定日
着床は受精した日(排卵日)から1週間後に始まり、12~13日後に終わります。排卵日から次の生理予定日までは14日間程度です。
ということは、着床は生理予定日1週間前から生理予定日にかけて起こるものということになります。
特に、生理予定日2~3日前の着床が完了する頃は、受精卵がしっかり根を張って、子宮内膜が溶かされる量が多くなりますので、着床出血が起こりやすい時期とされています。
着床出血の症状と生理との6つの見分け方
着床出血は生理予定日ごろに起こりますので、「これは着床出血?それとも生理?」と迷ってしまうことが多いんです。
着床出血の症状と生理との見分け方を6つご紹介しますので、着床出血なのか生理なのかを見分けられるようにしておきましょう。
色をチェック
「着床出血かも?」と思ったら、まずは出血の色を確認しましょう。着床出血は、薄いピンク色や茶褐色の色をしていることが多いんです。
生理予定日ごろに出血があったけれど、生理のような鮮血ではないという場合は、着床出血の可能性があります。
量をチェック
着床出血と生理との見分け方、次は量をチェックしましょう。着床出血は、普通の生理に比べて量が少なめです。
普通はごくわずかな出血の方が多いですが、おりものが赤色や茶色、ピンクがかったものまで様々な場合があります。
いつもの生理と比べて、量が少なければ、着床出血かもしれません。
期間をチェック
着床出血と生理との見分け方、次は期間です。あなたはいつも生理は何日くらい続きますか?生理は5~6日続くという人が多いと思います。
それに対し、着床出血は2~3日で終わることが多いんです。1日だけで終わることもあります。そのため、いつもよりも出血の期間が短い時は着床出血を疑いましょう。
基礎体温をチェック
出典:ikuryo.or.jp
基礎体温をつけている人は、基礎体温の変化でも着床出血と生理を見分けることができます。妊娠するとずっと高温期が続きますが、生理が来ると、基礎体温は下がって低温期に入ります。
出血があった後も基礎体温が下がらずに高温期が続いているなら着床出血、基礎体温が下がっていれば生理ということになります。
そのほかの症状をチェック
着床出血と生理の見分け方、次は出血以外の症状を確認してみましょう。妊娠超初期には頭痛や腰痛、お腹の張り、胸の張り、微熱、眠気などの症状が出ることがあります。
これらの症状は、生理前の症状と似ていますが、毎月の生理前の症状と違うようであれば、妊娠している可能性があります。
妊娠検査薬を使う
ここまで着床出血と生理の見分け方を5つご紹介しましたが、着床出血でも「生理だわ!」と感じるほど鮮血が出て、いつもの生理と変わらない量の出血が出ることもあります。
また、着床出血でも長い人は1ヶ月続くこともあるんです。特に、基礎体温をつけていない人は、着床出血と生理を見分けるのはとても難しいですよね。
そういう時は、最終手段の妊娠検査薬を使いましょう。着床出血は生理予定日前に起こることがほとんどですので、まだ一般の妊娠検査薬は使うことができません。
一般妊娠検査薬は生理予定日の1週間後から使うことができますので、一般の妊娠検査薬を使う時は、あと1週間待ってから検査してみましょう。
できるだけ早く結果を知りたい!という人は、早期妊娠検査薬を使ってみましょう。早期妊娠検査薬は生理予定日前から使うことができますので、着床出血と思われる出血があったら、とりあえず1度使ってみましょう。
ただ、生理予定日前に使うと、検査精度は低めなので、念のためにもう1度生理予定日に使って確認すると良いですよ!
早期妊娠検査薬は生理予定日に使えば、検査精度は99%となっていますので、生理予定日には妊娠しているかどうかがわかります。
早期妊娠検査薬は薬局で薬剤師さんに声をかけて、名前と連絡先を記入して購入するか、インターネット通販で購入することができます。
妊活をしている女性は、あらかじめ早期妊娠検査薬を購入して自宅に置いておくと良いかもしれません。
着床出血じゃない場合も!?
着床出血のような出血があって、生理予定日に生理が来なかった場合、「妊娠した!」と喜ぶ人も多いと思います。でも、喜ぶのはちょっと待ってください。
着床出血のような出血があって、生理予定日に生理が来なかった場合でも、確実に妊娠したとは言えないのです。
化学流産かも
着床出血のような出血があった場合は、化学流産の可能性もあります。化学流産とは妊娠超初期に、産婦人科で妊娠が確定する前に流産してしまったことです。
着床出血が長引くようだったら、化学流産をしていた可能性があります。
そのほかの不正出血
着床出血のような出血があって、生理が来ない場合は、ただの不正出血+生理不順かもしれません。ただの不正出血といっても、不正出血が起こる原因には子宮頸がんや子宮体癌などの深刻な病気の可能性があります。
着床出血のような症状があったけれど、生理は来ない。さらに、妊娠検査薬は陰性という場合は、早めに婦人科を受診して、不正出血の原因を突き止めるようにしましょう。
妊娠した場合は、妊娠5~6週には産婦人科へ!
生理前の出血がめでたく着床出血で、妊娠検査薬でも陽性反応が出たという場合は、そこで安心してはいけません。「妊娠したから、そのうち産婦人科に行けば良いかな~」というのはNGです。
妊娠検査薬で陽性反応が出たら、妊娠5~6週には産婦人科を受診しましょう。なぜなら、子宮外妊娠の可能性があるからです。
妊娠5~6週になれば、正常妊娠の場合は子宮内に胎嚢を確認することができますので、子宮外妊娠かどうかを確認することができます。
子宮外妊娠とは子宮内に着床せず、卵管や腹膜、子宮頸管に着床してしまった妊娠で、妊娠の継続が難しいので、自然に流産するのを待つか、外科的な処置をしなければいけません。
子宮外妊娠を放っておくと、卵管破裂を起こして腹腔内出血を起こしたり、頸管妊娠で大量出血を起こすなど、母体の命に関わることがありますので、必ず妊娠5~6週には産婦人科を受診して下さい。
着床出血のメカニズムや時期、症状と生理の見分け方についてのまとめ
・着床出血は、全ての妊娠した人に起こるわけではない
・着床出血が起こる確率は2%(50人に1人)
・着床出血が起こるメカニズム
「受精卵が子宮の内部に着床して根を張ることで起こる出血」「受精から着床完了までには、12日前後」「生理予定日1週間前から生理予定日にかけて起こる」
・着床出血と生理の見分け方
「色がピンクや茶褐色の色をしている」「生理に比べると量が少なめ」「着床出血は2~3日で終わることが多い」「1日だけの場合もある」「基礎体温を測って高温期が続いている」「妊娠検査薬を使って調べる」
・着床出血じゃないケース
「科学流産」「生不順」など
・妊娠したとわかった場合は、妊娠5~6週に婦人科を受診する
着床出血のメカニズムや時期、症状と生理との見分け方をまとめました。「妊娠すると着床出血でわかる!」と思っている人も多いかもしれませんが、実は着床出血がある人の割合はとても少ないんです。
また、着床出血は人によって出血の色や量、期間が違いますので、見た目だけで着床出血か生理かを見分けるのが難しいことがあります。ですから、着床出血があったからといって妊娠と決めつけずに、まずは妊娠検査薬を使って、妊娠しているかどうかを確認しましょう。
そして、妊娠検査薬で陽性反応が出たら、産婦人科を受診して、妊娠を確定させるようにしましょうね。