「妊娠したい!」、「早く子どもが欲しい」と思っている人は、排卵日を知って、妊娠確率を高めましょう。自然に妊娠するのは、実はなかなか難しいんです。
妊娠したいカップルのために排卵日の計算方法や排卵日の症状、妊娠確率を上げるコツをまとめました。これを読むことが、妊活の第一歩になりますよ。
この記事の目次
生理周期は4つから構成されている!
妊娠を考えている女性は、まずは自分自身の生理周期を知っておきましょう。生理周期についての正しい知識を持っておかないと、妊娠確率を上げることができません。
出典:sofy.jp
約1ヶ月周期で生理がやってきますが、その生理周期には生理がある月経期、卵胞が成熟する卵胞期、排卵が起こる排卵期、子宮内膜が柔らかくなり着床の準備をする黄体期の4つに分けられます。
月経期
月経期とは生理がある時期のことです。受精して着床すれば、月経期は来ませんが、受精しなかった場合は、必要なくなった子宮内膜が剥がれ落ちて、排出されますので、月経が起こります。
卵胞期
卵巣内の卵胞が、エストロゲンの働きで少しずつ成熟していく時期です。また、子宮内膜も少しずつ増殖していきます。
排卵期
成熟した卵胞から卵子が飛び出して、排卵されます。排卵後の卵胞は黄体に変化します。
黄体期
黄体期は黄体からプロゲステロンが分泌されて、子宮内膜が柔らかくなり、着床に備えています。
月経期や増殖期の長さは、生理周期によって個人差がありますが、黄体期は健康な女性であれば、生理周期が長い人も短い人も14日前後と決まっています。
排卵日を知れば妊娠しやすくなる
あなたは排卵日がいつなのかを認識していますか?妊娠をするためには、卵子が卵巣から排卵される排卵日を知る必要があります。
卵子が排卵され、卵子が生きている時にしか、妊娠することはできません。卵子の生存期間は、排卵されてから8~10時間しかありません。
排卵された卵子の寿命はたったの8~10時間! 非常に短命な細胞なのです。
つまり、1ヶ月間で妊娠可能な時間帯は8~10時間しかないということになります。そのため、妊娠を希望するなら、排卵日を正しく知っておかないと、いつまでも妊娠できないということになってしまうのです。
排卵日の5つの計算方法
排卵日は計算をすることで、ある程度予測することが可能です。妊娠を希望する人は、排卵日の5つの計算方法を知って、排卵日を予測しましょう。
オギノ式
排卵日の計算方法の1つ目は、オギノ式という計算方法です。これは、学校の保健の授業で聞いた覚えがあるという人も多いと思います。
オギノ式とは産婦人科医の荻野久作医師によって提唱された排卵日の予測方法で、「排卵は次の月経前12~16日の間に起こる」という学説を基に排卵日を計算します。
つまり、次の生理予定日の約2週間前が排卵日になりますので、このオギノ式は簡単に排卵日を計算できるというメリットがあります。
ただ、このオギノ式は生理周期が安定している人にしか使えないので、生理周期が一定でない人は、このオギノ式では排卵日を計算することができません。
福さん式
福さん式は、元助産師の「福さん」がインターネット上で公開し、一気に広まった排卵日の計算方法です。
福さん式は膣内に指を入れて子宮口の位置や硬さ、開き具合などの状態やおりものを確認して、排卵日を計算します。
排卵日の2~3日前から子宮口が下の方に下がってきて、柔らかくなり、子宮口が緩く開いているような状態になります。
また、排卵期はおりものの量が増え、透明なゼリー状でよく伸びるという特徴があります。
また、この福さん式は膣に指を入れますので、膣や子宮口を爪で傷つけたりしないように注意が必要です。
<福さん式の方法>
1.爪を短く切り、石鹸で手を洗う
- 2.足を肩幅に広げる
- 3.膣壁にしながら、指を挿入する
- 4.膣の奥に突き当たったら、盛り上がっているところを探す。この盛り上がっている部分が子宮口。
- 5.子宮口の位置や肩さ、開き具合を確認
- 6.子宮口周りのおりものをぬぐって、性状を確認
福さん式は毎日チェックしないと、その微妙な変化に気づくことができませんので、生理が終わったら、お風呂で毎日行うと良いでしょう。
基礎体温表
基礎体温を毎日測り、記録することでも、排卵日を計算することができます。これは、オギノ式の応用編と言えるかもしれません。
生理周期が28日の場合、排卵期をはさんで生理開始から排卵期までの14日間が低温期、排卵期から生理開始前日までが高温期となっていて、低温期と高温期は0.3~0.5℃の差があります。
基礎体温が二相性になっていたら、約70%の女性が低温期の最終日に排卵が起こっています。生理が規則正しく起こっている女性ならば、低温期の最終日が生理開始から何日目なのかが解れば、毎回その日が排卵日となるはずです。
ただ、低温いの最終日に排卵が起こるのは70%の女性だけであり、残りの30%は低温期の最終日よりも前、もしくは高温期になってから排卵が起こっていることになります。
確かに最低温の日が排卵の時もありますが、いつも排卵日であるというわけではありません。
引用:基礎体温が下がったら排卵? | みずうち産科婦人科 * 北海道旭川市の婦人科・不妊症のクリニック、みずうち産科婦人科
基礎体温は専用体温計を使って、朝起きたらそのまま布団の中で体温を測るようにしましょう。
排卵検査薬
排卵検査薬でも、排卵日を計算できます。排卵検査薬は、妊娠検査薬に似た構造をしていて、検査キットに尿をかけることで、排卵日を計算します。
排卵日検査薬は尿中のLH濃度の上昇をとらえる検査薬で、LH濃度の上昇が始まってから36時間以内に排卵がおこるという身体の仕組みを利用して排卵日を予測するものです。
LH濃度とは黄体形成ホルモンの濃度です。黄体形成ホルモン(LH)は排卵を促して、エストロゲンとプロゲステロンの分泌を促すホルモンです。黄体形成ホルモンの濃度が上がると、もうすぐ排卵が起こるというサインですので、それを利用して排卵日を計算するのです。
出典:jp.rohto.com
排卵検査薬は薬局で購入することが可能ですが、次回月経予定日の17日前から1日1回検査をします。基礎体温をつけながら、次回の月経予定日を計算して、この排卵検査薬を使うと良いでしょう。
また、通販サイトでは唾液で排卵検査できるのも販売されています。
排卵のモニタリング
排卵のモニタリングをすることで、排卵日を正確に計算することができます。これは、産婦人科で行う計算方法ですので、自宅では自分で行うことができません。
排卵モニタリングは経膣エコーで卵胞の大きさを測って成熟度を調べたり、子宮内膜の状態を調べ、排卵検査薬で調べるLH濃度をさらに詳細に調べることで、排卵日を確実に計算します。
排卵で起こる症状って?
排卵があると、身体には様々な変化が現れます。
おりものの変化
排卵日前になると、おりものが変化します。生理が終わると、おりものはサラサラした透明のもので、量はあまり多くありません。
それが、排卵日前になるとおりものの量が増え、さらにゼリー状のよく伸びる性状に変化します。
体温の変化
排卵期には体温も変化します。生理開始から排卵までは低温期ですが、排卵期が終わると高温になります。今までは、排卵日が低温期の最後の日と考えられていましたが、それは間違いであることがわかりました。
一般的には排卵があれば、4日後までには上がるとされています。つまり、低温が3日続いていても、すでに排卵が終了していることもあるということです。
引用:基礎体温が下がったら排卵? | みずうち産科婦人科 * 北海道旭川市の婦人科・不妊症のクリニック、みずうち産科婦人科
高温期になる3日前に排卵が終わっていることもあれば、高温期になって2日後でもまだ排卵していないこともあるんです。
ただ、排卵期を機に0.3~0.5℃の差がある低温期から高温期に変わるのは間違いありません。
排卵出血
排卵があると、おりものに少量の血が混じることがあります。これを排卵出血と言います。排卵出血は、一時的にエストロゲンの分泌量が少なくなることで起こったり、排卵する時に卵巣の表面が傷つくことで起こります。生理的な現象ですので、出血があったからと言って心配する必要はありません。
出血は1日程度、ごく少量であることがほとんどで、色は鮮血や茶褐色、黒っぽいなど個人差があります。
排卵痛
排卵があると、排卵痛が現れる人もいます。排卵痛は下腹部のチクチクした痛みや重い痛みを感じることがあります。
また、片方の卵巣にチクチクした痛みを感じる人もいます。卵巣から排卵される時には、卵胞を破って卵管に排卵されるので、その際に痛みを感じる場合があるんです。このほかホルモンバランスの影響で、腰痛や頭痛が起こることもあります。
その他の症状
排卵期には、痛み以外にも様々な症状が現れることがあります。
・眠気
・情緒不安定
・食欲増加
・下痢
・吐き気
・胸の張り
このような排卵期の症状は、すべての女性に起こるわけではありませんし、毎月起こるというわけでもないんです。
妊娠確率は排卵日よりも排卵日前のほうが高い!?
妊娠確率は、1ヶ月の間でいつが一番高いのでしょうか?排卵日が一番妊娠確率が高いと思うかもしれませんが、実は排卵日前に性交したほうが妊娠確率は高いんです。
妊娠できる期間は?
妊娠できる期間は、一体いつなのでしょうか?最初に、卵子の生存期間は8~10時間と説明しました。でも、精子の生存期間はもっと長いので、妊娠できる期間はもう少し長いのです。
精子の生存期間は個人差があり、2日から5日とされています。そのため、妊娠できる期間は精子の生存期間を最長に捉えれば、排卵日5日前から排卵日までの5日間となります。
妊娠確率が最も高くなる日
では、妊娠する確率が最も高くなるのはいつなのでしょうか?排卵日が一番妊娠確率が高いと思うかもしれませんが、実は違うんです。
排卵日の2日前に行為すると、最も妊娠確率が上がるというデータがあります。精子は排卵を待ち受けていたほうが、妊娠確率が高いということなんですね。
排卵日の前日と前々日の行為が最も妊娠の確率が高いんです。なんと排卵日の4倍です。
妊娠確率を少しでも高めたいなら、排卵日ではなく、排卵日の前日と前々日に性交すると良いでしょう。
妊娠確率を上げるには?
妊娠確率を最も高めるためには、排卵日の前日か前々日に行為すると良いのですが、それ以外にも妊娠確率を上げる方法があるんです。
妊娠確率はそんなに高くない
まずは、自然妊娠の確率を知っておきましょう。
ご夫婦ともに不妊症の原因がない場合、ヒトの月経周期あたりの妊娠率は20~25%とされています。
たとえ不妊症でなくても、排卵日前日や前々日に行為しても、必ず妊娠するわけではないのです。むしろ、妊娠しない可能性のほうが高いのです。
ただ、この20~25%という確率を見ると、排卵日をしっかり特定して、排卵日の1~2日前に性交をすれば、半年以内には自然妊娠する可能性が高いということになります。
妊娠確率を上げるための7つの注意点
不妊の原因がなければ、排卵日を特定して成功すれば、半年以内には自然妊娠をする可能性が高くなりますが、「半年も待てない!できるだけ早く妊娠したい!」という人のために、妊娠確率を少しでも高めるための日常生活での注意点を7つご紹介します。
①食生活を見直す
②禁煙
③過度なダイエットはNG
④体を温める
⑤考えすぎない
⑥規則正しい生活を
⑦行為の頻度を上げる
【食生活を見直す】
まずは、食生活を見直しましょう。女性も男性も、ホルモンバランスを整えるような食生活が重要です。
1日3食、栄養のバランスの取れた食事を食べるのは当然のことですが、玉ねぎや生姜、ニンニクなど血行促進効果のある食品を積極的に摂ったり、納豆やオクラなどネバネバ系の食品を食べるのもおすすめです。
また、男性は精子の運動機能を高める亜鉛を摂ること、女性は葉酸や鉄分、カルシウムを摂ると良いでしょう。
【禁煙】
禁煙も妊娠確率を上げるためには重要なことです。タバコは男性の精子の数や運動性に悪影響を与えますし、女性の卵子の質を低下させたり、女性ホルモンの分泌を減少させますので、妊娠を望むカップルは、男女ともに禁煙すべきなのです。
【過度なダイエットはNG】
妊娠したいなら、適正体重を保つ必要があります。痩せすぎも太り過ぎも排卵障害を起こします。特に、過度なダイエットはホルモンバランスを乱して、無排卵になることがありますので、太り過ぎていて適正体重にしたい時は、ゆっくり時間をかけて体重を落とすようにしましょう。
【体を温める】
冷え性の女性は、ホルモンバランスが乱れやすく、排卵しにくかったり、排卵しても卵子の質が悪かったりするので、妊娠確率を上げるためには、身体を温めるようにしましょう。
冷たいものを飲み過ぎないようにしたり、身体を温める効果のある根菜や生姜などを食べたり、ゆっくり入浴して身体を温めましょう。夏場は冷房がきついところでは、ひざ掛けを使ったり、1枚羽織るものを用意するなどの工夫が必要です。
【考えすぎない】
「妊娠したいのにできない!」、「なんで妊娠できないんだろう?」と考えてしまうと、それがストレスになってしまいます。
ストレスを抱えると、自律神経のバランスが崩れて、ホルモンバランスが崩れてしまいますので、男女ともに妊娠確率が下がってしまうのです。
そのため、「妊娠したい」という気持ちは持ちつつも、そのことに執着しすぎずに心にゆとりを持つことが大切です。
妊娠に関することだけではなく、生活全般でのストレスもできるだけ解消していきましょう。また、夫婦で楽しめるリラックスタイムを作ると良いでしょう。
【規則正しい生活を】
規則正しい生活を送ることも、妊娠確率を上げるためには重要です。早寝早起きをして、体調を整えることで、自律神経のバランスを整え、ホルモンバランスを改善することができます。
【行為の頻度を上げる】
妊娠確率を上げるためには、行為の頻度を上げましょう。妊娠したいから、排卵日の1~2日前には行為をするけれど、それ以外は全然しないというケースは、妊娠確率を下げています。
連日行為での1か月あたりの妊娠率は37%、隔日では33%、そして、週1回の頻度では15%になると報告されています。つまり、妊娠するには、出来るだけ行為の頻度を上げることが、有効であると言う事です。
日ごろから夫婦で仲良くしておくことが、妊娠確率を上げるためには、とても大切なことなのです。
排卵日の計算方法と症状・妊娠確率が高い日についてのまとめは・・・
「オギノ式」「福さん式」「基礎体温表」「排卵検査薬」「排卵のモニタリング」
・排卵で起こる症状
「おりものの変化」「体温の変化」「排卵出血」「排卵痛」
・妊娠する確率は、20%~25%
・排卵日の2日前に行為をすると妊娠確率が上がるというデータがある
・妊娠する確率を上げる方法
「食生活の見直し」「禁煙する」「過度なダイエットを控える」「体を温める」「ストレスを溜めない」
排卵日の計算方法や排卵日前後に起こる症状、妊娠確率を高める方法をまとめました。妊娠を望んでいる人は、妊活のための第一歩として、排卵日を計算し、妊娠確率を高める方法を実践しましょう。
それでも妊娠しないという場合は、男性か女性のどちらか一方、もしくは両方に不妊の原因がある可能性がありますので、早めに婦人科や不妊外来を受診したほうが良いでしょう。
年齢が高くなれば高くなるほど、不妊治療の成功率は下がりますので、妊娠を望むなら、早めに不妊治療を開始したほうが良いのです。