安定期に入るともう流産の心配がないから大丈夫と言われています。芸能人でも、妊娠を発表するのは安定期に入ってからという人が多いですよね。
妊娠の安定期の期間はいつからいつまでなのか、流産をする確率はどのくらいなのか、本当に流産しないのか、安定期の過ごし方や注意点をまとめました。
妊娠中の安定期とは?
「安定期」はよく耳にする言葉ですが、妊娠中の安定期とは一体どんな期間なのでしょうか?
安定期とは胎盤が完成したことで、お腹の赤ちゃんに安定した栄養供給・酸素供給ができるようになったため、流産のリスクが低くなり、さらにつわりの症状も落ち着いた時期のことです。
妊娠中の安定期は、妊娠初期に比べて流産の心配が少なくなり、さらにつわりがなくなることで、吐き気などの症状に悩まされることがなくなります。そして、まだそれほどお腹が大きくないので、比較的動きやすい時期です。
つまり、妊娠中の安定期は10ヶ月の妊娠期間の中でも、もっとも快適に過ごせる期間ということができるでしょう。
安定期の期間はいつからいつまで?
では、妊娠中の安定期の期間は、具体的にはいつからいつまでなのでしょうか?安定期は妊娠16週から27週までの12週間になります。妊娠5~7ヶ月までですね。
安定期のサインは、次のようなものがあります。
・つわりが消える
・身体のだるさが取れてスッキリする
・食べたいものが思い浮かぶ
・異常な眠気がなくなる
ただ、16週になれば妊娠中の女性全員が安定期に入ったというわけではありません。妊娠初期に切迫流産と診断されている人は、安静に努めなければけませんし、そのほかにもトラブルが起こる可能性はあります。
そのため、妊娠16週になって安定期に入ったからといって油断してはいけないのです。
安定期でも流産する?その確率は?
妊娠16週になって安定期に入ったとしても、安定期の期間は絶対に流産しないというわけではありません。安定期でも流産するリスクはあります。安定期に入ってから、どのくらいの確率で流産するのかを説明する前に、まずは流産について説明します。
流産とは妊娠22週未満でおなかの赤ちゃんが死んでしまうことです。安定期は16週からですから、妊娠22週未満は安定期も含まれていますね。
安定期は16週から27週ですので、安定期の前半に流産を起こす可能性もあるのです。では、安定期に入ってから流産する確率はどのくらいなのでしょうか?
流産の確率は全妊娠の15%と言われています。そして、妊娠12週未満の流産を早期流産、妊娠12週以降の流産を後期流産としています。
臨床的に診断された妊娠の約15%が自然流産に終わり、早期流産が13.3%、後期流産が1.6%といわれています。
妊娠12週から22週未満の流産は1.6%とされています。胎盤が完成する14週以降はさらに流産確率は減りますので、安定期の16週以降の流産は1%未満と考えられます。
1%なら安全と思うかもしれませんが、100人に1人の妊婦さんは安定期に入ってから流産していると考えると、安定期といえども安心できないと思いませんか?
また、22週未満は流産ですが、22週以降は早産に分類されます。流産と早産は基本的に同じもので、22週未満か22週以降かという違いしかありません。
つまり、22週以降にも流産と同じようなことになる可能性は十分にあるわけです。現代医学では22週以降は子宮の外でも赤ちゃんが生きることができるとされていますが、それでも絶対に救命できるというわけではありません。
22週以降でも、残念ながら死産になってしまうこともあります。また、たとえ救命できたとしても、重い後遺症を患うことがあります。
安定期といえども、流産・早産の確率はゼロではありませんので、安定期に入ったからといって油断せずに、おなかの赤ちゃん第一で過ごしましょうね。
安定期の過ごし方と注意点9つ
安定期は流産や早産のリスクがゼロではありません。とはいえ、安定期は妊娠初期に比べて流産しにくく、さらにお腹も大きくないので、比較的自由に過ごせる時期です。
安定期の今だからやっておきたいこと、注意すべきこと9つをまとめました。
栄養のバランスの取れた食事を
安定期に入ったら、つわりの症状が落ち着く人が多いと思います。妊娠初期はつわりがひどくて、何も食べられなかった、スポーツドリンクや水しか飲めなかったという人もいますよね。
妊娠初期につわりがある場合は、栄養のバランスを気にする必要はありません。とにかく水分補給ができていればOKです。
でも、つわりが落ち着いて少しずつ食べられるようになったら、栄養のバランスの取れた食事を食べましょう。
妊娠中の安定期はお腹の赤ちゃんはグングン大きくなっていきますので、栄養のあるものを食べないと、おなかの赤ちゃんの発育に影響が出ますし、お母さんも貧血などの症状が現れます。
安定期に積極的に摂りたい栄養素はたんぱく質やビタミン、鉄、カルシウムなどです。たんぱく質は赤ちゃんの細胞を作る原料となります。ビタミンは体調を整え、健康を維持するためには欠かせない栄養素です。
また、この時期は赤ちゃんの成長に合わせて、血液量が増えますので、鉄分を取らないと貧血になってしまうのです。
さらに、カルシウムも赤ちゃんの成長に使われて不足しますので、カルシウムもしっかり摂りましょう。
体重増加に要注意
妊娠中の安定期は、食欲が戻ってくる人も多いと思います。「赤ちゃんのためにも、たくさん食べなくちゃ!つわりで食べられなかったし」と思って、どんどん食べると、一気に体重が増えますので要注意です。
体重が増えすぎると、妊娠高血圧症や妊娠糖尿病を発症して、早産になる可能性があります。また体重が増えすぎると、たとえ妊娠高血圧症や妊娠糖尿病を発症しなくても、難産になってしまいます。
安定期は油断していると、ビックリするほど体重が増えていきますので、栄養は摂りつつも、体重増加には気をつけましょう。
軽めの運動をする
安定期には軽めの運動をするのもおすすめです。安定期に入ってからの運動は、ストレス解消や体重増加予防、腰痛予防、むくみ防止に役立ちます。
安定期の妊婦さんにおすすめの運動はウォーキングや水泳、ヨガなどです。ただ、お腹が張ってきたら、無理せずに運動を止めてゆっくり休んでください。
旅行に行く時は医師に確認
赤ちゃんが生まれる前に、旅行に行きたいという人もいると思います。子どものことを気にせずに、気楽に旅行に行けるのは、これが最後かもしれません。
安定期に入って、何の問題もなければ、旅行に行っても大丈夫です。
この時期になれば、電車、バスはもちろんのこと、飛行機による旅行もできるようになります。どうしても行きたい海外旅行の場合もこの時期であればいいでしょう。
ただ、自分で「安定期だから大丈夫♪」と判断するのは止めましょう。旅行に行きたいと思ったら、産婦人科の医師に必ず確認して下さい。
便秘を予防する
妊娠中は便秘になりやすい時期ですので、安定期に入ったら便秘を予防しましょう。妊娠初期から便秘に悩んでいる人もいると思います。
妊娠中は女性ホルモンのプロゲステロンの分泌が多くなります。プロゲステロンは腸の動きを鈍くしますので、便秘になりやすいのです。また、子宮が大きくなってくると、腸を圧迫し始めますので、さらに便秘になりやすくなります。
妊娠中は食物繊維をたっぷり摂ること、さらに水を多めに飲んで、適度な運動をして腸を刺激しましょう。
入院・産後に必要なものを揃えておく
妊娠中の安定期は、入院や出産後に必要なものを揃えておくと良いでしょう。「出産後なんて、まだ早いんじゃない?」と思うかもしれませんが、安定期の今のうちに用意しておくべきなんです。
妊娠後期になると、お腹が出てきて、思うように動けなくなって、買い物に行くことが億劫になることもあります。また、いつ切迫早産と診断されて、安静&入院になるかもわかりません。
ですから、比較的身軽に動けて、流産等のリスクが少ない安定期のうちに入院グッズや赤ちゃん用品などを一通り揃えておきましょう。
転倒に注意する
安定期も後半になってくると、少しずつお腹が大きくなっていきます。そうすると、今までとは身体のバランスが異なりますので、ちょっとしたことで転倒してしまうのです。また、階段を降りる時は、足元が見えにくいので、注意が必要です。
転倒すると、その衝撃で流産・早産になる可能性がありますから、階段を降りる時は手すりを持つ、ヒールは履かずにスニーカーやぺたんこパンプスを履いて、転ばないようするなど転倒には気をつけましょう。
歯の治療をする
あなたは歯の治療は済んでいますか?妊娠中は虫歯になりやすいのです。免疫力が低下しますし、ホルモンバランスが乱れて、口の中の細菌が繁殖しやすい状態なのです。
出産後は育児に追われて虫歯の治療なんてする暇がありませんし、繁殖した細菌が歯周病を起こすと早産のリスクが上がりますから、安定期のうちにしっかりと治療しておきましょう。
陣痛タクシーに登録しておく
安定期のうちに陣痛タクシーを手配しておくと安心です。陣痛タクシーとは陣痛が起こった時に、すぐにタクシーが自宅まで来てくれて、かかりつけの病院に運んでくれるというシステムです。
24時間365日対応してくれて、破水しても乗車OKというものですから、いざ陣痛が来た時に、「どうやって病院に行こう?」と慌てなくて済むように、今から陣痛タクシーに登録しておくと良いでしょう。
妊娠中の安定期の時期と流産の確率・過ごし方についてのまとめ
・安定期の期間は、妊娠16週~27週までの12週間
・安定期でも流産のリスクはある
・安定期の16週以降の流産は1%未満
・安定期の過ごし方
「栄養バランスの取れた食事をする」「体重増加には注意する」「軽めの運動」「ストレス解消」「旅行に行く時は、産婦人科の医師に確認する」「便秘を予防する」「入院と産後に必要な物をそろえておく」「転倒に注意する」「虫歯の治療をする」「陣痛タクシーに登録しておくと便利」
妊娠中の安定期の時期と流産の確率、安定期の過ごし方や注意点をまとめました。安定期というと、「流産のリスクがない時期」と勘違いする人がいますが、そんなことはないんです。安定期でも流産する可能性はありますから、注意してください。
ただ、安定期が妊娠中の中で最も動きやすい時期ではありますので、体調を考慮しながら、安定期のうちにやるべきことはやっておきましょうね。