看護師は給料が高い職業と言われています。給料が高くて安定しているから、看護師を目指そうと思っている人も多いのではないでしょうか?
看護師の給料は本当に高いのか、具体的にはどのくらいもらえるのかを解説します。看護師の平均年収や給料事情と給料アップ方法、仕事内容、看護師になる方法をまとめました。
この記事の目次
看護師の平均年収・給料事情
看護師の平均年収はどのくらいでしょうか?看護師は高収入の仕事で、女性が一生食べるのに困らない仕事と言われていますが、本当に給料は高いのか?また具体的にどのくらいもらえるのか気になりますよね。
看護師の平均年収や給料事情をまとめました。
看護師の平均年収は?
看護師の平均年収はどのくらいでしょうか?ここでは日本看護協会のデータと厚生労働省のデータから平均年収をご紹介します。
日本看護協会の「2012 年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査」によると、看護師の平均年収(非管理職)は次のようになっています。
次に、厚生労働省の平成28年賃金構造基本統計調査から、看護師の平均年収を見ていきましょう。
・平均年収=480万8500円
日本看護協会と厚生労働省のデータでは、若干差がありますが、この2つのデータを総合して考えると、看護師の平均年収は500万円前後であると言えるでしょう。
国税庁の平成28年分民間給与実態統計調査によると、日本の民間企業に勤める人の平均年収は421万6000円です。女性に限定すると、279万7000円となっています。
これを見ると、やはり看護師の年収は高いと言えるのではないでしょうか?
看護師は基本的に夜勤をやらないと給料は高くない
看護師の平均年収は一般の平均以上であることがわかりましたが、ここで忘れてはいけないことは、看護師は夜勤をやっていることです。
病棟勤務の看護師は、夜勤に入らなければいけません。みんなが寝ている時にも働いているのが看護師なんです。
夜勤をすると、看護師には夜勤手当が付きます。2交替制の場合、夜勤手当は1回1万円前後貰えます。看護師の夜勤は月に4~5回あるのが普通ですから、夜勤手当だけで4~5万円もらえるのです。
ということは、年収の中で夜勤手当が占める割合は50~60万円にもなります。ということは、夜勤をやらなければ、看護師の年収は400万~450万円程度になるということです。
そう考えると、看護師の給料は夜勤をやっているから、給料が高いのであって、日勤のみで働こうと思ったら、一般の平均程度しか稼ぐことができないんです。残念ながら、これが看護師の現実なんです。
看護師の仕事内容
次に、看護師の仕事内容を見ていきましょう。看護師の仕事内容はなんとなくわかっていても、具体的にはよくわからないという人も多いと思います。
日常生活援助
看護師の仕事内容の1つ目は、日常生活援助です。患者さんの日常生活を支援し、支えていくような仕事ですね。
例えば、自分でご飯が食べられない患者のために、食事介助をする。お風呂に入れない患者の体を拭く。トイレに行けない患者のオムツ交換をする。車椅子に移る患者の手伝いをする。患者のベッドメイキングをする。
これらのことが日常生活援助になります。
医師の診療の補助
看護師の仕事内容の2つ目は、医師の診療の補助です。看護師は医師の指示がないと、医療行為を行うことができません。具体的な仕事内容をご紹介しますね。
・点滴ラインの確保や点滴の交換
・採血
・注射
・吸引
・創部の処置
・尿道カテーテルの挿入
・浣腸
これらのことを、医師の指示に基づいて行います。また、医師の診察に立ち会って、患者の衣服の着脱を手伝ったり、診察しやすいように体位を整えたりすることも、医師の診察の補助に含まれます。
その他いろいろな雑用
看護師の仕事内容は、日常生活援助と医師の診療の補助が主なものになりますが、そのほかの雑用もいろいろあります。
看護記録をつけることもありますし、クリニックなどでは清掃業務を行わなければいけないこともあります。医師の秘書的な役割をすることもありますね。
また、患者のクレーム対応をしなければいけないこともあるんです。これらの雑用が意外と多いので、看護師の仕事内容は非常に幅広く、しかも大変なのです。
看護師になるメリットとデメリット
看護師は夜勤をすれば、平均年収以上の給料を稼ぐことができます。今から看護師を目指そうと思っている人は、看護師になるメリット・デメリットをきちんと知っておきましょう。
現役の看護師のほとんどが、給料に満足していません。なぜなら、看護師は割に合わない職業だからです。
看護師のメリット
看護師のメリットは、次の3つです。
・国家資格で仕事に困ることはない。
・いつの時代の需要があるから、公務員並みに安定している。
・人を助ける仕事でやりがいがある
・資格取得のハードルが比較的低い
これが看護師のメリットですね。これだけ見ると、看護師って最高じゃん!と思うかもしれませんね。
看護師のデメリット
看護師の仕事にはデメリットもあります。
・人の命を預かる責任の重い仕事
・力仕事が多い
・汚物や体液を扱うので汚い
・感染の危険が常にある
看護師のデメリットはこのようなものがあります。これを考えると、看護師の仕事はかなり大変であることがわかると思います。
看護師は割に合わないが、安定性は抜群
看護師のメリットとデメリットを見てきましたが、デメリットを見ると、看護師の給料は仕事の割には決して高くないことがわかると思います。だから、割に合わないのです。
でも、看護師の資格は、国家資格の中では取得するのが比較的簡単ですし、日本全国どこでも、そしていつの時代でも一定の需要があります。そして、これから日本はどんどん高齢者が増えるので、さらに需要は高まるでしょう。
そのため、看護師の資格を持っていれば、「仕事がない!」ということは、まずあり得ません。結婚や出産で一時的に看護師の仕事を離れていても、資格を持っていれば、好きな時にまた看護師として働くことができるんです。
看護師として10年間働いていなかったとしても、国家資格を持っているので、10年のブランクがあろうとまた看護師として働けるのです。こんな便利な資格、なかなかないですよね。
看護師の仕事は、ハッキリ言って割に合わないことも多々あります。でも、安定性は抜群なので、安定を求める人にはおすすめの仕事なのです。
看護師が給料をアップさせるにはどうする?
看護師の仕事は、残念ながら割に合いません。平均以上の年収をもらうことはできますが、仕事内容を考えると、割に合わないと思うことも多々あります。
それなら、少しでも高い給料を貰えれば、割に合うと思えますよね。看護師が給料をアップさせる方法を4つご紹介します。
大都市で働く
看護師が給料をアップさせるには、大都市で働くようにしましょう。大都市は物価が高いですが、その分看護師の給料も高いのです。一例をご紹介しますね。
東京都の看護師の平均年収=534万4700円
佐賀県の看護師の平均年収=406万2000円
出典:平成28年賃金構造基本統計調査
東京都と佐賀県では、看護師の平均年収は130万円近く違うんです!少しでも給料をアップさせるなら、看護師は大都市で働かないと損なのです。
大病院で働く
看護師が給料をアップさせえるためには、大病院で働くと良いでしょう。大学病院や総合病院ですね。
大学病院や総合病院は基本給が高めですし、住宅手当や扶養手当なども充実しています。ボーナスも4ヶ月分以上出ることが多いです。だから、大病院で働くと、看護師の給料はアップするのです。
日本看護協会の「2013年 病院における看護職員需給状況調査」から、勤続10年の看護師の病床数別の給料をご紹介します。
・100~199床=31万2730円
・200~299床=31万6728円
・300~399床=32万8213円
・400~499床=33万1976円
・500床以上=34万4004円
出典:看護職の賃金水準データ(2013年版) | 日本看護協会
このように看護師の給料は病床数(病院の規模)と比例していますので、給料をアップさせたい人は、大病院で働くと良いでしょう。
美容外科クリニックで働く
看護師が給料をアップさせるためには、美容外科クリニックを選択するのも良いでしょう。美容外科クリニックは、保険が適用にならない自由診療を行っていて、クリニックの収益が大きいので、看護師の給料が高いのです。
また、営業成績に応じてインセンティブをもらえるので、日勤のみでも年収600万円以上を稼ぐことができるのです。
管理職を目指す
看護師が給料をアップさせる方法には、管理職を目指すのもおすすめです。看護師のキャリアアップの中には、認定看護師や専門看護師が有名です。ほかにもいろいろな学会認定の資格があります。
でも、これらの資格を取得しても、残念ながらあまり給料アップにはつながりません。認定看護師や専門看護師の資格を取得しても、数千円程度の手当てが付くだけです。
でも、看護師長や看護部長になれば、年収は700~800万円を狙うことができますし、うまくいけば年収1000万円を稼ぐこともできるのです。
看護師になるにはどうすれば良いの?
看護師になるにはどうしたら良いのでしょうか?看護師は国家資格ですから、国家試験に合格する必要がありますが、国家試験を受けるためには、指定の養成課程を修了しなければいけません。
看護師になるにはどうすれば良いのか?5つの道をご紹介します。
看護大学・看護学部を卒業する
看護師になるためには、看護大学や看護学部に入学して卒業しましょう。日本では、看護大学や看護学部の開設ラッシュになっていて、急速に増えています。
厚生労働省も看護師養成課程は4年であるべきと主張しています。看護大学や看護学部で学ぶと、看護師の資格だけではなく、養護教諭や保健師、助産師の資格も一緒に取得できることもあります。
看護師養成の専門学校を卒業する
看護師になるには、3年課程の専門学校で学ぶのも1つの道です。この看護師の専門学校で学んで看護師になる道が、一番メジャーかもしれませんね。
看護短大を卒業する
看護師になる道、3つ目は看護短大を卒業することです。短大というと、一般的には2年制ですが、看護師の養成課程は最低3年と決められていますので、看護短大は3年課程になっています。
ただ最近は、4年課程の看護大学・看護学部が増えているので、看護短大は少しずつ減少傾向にあります。
衛生看護科+看護師養成学校2年を卒業する
看護師になるには、高校の衛生看護科で准看護師の資格を取得し、その後看護師養成学校で2年間学ぶ方法もあります。准看護師の資格を持っていれば、看護師の養成課程は2年で良いのです。
最近は衛生看護科+養成学校2年を一貫教育にしているところも多いですね。この方法だと、最年少(最短)で看護師の資格を取得することができます。
准看護師の資格を取得してから、正看護師を目指す
看護師になるには、准看護師の資格を取得してから、正看護師の資格取得を目指す方法もあります。
これは、先ほどの衛生看護科+養成学校2年に似ていますが、准看護師の臨床経験が7年以上あれば、通信教育で看護師の資格を取得することができるのです。
准看護師の経験が7年未満の場合は看護師養成学校に2年間通う必要があります。
看護師の平均年収・給料事情・仕事・給料アップ・なる方法の総まとめ
「500万円前後」「基本的に夜勤をやらないと400万円~450万円程度」
・看護師の仕事内容
「日常生活援助」「医師の診療の補助」「雑用」
・看護師のメリット
「給料が平均以上もらえる」「国家資格で仕事に困りづらい」
・看護師のデメリット
「昼夜も盆正月も関係なく働く」「人の命を預かる責任の重い仕事」「割に合わないが、職の安定性さはバツグン」
・看護師が給料をアップさせる方法
「大都市で働く」「大病院で働く」「美容外科クリニックで働く」「管理職を目指すのもアリ」
・看護師になる方法
「看護大学と看護学部を卒業する」「看護師養成専門学校を卒業する」「看護短大を卒業する」「衛生看護科+看護師養成学校2年を卒業する」「准看護師の資格を取得してから、正看護師を目指す」
看護師の平均年収や給料事情、仕事内容、給料アップ方法、看護師になる方法をまとめました。看護師は割に合わないこともありますが、ある程度の高収入と安定が約束されている仕事です。
シングルマザーにもおすすめできる仕事ですので、安定した仕事をしたい女性は、看護師を目指すと良いでしょう。