乾燥肌に悩んでいる人はいませんか?乾燥肌で美肌になりたいと願っている人は、実は思わぬ原因で乾燥肌になっているのかもしれません。
乾燥肌の9つの原因と10個の対策をまとめました。これで、あなたも美肌への一歩を踏み出しましょう!
乾燥から肌を守る3つの要素
乾燥肌の原因を知る前に、まずは肌を乾燥から守っている3つの要素を知っておきましょう。肌を乾燥から守っている要素は次の3つです。
・皮脂膜
・NMF(天然保湿因子)
・細胞間脂質
これらの3つの保湿要素がしっかり働くことで、肌は乾燥から守られるのです。
皮脂膜
肌を乾燥から守っている要因の1つ目は、皮脂膜です。皮脂膜とは肌の表面にある部分で、皮脂腺から分泌された皮脂と汗腺から分泌された汗が混ざったものです。
肌の表面を皮脂膜が覆うことで、肌の水分が蒸発するのを防いでくれているのです。また、角質がはがれたり、肌のすべすべさ、滑らかさを保つのにも役立っています。
NMF(天然保湿因子)
NMF(天然保湿因子)は、肌の顆粒層にあるタンパク質が角質層へと押し上げられる過程で変化したもので、アミノ酸やミネラル、尿素などから構成されています。
NMFは水分を吸着させる性質があり、水分を吸着させて角質層の中に水分を留めておく役割を果たしています。NMFが肌の保湿をすることで、肌の弾力性や柔軟性を保っているんです。
細胞間脂質
細胞間脂質は、細胞と細胞の間にある脂質でセラミドやコレステロール、遊離脂肪酸などから構成されています。
通常、セラミドは細胞内にあるものですが、肌の表面にある角質に達すると、細胞外にセラミドが流出するようになるんです。この細胞間脂質があるために、肌の水分が外に蒸発するのを防いだり、外部からの刺激を防いでくれたりしています。
肌の保湿を考える上では、この細胞間脂質が最も重要な要素と言われています。
乾燥肌の9つの原因
乾燥肌の9つの原因をご紹介します。乾燥肌の原因は、意外なところに潜んでいるんです。
加齢
乾燥肌の1つ目の原因は加齢です。歳をとると、肌が乾燥しやすくなるのです。皮脂の分泌量のピークは男性で30代、女子は20代です。そこからは、年齢を重ねるにつれて、どんどん皮脂の分泌量は減っていきます。
皮脂の分泌量が減れば、皮脂膜を形成することができませんから、肌の水分が蒸発しやすくなるのです。
食生活
乾燥肌の2つ目の原因は、食生活です。あなたは、栄養のバランスを考えた食事を取っていますか?
ダイエットで食事制限をしていたり、ジャンクフードばかりだったり、偏食だったりしていないでしょうか?
タンパク質が不足していると、NMFや細胞間脂質が減ってしまうのです。また、ダイエットなどで脂質が不足すると、皮脂が少なくなりますし、細胞間脂質も減ります。
また、ビタミンやミネラルは肌のターンオーバーや新陳代謝を促進するものですので、ビタミンやミネラルが不足すると、肌が生まれ変わりにくくなり、乾燥肌になってしまうのです。
そのため、ダイエットによる食事制限や偏食などの食習慣が、乾燥肌の原因になることもあるのです。
紫外線
紫外線も乾燥肌の原因になります。紫外線は、NMFにダメージを与えて、肌の角質層のバリア機能を低下させます。そのため、肌の水分が蒸発しやすくなってしまうのです。
そのため、紫外線の強い時期に油断していると、乾燥肌になってしまいまいますので、注意が必要です。
ストレス
ストレスも乾燥肌の原因の1つです。ストレスを感じると、自律神経の交感神経が優位になります。交感神経が優位になると、血管が収縮し、呼吸が浅くなってしまいます。
そうすると、肌に必要な酸素や栄養を供給できなくなりますので、肌のターンオーバーが乱れます。すると、肌に水分を留めておくことができず、どんどん水分が蒸発するようになりますので、乾燥肌になってしまうのです。
体質(アトピー素因)
乾燥肌の原因は体質も関係しています。もともと皮脂の分泌量が少なめの人は、どうしても乾燥肌になってしまいます。
また、アトピー素因を持っている人も、乾燥肌になってしまいます。アトピー性皮膚炎の人は、細胞間脂質の中で水分を肌に留めておく重要な役割を果たしているセラミドが、健康な人の3分の1程度しかないと言われています。
セラミドがなければ、肌の中の水分量が少なくなりますから、乾燥肌になってしまいます。生まれつき、乾燥肌になりやすいという人もいるのです。
睡眠不足
睡眠不足も、乾燥肌の原因の1つです。睡眠不足で乾燥肌になるメカニズムは、ストレスで乾燥肌になるメカニズムと同じです。
交感神経が優位になることで、肌に必要な栄養や酸素が行き届かなくなり、ターンオーバーが乱れて、乾燥肌になってしまうのです。
生活環境
乾燥肌の原因には、生活環境もあります。あなたは、室内の湿度に気を使っていますか?冷房や暖房を使いすぎて、室内が乾燥していないでしょうか?湿度が低ければ、肌の水分が乾燥しやすくなります。
また、冬は空気が乾燥するだけでなく、気温も下がります。寒いところでは、肌が乾燥しやすいのです。
体が冷えると血管が縮み、血流量は一気に低下。新陳代謝が落ちることで、肌内部で新しい細胞が生まれにくくなる。
冬は湿度に気をつけながら、暖房を上手に使わなければいけません。
間違ったスキンケア
乾燥肌のあなたは、間違ったスキンケアをしているかもしれません。乾燥肌の人は、肌のバリア機能が低下していて、敏感肌になっていますので、少しでも肌に合わない化粧品を使うと、肌に負担がかかり、乾燥肌が進行してしまいます。
また、メイク落としや洗顔、保湿などは、力を入れ過ぎていないでしょうか?力を入れて、肌をこすってしまうと、肌の角質層がはがれる原因になりますので、保湿をしているつもりでも、逆に乾燥肌を悪化させている可能性があるのです。
病気によるもの
乾燥肌の原因、最後は病気です。病気の症状として、肌が乾燥してしまうものがあるのです。
・アトピー性皮膚炎
・乾皮症や皮脂減少性皮膚炎
・甲状腺機能異常
・腎臓病
これらの病気があると、乾燥肌になる可能性があります。
乾燥肌の10個の対策法
乾燥肌の人は、いくら保湿クリームを塗っても、すぐに肌が乾燥してしまいますよね。肌が乾燥すると、角質層がはがれて「粉が吹いた」ようになりますし、化粧のノリもが悪くなります。また、外界からの刺激に弱くなって、かゆみが出たり、すぐに赤くなってしまいます。
このような悩みから解放されるために、乾燥肌対策をしっかりして、美肌になりましょう。
正しいスキンケアを
乾燥肌対策の1つ目は、正しいスキンケアをしましょう。高い基礎化粧品を使う必要はありません。自分の肌に合ったもの、特に低刺激の基礎化粧品、保湿力に優れた基礎化粧品を使いましょう。
たとえば、メイク落とし。あなたは、メイク落としにどんなものを使っていますか?拭き取りタイプのメイク落としを使っていないでしょうか?
拭き取りタイプのメイク落としは、メイクを落とすという効果は高いですが、「拭き取る」ことで、肌に刺激を与えて、皮脂膜やNMFまで拭き取ってしまう可能性がありますので、クレンジングジェルやクレンジングミルクを使うと良いでしょう。
また、コールドクリームやオリーブオイルなど界面活性剤が入っておらず、洗い流すことができないタイプのメイク落としも良いと思います。
ただ、界面活性剤が入っていない場合、ティッシュ等で拭き取る必要があります。ティッシュで拭き取る時に、乱暴に拭き取ると、皮脂膜やNMFまで一緒に拭き取ることになりますので、必ず丁寧に拭き取るようにしましょう。
擦らない
乾燥肌対策の2つ目は、とにかく擦らないことです。メイクを落とす時、洗顔する時はもちろんですが、洗顔後にタオルで拭く時も、ゴシゴシと擦らずに押さえるようにして拭き取りましょう。
また、化粧水や乳液をつける時も注意してください。リキッドのファンデーションや日焼け止めクリームをつける時も、塗り込むのではなく叩き込むようにすると、肌の角質層を剥がさずに済みます。
そして、乾燥肌の人は、どうしても肌のかゆみが出ますよね。かゆいと掻いたり、こすったりしてしまいます。それも、我慢して擦らないようにしましょう。
肌への刺激はできるだけ避ける、とにかく擦らない。これが大切です。
栄養のバランスの取れた食事
栄養のバランスの取れた食事も、乾燥肌対策には大切なことです。全ての栄養素を万遍なく取ることが基本です。
特に、摂りたい栄養素は次のものです。
・たんぱく質
・脂質
・ビタミンA
・ビタミンB群
・ビタミンE
・ビタミンC
・亜鉛
特に、NMFを作って、肌の細胞の原料となるタンパク質をしっかり摂ること、細胞間脂質や皮脂膜を作る脂質を適量取ることは重要です。
脂質は、「肌が脂っぽくなる」といって、避ける人もいますが、肌の健康を保つためには大切なものなんです。脂質の中でも、青魚やサーモンなどに含まれるオメガ3脂肪酸やコーン油やごま油に含まれるオメガ6脂肪酸を摂ると良いでしょう。
そのほか、肌や粘膜を健康に保つビタミンA、肌のターンオーバーを正常に保つビタミンB群、血行を促進し、新陳代謝を高めるビタミンE、コラーゲンを生成するビタミンC、細胞分裂を促し肌の健康を維持する亜鉛もしっかり摂りましょう。
室内の加湿
乾燥肌対策のためには、室内の湿度にも気をつけましょう。冷房や暖房を使いすぎると、湿度が下がりますので、肌が乾燥してしまいます。
また、顔がほてるほど暖房の近くにいると、熱によって肌の水分が蒸発していきますので、暖房の使い過ぎや、暖房の近くにいるのも止めましょう。扇風機やエアコンの風が直接当たることでも、肌の乾燥が進みますので気をつけてください。
紫外線対策をする
肌にダメージを与えて乾燥させる紫外線への対策をすることも、乾燥肌対策には重要なことです。
出典:aie.ac.jp
紫外線対策は1年汁すべきですが、特に3月から9月までは紫外線の量が多いですから、日焼け止めクリームをつけて、帽子や日傘などでしっかりと紫外線対策をしましょうね。
日焼け止めクリームはSPFが高いレジャー用ものを選ぶよりも、普段使いできる日常用のものをこまめに塗り直す方が、紫外線対策の効果が高いですので、2~3時間おきにこまめに塗り直すようにしましょう。
運動をする
乾燥肌対策には、適度な運動も大切です。適度な運動をすると、新陳代謝が良くなりますので、肌のターンオーバーが促進されます。
忙しい人は、まずは顔のストレッチから始めてみるのも良いと思います。
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規則正しい生活を
乾燥肌の対策のためには、規則正しい生活をしましょう。質の高い睡眠を取って、1日3食しっかり食べて、早寝早起きをするようにすると、自律神経のバランスが整います。
自律神経のバランスが整えば、肌のターンオーバーを妨げる原因が1つなくなりますので、肌が乾燥しにくくなるのです。
自分なりのストレス解消法を見つける
自分なりのストレス解消法を見つけるのも良いでしょう。ストレスが溜まると、交感神経が優位になるので、乾燥肌になってしまいます。
ストレスを溜めないように、こまめにストレスを発散しておくと、乾燥肌が悪化せずに済むでしょう。ストレス解消方法は何でもOKですが、暴飲暴食やタバコなどは、肌を乾燥させることになりかねませんので、おすすめできません。健康的なストレス発散方法が良いですね。
長時間の入浴は避ける
乾燥肌の人は、長時間の入浴は避けましょう。浴室は湿度が高いから、長時間入浴すれば、肌の保湿につながるのではと思うかもしれません。
でも、長時間入浴していると、肌がふやけてしまって、大切なNMFやセラミドが流出してしまって、肌が乾燥することになりますから、乾燥肌の人は入浴は短時間で済ませるようにしましょう。
また、入浴後は水分が肌からドンドン蒸発していきますので、保湿クリームですぐに保湿するようにしてください。
それでもダメなら病院へ
今まで紹介した9つの対策を実践しても、乾燥肌が治らないなら、皮膚科を受診しましょう。あなたの乾燥肌は、病気によるものかもしれません。
皮膚科で専門的な治療をしたり、保湿効果の高いドクターズコスメを使えば、少しずつ乾燥肌が改善されると思います。
乾燥肌が気になる人は、美容皮膚科を受診したくなると思いますが、まずは病気の可能性があることを考えて一般皮膚科を受診しましょう。それで、特に大きな病気がなく、より美肌を目指したいなら、美容皮膚科を受診すると良いでしょう。
乾燥肌の原因と10個の対策についての総まとめ
「加齢」「食生活の偏り」「紫外線」「ストレス」「体質(アトピー素因)」「睡眠不足」「生活環境の変化」「間違ったスキンケア」「病気の可能性」
・乾燥肌の対策方法
「正しいスキンケアをする」「擦らず洗う」「バランスのとれた食事を食べる」「室内を加湿する」「外に出る時は紫外線対策」「運動を心がける」「規則正しい生活をおくる」「ストレス解消をする」「長時間の入浴を避ける」「皮膚科へ行く」
乾燥肌の9つの原因と10個の対策をまとめました。乾燥肌の人は、敏感肌になりやすく、肌荒れしやすいので、少しでも早く治したい、美肌になりたいと思うものですよね。
乾燥肌の10個の対策を実践すれば、美肌へ近づくことができるはずです。また、どうしても乾燥肌が治らないなら、皮膚科を早めに受診してくださいね。