ミネラルの1つであるカリウムは、高血圧の予防・改善に効果があるとされていますが、実はダイエットにも効果があるミネラルであることを知っていますか?
カリウムの基準値やダイエット効果、カリウムが多い食品をまとめました。スッキリ痩せたい人はぜひカリウムを多く摂ってダイエットをするようにしましょう!
カリウムの基準値
代表的なミネラルと言えるカリウムの基準値はどのくらいでしょうか?血液検査でのカリウムの基準値は、こちらです。
健康診断では、この数値を参考にすると、体内のカリウム量が正常か異常かがわかると思います。
では、カリウムの摂取量の基準値はどうでしょう?1日どのくらいのカリウムを摂ると良いのでしょうか?
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、成人男性は1日3000mg以上、成人女性は1日2600mg以上が目標値となっています。WHO(世界保健機関)は1日3510mg以上を摂取するように推奨しています。
でも、現代の日本人は1日2200mg程度塩か摂取していないので、現代人はカリウム不足になっています。カリウムの摂取量の基準値には、上限が設けられていませんので、積極的にカリウムを摂取するようにしましょう。
カリウムはたくさん摂取しても、不必要な分は尿と一緒に排泄されて、自然にカリウム濃度が調節されます。そのため、健康な人は、カリウムを食事から積極的に摂取しても、体内のカリウム濃度が高くなりすぎることはありません。
だから、積極的にカリウムを摂取していきましょう。
カリウムが少なすぎると
もし、カリウムの摂取量が少なすぎるとどうなるでしょう?食事から、カリウムをあまり摂取しないと、体内のカリウムが不足しますので、低カリウム血症になってしまいます。
低カリウム血症になると、次のような症状が現れます。
・中等度(2.5~3.0mEq/L)=消化器症状(嘔気や食欲不振)
骨格筋症状(脱力や筋力低下)
尿濃縮障害(多飲、多尿)
インスリン分泌障害
・重度(2.5mEq/L以下)=四肢麻痺、イレウス、呼吸筋麻痺
参考:低カリウム血症|松山赤十字病院腎センター
最終的には、筋肉からカリウムが溶け出して、逆に高カリウム血症になり、致死的不整脈を引き起こしたり、呼吸筋が麻痺して呼吸不全になることがあります。
このように、低カリウム血症は命に係わる病気を引き起こしますので、カリウムは日常的に食事から摂取しなければいけません
カリウムの2つのダイエット効果
日本人はカリウム不足になっているので、カリウムは積極的に摂取しなければいけません。しかも、カリウムにはダイエット効果があるので、ダイエットをしたい女性はカリウムをドンドン摂取していきましょう。
カリウムには、具体的にどのようなダイエット効果があるのかを説明していきます。
むくみを予防できる
カリウムはむくみ予防効果があります。カリウムは利尿作用を持ったミネラルなんです。
塩辛いものを食べると、のどが渇きますよね。そして、翌朝は顔や足がパンパンにむくんでいることがあると思います。これは、ナトリウムのせいです。
塩辛いものには、ナトリウムがたくさん含まれていますよね。ナトリウムは体内に水を溜めこむ性質があるんです。
たくさんナトリウムを摂取すると、脳は体内のナトリウム濃度を一定に保とうとします。この時、ナトリウムを排出することで、ナトリウム濃度を保とうとするのではなく、体内の水を増やすことで、ナトリウム濃度を保とうとするのです。
だから、塩辛いものを食べると、脳が「もっと水を増やさなくては!」と思って、水を飲むように指令を出すので、のどが渇くんですね。
ナトリウム濃度を保つために水を飲むと、体内の水が増えます。しかも、それを尿として排出すると、ナトリウム濃度が上がってしまいますので、体内に水分を蓄えたままになります。
そうすると、血管内は水分でパンパンになり、その水分が少しずつ血管外に染み出すようになって、血管外の細胞と細胞の間に水分が溜まるようになります。これがむくみの原因です。
カリウムは、ナトリウムを排出する作用があります。ナトリウムは尿と一緒に排出されることになるので、カリウムを摂取すると、余分なナトリウムと水分を尿として排出することができます。
余分な水分が体内からなくなれば、むくみも解消しますよね。むくみがなくなれば、小顔になりますし、脚もすっきり細くなることができますので、ダイエットになるんです。
すっきり小顔&ほっそり美脚になりたい人は、カリウムを積極的に摂取すると良いんですよ!
デトックスできる
カリウムのダイエット効果の2つ目は、デトックスできることです。カリウムにはナトリウムと水分を排出する利尿効果があることはお話しました。
利尿効果によって、尿として排出するのはナトリウムと水分だけではありません。老廃物も排出することができます。
体内には、たくさんの老廃物、つまり体のごみが溜まっています。尿量を増やして、どんどん尿を出すと、尿と一緒に老廃物を排出できるのです。
体の老廃物を排出すれば、全身の細胞の機能がアップします。ごみがなくなれば、元気になりますよね。そうすると、細胞が活発に活動しますので、基礎代謝が上がって、痩せやすい体質になるのです。
また、あのしつこいセルライトは、老廃物が原因の1つとされているので、老廃物をドンドン出して、デトックスをすると、セルライトも少しずつ解消していく可能性があります。
基礎代謝が上がって痩せ体質になれば、ダイエットの効率が上がりますよね。また、セルライトが減れば、すっきりきれいなボディラインになります。
カリウムはダイエットをする女性の強い味方であり、ダイエットをするなら、絶対に摂取したいミネラルなのです。
カリウムが多い食品
日本人はカリウムが不足しています。また、カリウムはダイエットの強い味方ですので、カリウムはドンドン摂取しましょう。
カリウムを効率よく摂取するためには、カリウムが多い食品を知って、それらの食品を積極的に摂るようにしましょう。
カリウムが多い食品ベスト10をご紹介します。カリウム含有量は100gあたりのものです。
第2位 乾燥ワカメ=5200mg
第3位 とろろ昆布=4800mg
第4位 ひじき=4400mg
第5位 ベーキングパウダー=3900mg
第6位 インスタントコーヒー=3600mg
第7位 あおさ(乾燥)=3200mg
第8位 切り干し大根=3200mg
第9位 とうがらし=2800mg
第10位 味付け海苔=2700mg
これらは、カリウム含有量は多いものの、ほとんどが乾燥食品になりますので、これを100g食べるのは、なかなか厳しいものがあります。
では、次に乾燥していない食品のカリウム含有量ベスト10をご紹介します。
第2位 豆みそ=930mg
第3位 よもぎ=890mg
第4位 昆布の佃煮=770mg
第5位 アボカド=720mg
第6位 ひきわり納豆=700mg
第7位 ほうれん草=690mg
第8位 ゆりね=690mg
第9位 ザーサイ=680mg
第10位 納豆=660mg
この中でも、100gも食べられないなぁというものが多いですよね。100gという量でも、比較的食べやすいものの中から、カリウム含有量が多い食品ベスト10を最後にご紹介したいと思います。
第2位 ひきわり納豆=700mg
第3位 ほうれん草=690mg
第4位 納豆=660mg
第5位 里芋=560mg
第6位 かぼちゃ=480mg
第7位 鯛=470mg
第8位 たけのこ=470mg
第9位 鶏のささみ=400mg
第10位 バナナ=360mg
こう見ると、カリウムを多く含む食品の中で最強とも言えるものは、アボカドなのかもしれません。そのほか、日常的に食べるものも中にも、カリウムは多く含まれています。
野菜や果物は全般的にカリウムが多いですので、いつもの食事に、野菜や果物を多めにすると、自然にカリウムを摂取することができると思います。
腎疾患のある人は要注意!
健康な人なら、カリウムの上限は気にする必要がありません。もし、摂り過ぎた場合でも、体が自然に調節してくれて、余分なカリウムは尿と一緒に排出されるからです。
ただ、心疾患や腎疾患のある人は注意が必要です。特に、医師からカリウム制限の指示を受けている人は、医師の指示を守るようにしてください。
腎疾患がある人は、腎機能が低下しています。そうすると、体内のカリウムが多くなっても、カリウムを思うように尿として排出することができず、体内に溜まりやすくなってしまうのです。
カリウムが体内に増えると、致死的不整脈を起こして、死に至るリスクがありますので、腎疾患がある人はカリウムの摂り過ぎには注意しなければいけないのです。
カリウムの基準値とダイエット効果・多い食品についての総まとめ
・カリウムが少なすぎる「致死的な不整脈」「呼吸筋がマヒする可能性がある」
・カリウムのダイエット効果「むくみを予防」「デトックス効果」
・カリウムが多い食品「乾燥昆布とパセリ」「アボカド」
・カリウムダイエットの注意点「腎疾患がある人は要注意」
カリウムの基準値は1日摂取量の目標値、ダイエット効果、カリウムが多い食品、注意点をまとめました。
カリウムはむくみ予防効果やデトックス効果がありますので、ダイエットの強い味方になるミネラルです。ダイエットをしたい女性は、カリウムが多い食品を積極的に食べて、スッキリ小顔&ほっそり美脚になりましょう!
カリウムには高血圧予防もありますので、お父さん&お母さんと一緒にカリウムを摂取すると良いですよ!ただ、腎疾患がある人はカリウム摂取量は医師の指示に従ってくださいね。