毎日朝からパチンコに行っている、経済的に厳しいのにパチンコをせずにはいられないという人は、パチンコ依存症かもしれません。
パチンコ依存症は、あなたの大切なものをすべて失ってしまう可能性がある病気です。パチンコ依存症の特徴や原因、克服法・治療法をまとめました。治らない時の末路はどうなるかも一緒に考えていきましょう。
この記事の目次
パチンコ依存症とは?
パチンコ依存症とは、パチンコを止められなくなって、日常生活に支障が出ている状態のことです。パチンコをすることを何よりも優先し、パチンコを止めたくても止められないのです。
パチンコ依存症は精神疾患の1つです。パチンコを止めたいと思っていても、自分の意志だけでは止めることができません。
そのため、「無類のパチンコ好き」や「意志が弱い」とは違います。家族や仕事など大切なものを後回しにしてでも、パチンコをやり続けてしまうのがパチンコ依存症なのです。
パチンコ依存症はギャンブル依存症の1つです。日本ではカジノは合法ではありませんが、パチンコは合法ギャンブルとして認められていて、いつでも気軽にパチンコをすることができるので、日本人はパチンコ依存症になりやすいのです。
パチンコ依存症の6つの特徴
パチンコ依存症とはどんな特徴があるのか、具体的に説明していきます。
パチンコしたいと強く思う
パチンコ依存症の人は、パチンコをしていない時に「パチンコがしたい」、「今すぐパチンコをしたい」と強く思います。
「パチンコがしたくてしたくて、たまらない」と思うので、24時間いつでもパチンコのことを考えている状態になります。
パチンコをすることをコントロールできない
パチンコ依存症の人は、パチンコをすることをコントロールできません。たとえば、今日は17時になったら終わりにして帰宅しようと決めてパチンコを始めても、17時になっても止めることができず、結局閉店までパチンコを続けてしまうのです。
また、同じように「今日の予算は5千円。それ以上は使わない。5千円なくなったら帰る。」と決めていたとします。5千円使い切って、その日は負けてしまったとしても、「あと5千円使えば、勝てるはず。すった5千円を取り返せる!」と考えて、パチンコを続けてしまうのです。
そして、気が付くと財布の中の現金全部を使っている、さらに近くのATMでお金をおろしてきて、またパチンコを始めてしまいます。
パチンコをしないと離脱症状が出る
パチンコ依存症の人は、パチンコをしないと、またはパチンコができないと思うと離脱症状が現れます。
パチンコ依存症の離脱症状は、不眠や幻覚、イライラ感、情緒不安定、抑うつ状態、手足の震え、発汗、集中力の低下などです。
パチンコをしないだけで、「パチンコがしたい」、「パチンコがしたい」という思いが頭の中を支配して、このような症状が現れるのです。
パチンコに使うお金がドンドン増える
パチンコ依存症の人は、パチンコに使うお金がどんどん増えていきます。最初は1000円だけだったのに、3000円、5000円、1万円と徐々に増えていくのです。
パチンコ依存症の人は、パチンコでの興奮や快楽、スリル、ドキドキ感を求めています。この興奮や快楽、スリル、ドキドキ感は耐性がありますので、使うお金を増やしていかないと、少しずつ物足りなさを感じるようになるのです。
パチンコのこと以外、興味がなくなる
パチンコ依存症の人は、パチンコのこと以外考えられなくなります。とにかく24時間、パチンコのことを考えていますので、パチンコ以外のことに興味を持てなくなるのです。
そのため、仕事や勉強などに身が入らなくなりますし、家族や友人のことも後回しになり、生活の中でパチンコが最優先事項になるのです。
パチンコのために借金をする
パチンコ依存症になると、暇さえあればパチンコをする、忙しくてもパチンコをするという状態になりますので、パチンコをするための資金の確保が難しくなります。
パチンコをするためのお金が無くなったら、どうするのか。借金をするのです。家族や友人から借金をすることもありますし、消費者金融や闇金のようなところから借金をしてでも、パチンコを続けます。
借金をしたのは良いものの、返す当てはなく、パチンコを続けるために、さらにお金が必要になりますので、パチンコ依存症の人は借金が雪だるま式に増えていくのです。
パチンコ依存症の原因は?
パチンコ依存症の原因は、次の4つがあります。
・ストレス
・パチンコの演出
・遺伝的な要因
・家庭環境
これらの4つが複雑に絡み合って、パチンコ依存症になってしまうのです。
ストレス
パチンコ依存症の原因の1つ目は、ストレスです。パチンコをしていると、そのストレスを忘れることができるので、またパチンコをしてしまうのです。そして、それを繰り返すことで、パチンコ依存症になっていきます。
また、パチンコは負けることでストレスを感じますね。パチンコで負けてしまったから、ストレスを感じる。そのストレスを忘れるために、パチンコをする。でも、また負けてしまう。さらにストレスを感じて、パチンコをする。という悪循環に陥ることもあります。
なぜ、パチンコをしているをストレスを忘れることができるのか。それは、パチンコをしている時は、脳からβ-エンドルフィンやドーパミンなどの神経伝達物質が大量に分泌されるからです。
このβ-エンドルフィンやドーパミンは脳内麻薬とも呼ばれている物質です。
パチンコ依存者の脳内では、内因性の脳内麻薬が分泌されているとされているとされ、パチンコ依存者の「パチンコをしている間は空腹や疲労を感じない」との証言から、覚醒剤がもたらす効果に非常によく似ているされている。
パチンコをしていると、脳内麻薬が大量に分泌され、覚せい剤を使用しているような効果があるため、ストレスを忘れることができ、さらに中毒性があるのです。
パチンコの演出
パチンコの演出も、パチンコ依存症になる1つの原因とされています。パチンコのフィーバーは、CGや効果音、LEDによるライトなどで派手に演出されています。このフィーバーのど派手な演出は、パチンコ特有のものですね。
ド派手な演出は、先ほど説明した脳内麻薬の分泌を促進しますので、フィーバーすると快感が得られます。そうすると、「またあの快感を味わいたい」と思って、パチンコをせずにはいられなくなり、パチンコ依存症の悪化させていくのです。
遺伝的な要因
パチンコ依存症の原因は、遺伝的な要因も関係しているとされています。
Slutske WSらはギャンブル依存症のリスクに関して双生児研究を行い、リスクの分散の49.2%が遺伝的影響で説明され、ここに男女差がないことを示し、また、共有環境(ほぼ家庭環境)の影響は0%と見積もられることも示した。
つまり、パチンコ依存症やギャンブル依存症の人が血縁にいると、パチンコ依存症になるリスクが高くなるということです。
家庭環境
家庭環境もパチンコ依存症の発症原因に関係しています。例えば、幼少期の頃から、親に連れられてパチンコ店に出入りしていた場合、パチンコはとても身近なものという認識で成長していきますので、大人になってからもパチンコをする可能性が高くなります。
また、親がパチンコでストレス発散をしていると、「ストレス発散方法=パチンコ」という方程式が頭の中に出来上がりますので、自分もストレスを感じるとパチンコをすれば、ストレスを発散できると思い込んでしまいます。
そのため、家庭環境によって、パチンコ依存症になりやすい、なりにくいという差ができるのです。
パチンコ依存症が治らない時の末路
パチンコ依存症になってしまい、きちんとした治療をせずにいた時はどうなるのでしょう?パチンコ依存症が治らない時の末路を見ていきましょう。
■第一段階
・パチンコをしたいと強く考えるようになる
・24時間パチンコのことを考えている
■第二段階
・有り金全てをパチンコにつぎ込むようになる
・仕事に身が入らなくなり、仕事でのミスが増える
■第三段階
・パチンコをするためのお金を家族や友人から借りる
・消費者金融や闇金から借金する
・家族に「パチンコはもうしない」と言いつつ、嘘をついてパチンコをする
・会社をクビになる
■第四段階
・嘘をついたことで家族や友人からの信頼を失う
・家族から見捨てられる
・借金が雪だるま式に膨れ上がり、どうしようもなくなる
これが、パチンコ依存症が治らない時の末路です。パチンコ依存症が治らない時の末路は、家族も友人も失い、財産も仕事も失い、借金だけが残るのです。
パチンコ依存症の克服法や治療法
パチンコ依存症を克服するための治療法をご紹介します。
パチンコ依存症であることを認識する
パチンコ依存症を克服するための第一歩は、パチンコ依存症であることを認識することです。パチンコ依存症だけではなく、そのほかの依存症全体に言えることなのですが、パチンコ依存症の人は自分がパチンコ依存症であることを認めようとしません。
「パチンコ依存症じゃないの?」と家族や友人から指摘されても、「そんなはずはない」、「自分は大丈夫だ」、「依存症なんておおげさだ」と否認するのです。
パチンコ依存症を克服するためには、自分がパチンコ依存症だと認識しないといけません。パチンコ依存症だと認識しないと、自ら積極的に治療を受けようとしませんから。
そのため、パチンコ依存症を克服するための第一歩は、自分がパチンコ依存症であることを認識することなのです。
専門の医療機関を受診する
パチンコ依存症は、精神疾患の1つです。そのため、医療機関で専門的な治療を受ける必要があります。
医療機関での治療は、次のようなものがあります。
・認知行動療法
・条件反射制御法
・内観療法
この中でも最も有効な治療法とされているのが、認知行動療法です。認知行動療法は、物の考え方や捉え方の歪みを修正して、適切な行動がとれるようにする精神療法です。
パチンコ依存症は生活の中のパチンコの位置づけ、借金に対する考え方が歪んでいますので、「パチンコをしないとどうなるのか」、「なぜパチンコをいなければいけないのか」などを治療者(精神科医や臨床心理士)と見直します。
また、ギャンブルの仕組み、パチンコ屋がなぜ儲かるのか、パチンコの負ける仕組みなどを学ぶことで、パチンコへの考え方の歪みが修正されていくんです。
条件反射制御法は「パチンコがしたくなる」という欲求を抑えるための治療法で、内観療法は自分の内面を見つめ直すことで、社会生活の改善につなげていく心理療法になります。
依存症の治療を専門的に行っている医療機関は少ないので、近所の精神科医を受診して、そこで依存症の専門医療機関を紹介してもらうと良いでしょう。
ストレスの原因を取り除く
パチンコ依存症の人は、最初はストレス解消のためにパチンコを始めて、徐々にのめりこんでいったという人が多いと思います。
そのため、最初のきっかけとなったストレスをできるだけ取り除くようにしましょう。もし、仕事のストレスなら、転職を考えたり、少しお休みするのも良いと思います。パチンコ依存症になって、クビになるよりは良いでしょうから。
ストレスがなくなれば、「パチンコをしてストレスを忘れる」という理由付けがなくなりますので、パチンコ依存症を克服しやすくなります。
自助グループに参加する
アルコール依存症の克服では、自助グループが大きな役割を果たしているように、パチンコ依存症も自助グループに参加することで、克服しやすくなりますし、再発を予防することができます。
パチンコ依存症はギャンブル依存症の1つなので、ギャンブル依存症の自助グループに参加しましょう。
日本でのギャンブル依存症の自助グループは、GA(ギャンブラーズ・アノニマス)があります。全国各地で定期的にミーティングが行われていますので、パチンコ依存症を克服したい人は、参加してみましょう。
また、ギャンブル依存症の家族のための自助グループもあります。家族のための自助グループは「ギャノマン」です。
同じような境遇の人と話し合い、自分の体験を語り、他の人の体験を聞くことで、パチンコ依存症を克服しようという強い意志を持ち続けることができるのです。
パチンコ依存症の特徴と原因・克服方法と治療法についてのまとめ
「パチンコをしたい欲求が強い」「パチンコをすることを制限できない」「パチンコをしないと離脱症状が出る」「パチンコに使うお金がどんどん増える」「パチンコ以外に興味を持たなくなる」「パチンコのために借金をしてしまう」
・パチンコ依存症の原因
「ストレス」「パチンコの演出による快感が味わえるから」「遺伝的な要因」「家庭環境」
・パチンコ依存症が治らない人の末路
「24時間パチンコのことを考えるようになる」「仕事をやめ借金が増える」「家族や友人からの信頼も失い借金だけが残ってしまう」
・パチンコ依存症の治療方法
「自分がパチンコ依存症であることを認識させる」「専門の医療機関で治療を受ける」「ストレスの原因を取り除く」「自助グループに参加する」
パチンコ依存症の特徴と原因、克服法や治療法をまとめました。パチンコ依存症は精神疾患の1つですが、パチンコ依存症が治らない時の末路は、悲惨そのものです。
家族や仕事、財産をすべて失うことになり、借金だけが残ってしまうのです。そのようなことにならないためにも、パチンコ依存症を克服するようにしましょう。
パチンコ依存症を克服するためには、まずは自分がパチンコ依存症であることを認識することが大切です。