あなたは携帯電話やスマホに依存していませんか?携帯電話やスマホがいつも手元にないと落ち着かない、暇があれば携帯やスマホを触っているという人は、スマホ依存症(携帯依存症)かもしれません
スマホ依存症(携帯依存症)とは?
スマホ依存症(携帯依存症)とは、スマホや携帯電話に精神的に依存していて、常にスマホを触っていないと落ち着かない、暇があればスマホを操作しているという状態です。スマホ依存症は、スマホに依存することで、日常生活に支障が出ているという特徴があります。
1990年代から携帯電話が急速に普及し、2010年ごろからスマホが一気に普及しました。スマホを持っていないという若者はごく少数派であり、ほとんどの若者がスマホを持っている時代です。
この携帯電話とスマホの普及によって、スマホ依存症(携帯依存症)の患者数が急速に増加しているのです。
MMD研究所の調査によると、スマホ利用者の中で、スマホににかなり依存している人、やや依存している人の合計は71.4%となっています。
特に、10代から30代の若い世代はスマホに依存している人の割合が高いことがわかっています。スマホ利用者の7割以上がスマホに依存していることを自覚しているんです。
スマホ依存症になると、ただ長時間スマホを触っている、スマホを常に手放さないという症状が出るだけではありません。
スマホ依存症は日常生活にも支障をきたし、心身に悪影響が出てくるのです。
スマホ依存症(携帯依存症)の8つの症状
スマホ依存症(携帯依存症)になると、様々な症状が出てきます。スマホ依存症の症状を8つご紹介します。
精神的な依存
スマホ依存症の1つ目の症状は、精神的な依存です。スマホ依存症になると、スマホに精神的に依存してしまいますので、日常生活がおろそかになることがあります。
・スマホが手元にないと落ち着かない
・スマホを操作できない状況にイライラしてしまう
・大切な会議中、上司からの説教中でもスマホの画面をチラっと見てしまう
・外出時にスマホを忘れたことに気づくと、予定を変更してすぐに帰宅する
・外出時に充電が切れると、ソワソワしてしまう
・トイレやお風呂にまでスマホを持ち込んでSNSをチェックする
・スマホを触っていると、嫌なことを忘れられる
・少しだけと思っていたのに、スマホを触っているといつの間にか時間が過ぎている
・止めなくちゃと思っても、スマホを触るのを止められない
・寝る時までスマホを手放すことができない
・少しでも時間が空くと、「とりあえずスマホ」になる
・仕事や勉強よりもスマホが優先
・友達や家族と時間を過ごすよりも、スマホで遊んでいたい
スマホ依存症になると、スマホがないとイライラするなど情緒不安定になってしまうんです。また、スマホを操作する時間をコントロールできなくなり、仕事や勉強に身が入らなくなったり、睡眠時間を削ってでもスマホを操作していたいと思うようになります。
また、人付き合いよりもスマホを優先するので、友人と疎遠になったり、家族をないがしろにしたりするのです。
睡眠障害
スマホ依存症になると、睡眠障害を引き起こします。スマホ依存症はスマホを止めることができず、睡眠時間を削ってでもスマホを触るようになりますので、睡眠不足になります。
また、スマホの画面からはブルーライトという光が出ています。ブルーライトとは可視光線の中で波長が最も短く、強いエネルギーを持った光のことで、網膜まで到達するという特徴を持っています。
網膜まで到達するため、ブルーライトは体内時計を狂わせてしまうのです。
網膜が強いブルーライトの刺激を受けると、脳は「朝だ」と判断し、メラトニンという睡眠を司るホルモンの分泌が抑制され覚醒し、ブルーライトの量が減少すると「夜だ」と判断して、メラトニンの分泌が活発になります。
スマホ依存症になると、ベッドにまでスマホを持ち込んで寝る直前までスマホの画面を見続けていますので、ベッドに入っているのに、脳は「朝だ」と思ってしまい、なかなか深い眠りにつくことができません。
スマホ依存症の人は寝つきが悪かったり、眠りが浅く、途中で起きてしまうなど睡眠障害になってしまうのです。
肩こりや首のコリ
スマホ依存症の人は、スマホを触っていて常に同じ姿勢を取っていますので、肩や首の筋肉を動かすことがほとんどなく、血行が悪くなって、肩や首の筋肉がこり固まってしまいます。
肩こりや首のコリが起こると、頭痛や吐き気が起こってくることもあります。
ストレートネック
スマホ依存症の人は、ストレートネックになってしまいます。本来、首の骨は緩やかなカーブを描いています。
ところが、スマホをずっと操作していると、顎を引いて、やや下を向いている状態が続きます。ずっとうつむいた姿勢を続けていると、首の骨のカーブがなくなり、真っ直ぐになってしまうんです。
この状態がストレートネックです。ストレートネックになると、首の筋肉に過度の負担がかかりますし、首の神経を圧迫するので、様々な症状が起こります。
・肩のコリ
・頭痛
・首の痛み
・頚椎症や椎間板症
・めまいやふらつき
・寝違えをしやすい
・胸やけや吐き気
・自律神経失調症
・手の痺れ
ストレートネックは首や頭の症状だけでなく、消化器症状や手の痺れなども引き起こすのです。
小指の変形
スマホ依存症になると、小指が変形してしまうこともあります。スマホを持っている時、小指はどこに置いていますか?小指でスマホを支えていませんか?
小指でスマホを支えるような持ち方を長時間していると、小指に負担がかかりすぎて、小指が変形したり、痛みが出たり、しびれるようになったりするのです。
スマホ老眼
スマホ依存症の人は、目にも悪影響が出るようになります。最近問題になっているのが、スマホ老眼です。老眼は加齢による目のピント機能の低下が原因のものですが、スマホを使いすぎていると、若者でも老眼のような症状が現れることがあるのです。
スマホの画面は小さいですよね。小さな画面で小さな文字を見続けていると、目の周囲の筋肉がこり固まって、ピントを合わせる機能が低下するのです。
「スマホ老眼」は、近距離のスマホを見続けることで眼の筋肉が緊張する状態が続き、老眼と同様にピント調節が利かなくなる状態をいいます。ほとんどが一時的なものですが、繰り返すうちに重篤化するケースも考えられ、注意が促されています。
また、スマホ依存症の人の目への影響は、スマホ老眼だけではありません。睡眠障害のところでも説明しましたが、スマホの画面からはブルーライトという強いエネルギーの光が発せられています。
強い光を浴びていると、目は疲れますので、眼精疲労が起こりやすくなります。また、瞬きをせずに集中して画面を見てると、ドライアイになるリスクもありますね。
うつ病
スマホ依存症になると、うつ病になることもあります。
「うつ病」はスマホ依存の原因になります。
逆に、スマホ依存は「うつ病」を悪化させます。
スマホ依存症の人が必ずうつ病になるというわけではありませんが、スマホ画面から出ているブルーライトは体内リズムを乱しますので、自律神経のバランスが乱れやすくなります。
また、ストレートネックになることでも、自律神経失調症になりやすいんです。自律神経のバランスが乱れてしまうと、抑うつ症状などが現れ、そこからうつ病になるリスクは十分にあります。
スマホ依存症(携帯依存症)の対策や治し方
スマホ依存症や携帯依存症の人は、どうすれば依存症を克服できるのか、対策や治し方を説明していきます。
スマホを使わない時間を作る
スマホ依存症の人は、スマホを使わない時間を作りましょう。スマホ依存症を克服するためには、スマホを使わないのが一番良いのですが、現代社会で生活する上で、スマホを使わないと、逆の意味で日常生活に支障が生じます。
そのため、「今日は20~22時はスマホを使わない」とか「通勤時間の時は、スマホを絶対に触らない」というように、スマホを使わない時間を決めてしまいましょう。
その生活を続ければ、少しずつスマホへの依存が少なくなり、スマホ依存症を克服することができるでしょう。
警告アプリを使う
スマホ依存症を克服するための対策の2つ目は、警告アプリを使うことです。スマホ依存症を克服するために、スマホアプリを使うのは、本末転倒のような気もしますが、少しずつできることから依存症対策を始めていく必要があります。
警告アプリとは、設定した時間はスマホアプリを一切使えなくするアプリです。強制的にスマホを使えなくすることで、スマホ依存症を克服するための一歩を踏み出せるはずです。
<警告アプリ>
・スマホ禁止タイマー〜スマホ依存やゲームのやり過ぎの方向け – Google Play の Android アプリ
・アプリストッパー – Google Play の Android アプリ
通知機能はオフにしておく
スマホ依存症の人は、通知機能はオフにしておきましょう。通知機能をオンにしておくと、メールやLINE、Facebookなどを四六時中チェックしたくなりますが、オフにして画面を下に向けておいておけば、「SNSをチェックしなければ」と思わなくなります。
もちろん、最初は「LINEが来ていたら、どうしよう?」、「メール、来ているかな?」と気になると思いますが、そこをぐっと我慢すれば、そのうち気にならなくなるはずです。
寝室にスマホを持ち込まない
スマホ依存症の人は、心室にスマホを持ち込まないようにしましょう。寝る時は、リビングに置いて寝るようにしてください。
寝室にスマホを持ち込んでしまうと、ベットの中でもスマホを使ってしまいます。そして、睡眠時間を削ってでも、スマホを使い続けてしまうのです。
ですから、寝室にはスマホは持ち込まないようにしてください。スマホをアラーム代わりに使っている人は、目覚まし時計を買うようにしましょう。
また、ワンルームに住んでいる人は、ベッドから遠いところ、玄関やキッチンにスマホを置いておくと良いでしょう。
予備バッテリーは捨てる
あなたは、予備バッテリーを持ち歩いていませんか?予備バッテリーがあると、いつでも充電できるので、外出時でも電池切れを気にせずに、どんどんスマホを使うことができます。
でも、予備バッテリーを持ち歩かなければ、「充電が切れたら大変!」と思って、スマホを使う頻度が減るんです。
予備バッテリーを持っている人は、今すぐ予備バッテリーは捨てるか、友達にあげちゃいましょう。
周囲の人にスマホ依存症を克服すると宣言する
スマホ依存症の人は、周囲の人に「スマホ依存症を克服します!」と宣言しましょう。宣言することで、自分の中で「絶対に克服しなければいけない」という使命感が生まれます。
誰にも秘密でスマホ依存症を治そうとした場合、もし失敗しても誰もあなたを非難しないので、「スマホを使いたい」と思った時に、我慢することができず、スマホ依存症を克服できないのです。
周囲の人に「克服します!」と宣言すれば、「何が何でも克服しなければ!」と思えるはずです。
また、家族や職場の人、友人、恋人に宣言しておくと、メールやLINEの返信が遅くなった時も、責められずに済みますよ。
スマホ以外の趣味を見つける
スマホ以外の趣味を見つけることも、スマホ依存症対策には有効です。スマホ依存症の人は、スマホを手放せないですが、スマホよりも楽しいことを見つければ、スマホに依存せずに済むはずです。
スマホ依存症に悩んでいる人は、色々なことにチャレンジしてみて下さい。なんでもOKです。インドアやアウトドアなど自分に合う趣味を探してみましょう。
医療機関を受診する
今までご紹介した7つの対策をやってみても、スマホ依存症から脱することができない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
自分で努力してもスマホ依存症を克服できないのなら、専門の医療機関の助けを借りないといけません。依存症の治療を行っている精神科を受診してください。
スマホ依存症の治療は、主に認知行動療法などの精神療法を行います。認知行動療法は物事の考え方や捉え方の歪みを修正して、適切な行動を取れるようにする精神療法です。
認知行動療法は「なぜスマホがないと落ち着かないのか」、「常にスマホを持っていないとダメなのか」などスマホに対する考え方を修正して、依存症を克服していきます。
スマホ依存症の症状・対策と治し方についてのまとめ
・スマホ依存症の症状
「スマホが手元にない操作できないとイライラする精神的な依存」「ブルーライトによる睡眠障害」「首や肩のコリ」「ストレートネック」「小指が変形する」「若者でも老眼のような症状があらわれる」「うつ病になりやすくなる」
・スマホ依存症の治し方
「スマホを使わない時間を作る」「使いすぎを知らせる警告アプリを使う」「通知機能はオフにしておく」「寝室にスマホを持ち込まない」「予備バッテリーは捨てる」「周囲の人たちにスマホ依存症を克服すると宣言する」「スマホ以外の趣味を見つけることも大切」「医療機関へ相談する」
スマホ依存症(携帯依存症)の症状、対策や治し方をまとめました。スマホ依存症は若い世代に多い依存症ですが、最近はスマホを持つ中高年も増えていますので、中高年も注意しなければいけません。
スマホ依存症になると、「スマホを手放せない」という依存的な症状だけでなく、ストレートネックやうつ病などの症状が現れますので、早めに治して克服するようにしましょう。