葉酸の取りすぎに4の副作用!妊娠前・妊娠初期に摂取する効果も総まとめ

妊娠が判明したら、葉酸を積極的に摂らなくてはいけない。これは、妊娠を希望する女性なら、皆さん知っていることだと思います。でも、葉酸は妊娠がわかってから飲むよりも、妊娠を希望しているなら妊娠前から摂取すべきなんですよ!

 

葉酸の効果や妊娠前から摂取すべき理由、1日の推奨量と上限、取りすぎの副作用などをまとめました。妊娠中の女性だけでなく、妊娠を希望する女性・将来子どもを産みたい女性も必見です!

葉酸の効果は?いつから摂取するべき?

葉酸とは、水溶性ビタミンでビタミンB群の1種です。「葉酸」という名前ですが、ビタミンBの1つなんです。

 

厚生労働省は、妊娠前・妊娠初期の女性に対して、葉酸を十分な量を摂るように呼びかけています。

 

 

葉酸の効果は胎児の神経管閉鎖障害の予防

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妊娠前・妊娠初期の女性が葉酸を摂ることで、胎児の神経管閉鎖障害という障害を予防することができます。もちろん、葉酸をしっかり取っていれば、完全に100%予防することができるというわけではありません。

 

それでも、葉酸を十分に摂取していれば、神経管閉鎖障害を50~70%も予防できるとされています。

 

葉酸はタンパク質やDNAの合成にかかわるビタミンです。そして、妊娠初期の胎児は細胞分裂が盛んにおこなわれているので、葉酸が不足すると、発育異常・奇形が起こりやすいのです。

 

神経管閉鎖障害が神経管の下部で起こると二分脊椎症を発症し、神経管の上部で起こると無脳症を発症します。

 

二分脊椎症は、本来脊椎の中にあるべき脊髄が外に出て癒着・損傷していることで起こる障害です。無脳症は脳の形成不全が起こるため、流産や死産になるケースが非常に多く、出産に至ったとしても、すぐに亡くなってしまう障害です。

 

赤ちゃんの命に係わる重大な障害を予防するために、妊娠前・妊娠初期の女性は、葉酸を十分に摂取すべきなのです。

 

 

葉酸は妊娠前から摂取しておくべき

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「妊娠がわかったら、すぐに葉酸のサプリメントを飲もう!」と思っている女性は多いと思いますが、葉酸は妊娠前から摂取しておかなくてはいけません。妊娠前から摂取しておいた方が、神経管閉鎖障害の予防効果は高くなるのです。

 

なぜなら、妊娠が判明してからでは遅いケースもあるからです。

 

神経管閉鎖障害とは、脳や脊髄などの中枢神経系のもと(神経管)が作られる妊娠の4~5週ごろにおこる先天異常です。

 

引用:Q&A 国立保健医療科学院

 

神経管閉鎖障害は妊娠4~5週ごろに起こる先天異常です。では、一般的に妊娠が判明するのはいつごろでしょうか?

 

一般的には、妊娠5~6週にならないと、妊娠したとはわかりません。生理予定日過ぎた時点で、もう妊娠4週目に入っています。

 

早期妊娠検査薬を使っても、生理予定日ごろ=妊娠4週に入った時点でしか妊娠が判明しません。ということは、妊娠がわかってから葉酸を飲んでも、すでに神経管閉鎖障害が起こっている可能性があるのです。

 

だから、妊娠を望む女性、妊娠を希望する女性は、妊娠前から葉酸を十分に摂取しておくべきなのです。葉酸を摂取したからといって、100%神経管閉鎖障害を予防できるわけではありません。

 

でも、あなたの赤ちゃんのリスクを減らすためにも、将来取り返しのつかない後悔をしないためにも、妊娠を望むなら葉酸はしっかり摂取しておく必要があるのです。

 

 

葉酸の1日摂取推奨量と耐容上限量

妊娠前から葉酸は十分に取っておくべきですが、どのくらい摂取しておけば良いのでしょうか?厚生労働省が提唱する葉酸の1日摂取量と耐容上限量を確認しておきましょう。

 

性別

男性

女性

年齢

推定平均必要量

推奨量

目安量

耐容上限量

推定平均必要量

推奨量

目安量

耐容上限量

0~5ヶ月

 

 

40

 

 

 

40

 

6~11ヶ月

 

 

60

 

 

 

60

 

1~2歳

70

90

 

200

70

90

 

200

3~5歳

80

100

 

300

80

100

 

300

6~7歳

100

130

 

400

100

130

 

400

8~9歳

120

150

 

500

120

150

 

500

10~11歳

150

180

 

700

150

180

 

700

12~14歳

190

230

 

900

190

230

 

900

15~17歳

210

250

 

900

210

250

 

900

18~29歳

200

240

 

900

200

240

 

900

30~49歳

200

240

 

1000

200

240

 

1000

50~69歳

200

240

 

1000

200

240

 

1000

70歳以上

200

240

 

900

200

240

 

900

妊婦(付加量)

 

 

 

 

+200

+240

 

 

授乳婦(付加量)

 

 

 

 

+80

+100

 

 

出典:日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要 厚生労働省

 

さらに、厚生労働省は妊娠を希望する人に対して、次のように呼び掛けています。

 

 

妊娠を計画している女性、または、妊娠の可能性がある女性は、神経管閉鎖障害のリスクの 低減のために、付加的に 400µg/日のプテロイルモノグルタミン酸の摂取が望まれる。

 

引用:日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要

 

プテロイルモノグルタミン酸とは、サプリメントの葉酸のことです。つまり、妊娠前には240μgを食事から摂って、さらに400μg、つまり640μgの葉酸を摂取すべきであり、妊娠中は480μgの葉酸を摂取すべきなのです。

 

そして、上限量は900~1000μgということになりますね。

 

 

葉酸を多く含む食品

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では、次に葉酸を多く含む食品を見ていきましょう。100gあたりの葉酸含有量は次の通りです。

 

・鶏レバー=1300μg
・牛レバー=1000μg
・豚レバー=810μg
・枝豆=260μg
・ほうれん草=210μg
・納豆=120μg
・アスパラガス=180μg
・卵黄=140μg
・ブロッコリー=120μg

 

レバーは非常に葉酸が多いですが、レバーばかり食べる食生活は現実的ではありませんし、レバーはビタミンAを多く含んでいます。ビタミンAは妊娠中に過剰摂取すると、胎児奇形のリスクがあることがわかっていますので、妊娠していた時のリスクを考えると、レバーを大量に食べるのはおすすめできません。

 

そのため、野菜や納豆、卵黄から葉酸を摂るようにすると良いでしょう。

 

 

葉酸には2種類あるので注意!

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葉酸は、実は2種類あることを知っていますか?食品に含まれる葉酸はポリグルタミン酸型という葉酸であり、サプリメントに含まれる葉酸はプテロイルモノグルタミン酸と言います。

 

この2つは生体利用率が異なります。

 

・食品に含まれる葉酸=生体利用率50%
・サプリメントの葉酸=生体利用率85%

 

つまり、食品に含まれる葉酸は体内で利用されにくく、サプリメントは効率よく利用されるということになります。

 

ということは、妊娠前・妊娠中の女性は、食品からだけでなく、サプリメントを利用したほうが効率よく葉酸を摂取できるということになりますが、葉酸をサプリメントから摂取する場合には注意が必要になります、

 

 

サプリメントは上限量に気を付けて

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なぜ妊娠前・妊娠中の女性が葉酸のサプリメントを利用する場合に注意が必要なのかというと、サプリメントを利用すると、耐容上限量を簡単に超えてしまう可能性があるからです。

 

代表的な葉酸サプリメントは、1錠で400μgの葉酸が含まれています。1錠で400μgということは、1日1錠飲んで、普通に食事をしていたら、妊娠前・妊娠中ともに推奨量は簡単にクリアできるでしょう。

 

もし、あなたが「赤ちゃんのために、葉酸は多めに飲んでおこう!」と1日に2錠も3錠も飲んでいたら、上限量を超えてしまいます。

 

葉酸の1日の耐容上限量は900~1000μgでしたよね。サプリメントを2錠飲んだら、もう800μgを摂取したことになります。3錠飲んだら1200μgです。

 

3錠飲んだら、その時点ですでにオーバー。2錠でも食事によってはすぐにオーバーしてしまうでしょう。

 

だから、妊娠前・妊娠中の女性が葉酸サプリメントを飲む時には、上限量に注意しなければいけないのです。

 

 

葉酸の取りすぎによる副作用は?

妊娠前や妊娠中に葉酸を取りすぎると、どうなるのでしょうか?葉酸は水溶性ビタミンなので、過剰分はある程度尿と一緒に排泄されますが、それでも取りすぎたら副作用のリスクはあります。

 

葉酸を食品からだけ取っている人は、基本的には取りすぎになることはないですが、先ほども説明したように葉酸サプリメントを利用すると、すぐに上限をオーバーしてしまいます。

 

葉酸を取りすぎた時の副作用は4つあります。

 

 

葉酸過敏症のリスク

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葉酸を取りすぎた時の副作用の1つ目は、葉酸過敏症です。葉酸を取りすぎたことで、葉酸に体が過敏に反応してしまう状態のことですね。葉酸過敏症になると、次のような症状が現れます。

 

・発熱
・じんましん
・紅斑(赤い発疹)
・皮膚のかゆみ
・呼吸障害

 

これらの症状が現れないように、葉酸は上限量を守って摂取しなければいけないのです。

 

 

ビタミンB12欠乏症を見逃すリスク

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葉酸を取りすぎると、ビタミンB12欠乏症を見逃すリスクもあります。これも、葉酸の取りすぎの副作用の1つと言えるでしょう。

 

ビタミンB12が欠乏すると、巨赤芽球貧血という貧血になります。でも、葉酸はビタミンB12と似たような働きをするので、葉酸を大量に摂取していると、巨赤芽球貧血の症状が出なくなるのです。

 

症状がなければ良いのでは?と思うかもしれませんが、本来必要なビタミンB12は不足したままですので、どんどん悪化していく可能性があります。

 

葉酸を過剰摂取していると、ビタミンB12欠乏症に気づきにくいので、気づいた時には病状が深刻化していることがあるのです。

 

 

亜鉛不足になる可能性

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葉酸の取りすぎは亜鉛不足になる副作用もあります。葉酸は亜鉛が吸収されるのを邪魔することがあるのです。

 

亜鉛と複合体を形成して小腸からの亜鉛の吸収を抑制する可能性があ るため、食事摂取基準でも上限量が設けられている。

 

引用:胎児の正常な発育に役立つ「葉酸」を摂取できるとうたった健康食品  独立行政法人国民生活センター

 

亜鉛が不足すると、細胞分裂や新陳代謝に影響が出ますし、味覚障害が起こりやすくなります。

 

 

妊娠後期に飲んでいると子どもが喘息になるかも

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葉酸は妊娠初期の神経管閉鎖障害を予防する効果がありますが、妊娠後期に葉酸を取りすぎると、子どもが喘息になるリスクが高くなる副作用があると報告されています。

 

2009年に「American Journal of Epidemiology 」という雑誌に発表された論文によると、妊娠後期(30~34歳)に1000μgの葉酸サプリを飲んでいると、飲んでいなかった場合に比べて、子どもが3歳半の時点で喘息になるリスクが1.26倍高くなるそうです。

出典:胎児の正常な発育に役立つ「葉酸」を摂取できるとうたった健康食品  独立行政法人国民生活センター

 

これはあくまで1つの研究結果ですが、妊娠後期に葉酸を過剰摂取すると、赤ちゃんにも悪影響が出る可能性があることは知っておかなくてはいけません。葉酸はただやみくもに摂取すれば良いというものではないではないのです。

 

取りすぎには十分に注意して、推奨量を目安に摂取しましょう。上限量は必ず守らなくてはいけません。

 

 

葉酸を妊娠前・妊娠初期に摂る効果・副作用についてのまとめは・・・

・葉酸の効果
「妊娠前から十分に摂取しておく」「妊娠前に1日900~1000ugが目安」「レバーに多いが大量に食べるのは控える」「食品とサプリメントの2種類がある」「サプリメントは、1錠で400ugの葉酸が含まれている」

・葉酸の摂りすぎの副作用
「葉酸過敏症のリスクがある」「ビタミンB12欠乏症を見逃すリスクがある」「亜鉛不足になる可能性がある」「妊娠後期に葉酸を飲むと子供が喘息になる可能性がある」

 

葉酸を妊娠前・妊娠初期に摂取する効果と1日推奨量と上限量、取りすぎた時の副作用などをまとめました。

 

妊娠を希望するなら、妊娠前から葉酸は十分に摂取しておきましょう。ただ、葉酸サプリメントを利用する場合、上限を超えると副作用のリスクがありますので、上限量を超えないように注意してくださいね。

 

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