妊娠をしたら食べたほうが良い食べ物や食べないほうが良い食べ物など、たくさんの食事制限があります。
カフェインもそのうちの1つです。そして、カフェインといえばコーヒー。デスクワークをしていて、仕事中にコーヒーを飲むのが癖になっている妊婦さんも多いのではないでしょうか?
今回の記事では、妊娠中にカフェインを控えたほうが良い理由と、カフェインを多く含む飲み物の紹介とその代替となる飲み物をご紹介します。
この記事の目次
カフェインとは?
出典:cafein.nanapipi.com
カフェインとは、興奮作用を持ち精神刺激薬のひとつとして知られています。
主な作用としては、中枢神経を興奮させることによる覚醒作用および強心作用、脂肪酸増加作用による呼吸量と熱発生作用による皮下脂肪燃焼効果、脳細動脈収縮作用、利尿作用などがあります。コーヒーを飲むと落ち着くのは、カフェインにより中枢神経が刺激されるからです。
しかし、カフェインの過剰な摂取は健康に害を及ぼすことが知られており、カフェインを摂り過ぎないよう注意が必要です。
カフィンの副作用として不眠、めまいなどがあります。また、カフェインの減量あるいは中止による離脱症状として、頭痛、集中欠如、疲労感、気分の落ち込みなど吐き気や筋肉痛が生じることがあります。頭痛は1日平均235mgの摂取で、2日目には52%が経験するといいます。
妊婦さんにカフェインがNGな理由①:お母さんへの影響
妊娠中にカフェインを摂取してしまったことによる母体への悪影響は、カフェインがカルシウムや鉄の吸収を邪魔してしまうことです。
妊娠中は赤ちゃんの骨を作るために、たくさんのカルシウムが必要となります。もし、カルシウムが不足すれば、母体の骨からカルシウムをとり、赤ちゃんの骨を作るのです。その影響で母体の骨密度が下がってしまい、お母さんの健康へ悪影響です。
鉄については、妊娠中は鉄欠乏性貧血という貧血になりやすくなります。鉄欠乏性貧血の原因は、妊娠により循環血液量が増えるので、血液が薄まってしまうからです。
その影響で、体内の鉄が不足する状況に陥ります。ただでなくとも不足しがちな鉄分の吸収を阻害してしまうということは、母体の健康に悪影響です。
妊婦さんにカフェインがNGな理由②:赤ちゃんへの影響
赤ちゃんへの影響は、これが理由でNG!とは、はっきりと証明されていません。
説としては、胎盤を通じて赤ちゃんの体内へ入ったカフェインを分解することができないから、血流を悪くさせてしまうから、などが一般的です。
また、アメリカの研究では、1日3杯以上コーヒーを飲む妊婦さんと飲まない妊婦さんでは、コーヒーを3杯以上飲む妊婦さんの流産のリスクが高まると発表されています。
妊婦が日常的に大量のカフェインを摂取することが胎児を危険にさらすという考えは新しいものではない。従来の研究でも、1日3杯のコーヒー(カフェイン300ミリグラム分に相当)を飲むと、全くカフェインを取らない場合に比べて流産の危険性が高まることが示されている。
出典:妊婦のカフェイン摂取は流産リスク高める、米研究
カフェインはたやすく胎盤を通過できる一方で、発達下にある胎児の代謝機能では容易に代謝できないことから、科学者らの間ではカフェインは胎児に有害だと考えられている。また、血管を収縮させ、胎盤への血流を減少させるという悪影響もあるという。
コーヒー1杯に含まれるカフェインは約100mgです。300mg以上のコーヒーが有害とされていますので、赤ちゃんのためにも3杯以上のコーヒーは飲まないようにしましょう。
カフェインを多く含む飲み物
カフェインを摂り過ぎると副作用が発生する場合もあるので、下記の表を参考に、カフェインの摂り過ぎには注意しましょう。
カフェインの多くはお茶やコーヒーなどの飲み物に含まれます。
コーヒー
コーヒーには、ドリップコーヒーで150ml中100mgのカフェイン、インスタントであれば150ml中65mgのカフェインが含まれているとされています。
コーヒーは、3杯でカフェイン300mgを超えてしまうので、飲むとしても1日1杯程度にしておいてください。
ココア
ココアには、150ml中50mgのカフェインが含まれています。
寒い冬にほっと一息つくために飲んでいたり、寝る前に体を温めるために飲んでいたりする方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、コーヒーに次ぐカフェインの含有量が多い飲み物なのです。
抹茶
抹茶には150ml中48mgのカフェインが含まれています。ココアと僅差ですね。抹茶にカフェインのイメージを持っている方は少ないのではないでしょうか。
筆者もこの記事を書くに当たって周囲の人に聞いてみたところ、妊娠経験のある友人でも抹茶にカフェインが含まれているとは知らなかった!との声を聴いています。
栄養ドリンク
製品にもよりますが、一般的に栄養ドリンクにはカフェインが含まれています。成分表をよく確認して、カフェインが入っていないものを選びましょう。
紅茶・緑茶・ほうじ茶・ウーロン茶
紅茶・緑茶・ほうじ茶・ウーロン茶は150mlあたり30mgのカフェインを含んでいます。
コーヒーと比較すると、問題になる量ではないように見えます。
しかし、夏場に冷たいお茶を大量に飲んでいると、1.5Lなんてすぐに飲めてしまうかも…。
家庭のお茶パックで、ウーロン茶やほうじ茶を使っている家庭も多いですよね。
そうすると、夏場はあっという間に300mgのカフェインを摂取してしまう危険性が隠れていますから、注意が必要な飲み物です。
カフェインレスの飲み物5種類
カフェインの無い代表的な飲み物は次の通りです。
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- ・麦茶
- ・黒豆茶
- ・杜仲茶
- ・ハーブティー
- ・ルイボスティー
これらの飲み物は、カフェインを含んでいません。家庭で沸かすお茶がウーロン茶やほうじ茶だった方は、ぜひ麦茶に切り替えましょう!
また、温かい飲み物としてオフィスでコーヒーを飲んでいた方は、ハーブティーやルイボスティーに変えてみると良いでしょう。単純にのどが渇いただけ…のときは水を飲むのも良いですよ。
- 妊娠中は血液量が増えるので、水分不足になりがちです。当然、水はカフェインを含みませんから、のどが渇いたときはお水を飲む習慣をつけると良いでしょう。
どうしてもコーヒーが我慢できない!でもカフェインが心配なときは?
- コーヒーや紅茶が飲めないことでストレスがたまりイライラしてしまう…。そんなときでも、コーヒーを飲んではいけないのでしょうか。
- そんなときは、スターバックスでノンカフェインのコーヒーを頼んでみては?また、スターバックスではカフェインレスのコーヒーも販売していますよ。店舗でも飲めますし、家庭用も販売しています。
大地やフレッシュなハーブを思わせる風味とスパイシーな余韻が重なり合う、複雑な味わいのカフェインレスコーヒー大地やフレッシュなハーブを思わせる風味とスパイシーな余韻が重なり合う、複雑な味わいが特徴のコーヒーです。
妊娠中はカフェインが含まれる飲み物に気をつけよう
「カフェインがカルシウムや鉄の吸収の邪魔をする」「母体の健康に影響が出てしまう」「赤ちゃんがカフェインを分解することができない」
・コーヒーや紅茶を飲みたいときは、ノンカフェインの物を飲む
妊娠中は様々な制限がありますよね。そんな中、カフェインの大量摂取も制限のうちの1つ。
コーヒーやココア、抹茶など、カフェインを含む飲み物は私たちの身近にたくさんあります。
しかし、カフェインレスでも美味しい飲み物はたくさんあります!
ぜひ、これを機会にカフェインの含まれていないおいしい飲み物を見つけて楽しみましょう。