「私、最近オス化してない?」とか「おっさんみたいになってきたかも」と感じている女性は、体内のテストステロンの濃度が高いのかもしれません。
女性のテストステロンが高いことでの影響や高い原因、下げる方法をまとめました。男性化して着ていると感じている女性は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
女性でもテストステロンは分泌される
最近、「おじさんみたいになってきた」と感じている女性は、体内のテストステロンの濃度が高いのかもしれません。
まずは、テストステロンに関する基礎知識から説明していきます。
テストステロンとは?
テストステロンとは、男性ホルモンの1つです。テストステロンは性欲を強くしたり、骨格や筋肉を成長させたりして、男性らしさを保つ働きをしています。男性が女性よりも体毛が濃く、さらに筋肉がついているのは、このテストステロンの効果によるものなんですね。
このテストステロンは、男性の場合は睾丸で作られています。そして、実は女性もテストステロンが作られているんです。女性は睾丸がありませんので、女性の場合は副腎や卵巣でテストステロンが作られています。
女性でもテストステロンが分泌されているのは、変なことではありません。もちろん、男性に比べると分泌量は少ないですが、女性全員がテストステロンを体内で作り、分泌しているんです。
女性のテストステロンの正常値
女性は、男性よりも量は少ないものの、テストステロンが分泌されています。では、女性のテストステロンの正常値はどのくらいでしょうか?
出典:不妊症検査(血液の検査) 不妊治療 不育症 二人目不妊 奈良 大阪 ASKAレディースクリニック
女性のテストステロンの値は、性周期(生理周期)によって異なりますが、おおよそ8~85ng/dlです。男性は300~1050ng/dlですので、女性は男性に比べると、テストステロンの分泌量はかなり少ないですが、それでも、女性でもテストステロンが分泌されているのが普通なのです。
女性とテストステロンの関係
女性でもテストステロンは分泌されていますが、テストステロンは女性にどんな効果を及ぼしているホルモンなのでしょうか?
テストステロンの効果
女性の体内でテストステロンが分泌されると、次のような効果があります。
・糖尿病予防効果
・肥満予防効果
・心血管系の疾患のリスクを減らす
・記憶力の向上
・寿命が長くなる
・やる気を高めて、うつ病を予防する
テストステロンは、このような効果があります。テストステロンは、女性にとっても必要なホルモンなのです。
テストステロンの濃度が高いとどうなる?
テストステロンは男性ホルモンの1つですが、女性にとっても、健康維持をする上で必要不可欠なホルモンです。
でも、体内でのテストステロンの濃度が高くなりすぎるのも問題です。女性のテストステロン濃度が高くなると、男性化・オス化が進んでしまうのです。
具体的には、次のような症状が現れるようになります。
・皮脂の分泌量が増えて、肌が脂っぽくなる
・ニキビができやすくなる
・攻撃的な性格になる
・体臭がきつくなる
・不妊になる
・流産のリスクが上がる
最近、腕や足の毛が濃くなった、ひげのようなものが生えてきたという人はいませんか?また、ニキビが増えて、肌がてかるようになったと悩んでいる女性はいないでしょうか?
これらの症状に思い当たる人は、体内のテストステロンの濃度が高くなっている可能性があります。
テストステロンの濃度が高くなりすぎると、女性ホルモンの割合が相対的に低くなりますので、女性ホルモンのバランスが乱れて、妊娠しにくい体になったり、たとえ妊娠しても流産のリスクが上がってしまうことがあります。
「オス化が進んでいるかも?」と感じている女性は、将来不妊に悩む可能性がありますので、早めに対処して、テストステロンの濃度を下げておく必要があります。
女性のテストステロンが高くなる5つの原因
女性のテストステロンの濃度が高くなる原因には、どのようなものがあるのでしょうか?テストステロンの濃度が高いと感じているあなたは、どれに当てはまるかを考えながら読んでみてください。
ストレス
女性のテストステロンが高くなる原因の1つ目は、ストレスです。あなたは、ストレスを溜め込んでいませんか?
過度のストレスを溜め込むと、脳はストレスに対抗するために交感神経を優位にします。交感神経が優位になると、テストステロンの分泌量が増え、さらに女性ホルモンの分泌量が減ります。
そのため、ストレスを抱えている女性はテストステロンの濃度が高い傾向にあるのです。仕事でストレスを感じている女性、人間関係でストレスを感じている女性は、テストステロンの濃度が高くなっている可能性があります。
加齢
女性のテストステロンが高くなる原因の2つ目は、加齢です。女性の場合は、年齢を重ねてもテストステロンの分泌量はほぼ変わりません。
でも、女性ホルモンのエストロゲンの分泌量は減りますよね。加齢とともに徐々にエストロゲンの分泌量は減り、さらに更年期に入るとぐっと減って、閉経するとさらに減ります。
体内でテストステロンの分泌量は減らないのに、エストロゲンの分泌量は減ったら、相対的にテストステロンの割合が高くなりますよね。
冷え性
女性のテストステロンが高い理由の3つ目は、冷え性です。冷え性になると、自律神経のバランスが乱れますので、ホルモンバランスが乱れます。
そうすると、男性ホルモンであるテストステロンの分泌量が増え、エストロゲンの分泌量が減ってしまうので、テストステロンの濃度が高くなります。
不規則な生活
テストステロンの濃度が高い原因には、不規則な生活もあります。特に、睡眠不足気味の人、昼夜逆転気味の人、夜更かしをしている人は要注意です。
不規則な生活をしていると、体内時計が乱れますので、自律神経のバランスが崩れます。そうすると、冷え性と同じようにテストステロンが増え、エストロゲンが減ってしまうんです。
多嚢胞性卵巣症候群
出典:mihara.com
テストステロンの濃度が高い原因の最後は、多嚢胞性卵巣症候群です。多嚢胞性卵巣症候群とは、卵巣内に未成熟な卵胞がどんどん溜まってしまう病気です。しかも、卵巣の壁が硬く厚くなってしまうため、排卵が起こらないのです。
多嚢胞性卵巣症候群は、テストステロンとアンドロゲンの濃度が高くなりますので、男性化が起こるのです。
テストステロンの分泌量を下げる7つの方法
テストステロンは適量であれば、女性の健康に役立つものですが、濃度が高いと「男性化・おじさん化」が進んで、体毛が濃くなったり、ニキビが増えてしまいます。
テストステロンが多いと感じている人は、分泌量を下げる方法を実践するようにしましょう。
ストレスをため込まない
テストステロンの分泌量を下げるためには、ストレスを溜め込まないようにしましょう。ストレスを溜め込むと、交感神経が優位になって、テストステロンの濃度が高くなります。
ストレスを感じても、こまめに発散するようにすれば、ストレスはたまらなくなりますので、テストステロンの分泌量を下げることができます。
ストレス発散方法は、なんでもOKです。あなたに合ったストレス発散方法を見つけましょう。何も良いストレス発散方法が思い浮かばないという人は、次のものを参考にしてください。
・ご褒美を用意する
・目覚ましを使わずに寝る
・ゆっくり入浴する
・泣く
・好きな人と過ごす
・お酒を飲む
・好きなものを食べる
・深呼吸をする
・動物と触れ合う
・きれいなものを見る
ストレス発散方法を詳しく知りたい人は、「【保存版】ストレスの原因&解消法・発散方法11選まとめ」を読んでみて下さい。
規則正しい生活を送る
テストステロンの分泌量を減らすには、規則正しい生活を送りましょう。テストステロンの分泌量を減らすためには、ホルモンバランスを整える必要があります。
そして、ホルモンバランスを整えるには、自律神経のバランスを整えなければいけません。
自律神経と内分泌系は相互に影響を与えています。そのため、ホルモンバランスを整えるなら、自律神経のバランスを整える必要があるのです。
自律神経のバランスを整えるためには、規則正しい生活を送る必要があります。
・質の高い睡眠をとる
・適度な運動をする
・1日3食食べる
このような生活を送ることを意識すると、自然とホルモンバランスが整ってきますので、テストステロンの分泌量も減らすことができるのです。
リラックスタイムを作る
テストステロンの分泌量を下げる方法の3つ目は、リラックスタイムを作りましょう。リラックスすると、副交感神経が優位になりますので、自立神経のバランスが整いやすくなります。
特に、夜寝る前にしっかりリラックスしておくと、深い眠りにつくことができて、自律神経のバランスがさらに整いやすくなりますので、ホルモンバランスを整えるのに役立ちます。
リラックスできる方法は、人それぞれ違いますが、次のようなことを試してみてください。
・ハーブティーを飲む
・間接照明の中でボーっとする
・アロマの香りを楽しむ
・ゆっくりとストレッチをする
このような方法で就寝前にリラックスをしておくと、テストステロンの濃度を下げることができるはずです。
ちなみに、本人はリラックスしているつもりでも、スマホやパソコンを触るのは、あまりおすすめできません。
スマホやパソコンの画面からは、ブルーライトという波長が短く強いエネルギーの光が出ていて、脳を刺激しますので、リラックスできないんです。
女子力を上げる
テストステロンの濃度を下げる方法の4つ目は、女子力を上げることです。テストステロンは男性ホルモンです。それなら、女子力をアップさせれば、女性ホルモンのエストロゲンが増えて、テストステロンの分泌量を下げることができますよね。
女子力を上げるためには、次のようなことを試してみましょう。
・恋愛もののドラマや映画を見る
・カッコいい男性を眺める
・パステルカラーのかわいい洋服を着る
・部屋に花を飾ってみる
このようなことをすると、体内での女子力が目覚めて、女性ホルモンがアップし、テストステロンの分泌量を下げることができると思います。まずは、できることから試してみてください。
体を温める
テストステロンの濃度を下げるためには、体を温めるようにしましょう。これも、ホルモンバランスを整えるためには重要な方法です。
特に、冷え性の女性は冷え性が原因でホルモンバランスが乱れ、テストステロンが増えていますので、体を温めて冷え性を治しましょう。
・水分補給は常温のものを飲む
・ショウガや玄米、根菜など体を温める食品を食べる
・クーラーが効いた部屋では1枚羽織る
・運動をして血流を促す
・筋トレをして筋肉をつける
・ファッションはデザインよりも保温性重視
このような対策をすると、冷え性を少しずつ改善していけると思います。
イソフラボンを摂取する
テストステロンの濃度を下げるには、イソフラボンを摂取するのも良いでしょう。イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと似た構造をしていますので、体内で不足しているエストロゲンを補助する役割をします。
体内のエストロゲンの量が増えれば、相対的にテストステロンの量が減りますし、ホルモンバランスが整いますので、テストステロンの分泌量を下げることができるのです。
イソフラボンは、大豆製品に含まれています。
・厚揚げ
・油揚げ
・茹で大豆
・納豆
このような食品から、イソフラボンを摂取しましょう。サプリメントからイソフラボンを摂取することもできますが、サプリメントからイソフラボンを摂取する時には、必ず記載されている摂取量上限を守るようにしましょう。
また、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンEも積極的に摂取しましょう。ビタミンB2はホルモンを作るのに必要なビタミンです。ビタミンB6はホルモンバランスを整え、エストロゲンの代謝を高めます。ビタミンEは卵巣の機能を高めてくれるんです。
ビタミンB6=マグロ、レバー類、バナナ
ビタミンE=ナッツ類、アボカド
大豆イソフラボンに加えて、これらの栄養素を摂ると、さらにホルモンバランスを整えることができます。
婦人科を受診する
テストステロンの分泌量を下げる方法、最後は婦人科を受診することです。多嚢胞性卵巣症候群でテストステロンの濃度が高い場合、婦人科を受診して、治療を行う必要があります。
また、今までご紹介した6つの方法でもテストステロンが下がらない場合、婦人科での治療が必要になる可能性が高いです。
早めに治療を始めれば、効果が現れやすいですので、思い切って婦人科を受診してみましょう。そのまま放っておくと、将来不妊の原因になることもありますので、早めに治療を始めましょうね。
女性のテストステロンが高い原因・下げる方法についてのまとめ
・女性のテストステロンが高くなる原因
「ストレス」「加齢」「冷え性」「不規則な生活」「多嚢胞性卵巣症候群」
・テストステロンの分泌量を下げる方法
「ストレスを溜めない」「規則正しいをおくる」「リラックスタイムをつくる」「女子力をあげる」「体を温める」「イソフラボンを摂取する」「婦人科を受診する」
テストステロンの効果や高い時の影響、高い原因、下げる方法をまとめました。テストステロンは、適量なら女性の健康に良いホルモンですが、高いとオス化を招く原因になります。
テストステロンの分泌量を下げないと、将来の不妊の原因になりますので、ご紹介した下げる方法を実践するようにしてください。