「なんとなく口の臭いが気になる」、「私、口が臭いかも」と思うと、人と会うのが不安になりますし、「周囲の人に臭いと思われたらどうしよう」と心配になりますよね。
「私、口が臭いかも」と不安になっている人のために、口臭の原因と対策・改善法をまとめました。口が臭いという不安を解消して、自信を持って人とおしゃべりできるようにしましょう!
口臭の5つの原因
口臭の原因は何でしょうか?口臭が気になると、人と会うこと、人と話すことが不安になりますよね。口臭を改善するためにも、まずは口臭の原因を知っておきましょう。
唾液の減少
口臭の原因の1つ目は、唾液の減少です。いわゆる「ドライマウス」です。唾液は口の中をきれいにしてくれる作用があります。食べ物の残りかすや口腔内の細菌を洗い流して、口の中を清潔に保つことで、口臭を予防してくれるのです。
唾液には抗菌作用や自浄作用があるほか、消化吸収を助ける、味覚を鋭くする、粘膜を保護するなど、私たちの健康を守るために重要な役割を果たしています。
でも、その唾液の分泌量が減少すると、口の中の食べ物の残りかすはそのままになり、口腔内の細菌が増殖します。そうすると、細菌が残りかすを分解して、嫌な臭いを発生させ、口臭の原因となります。
唾液が減少する原因には、次のようなものがあります。
・加齢
・不規則な生活
・ストレス
・よく噛まないで食べる
・水分不足
・口呼吸
・喫煙
・カフェイン入りの飲み物
年齢を重ねると、唾液腺の機能が低下し、唾液腺周囲の筋肉が低下して、唾液腺が刺激されなくなりますので、唾液の分泌が少なくなります。
不規則な生活やストレス、喫煙、カフェイン入りの飲み物を飲むと、交感神経が優位になります。交感神経が優位になると、唾液の分泌量が低下してしまいます。
また、よく噛まないと唾液腺が刺激されませんし、水分不足になると、身体の中で唾液として分泌するだけの水分量を確保できませんので、唾液の分泌量が減ります。
また、口呼吸をしていると、唾液が正常に分泌されていても、口呼吸でどんどん口の中の水分が蒸発していきますので、口の中が乾いてしまい、唾液の分泌量が追い付かなくなるのです。
食べ物による口臭
食べたものが原因で口臭がひどくなることもありますね。口臭が強くなる原因となる食べ物は、次のようなものがあります。
・ニンニク
・ネギ
・ラッキョウ
・ニラ
・アルコール
これらのものを食べた後は、どうしても口が臭くなります。特に、ニンニクの臭いは長引くので要注意です。
とくにニンニクは腸から吸収された成分が血液中に入り、体中を回って肺から息として吐き出されるため、いつまでも臭いが残ります。
また、アルコールは飲んでいる本人は、あまり口臭が気にならないかもしれませんが、アルコールによる口臭はきついですし、分解途中でできるアセトアルデヒドも口臭の原因になるのです。
肝臓の機能が正常な人でも、24時間は血液中にアルコールや中間産物の悪臭のあるアセトアルデヒドが含まれ、呼吸をするたびにこの肺におけるガス交換時に臭気を放出します。
アルコールを飲むと翌日までアルコールによる口臭が残ってしまうんですね。
また、タバコも口臭の原因になります。タバコにはタールが含まれています。一般的に「ヤニ」と言われているものですね。
これが舌や歯に付着すると、息が嫌な臭いを発するようになって、口臭がきつくなるのです。
-
口の中が汚い
あなたは、マウスケアを念入りに行っていますか?食べた後はきちんと歯を磨いているでしょうか?その歯磨きは正しいやり方で行えていますか?
口の中が汚いと、雑菌が繁殖します。口の中に食べかすや細菌の残骸などで構成されたプラーク(歯垢)を雑菌が分解すると、揮発性硫黄化合物(VSC)を作り出して、嫌な臭いが発生するのです。
また、口の中が汚いと舌苔ができます。鏡の前で舌を出して、下の状態をチェックしてみましょう。白いものが付着していませんか?
舌についている白いものを舌苔と言います。この舌苔がついていると、VSCが作られやすくなるのです。
VSCは舌の上で最も多く作られます。これは舌に白い苔状のものが付着するためです。これを舌苔(ぜったい)といいます。
虫歯や歯周病
虫歯や歯周病の人も、口臭が強くなりやすいので注意が必要です。
- 1.歯が溶ける
- 2.炎症で歯の神経が腐る
- 3.膿がたまる
- 4.歯茎などから出血する
- 5.プラークが溜まる
虫歯や歯周病になると、このような口臭が強くなる原因がありますので、口臭がきつくなってしまうのです。
その他の病気
口臭は身体の病気が原因で起こることもあります。口臭は口の中だけが原因というわけではないんです。
・呼吸器疾患=慢性気管支炎、気管支拡張炎、肺がん、肺結核
・消化器系疾患=胃炎、胃拡張、胃がん、食道ヘルニア、食道気管支瘻
・耳鼻咽喉科疾患=蓄膿症、扁桃炎、アデノイド、副鼻腔炎、咽頭がん
・肝機能障害
・腎機能障害
・糖尿病
・トリメチルアミン尿症
これらの疾患は、口臭がきつくなる可能性があるので、口臭に悩んでいる人は、これらの病気の可能性が捨てきれないことは覚えておきましょう。
口臭のセルフチェック法
口臭があるかどうかは、自分ではなかなか気づかないものですよね。他人の口臭はすぐに分かりますが、自分の口臭は分からないことが多いんです。
実は口臭がきつくて、周囲の人に「この人口臭い」と思われたらショックですし、「あなた、口臭いよ」と言われたら、さらにショックですよね。
口臭がきついかどうかを、自分でチェックするための方法をご紹介します。
・ビニール袋を使う
・マスクを使う
・糸ようじを使う
まずは、ビニール袋に自分の息を口から吐いて、いったんビニール袋の口を閉じましょう。それから新鮮な空気で1~2回呼吸をしてから、ビニール袋の中の空気の臭いを嗅いでみてください。
それで、「ウ!」と思うほど臭かったら、あなたはの口臭は、周囲の人に臭いと思われている可能性があります。
次にマスクです。マスクをしていて、「なんかこのマスク、臭いなぁ」と思ったことはないですか?それは、マスクが臭いのではなく、あなたの口臭が臭いのです。
マスクをした状態で、口から息を吐いて、鼻から吸い込んでみると、あなたの口臭がわかると思います。
また、糸ようじを使って、歯の間のプラークを取ってみて、その臭いを嗅いでみましょう。プラークは口臭の原因となるものですから、プラークが臭ければ、口臭もきついということになります。
口臭の7つの予防・対策や改善法
口臭の対策や改善法を7つご紹介します。口臭は相手を不快にさせるもの、そして自分が恥ずかしくなってしまうものですから、口臭はきちんと改善して、キレイでさわやかな息を目指しましょう。
唾液の分泌量を増やす
まずは、唾液の分泌を増やすようにしましょう。唾液の分泌を増やせば、口の中にある口臭の原因となる揮発性硫黄化合物(VSC)や食べかす、細菌を自然に洗い流すことができます。
唾液の分泌量を増やすには、次のようなことをやってみましょう。
・リラックスタイムを作る
・ストレスを発散する
・規則正しい生活を送る
・玉ねぎを食べる
・よく噛んで食べる
・あいうべ体操をする
■リラックスタイムを作る、ストレスを発散する、規則正しい生活を送る
リラックスタイムを作り、ストレスを解消して、規則正しい生活を送れば、自律神経のバランスが整いますので、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズになり、唾液の分泌量がアップします。
■玉ねぎを食べる
玉ねぎを食べると、唾液の分泌量が増えるという研究結果があるのです。
鶴見大学の斎藤一郎教授らによる研究グループは、ポリフェノールの一種で玉ねぎ等に多く含まれる「ケルセチン」が唾液分泌を促進させるメカニズムを解明した。
このケルセチンはブドウなどにも含まれているそうですが、やはり玉ねぎの方が日常的に食べる食品ですよね。玉ねぎを食べるとポリフェノールの力で唾液の分泌量を増やすことができるのです。
■よく噛んで食べる
よく噛んで食べると口の周囲の筋肉を動かしますので、唾液腺が刺激されて、唾液の分泌量が多くなります。
早食いの人は、今日から意識してよく噛んで食べるようにしましょう。それが、口臭予防になるのです。
■あいうべ体操をする
あいうべ体操をご存知でしょうか?あいうべ体操とは口を大きく開けて「あー」、「いー」、「うー」と発音して、最後に舌を「べー」と出す口の体操です。
あいうべ体操をすることで、口周りの筋肉を動かしますので、唾液腺の分泌を促すことができるのです。
口の中を清潔に保つ
口臭対策のためには、口の中を清潔に保つことも大切です。食後には必ず歯磨きをきちんとして、歯磨きの際には、糸ようじを使って、歯間のプラークや食べ残しもきっちり取るのを忘れないでください。
また、舌の掃除をして舌苔を摂るようにしましょう。舌苔を取るためには、専用の舌ブラシを使って、優しく舌をブラシでなでるようにして、舌苔を取りましょう。
一日の舌清掃の回数は、起床時の一回で結構です。それ以上行うと舌の粘膜を傷つけるおそれがあります。また舌に傷や潰瘍があるときは、舌清掃を中止してください。
どうしても、口臭が気になる人は、デンタルリンスを歯磨きの最後に使うのも良いと思います。
口臭を予防してくれる食べ物を食べる
口臭対策のためには、口臭を予防してくれる食べ物を食べましょう。ニンニクやネギなど口臭を強くする食べ物を控えるのはもちろんですが、口臭を予防する食べ物を食べれば、さらに口臭を改善することができるはずです。
口臭を予防・改善してくれる食べ物は、次のようなものです。
・梅干し
・レモン
・酢
・緑黄色野菜
・海藻類
・大豆
・リンゴ
これらの食べ物は、アルカリ性食品と言われているもので、口の中をアルカリ性にしてくれる作用があります。
口腔内が酸性に傾くと、細菌が繁殖して、口臭が強くなりますので、口の中を食べ物でアルカリ性にすることで、細菌の繁殖を抑えることができます。そうすれば、口臭を予防することができますね。
重曹うがいをする
重曹うがいをすることでも、口臭を改善できます。重曹うがいをすると、口の中をアルカリ性にして、口臭を予防できるのです。
重曹うがいにより、初期の虫歯が治る、歯周病が予防できる、口臭がなくなる、口の中のベタベタがなくなる、歯の黄ばみが落ちる、といいことづくめです。
500mlの水にティースプーン1杯の重曹を溶かして、うがいをすればOKです。30秒程度、重曹水を口に含んで、ブクブクとうがいをすると良いでしょう。
ただ、重曹は食用のものを使ってくださいね。掃除用の重曹はNGです。
禁酒禁煙
口臭を改善するには、禁酒禁煙をしましょう。アルコールもタバコも、口臭をきつくする大きな原因となります。
お酒を飲んでタバコを吸いながら、「口臭、何とかならないかな。気になるんだよね。」と思ってる人は、まずはお酒とタバコをやめるべきなんです。
お酒はまずは少し量を減らしてみましょう。タバコは今すぐ禁煙です。どうしても禁煙できないという場合は、禁煙外来を受診してみると良いですよ。
歯科を受診する
口臭がなかなか改善できないという場合は、歯科を受診して下さい。その口臭は、もしかしたら虫歯や歯周病が原因かもしれません。虫歯や歯周病が原因の口臭は、歯科に行って治療をしないと治りませんよね。
歯科で、虫歯や歯周病の治療をして、正しい歯磨き方法を教えてもらい、歯石を除去してもらうと、口臭を改善できるはずです。
病院を受診する
歯科を受診して、きちんと治療もしたけれど、それでも口臭が改善しないという場合は、内科を受診しましょう。
あなたの口臭は口の中が原因なのではなく、ほかの病気が原因の可能性があります。肝機能障害や腎機能障害、肺がん等でも口臭がひどくなることがあります。
あなたの口臭は、もしかしたら、あなたの身体からのSOSかもしれません。そのSOSを見逃さないようにしましょう。
口臭の原因・対策と改善法についてのまとめ
・口臭の原因
「唾液の減少」「食べ物による口臭」「口の中が汚い」「虫歯や歯周病」「その他の病気の可能性」
・口臭の予防・対策と改善法
「唾液の分泌量を増やす」「口の中を清潔に保つ」「口臭を予防してくれる食べ物を食べる」「重曹うがいをする」「禁酒禁煙」「歯科・病院を受診する」
口臭の原因と対策・改善法をまとめました。口臭は相手を不快にさせるものであり、あなた自身の評判を落とすものです。エチケットとして、口臭対策はしっかり行いましょう。
口臭の原因のほとんどが口の中の問題からのものですので、日常生活内で口臭対策をしっかり行ったり、歯科を受診すれば、口臭を改善することができるはずです。
口臭対策をしっかりして、スッキリさわやかな息になれば、自然と人と話す時も自信をもって話せるようになるはずです。