ここ10年ほどで、タワーマンションが日本全国にどんどん建っていますよね。そして、「タワーマンションに住みたい!」とタワーマンションへ憧れの気持ちを持っている人は多いと思います。
タワーマンションに住んでいると、都会的でスタイリッシュ、オシャレでセレブな感じがするんですよね。
今回はタワーマンションの定義やタワーマンションに住むメリットとデメリット、タワーマンションの危険性について説明していきます。
タワーマンションの定義
まずは、タワーマンションの定義から見ていきましょう。「普通のマンション」ではなく「タワーマンション」と呼ばれるには、何階以上で何メートル以上あるのか、部屋数の決まりはあるのか気になりますよね。
実は、「地上〇メートル以上で〇階以上あるとタワーマンションと呼ぶ」という定義はありません。「タワーマンションはこうでなければいけない」という決まりはないんですね。
ただ、ある程度の基準はあります。
消防法や建築基準法では建物の高さが31m、60m、100mという3つのカテゴリーで、構造耐力や防災設備などの基準が設けられています。
そして、超高層建築物は60m以上とすることが多いです。そのため、高さ60m以上のマンションがタワーマンションと呼ばれることが多いですね。
高さ60m以上のマンションは、階数が20階以上あることが多いのです。
これをまとめると、タワーマンションの定義は「高さ60m以上、階数が20階以上のマンション」と言うことができるでしょう。
タワーマンションの10のメリット
タワーマンションに住むメリットにはどんなものがあるのか?憧れのタワーマンションの購入を考えている人は、まずはタワーマンションのメリットを確認しておきましょう。
1.高層階は眺望が良い
タワーマンションのメリットは、何と言っても眺望が良いということではないでしょうか?
これは、タワーマンションの中でも高層階に住む場合に限りますが、タワーマンションの高層階に住めば、都会の夜景を思う存分、自分のリビングやベッドルームから楽しむことができます。
マンションの立地や方角によっては、いつでも富士山が見えたり、海が見えたりすることもありますね。
一戸建てでは味わうことができない眺望、まるでいつもホテルに宿泊しているかのような眺望を楽しむことができるから、タワーマンションに住みたいと思っている人は多いはずです。
2.自慢できる
タワーマンションの2つ目のメリットは、自慢できることです。タワーマンションに住むことに憧れを持っている人はあなただけではありません。
憧れているけれど、経済的な理由やそのほかの様々な理由でタワーマンションの購入を断念している人はたくさんいます。
そのような中で、タワーマンションに住んでいると、周囲の人から羨望のまなざしで見られるので、自慢できますし、自尊心が満たされます。
ただ、図々しい人からは「遊びに行かせろ!」とか「泊まらせろ!」のようにしつこく言われることもあるので、自慢はほどほどにしておいた方が良いと思います。
3.交通の便が良い
タワーマンションの3つ目のメリットは、交通の便が良いことですね。タワーマンションは、基本的に駅から近いところに建てられることが多いです。
駅から直結なんてこともありますね。しかも、主要ターミナル駅にも乗り換えなしで10~20分程度で着くことも多いですから、タワーマンションに住んでいれば、通勤・通学に困ることはないです。
ただ武蔵小杉のようにタワーマンションが乱立しているところは交通の便は良いものの、住人が多すぎて、駅が大混雑することもあるので、購入前に事前に確認しておく必要があります。
4.立地が良い
タワーマンションは立地が良いこともメリットの1つですね。先ほどの交通の便が良いというメリットにも関係していることですが、タワーマンションは駅前や繁華街の近くに建っていることが多いので、ショッピングにも困ることはありません。
また、図書館などの公共施設が近かったり、隣接していることもありますね。
しかも、タワーマンションは住人の数が多いので、その周辺・もしくはタワーマンションの敷地内にコンビニやスーパーマーケット、ドラッグストアなどができることも珍しくありません。
タワーマンションに住めば、とにかく便利。日常生活を送るだけなら、遠出する必要がないというメリットがあるんです。
5.害虫に悩まされるリスクが少ない
タワーマンションは、虫が苦手な人にもおすすめです。これも高層階限定のメリットですが、蚊や蠅、ゴキブリなどの害虫が少なくなります。
蚊は自力では2~3階の高さまでしか飛べないとされていますし、ゴキブリは排水管などをたどって侵入することが多いですが、高層階になればなるほど、そこまで上がってくるリスクは少なくなります。
ただ、高層階なら害虫がいないというわけではありません。エレベーターに紛れてやってくることもあります、
それでも、一軒家や低層階のマンションに比べると、タワーマンションの高層階は害虫に悩まされるリスクはグッと少なくなるんです。
6.セキュリティがしっかりしている
タワーマンションはセキュリティ面のメリットもありますね。オートロックであることはもちろんですが、管理人が常駐していたり、コンシェルジュがいることもあるので、不審者が侵入するリスクは低いです。
また、最近のタワーマンションはエレベーターに乗るにもキーが必要で、自分の居住階以外には停まらないようになっていることもあります。
セキュリティ面では、一軒家とは比べ物にならないほどしっかりしていると言えるでしょう。
7.節税になることがある
タワーマンションは節税対策になることもあります。タワーマンションは固定資産税が安くなり、しかも相続税も安くなることがあります。だから、タワーマンションを購入しておくと、節税対策になるんです。
ただ、最近はタワーマンションを節税対策のために購入している人が多いことから、税務当局がタワーマンションの節税対策に対して厳しく対処している傾向にあり、今後はさらにその傾向は強まると考えられます。
だから、このメリットはとりあえず現時点ではメリットであるものの、今後どうなっていくかは不透明な部分はあります。
8.共用施設が充実している
タワーマンションは共用施設が充実していることも、大きなメリットですよね。
・図書室
・バー
・パーティールーム
・ゲストルーム
・スポーツジム
・キッズルーム
・庭園
全てのタワーマンションにあるというわけではありませんが、これらの共用施設があるタワーマンションは少なくありません。
パーティールームは大人気で、なかなか予約が取れないというタワーマンションもあるんですよ!
これだけの共用施設があれば、毎日の日常生活が充実しそうですよね。
9.低層階はコスパが良い
タワーマンションは高層階の方がメリットが多いと思うかもしれませんが、低層階に住むメリットもあります。
低層階のメリットは、コスパが良いことです。タワーマンションの低層階は、同じ間取りでも高層階に比べると、グッとリーズナブルになります。
それでも、「タワーマンションに住む」ということには変わりありませんし、共用施設も使えます。だから、タワーマンションの低層階はコスパが良いんです。
10.住人の生活レベルが一定以上
タワーマンションのメリット、10個目は住人の生活レベルが一定以上であることです。タワーマンションを購入できるということは、ある程度の収入があるということです。
言葉は悪いですが、タワーマンションの住人に「貧乏な人」はいません。別に貧乏な人が悪いというわけでは決してないですし、生活に余裕がある人が良いというわけでもありません。
ただ、生活レベルがあまりにも違うと、近所づきあいでトラブルが起こりやすかったり、ママ友になれなかったりすることがあるのは事実です。
だから、住人の生活レベルが一定以上というのは、ある意味メリットではあるんです。
それでも、常識がない人や変な人はいますで、気を付ける必要はあります。
タワーマンションの8つのデメリット
次に、タワーマンションのデメリットも確認しておきましょう。タワーマンションはメリットばかりに注目しがちですが、デメリットもきちんと確認しておかないといけません。
タワーマンションを購入しようか検討している人は、デメリットもしっかり把握して、購入すべきかどうかを考える必要があります。
1.エレベーターの待ち時間が長い
タワーマンションのデメリットといえば、エレベーターの待ち時間が長いことです。住人の数を考慮して、エレベーターの数は十分にあるのですが、タイミングが悪いと、なかなか1階、もしくは自分の居住階にやってきてくれません。
特に、朝はみんな通勤、通学で外に出るので、エレベーターは大混雑して、なかなか乗れないなんてこともあります。
50階建て以上のタワーマンションもありますので、いくら高速エレベーターだとしても、50回から1階までいろいろな階に停まって降りてくるのは時間がかかるのは当然です。
だから、朝に外出する時には、時間に余裕をもっておかないといけません。忙しい朝に時間に余裕を持たせるのは、なかなか大変ですよね。
2.地震や停電の時が大変
タワーマンションのデメリットの2つ目は、停電時が異常に大変であることです。日本では、基本的に停電はほぼありません。ただ、災害大国の日本ですから、いつ何時災害で停電になるかはわからないんです。
そして、停電になったら、当然ですがエレベーターは使えません。自家発電の設備はあっても、エレベーターを動かすまでの電力は用意できないことがほとんどです。
ということは、停電になったら、自分の居住階まで階段で昇らなくてはいけないことになります。
低層階に住んでいれば、それほどのデメリットにはなりませんが、タワーマンションで50階以上に住んでいる住人は、自宅にたどり着けないということもあり得ます。
3.管理費が高い
タワーマンションは管理費が高いこともデメリットですね。タワーマンションは購入する費用を用意するだけではいけません。ローンを支払いつつ、管理費も支払わなくてはいけないんです。
メリットの項目でもご紹介したようにタワーマンションは共用施設が充実しています。その共用施設を維持していくためには、管理費が必要であり、普通のマンションよりも管理費は高くなるのは当然です。
また、管理費以外に修繕積立金なども必要になります。管理費と修繕積立金を合わせると、月に5万円近くになってしまうというケースもあるんです。
修繕積立金は初年度は安くても、長く住めばどんどん高くなっていくことが普通ですし、場合によっては管理費の値上げなんてこともあります。
ローンを払いつつ、管理費と修繕積立金を毎月払うのは、本当に大変です。
4.洗濯物や布団が干せない
タワーマンションでは、洗濯物や布団が干せないこともデメリットと言えるでしょう。
タワーマンションでは景観を損ねるという理由で、洗濯物や布団を干してはいけないという物件は結構あります。
また、安全上の問題から、高層階はベランダの欄干に布団を干してはいけないという決まりのタワーマンションもあります。確かに、重い布団が高層階から下に落ちてしまったら、下を歩いている人は危ないですから。
そのため、タワーマンションでは洗濯乾燥機や浴室乾燥、布団乾燥機などを使わなければいけないことが多いんです。
5.外出したくなくなる
タワーマンションでは外出したくなくなるというデメリットもあります。特に、高層階に住んでいると、わざわざ出かけるのが億劫になるんですね。
タワーマンションではヨレヨレのTシャツにスウェットのような恰好で共用部分を歩くのは恥ずかしいですから、最低限はきちんとした格好をしなければいけません。
そして、長時間待つかもしれないエレベーターに乗って外出する。これが億劫に感じるようになっていくんです。
また、タワーマンションは立地が良く周辺にお店などもある程度あるので、買い物はタワーマンション周辺で済ませて、わざわざ遠出する気にはならないという人も少なくありません。
タワーマンションに住んでいると、出不精になりやすいんですね。
6.騒音問題がある
タワーマンションの6つ目のデメリットは騒音問題です。タワーマンションは構造上はとても頑強に作られています。構造耐力は建築基準法で厳しく定められていますから。
そのため、普通のマンションよりは騒音問題は起こりにくいのですが、それでも騒音問題と無縁というわけにはいきません。
特に、真上に住んでいる人が小さな子どもがいる家族だと、どうしても子どもが飛び跳ねる音が下の階に響いてしまいがちです。
騒音に関する許容範囲は1人1人違いますが、子どもがいない人にとっては子どもが飛び跳ねる音、子どもが騒ぐ声がとてもうるさく聞こえてストレスになり、住人間のトラブルになりがちです。
7.住民間での格差がある
タワーマンションのデメリット、7つ目は住民間での格差があることです。メリットの項目でもお話したように生活レベルは一定以上なのですが、一定レベル以上の中で格差が大きいんです。
タワーマンション内でのマウンティングは聞いたことがあると思います。少し前には、それを題材にしたドラマもありましたよね(途中でクレームが来て、マウンティングではない方向へドラマが展開していきましたが)
高層階になればなるほど、立場は上になり、低層階に住んでいる人は高層階に住んでいる人から見下される、バカにされるようなことも珍しくありません。
8.高層階は地震の時にかなり揺れる
タワーマンションのデメリット、最後は地震の時にかなり揺れることですね。耐震構造には問題なくても、高層階はどうしても地上よりも大きく揺れます。
地震が苦手な人は、タワーマンションの高層階に住むのは厳しいかもしれません。
タワーマンションは危険?
タワーマンションに住むのは危険という噂を聞いたことがある人もいると思います。タワーマンションは本当に危険なのかを2つの側面から考えていきましょう。
耐震構造は一定基準を満たしている
地震大国の日本において、タワーマンションは大地震が来た時に大丈夫なのか?ポキッと折れてしまう危険はないのかが気になるところだと思います。
超高層建築物であるタワーマンションは、建築基準法で厳しい基準が設けられ、それを守らなくてはいけないので、耐震構造に関しては普通のマンションよりもしっかりしていると言えるでしょう。
もちろん、高層階は地震が来たら大きく揺れますが、普通のマンションよりも倒壊などの危険は少ないと考えて良いと思います。
心配な人は、耐震構造だけでなく、制震構造や免震構造にも着目してタワーマンションを選ぶと安心だと思います。
ただ、地震はいつどんな規模のものが来るかわからないので、必ずしも安全で危険はないとは言えません。
健康被害も懸念されているが…
タワーマンションの危険性でもう1つ問題視されているのが、健康被害についてです。
タワーマンションの高層階では、次のような健康被害が懸念されています。
・流産
タワーマンションの高層階に住んでいると、外の明るさ、樹木の緑などの外界の刺激が乏しくなるので、抑うつ症状が起こりやすいとされています。
また、原因はわかっていないものの、10階以上の高層階に住む妊婦は流産率がたかくなるというデータもあります。
公衆衛生学の権威で『コワ~い高層マンションの話』(宝島社)の著者である逢坂文夫氏は、94年の研究「住居環境の妊婦に及ぼす健康影響について」で「高層階の居住者ほど流産の割合が高くなる」と発表しており、10階以上の高層階に住む女性の流産割合は38.9%に達するとしている。
一般的には流産の確率は15%程度とされていますので、38.9%という数字は確かに高いですね。
子どもの転落事故の危険性は高い
子どもの頃から高層階のタワーマンションに住んでいると、高さに関する感覚がマヒしてしまうことがあるため、子どもが「高いところ=危険」と思わなくなり、転落事故が起こりやすいとも言われています。
「高層マンションの一室などで育つことで、高いところが怖くないという『高所平気症』の子供が増えている」。こう指摘するのは、福島学院大の織田正昭教授(福祉心理学)だ。
引用:【暮らしの注意報】高所“平気”症の子供たちが急増中? 高層マンション暮らしで怖さ薄れ…転落事故も続々と(1/4ページ) – 産経ニュース
転落事故はいくら親が注意していても、ちょっと目を離したすきに起こるものです。タワーマンション限定の数字ではありませんが、平成23~27年に東京都内で起こった5歳以下の子供の転落事故は114人にも上るとのこと。
小さなお子さんがいる人がタワーマンションに住む場合は、十分に注意しなければいけませんね。
タワーマンションの定義・メリットデメリット・危険性についてのまとめ
・タワーマンションの定義「高さ60m以上・20階以上」
・タワーマンションのメリット
「高層階は眺望がいい」「自慢できる」「交通の便がいい」「立地がいい」「害虫に悩まされるリスクが少ない」「セキュリティがしっかりしている」「節税になることがある」「共用施設が充実している」「低階層はコスパがいい」「住人の生活レベルが一定以上」
・タワーマンションのデメリット
「エレベーターの待ち時間が長い」「地震や停電の時が大変」「管理費が高い」「洗濯物や布団が干せない」「外出したくなくなる」「騒音問題がある」「住民間での格差がある」「高層階は地震の時にかなり揺れる」
・タワーマンションの危険性
「耐震構造は一定基準を満たしている」「健康被害も懸念されている」「子どもの転落事故の危険性は高い」
タワーマンションの定義やメリット・デメリット、危険性についてまとめましたが、いかがでしたか?
タワーマンションは確かにおしゃれだし、セレブな感じがするし、便利であることは間違いありません。ただ、デメリットや危険性もあります。
だから、タワーマンションを購入する時は憧れだけではなく、きちんとデメリットや危険性も認識した上で購入を検討するようにしてくださいね。