育児休暇を取得したいと思っていても、詳しいことは分からないという人は多いのではないでしょうか。
今回は育児休暇の条件や取得できる期間給料などについてご紹介します。延長や復帰など、気になる点も確認しておきましょう。
この記事の目次
育児休暇とは
育児休暇とは、正式名称は、「育児休業」と呼ばれるものです。1991年の育児・介護休業法によって制定されている育児のための休業制度です。
法律で定められたものであって、権利なので、例えば現在働いている勤務先に育児休業の定めがなかったとしても、活用することができます。
そのためには、条件を満たしていることや、定めに沿っていることなど、いろいろ該当させなければならないのですが、正社員だけでなく、非正規雇用の方でも活用できるので、きちんと知識を身につけておいたほうが良いでしょう。
育児、とくにはじめての場合は、なにかと大変なので、活用できるものは活用したいものですよね。もちろん女性だけでなく男性も取ることができます。そんな育児休暇(育児休業)について詳しく見ていきましょう。
育児休暇の法律
育児休暇の法律について見ていきましょう。育児休暇は、育児・介護休業法という法律によるもので、1991年に制定されました。法律は状況を見つつ、その都度改正されるものですが、2017年3月にも改正されています。
両親で育児休暇を取ることももちろん可能で、取得パターンは例として3つ上げられます。
①ママとパパが交代で切れ目なく育児休暇を取るパターン
②ママとパパが二人一緒にできるだけ長い期間育児休暇を取るパターン
③祖父母も育児に協力してくれるケースで働きながら上手に育児休暇を取るパターン
使い方次第で、いろいろ有効活用できそうですよね。「パパ休暇」「パパ・ママ育休プラス」などがあるので、それらを上手に活用することができます。
育児休暇を取得するための4つの条件
育児休暇の条件について見ていきましょう。正社員だけでなく、非正規雇用(契約社員や派遣社員)も取得可能ですが、条件に該当することが必要になります。その条件とは、
①1週間に3日以上勤務していること
②同一事業主の下で1年以上働いていること
③子供が1歳になっても雇用が見込まれること
④期間雇用(契約社員や派遣社員など)の場合は、子供が1歳になってからさらに1年以上の契約期間があること
正社員の場合は、何の問題もないと思いますが、非正規雇用の場合は、やや厳しい条件と言えるかもしれません。契約期間をどのくらいに設定してもらえるかがカギになりそうですよね。
もし育児休暇を取りたいことが早い時期から分かっているのなら、就業する前にちゃんと狙って契約したほうが良さそうです。ほとんど職場によるといえるかもしれません。良い職場を見つけられるかどうかで明暗が分かれるでしょう。
育児休暇の給料
育児休暇の給料について見ていきましょう。育児休暇の期間中の給料は、企業には支払い義務がないため、雇用保険から給付金のかたちで支給されることになります。これが「育児休業給付金」と呼ばれるものです。
育児休業給付金の期間中は、健康保険や厚生年金保険はそのまま継続になり、なおかつ保険料の支払いも免除になります。
支給のための条件がいくつかありますが、それさえ該当していれば支給されるもので、お手続きは、最寄りのハローワークになります。
育児休業給付金のための条件
育児休業給付金を得るための条件についてみていきましょう。原則的に、休業する2年前にさかのぼって、賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月が12ヶ月以上あれば、受給資格の確認が得られます。
その上で、育児休業給付金を支給されるための条件が2つあって、その2つを満たす場合に、支給が行われます。
その2つの条件をざっくりご説明すると、育児休業期間中にそれ以前の賃金の8割以上が支払われないことと、就業している日数が1ヶ月ごとに10日以下であること、になります。詳細はハローワーク等で確認したほうが良いでしょう。
法律は文面が難しくて分かりにくいので、きちんと確認を取った方が良いかもしれません。
育児休業給付金の支給額
育児休業給付金の支給額について見ていきましょう。支給対象期間の1ヶ月あたりの支給額は、原則として、作業開始時賃金日額×支給日数の67%の相当額になります。また、育児休業開始から半年経過後は、50%の相当額に変更になります。
計算そのものは、かなり細かく行われるため、おおよその暫定額を調べておくと良いでしょう。また、パパ・ママ育休プラス制度を利用した場合で、いくつかの条件に該当する場合には、支給期間が延長されて、支払われることになります。
使えるものは積極的に使うべきなので、上手に活用すると良いでしょう。
育児休暇の期間
育児休暇の期間について見ていきましょう。基本的に、育児休暇は子供が1歳になる前日まで取得が可能です。育児休暇の期間について、女性の場合と男性の場合とでは若干違っています。
女性の場合は、育児休暇の前に、産後休暇と呼ばれる別の休暇制度があって、これは出産日の翌日から8週間の休暇のことを言います。このため、女性の場合は、この産後休暇が明けた翌日から、子供が1歳になる前日までが育児休暇の期間になります。
一方、男性の場合は、子供が誕生したその日から、取得が可能になります。このため、男性の場合は、子供が誕生した日から、子供が1歳になる前日までが育児休暇の期間になります。
育児休暇の延長
育児休暇の延長について見ていきましょう。これは、「パパ・ママ育休プラス制度」を活用することによって、育児休暇の延長ができるしくみです。2009年の法律改正時に制定された制度です。
具体的には、ママとパパが育児休暇をズラして取得することによって、育児休暇の期間を、子供が1歳2ヶ月になるまで延長することができます。
さらに、特定の条件に該当する場合は、育児休暇を1歳6ヶ月まで延長することができます。この場合の条件がどういうものかと言うと、保育所に入所できない状況だったり、配偶者の死亡や病気などによって育児が困難な状況だったりなど、比較的ハードルは高めです。
育児休暇からの復帰
育児休暇の復帰について見ていきましょう。これは実際にはかなり微妙な問題で、もともとは復帰を考えていたけれど、実際に育児を経験してみところ、予想以上に大変であったりして、退職も視野に入れるようになる方が少なくないようです。
どういうお仕事で、どういう職場かにもよるとは思いますが、女性特有の難しさと言えるでしょう。
ちなみに、平成24年度のデータによると、育児休業取得後に仕事に復帰しないでそのまま退職した女性の率は、なんと10%以上だったそうです。育児休業はそもそも復帰を前提として作られた制度なのですが、現実的にはなかなかそうも行かないようです。
復帰しなかったからと言って、給付金の返還は求められませんが、復帰を待っていた企業にとっては痛手になることは必須のようです。キャリアについては慎重に考えたほうが良いでしょう。
育児休暇を両親で取る2つの方法
育児休暇を両親で摂る方法について見ていきましょう。育児休暇を両親で取りたい、ママだけでなくパパも育児に協力したい、というケースは最近増えているようです。もちろんちゃんと制度も作られています。「パパ休暇」と「パパ・ママ育児プラス」の2つをご紹介しましょう。
パパ休暇制度
パパが期間中に2回も休暇を取れる制度です。これはママの産後8週間以内に、1回目の休暇を取得した場合に、2回目の休暇が取れるものです。1回目の休暇でママの出産をサポートして、2回目の休暇でママの職場復帰をサポートすることができます。
パパ・ママ育児プラス制度
パパとママの両方が育児休暇を取ることによって、その期間が延長される制度です。育児休暇は原則的には1歳までですが、それを1歳2ヶ月まで伸ばすことができます。給付金の額も有利に得ることができます。
どんな会社で働いているかにもよりますが、パパも育児に協力できるなら、活用すべしと言えるでしょう。
両親で行う育児休暇の3つのパターン
パパとママ、できれば祖父母も育児に参加することができる、という場合のサンプルパターンを見ていきましょう。3つご紹介します。
パパとママが交代で切れ目なく育休をとるパターン
ママの産休時にパパも8週間の育休を取って、ママの育児休暇が終わった後に、パパが再度育休を取る方法です。
パパとママが一緒にできるだけ長期間育休をとるパターン
ママの産休時にパパも8週間の育休をとって、ママの育児休暇期間中に合わせるように、パパが再度育休を取る方法です。パパとママの同時育休取得が実現できるケースです。
パパとママと祖父母が育児に参加できるパターン
パパとママだけでなく祖父母も育児に協力できて、パパとママが働きながら育休を活用する方法です。ママは上手に仕事を続けることが可能です。
祖父母が同居する、もしくは近距離に住んでいるのなら、お願いするのも良いかもしれません。キャリアウーマンのママに特におすすめの方法と言えるでしょう。
育児休暇についての口コミ
赤ちゃんの生後まもなくはとにかく消耗戦で、そして親の精神まで荒れる。不眠は性格を変える。育児休暇があれほど欲しかったことはない。
— 山猫だぶ (@fluor_doublet) 2017年7月23日
幹部「ちょっと君、こないだNHKスペシャル見て思いついたんだが、我が社の問題をAIでビッグデータで解析してほしいんだよ。例えば『育児休暇を廃止すれば業績が上向く』みたいな結果が出ると思うんだが」
— めたろじ (@MetaLogic_3DCG) 2017年7月23日
金曜日が来ると、やっと今週終わった!ゆっくりできる!って思うのに土曜日夫が役に立たなくて1人であれこれしてモヤるってのを毎週繰り返してて、こんなんでわたしフルタイムで働けるのか?って不安になってきた。2人目欲しいから育休産休取れるような仕事に就く気で頑張ってきたけどやめようかな。
— るー (@rukanyanko0105) 2017年7月15日
うちの会社は男性が育休を取るのことが少しずつではあるけど増えていて、今度営業の男性が一年育休とるそう。私はめちゃくちゃいいことだと思うんだけど、それを聞いた40代女性の先輩が「奥さん専業主婦なのに何するの?笑」みたいなことを言っていてとても腹立たしかった。
— 舞(ガイリー) (@mai0302) 2017年7月15日
学校の先生がきっちり育休をとるのは賛成。ただキッチリとるからって4月の3週目まで休んでから新1年生の担任として復職した先生には微妙な気持ちになったことも。できれば4月から出られなかったんかな、とか思ってしまう。
— ぷよ@福島県 (@puyopuyo1110) 2017年7月15日
男性も育児休暇を取るのには賛成なんだけど、その根源が女性だけ休めてずるい男性差別だ!である限りは無意味かなと。実際こう言ってる客が居た。妊娠して子供産むだけで一年も給料もらって休めるんだからいいよなって。恐怖だよもう
— 嬢 (@malsinesinedan) 2017年7月16日
行政の職員をしている知人男性が育児休暇を一年取得して奥さまを仕事に復帰させ、facebookに取得期間中料理や保育関係の投稿をしていました。無事職場復帰されたあとも様々な方法で家事育児を模索していて素晴らしい。でも多くの女性は誰に誉められることもなくこの役を引き受けている。 https://t.co/cGnUmiz5Ht
— くたびれはてこ (@kutabirehateko) 2017年7月15日
社会人一年目(要するに相当昔)に男女協働の研修に行かされた時に、アイディアを言う場面で「男性の育児休暇の義務化」と発言したら、“過激”と反応されたことを思い出しました。アイディアなのに。他の発言も悉く「そうは言っても」な反応ばかりで、意識改革も何も、みたいな差を感じた研修でした。
— かうり (@_radiosonde) 2017年7月23日
使い方次第で役に立つ育児休暇
・育児休暇の取得パターン
「ママとパパが交代で切れ目なく取る」「ママとパパが二人一緒にできるだけ長い育児休暇を取る」「祖父母も育児に協力してくれるケースで働きながら上手に育児休暇を取る」
・育児休暇を取るための条件
「1週間に3日以上勤務をしている」「同一事業主の下で1年以上働いている」「子供が1歳になっても雇用が見込まれる」「子供が1歳になってからさらに1年以上の契約期間がある」
・育児休暇をしている間
「育児給付金がもらえる」「子供が誕生した日から1歳になる前日まで取得できる」
・育児給付金の条件
「休業する2年前にさかのぼり、賃金支払基礎日数が11日以上ある」「完全月が12ヶ月以上ある」
・育児休暇を両親で取る方法
「パパ休暇制度」「パパ・ママ育児プラス制度」
・育児休業給付金の支給金額は、作業開始賃金日額×支給日数の67%
・育児休業開始後から半年後は、50%に変更される
いかがでしたか?育児休暇って使い方次第でいろいろお役に立ちますよね。
女性が社会復帰しやすいように作られていますが、実際には職場や仕事内容、本人の状況次第と言えるかもしれません。
ママだけでなくパパも、可能なら祖父母も総動員して育児に邁進すると良いでしょう。ぜひ自分メイドにアレンジして、上手に活用してみてくださいね。
以上、育児休暇についてのおまとめでした。