血糖値の基準値はどのくらいか知っていますか?血糖値を基準値内に保たないと、健康にも良くないのですが、ダイエットにも悪い影響が出てきます。
血糖値の基準値や血糖値が高い原因、血糖値を下げる方法をまとめました。健康診断で血糖値が高いですね」と指摘された人は、これを参考にして血糖値を基準値内にしましょう。
血糖値の基準値は?
血糖値の基準値はどのくらいでしょうか?健康診断で、医師から「血糖値が高いですね。このままだと糖尿病になりますよ。」と指摘された人は、ドキッとして、血糖値の基準値が気になりだしたのではないでしょうか。
日本糖尿病学会による血糖値の基準値は次のようになっています。
出典:jds.or.jp
血糖値の基準値は、空腹時血糖値と負荷(食後)2時間血糖値の2種類がありますが、ここでは空腹時血糖値の基準値をご紹介します。負荷2時間血糖値も加えた基準値は、上の画像を参考にしてくださいね。
<空腹時血糖値の基準値>
・正常型=100㎎/dl未満
・正常高値=100~109mg/dl
・境界型=110~125mg/dl
・糖尿病型=126mg/dl
空腹時血糖値が100mg/dlだったら、健康体です。でも、100~109mg/dlだったら、「少し節制したほうが良いかも」思って、日常生活の改善が必要です。
110~125mg/dlの境界型の人は、今のうちから本気で血糖値を下げる方法を実践しましょう。126ml/dlの糖尿病型の人は、医師と相談しながら、しっかりと治療をしなければいけません。
血糖値を下げる方法は、もう少し後でご紹介しますので、もうちょっとお待ちくださいね。
血糖値が高い原因は何?
血糖値を下げる方法を説明する前に、血糖値が高い原因は何かを説明していきます。血糖値が高い原因は、8つもあるのです。
基本的に血糖値が高い原因は、血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンの分泌が不足しているか、インスリンがきちんと働けていないことです。
インスリンが不足すれば、血糖値は下がりません。また、インスリンがきちんと分泌されていても、その作用が障害されていたら、血糖値は下がらないのです。
ただ、このインスリン関連以外でも血糖値が高くなることがありますので、血糖値が高い原因を1つ1つ確認していきましょう。
食べ過ぎ
血糖値が高い原因の1つ目は、食べ過ぎです。これは当たり前ですよね。食べ過ぎてしまうと、血液の中の糖がどんどん増えていきます。
そうすると、血糖値が上がりますので、血糖値を下げるためのインスリンが分泌されるのですが、あまりに血液中の糖が多いと、インスリンを分泌しても追い付かなくなるのです。
多量にインスリンを出し続けると、インスリンを分泌する膵臓が疲弊して、インスリンの分泌量が少なくなってしまいます。また、インスリンの感受性が低下しますので、インスリンが本来の働きをすることができず、血糖値が高いままになってしまうのです。
いつもカロリーを考えずに、食べたいものを食べているという人は、血糖値が高い状態が続いているはずです。そうすれば、糖尿病に一直線ですね。
運動不足
運動不足でも血糖値は高くなります。運動をすると、血液中の糖がエネルギーとして使われますので、インスリンが分泌されなくても、自然に血糖値が下がるのです。
でも、運動不足だと血液中の糖はそのままになりますので、インスリンが分泌されないと血糖値が下がらなくなり、その状態が続くとインスリンの分泌量が減ったり、感受性が低下してしまうのです。
ストレス
ストレスを感じることでも、血糖値が上がります。これは意外な原因かもしれませんね。ストレスを感じると、脳は「ストレスに対抗しなければ!」と思って、交感神経を優位にします。
交感神経を優位にすることで、体の戦闘態勢を整えるのです。そうすると、ストレスホルモンと言われるコルチゾールが分泌されます。
コルチゾールは血糖値を上げる作用があるホルモンです。血糖値を上げて、エネルギーを作り出すのです。
ストレスを感じる→交感神経優位→コルチゾール分泌という流れで、血糖値が上がるんです。
不規則な食習慣
不規則な食習慣も、血糖値が高い原因です。食事をする時間が一定でなかったり、1日1食でドカ食いをしたりすると、血糖値の調節機能が上手く働きにくくなってしまいます。
そうすると、適正な量のインスリンが分泌されずに、血糖値が高い状態が続いてしまったり、逆に血糖値が下がり過ぎたりするんです。
薬の副作用
薬の副作用でも血糖値が高くなることがあります。有名なのは、ピルやステロイドですね。ピルにはプロゲステロンという女性ホルモンが含まれていますが、このプロゲステロンがインスリン感受性を低下させるためです。
ただ、健康な女性が低用量ピルを使う場合なら、特に血糖値が高くなることはないでしょう。すでに糖尿病になっている人は注意が必要です。
ステロイドは副腎皮質ホルモンです。そして、副腎皮質ホルモンはコルチゾールです。コルチゾールは血糖値を上げる作用があることは、先ほど説明した通りです。
そのため、ステロイドの内服や点滴をしている人は、血糖値が高くなってしまうのです。
睡眠不足や疲労
睡眠不足や疲労も、血糖値が高い原因になります。睡眠不足や疲労は、体にとって大きなストレスになりますよね。
ストレスを感じると血糖値が高くなるメカニズムは先ほど説明した通りです。ストレス→交感神経優位→コルチゾール分泌→血糖値上昇というメカニズムです。そのため、睡眠不足や疲労でも血糖値が高くなるのです。
喫煙
タバコを吸っている人は、「タバコを吸う」という行為で血糖値が高くしている可能性があります。喫煙はニコチンの影響で、交感神経が優位になりますので、コルチゾールが分泌されて、血糖値が高くなるんです。
多量の飲酒
多量の飲酒習慣がある場合も、血糖値が高くなる原因です。特に、日本酒やビールを飲んでいる人は要注意です。日本酒やビールは、糖質が多いですから。
また、お酒を飲むときのおつまみも、カロリーが高いものが多いので、カロリーオーバーになりやすいのです。
さらに、多量の飲酒を続けていると、慢性膵炎を起こしやすくなります。膵臓に炎症が起こっていると、膵臓が正常に機能しなくなりますので、インスリンの分泌量が減ってしまって、血糖値が高くなるのです。
血糖値が高くなると、ダイエットに悪い理由
血糖値が高くなると、糖尿病になってしまいます。糖尿病になれば、糖でドロドロになった血液が血管壁を傷つけて、動脈硬化になってしまいます。
また、糖尿病が進行すれば、腎不全で人工透析を導入する必要があったり、網膜症で失明したり、神経障害から壊死して下肢切断をしなければならなくなったりします。
さらに、血糖値が高いと健康上の問題だけではなく、ダイエットにも良くないのです。血糖値が高いと、インスリンが分泌されますよね。インスリンが糖と結合すると、脂肪に変わるんです。
インスリンの働きは、糖をグリコーゲンとして肝臓や筋肉に貯蔵させたり、余った糖を中性脂肪として脂肪細胞の中に取り込ませたりします。
「中性脂肪として脂肪細胞の中へ取り込む」、もうこの時点で、ダイエットの正反対の状態になっていますよね。
血糖値が高いと、どんどん脂肪が増えていきますので、肥満になっていきます。血糖値が高いことは、ダイエットの障害なのです。
血糖値を下げる4つの方法
健康になるためにも、ダイエットをするためにも、血糖値は下げなければいけません。血糖値を下げる方法は次の4つがあります。
・食事制限
・適度な運動
・禁煙&節酒
・規則正しい生活習慣
この4つの方法を詳しく見ていきましょう。
食事制限
血糖値を下げる方法の1つ目は、食事制限です。食事制限をすると、スルスルっと血糖値は基準値内に戻ることが多いんです。
食事制限とは、具体的にカロリー制限ですね。摂取カロリーが消費カロリーを上回っていれば、血糖値は高くなる傾向にあります。
逆に、消費カロリーが摂取カロリーを上回れば、血糖値は下がります。そのため、カロリー制限をして、血糖値を下げるようにしましょう。
どのくらい血糖値が高いのかやインスリンの分泌量、感受性にもよりますが、血糖値が「やや高め」程度なら、今までの1割程度カロリーを減らすだけでも大丈夫です。
また、糖質制限を行うのも、血糖値を下げるためには効果的です。炭水化物の摂取量を抑えれば、血液中の糖分が増えにくくなりますので、血糖値が上がりにくくなるのです。
ただ、完全に糖質を断ってしまうのは、健康に良くないので、「制限」、「少なめ」にしておいてください。
食物繊維を多めに摂ることも、血糖値を下げるためにはおすすめです。食物繊維は、炭水化物の吸収をゆっくりにしてくれるので、急激に血糖値が上がるのを防いでくれるのです。
野菜類や海藻類、きのこ類などの食物繊維が豊富な食品を積極的に食べるようにしましょう。
適度な運動
適度な運動をすることも、血糖値を下げる方法の1つです。運動の中でおすすめなのは、有酸素運動です。
有酸素運動をすると、血液中の糖分が酸素と結びついて、エネルギーに変わるので、勝手に血液中の糖分が減っていき、血糖値が下がるのです。
血糖値が高いことに悩んでいる人は、ウォーキングやジョギング、サイクリング、エアロビクスなどの有酸素運動をしましょう。有酸素運動は脂肪燃焼の効果もありますので、ダイエットにも最適な運動なんです!
禁煙&節酒
血糖値を下げる方法の3つ目は、禁煙&節酒です。タバコは交感神経を優位にするので、血糖値を上げるものですから、血糖値を下げたいなら禁煙しましょう。
また、お酒も適正量を保ってください。きちんと節制すれば、糖尿病になっても、お酒を飲むことはできますが、多すぎるお酒、適正量を超えているお酒はNGです。
血糖値がどのくらい高いのかにもよりますが、ビールなら500mlまで、日本酒は1合、ワインは1杯程度が適正量とされています。
ただ、毎日飲むのはNGですので、休肝日は必ず作るようにすること。またおつまみは野菜中心で低カロリーのものにすることは守ってください。
規則正しい生活習慣
血糖値を下げるなら、規則正しい生活を送りましょう。
・睡眠時間は7~8時間は確保すること
・早寝早起きをすること
・質の高い睡眠を取ること
・1日3食、決まった時間に食べるようにすること
・夜食は食べないようにすること
このように規則正しい生活を送るようにすると、自律神経のバランスが整いますし、血糖値の調節機能も正常に働きますので、血糖値を基準値内に戻しやすくなります。
血糖値の基準値・高い原因と下げる方法についてのまとめ
・血糖値の基準値「100mg/dl未満」
・血糖値が高い原因
「食べ過ぎ」「運動不足」「ストレス」「不規則な食習慣」「薬の副作用」「睡眠不足や疲労」「喫煙」「多量の飲酒」
・血糖値を下げる方法
「食事制限」「適度な運動」「禁煙&節酒」「規則正しい生活習慣」
血糖値の基準値や血糖値が高い原因と下げる方法をまとめました。
血糖値が高いと糖尿病になってしまいますし、脂肪が蓄積されやすくなりますので、血糖値は基準値内である空腹時血糖値100mg/dl未満にするように、ご紹介した4つの方法を実践していきましょう。