健康にもダイエットにも効果的な筋トレで効率よく筋肉を増やすには筋トレの頻度や超回復の期間を考慮することが必須です。
今回は目的別の筋トレの最適頻度、部位別の超回復にかかる期間、超回復を早める方法7選などを紹介します。
この記事の目次
筋トレの最適頻度とは?目的別に4パターン紹介
最近は男女関係なく筋トレに精を出す時代となっています。
パーソナルトレーニングが身近になったのもあり、効果的なトレーニングを安価で自分のしたいタイミングで行えるようになっています。
スタイルキープのため、健康維持のため、など目的は様々で、筋トレは様々な効果を発揮してくれることでしょう。
しかし、筋トレの効率を高め、より効果的なトレーニングを行っていくには、正確な知識が必要です。目的別の適切な筋トレ頻度を解説します。
ダイエット目的
女性が筋トレを始める目的として一番多いのが、ダイエット目的です。
ダイエットを目的として筋トレをするのであれば、減量しなければなりません。筋トレで筋肉を増やしながら基礎代謝を上げ、健康的に減量することができます。
寝ていても勝手に消費してくれるカロリーが人間にはあります。これは平均的に一般女性は1日1200カロリーであると言われています。
しかし、これは20歳を過ぎた頃からどんどん低下していきます。基礎代謝を今以上下げないよう、筋肉量はキープしながら減量する必要があります。
それゆえ、ダイエット目的で筋トレをする場合には週2日程度の頻度が最適であるといえるでしょう。
トレーニング内容は大筋群を中心としたものがおすすめです。
筋肥大目的
筋肥大を目指して筋トレをするのであれば、頻度と重量の最適さが重要なポイントとなります。設定回数が変わると結果も変わるからです。
筋肥大目的で筋トレをする場合には週2~3回のペースがベストであるといえるでしょう。
それくらいの頻度、つまり筋トレを続けて行えるぎりぎりまでしっかり行うということです。しかし、休養も取らなければ筋肉は成長できませんから、週3日が限度でしょう。
大筋群を中心として、複数種目のエクササイズで筋肉を追い込んでいけば、効率よく効果を期待できるでしょう。
筋力アップ目的
筋力アップを目的として筋トレを始める方もおられることでしょう。運動不足などで長時間の活動が厳しくなってきた、という方などは特にそうです。
この場合も、筋肥大を目的としたトレーニング同様です。基本的に筋肉は、大きくなればそれだけ強い力を発揮することができるからです。
半年ほど追い込むトレーニングを行っていけば、体が慣れてフォームが安定してきます。
そこまで成長したら、頻度は週2~3回のまま1種目当たり5回程度で限界がやってくるように負荷を調整しましょう。
主に多関節運動を行うことによって、さらに筋力アップさせることができるでしょう。
健康維持目的
健康維持を目的としたトレーニングの場合、すでにある筋肉を意識して正しいフォームで筋トレを行っていくことが大切です。
関節の痛みや腰痛などの症状があり、筋トレをするよう医師から進められるかもしれません。その場合、鍛えた方がいい筋肉を意識して筋トレを行わなければなりません。
下半身全体とか上半身全体といった広い部位ではなく、集中的に鍛えることで健康維持目的を果たすことができるでしょう。
この場合の筋トレの最適な頻度は週1~2回です。筋肥大や減量目的ではないのでそんなに頻繁に行わなくてもよいでしょう。
そして持久力を鍛えることもできるように、20回ずつ行うのがおすすめです。
超回復とは
筋トレを始めるにあたって、初めに理解しておくべきことは「超回復」についてです。
では、超回復とは何でしょうか?
筋トレをすると筋肉に負担がかかります。筋組織が破壊されるからです。しかし、その後24時間~48時間ほどかけて徐々に回復していきます。
筋肉痛や疲労が発生するのは、超回復期間に体を休養させるためです。
ですから、筋トレ後24時間~48時間ほどの休息をとると、次に筋トレを行うときには以前よりも成長した筋肉へと回復しているのです。
このメカニズムを「超回復」と呼びます。
適切な休養を取って超回復を繰り返していくことで、どんどん筋肥大を促し強い筋肉を作ることができます。
超回復=筋肉痛は間違い
超回復期間に筋肉痛が起こるため、超回復=筋肉痛と考えている方もおられます。
しかし、それは間違いです。実際のところ筋肉痛と超回復に直接的な関係はありません。
しかし、筋肉痛は疲労回復期間が終わり、トレーニングを再開できる時期を知るために利用できるものでもあります。
トレーニング後24時間~48時間の間にトレーニングを再開してしまうと、オーバートレーニングとなり慢性疲労状態に追い込まれます。これを防ぐために筋肉痛は有効活用できます。
筋肉痛が続いている間にはトレーニングを再開しないようにしましょう。
超回復に失敗するとオーバートレーニング症候群になる
超回復は筋肥大させていくために欠かせません。
では、もし超回復期間もトレーニングを続行して失敗したらどうなるのでしょうか。
それはオーバートレーニング症候群となります。
疲労が溜まった状態の筋肉を刺激し続けると、さらに疲労が積み重なっていきます。生理的な疲労が積み重なり慢性疲労状態に陥ります。
筋肥大や超回復といった筋トレの目的に到達するための過程に進むどころか、運動パフォーマンスはどんどん低下していきます。
また、運動能力が低下するだけでは済まず、睡眠障害や食欲不振、集中力の欠如など日常生活にも悪い影響を及ぼすことがあります。
超回復の期間を部位別に紹介
筋トレ初心者にとって、超回復を意識しながら効率よく筋トレのメニューを立て、それに従うというのは少し複雑なことに思えるかもしれません。
しかし、超回復の期間は部位によって異なります。その期間を知っておけばメニューを立てやすくなるはずです。
各部位の筋肉が持つ特性は異なります。骨格筋だけでも体には約400個のものがあり、それはすべて異なった働きをしています。
筋肉のサイズや形状、位置や力の出し方も異なります。ですから、もちろん超回復にかかる時間も異なるのです。
腹筋
腹筋は筋肉の中でも超回復が早い部位と言われています。
腹筋は毎日の生活の中で常に働いています。呼吸をするにも、歩くにも座るにもすべて腹筋が関係しています。
あらゆる動作に関係していますので持久力が高く、ちょっとやそっとで壊れてしまうようなものではありません。
ですから腹筋トレーニングは毎日でもOKです。腹筋を集中して鍛えたいのであれば、他の筋トレとは違う1週間のメニューを立てて、頻度を多めに取り組んでいくとよいかもしれません。
胸・背中・脚・肩
胸や背中、足や肩は体の筋肉の中でも特に大きな部分です。大胸筋、広背筋、脊柱起立筋、太もも四頭筋、三角筋、僧帽筋、体幹などがこれらの筋肉に含まれます。
筋トレ種目の中でも、ベンチプレスやデッドリフトなど、高重量の負荷をかけて行うことのできるものがほとんどです。
ですから、これらの筋肉はなかなか疲労せず、一度疲労すると回復までに時間がかかる筋肉であることがわかります。
一般的に、大胸筋、三角筋、僧帽筋が48時間、広背筋、太腿四頭筋が約72時間回復までにかかると考えられます。
腕・ひざ下
腕や膝下の超回復の期間はいったいどれほど必要なのでしょうか。
上腕二頭筋や、振袖とも呼ばれる上腕三頭筋、太腿三頭筋などの筋肉が含まれています。これらの筋肉は大筋群を支える役割があります。
そのため行う筋トレは、動きを補助したものであることがほとんどです。
これらの筋肉は疲労しやすく、回復期間も比較的早いことが特徴です。上腕二頭筋や上腕三頭筋などの腕の筋肉は、トレーニング後約48時間で回復すると考えられます。
比較的大きめの補助筋肉である下腿三頭筋は、非常に回復が早く1日休めばすぐにトレーニングを再開できるでしょう。
超回復に必要な栄養素&おすすめ食材とは
超回復をできるだけ早くさせるためには、食事の役割が欠かせません。運動直後に不足しているエネルギー源を補う必要があります。
疲労回復に必要な三大栄養素といえば、炭水化物、たんぱく質、ビタミンB群です。
運動後できるだけ早く、これらの栄養素を摂取することによって、筋肉がエネルギーとして使われないように抑制し、筋肉を合成させて筋肥大へと導くことができるのです。
栄養を補給することは非常に重要ですが、筋トレ後の食事で注意しなければならないこともあります。
それは飲酒です。お酒に含まれているアルコールは肝臓で解毒、代謝しなければなりません。
アルコールを摂取することによって疲労回復を遅らせてしまうことになりますので、筋トレで効果を期待したいのであれば、できるだけお酒は飲まないようにおすすめします。
それでは、必要な栄養素が摂れる具体的な食材を見ていきましょう。
肉類
筋肉の疲労回復に効果的な食材といえば肉です。筋肉の合成に必要なたんぱく質やビタミンB1は主に肉類や卵、大豆などに含まれています。
特におすすめなのは豚肉です。
豚肉は他の肉類と比べて圧倒的にビタミンB1の含有量が多く、1日分のビタミンB1を摂取できる部位もあります。
豚肉を調理する際には、ニンニクやニラと組み合わせると良いでしょう。これらの食材にはアリシンが含まれており、ビタミンb1と結合することでより吸収されやすくなります。
糖質類
筋トレ直後には糖質も摂取しなければなりません。糖質は主に炭水化物であるパンやご飯、麺類や果物などに含まれています。
主食に白米を食べている場合は、少し工夫して玄米など未精製の米を含めることでより効率よく糖質を摂取できるでしょう。ぬかや胚芽にはビタミンB1や食物繊維が豊富に含まれています。
魚介類
魚介類もおすすめです。魚介類のほとんどがビタミンB1を含んでいますが、筋肉を効率よく疲労回復を促したいのであれば、鰻やたらこがおすすめです。
スタミナをつけたいときに鰻を食べるというのは一般的な知識となっていますが、それは鰻にたんぱく質やビタミンが豊富に含まれているからです。
超回復を早める方法7選
筋肉痛をできるだけ早く解消してトレーニングを再開するには、筋肉の疲労回復を促すような生活をしなければなりません。
一般的な知識とは裏腹に、嘘も混じったさまざまな情報が出回っています。
筋肉の疲労回復を促し、超回復を早く終わらせるためにできることが7つあります。その方法を1つずつご紹介します。
①栄養補給
1番基本的な方法は栄養をしっかり摂るということです。
筋肉はたんぱく質で構成されています。筋トレ後は筋肉が傷ついており、修復するためにはさらに多くのたんぱく質が必要です。
たんぱく質を摂取することで筋肉痛が早く治ることになる、とは100パーセント確実なことではありませんが、筋肉の疲労回復に非常に大きな影響を及ぼします。
食事が不規則であったり、忙しすぎてろくに食事を用意できないのであれば、プロテインを使用するのもいいかもしれません。
ただし注意して欲しいのが、たんぱく質を過剰摂取してしまうと肝臓に負担がかかるので、必要摂取量を超えた摂取をしないように注意しましょう。
②良質な睡眠
筋肉を修復し回復するために筋肉痛になります。特に睡眠中は成長ホルモンの分泌濃度が高いため、質の高い睡眠を十分な時間取ることによって、筋肉の疲労回復を促すことができます。
できれば夜10時に熟睡するのが理想ですが、現実はそうはいきません。遅くてもその日のうちには眠れるようにスケジュールを調整しましょう。
人は睡眠してから約90分で深い眠りにつけると言われています。
成長ホルモンの分泌量を増やすにはその時間に睡眠を邪魔されることがないようにしておくことが必要でしょう。
③筋膜リリース
筋肉痛にストレッチが効果的であるという情報もありますが、実際はストレッチではなくて筋肉をほぐすことが筋肉の疲労回復に影響を及ぼすのです。
筋肉は筋膜に覆われており、筋トレ中は筋膜が収縮しているため、筋トレ後に筋膜をほぐすようにしてあげることで、血行を促進させ疲労物質を排出させるように促してくれます。
筋膜はストレッチではなく、ローラーやボールを使いゴリゴリほぐすことによってほぐされるようです。
④交代浴
交代浴も、筋トレを効率よく行うために疲労回復を早めたい方におすすめです。
栄養補給や質の高い睡眠はあたりまえの基本的なことです。これ以上にコンディションを整えるとしたら交代浴がおすすめなのです。
これは水風呂と熱いお風呂に交互に入るという入浴方法です。この方法で入浴することによって筋肉疲労の回復を促すことができます。
水風呂に入るときには8~12分ほど浸かることによって骨まで冷やすことができます。その冷たい水で筋肉内の熱を奪い、炎症を抑えます。
筋肉内の温度を放出した状態で熱いお風呂に向かいます。そうすることで、実際に血液が身体中をものすごいスピードで流れていることを感じることができるでしょう。
この血液の勢いによって、乳酸や二酸化炭素など不要な物質を排出する効果もあります。
⑤カフェイン摂取
筋肉痛を早く回復させ、超回復を早めるためには筋トレ前の工夫も欠かせません。
筋トレ前にコーヒーなどのカフェインを摂取することによって、筋肉の炎症部の不必要な細胞を血流で流しやすくできます。
また、カフェインは筋肉痛には非常に大きな効果を発揮してくれます。カフェインのアデノシンという痛みの感覚に作用してくれるため、痛みを感じにくくなるのです。
しかし、これは超回復が早まったわけではないので誤解しないようにしましょう。
⑥アクティブレスト
疲労回復法としてよく知られているのが、アクティブレストです。筋肉痛が徐々に薄れて、少しずつ体を動かせるようになったときに行いましょう。
有酸素運動になるウォーキングやジョギングを行うことによって、血流を良くし疲労物質を排出しやすくします。
筋トレ直後は筋肉が硬くなってしまい、血流が悪化します。これは栄養を補給しにくくさせ、疲労回復、超回復を長引かせてしまうことになります。
そのため、柔軟性を高めるストレッチなどを行いながら有酸素運動を取り入れると、オーバートレーニング症候群を避けながら筋トレ効果を早く期待できるでしょう。
⑦医薬品
最終的な手段として、医薬品を使用する、というものがあります。これは超回復を促すというよりは筋肉痛の痛みを和らげるものです。
筋肉痛は数日で自然と解消されますから、時間の流れに委ねるのが1番おすすめです。しかし、時には湿布や塗り薬、痛み止めなどを使用したほうが良い場合もあります。
医薬品を使用するときは消炎鎮痛剤を使用しましょう。物によっては湿布よりも塗り薬の方が効果的です。
筋トレの最適頻度についてのまとめ
・筋トレの最適頻度
「ダイエット目的:週2回」「筋肉肥大目的:週2~3回」「筋力アップ目的:週2~3回」「健康維持目的:週1~2回」
・超回復は24時間~48時間の休息が必要
・超回復と筋肉痛に関係はない。筋肉痛がある時はトレーニングしない
・超回復を早める方法
「栄養補給」「良質な睡眠」「筋膜リリース」「交代浴」「カフェイン摂取」「アクティブレスト」「医薬品」
筋トレの最適な頻度や超回復についてご紹介しました。
筋トレを始める前に必要な知識をつけて、より効率よくより効果的な筋トレができるようおすすめします。
そうすれば目的どおりのトレーニングが行えるでしょう。