朝起きたときに、しつこい寝癖がついているとテンションが下がります。それだけでなく、忙しいときほどなかなか旨く直すことができず、苦労しますよね。
ここでは、寝癖の効果的な直し方やつかないようにする方法をご紹介していきます。
寝癖が発生する理由
そもそも寝癖はどうして発生してしまうのでしょうか。知っているようで知らない方も多いのではないかと思います。実は、髪はぬれた状態でなければ、寝癖はほとんどつかないということをご存知でしたか?
寝癖が起こる原因、それは濡らした後の髪の毛の結合にあります。髪をぬらすと、全体的にぺたんとボリュームがなくなってしまいますよね。これは、髪自体の内部の結合が、水で濡らすことで解れているからなのです。水で濡らすと髪が柔らかくなるのも、そういったことが理由です。
では、実際に髪を洗った後、きちんと乾かしたとしましょう。表面上はきちんと乾いたように見えますが、しっかりと水でやわらかくした髪の毛は、内部も同時にやわらかくなっています。
特に近年のシャンプーは、潤いを閉じ込めるといった触れ込みのものが多いことでわかるように、髪を乾かしても内部が潤うように作られています。
髪をしっかり乾かした状態で横になって寝ると、髪には普段かからない圧力がかかることになります。水でやわらかくなった髪は、その力を受けて簡単に曲がってしまうのです。
このような状態で時間が経つと、どのような人でも髪の内部の結合は次第に固くなっていきます。つまり、水で濡らす前の状態に戻っていくというわけですね。髪が曲がったまま髪の内部の水分子が結合して固くなると、そのまま固まっていってしまいます。
この固まるというのは、水素結合という分子の結合ですから、なかなかどうして頑固なものです。従って、朝起きてついた寝ぐせは、どれだけクシでとかしてもまっすぐにならない、強固なうねりやはねとなってしまいます。
寝癖の直し方5選
では、実際にどのようにしたら寝癖を直すことが出来るのでしょうか。
お風呂に入る or シャワーを浴びる
もっとも簡単な方法は、寝癖を解く為にシャワーを浴びるというものです。一度固まってしまった水素結合は、解く為にもう一度水で浸す必要があります。
もし時間があり、充分にケアできる余裕があるのであれば、一度お風呂かシャワーに入って、シャンプーは使わずお湯だけでもよいので、丁寧に髪を洗ってあげましょう。髪を洗っていくと、次第に結合が取れてまっすぐになるのがわかります。
癖をリセットした状態で、もう一度髪型を作っていくのがもっとも簡単な方法です。
流しで手早く頭だけを濡らす
ちょっとしたコツを覚えれば、何もお風呂やシャワーに直接入らずとも寝癖を抑えることができます。流しをきれいにして、そこに髪を置きます。そして、後は手早く洗うだけです。できれば水よりもお湯で洗っていきましょう。
これであれば、最悪服を着替えてしまった後でも問題なく行うことが出来ますし、手間もそれほどかかりません。大き目のバスタオルを準備しておいて、引き上げるときに襟や首からぬれないように注意しながら、最後は全体的にしっかり乾かしてくださいね。
ホットタオルを利用する
忙しくて、とても寝癖のためだけにバスルームに入る時間がない、という人は、是非ホットタオルを利用してみてください。驚くほど簡単に寝癖が取れていくのがわかると思います。
自宅でホットタオルを作るには、タオルを濡らして、ビニール袋などにいれ、レンジでチンするのがもっとも簡単な方法でしょう。これは、ホットタオルを使うことの多い病院や施設などでも採用されている方法です。
寝癖がついた部分を重点的にやさしく押さえる形でタオルを巻いていってください。
もし毛先がはねる形で寝癖がついてしまっている場合は、毛先を含めて包んであげるとより効果的です。これでうまく寝癖がおさまれば、セットしやすいやわらかさになっているはずですから、後はきれいにとかすなり結ぶなりして整えてあげれば完成です。
ヘアスプレーで整える
意外にも寝ぐせに効果があるのがヘアスプレーです。
ヘアスプレーは、ある種糊のような役割を持っており、通常髪型を崩さないように、または思い通りの形にキープするのに使われるものです。指どおりはあまりよくなくなるかもしれませんが、ハード目のスプレーを使用することで、簡単にセットすることが出来ます。
近年のヘアスプレーは非常に研究が進んでおり、さっと吹きかけるだけでもかなり強力に形をキープできます。髪の癖を直すというよりは、外から強制的に形を作ってしまう、という方式ですが、水も使いませんからかなりお手軽に行うことが出来ます。
しかもそのまま癖が戻ることもないので、元からの癖毛に悩んでいる方にもおすすめです。
寝癖直し専用のスプレーを使う
非常に便利な世の中になったもので、多くの時間がない社会人や学生のために、寝癖を直すことのできる専門のスプレーが開発されています。水とほとんど変わらないものであり、より髪に浸透しやすいよう工夫された成分で出来ているものです。
これを使えば、簡単に寝癖を直すことができるのはいうまでもありません。やはり効果は抜群であり、実際に頭を洗ったときと同等の効果が得られるでしょう。
少々値段がかさんでしまいますが、時間がなく手間をかけたくない人にはおすすめです。また、良い香りがついているものも多いので、女性などは香り付けもかねて使用するとさらに効果的でしょう。
寝癖をつくらないための5つの対策方法
では、寝癖をつくらないためにできる対策はあるのでしょうか。
お風呂から上がった後には、しっかりと乾かす
髪の中の成分は、確かに潤いを保湿すればするほど固まるのに時間がかかります。それでも、ドライヤーの熱でしっかりと乾かしていくことにより、それは短縮されるのです。
できるだけ根元から丁寧にドライヤーを当てていきましょう。不思議なもので、しっかりと根元を乾かすと、毛先から乾かすよりも断然早く乾かすことができます。毛先から乾かすと、根元の分の水分が垂れてきてしまい、時間がかかってしまうのですね。
きっちり乾かした後は、やはり何もしないのに比べて格段に寝癖がつきにくくなっています。まずは、ドライヤーをきっちりと行うようにしましょう。
髪はできるだけフリーの状態にして寝る
女性の方など、髪が長い人はそれだけで取り扱いに苦労するものです。寝ているときに邪魔にならないよう、縛って寝る人も多いのではないでしょうか。
実は、これは寝癖をつけやすくする原因でもあります。縛って寝てしまうと、その形に髪の毛が固まってしまうため、寝癖になりやすいものです。最終的に髪の内部の水素結合が強固になるのは、やはり眠っている間ですからね。
このため、少しでも癖をつけないために、髪を伸ばした状態で寝るのがもっとも良いでしょう。
効果的なアイテムとしては、首で支えるタイプの枕というのがあります。これを使うと、頭をフリーに出来ますから、髪の毛をまっすぐにしたまま寝ることができ、大変良い状態のまま朝を迎えられることでしょう。
布団をかぶらない
ついつい安眠してしまうと、布団にもぐる癖のある人は多いものです。しかし、これをしてしまうと、せっかくまっすぐに伸ばした髪がすぐに曲がってしまうほか、布団との摩擦により変な癖がかえってついてしまいます。
しっかりと癖をつけないようにするために、顔は出したまま寝るように心がけることで、格段に寝癖がなくなっていくでしょう。
帽子をかぶる
癖毛をなんとかするという意味では、帽子という選択肢もあります。
すっぽりと頭を覆うような帽子を持っている人は、是非活用してみてください。主要な頭の周りは、かなり綺麗に処理できることがわかるでしょう。これで朝を迎えることが出来れば、少なくとも頭皮に近い部分に癖がつくことはありません。
しかし、頭を締め付けすぎると頭痛の原因になるほか、異常に髪の毛がぺったりとしてしまうこともあります。また、けっこうかさばるものも多いため、つばつきの帽子などは適しません。
ニットキャップあたりが取り回しも簡単で効果的ですが、睡眠中に無意識に脱いでしまわないようにしないといけません。
寝相などとも関連がありますから、自分に合っている人は使ってみましょう。
朝にシャワーを浴びる
思い切って夜に水分に濡らさないという選択肢を取れるのなら、かなり話は簡単です。一日を終えた髪の毛は、おそらく大分に保湿が弱まってきています。このため、そのまま寝てしまえば寝癖はつきにくいことがわかります。
少し早起きして髪を整える時間があるのならば、朝のシャワーやお風呂を習慣にしてしまうというのもひとつの有効な手立てです。
寝癖の直し方についてのまとめ
・寝癖の直し方
「お風呂に入るかシャワーを浴びる」「流しで手早く頭だけを濡らす」「ホットタオルを使う」「ハード系のヘアスプレーで整える」「寝癖直し専用のスプレーを使う」
・寝癖の対策
「お風呂から上がったらしっかりと乾かす」「髪の毛は縛らずに寝る」「布団をかぶらない」「帽子をかぶる」「朝にシャワーを浴びる」
寝癖と単純にいっても、意外に奥が深いことがわかりますね。洗って乾かした後も、髪の内部はかなりやわらかく、それが固くなっていくというのを知らない人というのは結構多いように思います。
しっかりと構造を理解したうえで、それに対してシステマティックに対処していくことで、かなり寝癖を軽減できると言えそうですね。
普段から寝相の悪い人も、是非この際に理想的な睡眠フォームへの矯正も兼ねて、髪をいたわるようなナイトタイムを心がけていくと良いでしょう。是非情報を活用してみてくださいね。